ビーグルGメン・南田捜査員の、事件簿。
5月30日。日曜。
たまの上野オークラ、ピンク映画3本。
1600円。
一本目・「性戯の達人 女体壺さぐり」。
2000年、OP映画。
これが、「愛のむきだし」の、
園子温監督・脚本・出演作品。
夢乃・神崎愛・鈴木敦子、他、出演。
これ、昔ちょいと、見たような覚えが・・・。
お話は、ろくろを回す、陶芸家夫婦と弟子達の、
制作・出品、そして新ライバル出現と、コンクール対戦。
監督自身も、病気がちな、女流陶芸家に悶える夫の役で、力演。
描写は終始、軟体系の、コミカル・ドタバタ調。
つまり、女体のうねりと、ろくろの回転と、性的興奮のシンクロ。
ぬめり、ぬめりとした、人物達の軟体生物的運動性、この魅力に尽きる。
その、ぬめりのユーモラスな有り様でもって、
主役もライバルたちも、ほぼ全篇すべてを、押し通し続ける。
その有り様、潔さすら感じる。
至極変な世界ながら、なぜか、
一服のさわやかさすら、あるのだった・・・。
「CA発情フライト 腰ふりエッチ気流」。
加藤義一監督。
(これも、以前どこかで、観てるような気が?
それとも、似た作品?の声)
中小航空会社の、CA=キャビン・アテンダントの、
なぜか良縁に恵まれぬ、恋模様の日々。
機内のセットが、あまりにも安っぽくて、がっくりくるが、
CA役の結城リナ、上京妹役の日高ゆりあ&ギター男優は、
ほのぼのと好演で、よろしい。
先輩CA役の、後輩を押しのけ、
男性客にがっつき、食らいつく有り様が・・・恐いわ。
「人妻とOL あふれる愛液」
佐藤吏監督の、佳作。
画面こそ、全体に白色基調の、明るいものなれど、
これが、非常に、哀し~いドラマで・・・。
観ていて、何とも、いたたまれない気持ちになった。
特にサラリーマン諸氏には、やりきれない話だろう。
最初の、海岸の白い服の女と、寝ている男のシーンは、
いったい何だ?と思っていたら、
後半部で、その意味が、わかってきたのだった・・・。
海辺の家へ、引越してきた、若きサラリーマン夫婦。
見るからに、幸せいっぱい。
夫は、マンション販売会社の社員で、
若手で社長に大抜擢の、経理部長。
妻との幸せを守るためなら、何でもやる!とばかりに、
仕事に、家庭にと、張り切っていた。
だが、彼女には時折、予知夢を見る、という癖があった。
その幸せが、実は、
砂上の楼閣だった事を、
暗示する、予知夢・・・。
販売会社の、とあるOLが、ある日、
ワンマン若手社長の運営する、この会社の、
ひどい商法と、脱税に、気付いてしまう。
それをネタに、関わっている経理部長を脅し、
もともと惚れていた?事もあり、
浮気を強要する、OL・・・。
今の家庭の幸せを守るために、と割り切って、
やむなく、しぶしぶ、付き合わされていた彼だが。
やがて、OLの恋人?男性が現れて、さらに事態はこじれ、
このOLの、本性ヤンキー?なキャラも、次第に表面化。
(これがこわい!の声)
部長はすべてを、金と土下座で解決しようと、
彼女らを説得するが、失敗。
社長との関係も、次第にこじれ始める。
やがて、ついに、すべての嘘が、
妻にばれる日が、来てしまった・・・。
そして、悲劇が、訪れる・・・。
初めと終盤に挿入される、ビデオカメラの映像。
主役主婦の、とぎれかけた記憶の断片が、
余計に、悲しみをそそる、効果となるのだった・・・。
そして、手持ちカメラらしき、人物の表情への迫り方、
さらには、夫役の、悲惨シーン、猛烈力演・・・。
哀。
ああ、偽造の日輪仮面よ。
その世界崩壊は、あまりにも、あっけなかった・・・。
以上。
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- 2010/05/31(月) 21:39:57|
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ビーグルGメン・大種捜査員の、事件簿。
5月29日、土曜。
レイトショー枠は、渋谷ユーロスペース。
石井裕也監督「君と歩こう」。
入りは、ノーゲストにしては多く、席が埋まり、
まずまず、よろしい。
これ、なんと、
同じ石井監督の「川の底からこんにちは」と、
企画・撮影が、ほぼ同時進行していた作品、だそうだ。
なるほど、こちらで、
あちらでの制作のプレッシャーを、ほぐして、晴らしていたのか・・・と。
いや、なにしろ、おもしろいにはおもしろいんで、
やたらと、笑いまくったんだが。
とにかく、もう、下品含みな、悲喜劇、ドタバタ。
人物達の言動は、むちゃくちゃ。
万事が成り行き任せ、いきあたりばったりな、映画なもんで。
内容は要するに、
30代女性教師と、10代貧乏男子高校生の、駈け落ち事件なんだけど。
映画の途中で明かされる、二人の駈け落ちの発端は、
えらく侘しく、哀しき話で、泣けてくるものなのだが。
では家を出て、駈け落ちして・・・という、
その後の過程で、何かが、おかしくなってゆく。
東京駈け落ち計画をリードし、行動に走る女教師は、
一見しっかり者のようだが、
結構、間抜けなキャラで、笑わせる・・・。
そもそも、わざわざ荷物を用意しておいて、
まずバス停、って決めてあるのに、
いきなり、校門前からダッシュ!するのが、もうおかしい。
それじゃ、すぐ見つかるじゃないか。出発に酔ってるね。
高校生も、やせて見えるからって、学生服姿じゃね・・・。
職質されちゃうぜ。あやしいもん。
渋谷経由で、高円寺・阿佐ヶ谷方面へと逃れ、
住居をゲット、までは順調?だったが。
故郷との縁を断ち切るために、携帯も捨てた後で、
電話をする必要にかられた時(しないほうがいいんじゃ?の声)、
夜の公衆電話で、
「逆探って何秒だっけ?」「洋画だとxx秒・・・」「xx秒位にしとく?」
などとやっているのは、じつに間抜けだ。
それは、昭和の発想。
今はデジタル回線時代、秒殺のはずでは?
向こうは携帯なんだから、余計にまずいだろう。
(しかも、失笑もんの、くだらな~い作業の最中でネ・・・、の声)
後で役に立つから、弁護士になるのよ、と言って、
男子高校生に、初級英語?と法律の勉強をさせる、女性教師だが。
もしなれなかったら、一体、どうするつもりだったのだろうか?
お金なら心配しないで、大人はいっぱい持ってるから、
などど、高校生には言いながら、
呑みかけの缶ビールに、サランラップで蓋をして、
冷蔵庫にしまってるのを見れば、
同居中の高校生でなくても、
女性教師の懐具合は、察せられるだろう・・・と。
カラオケ屋のバイトを隠して、無理な見栄を張るから、そうなる。
・・・などなどのシーンの、随所で、
漫才まがいの、ばかばかしいやりとりが展開し、いやがおうにも、笑わせる。
自主映画界では、毎度おなじみ?長まわし撮影の中で、
会話とおつきあい、どつきあいの妙が、冴える。
とんだ<初体験>(ちょいと汚いな・・・の声)エピソード、
野球小僧との触れ合い(どうしたら、あの人と間違うんだ?の声)、
余所のカップルへの家出・駈け落ち道指南(!?)、など、
あちこちのシーンで、爆笑。
本来クライマックス?のはずの、確保(というのか?)シーンに、
むしろ、脱力感があったくらいだった・・・。
というわけで、おおむね、すご~く、面白い。
一部女性客は、下品で汚い部分に、ちょい引いてたんじゃないか?
と、特に前半は、心配になったが。
そこらを乗り越えちゃえば、後は・・・
相当に、愉快な旅路、だから。
ちなみに、20代男女に、大人がぼちぼち混じった、
観客一同の反応は、きわめて、良かった。
よって、クレヨンしんちゃん風に、
オッケーなら、ぜひ、観れば~?
と、言っとく。
以上。
- 2010/05/31(月) 21:32:41|
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ビーグルGメン・北町警部補の、事件簿。
5月29日、夕刻。
また、大井武蔵野館時代の記憶が、呼びさまされる、
キワモノ映画を、観てしまった・・・。
「さらば、わが友 実録大物死刑囚たち」。
1980年・東映・中島貞夫監督。
(公開時の同時上映が、真田広之の「百地三太夫」だってよ、の声)
主演は、磯部勉。
有名な、カービン銃発砲事件の、主犯役。
その手記を元に、この映画が制作された。
元・保安庁(後の防衛省)隊員でありながら、
古巣の(つまり自衛隊の)会計役職者を、銃で脅して、
大金を引き出させて、知人女性の一人と、逃走。
(なぜかここで、日活「桃尻娘」・亜湖が出てる、の声)
主犯の恋人役が、岡田奈々。
お見事な、変装だ。
「さすが元東映女優」には、笑ったね。
事件を追う刑事が、初代・風車の弥七こと、中谷一郎。
事件実行犯の一人が、なんと、役所広司。
そういえば、「特命刑事」(日テレ系)でも、
犯人側の、自衛官役だったっけな・・・。
大河ドラマの信長役で、ブレイクする前だな。
やがて、逃亡の甲斐もなく、犯人達は逮捕。
靴を脱げ!には、爆笑だ。
彼ら一味に、かつて殺されたと云われる、
金融界の曲者人物が、汐見章。
この殺人が証明されると、磯部の主犯は、死刑確定になる。
で、ひたすら、狂ったフリに命を張る、主人公。
狐と狸の化かしあい、まったく傑作だぜ。
やがて、裁判で死刑を宣告され、
死刑囚が集う某刑務所へ、収監される主人公。
そこには、帝銀事件、三鷹国鉄事故事件、一家惨殺事件など、
有名な事件の裁判で、死刑判決を受けた者たちが、収監されていた。
上告中で、裁判の結果を待つ者も、いる。
そして朝方、食事前に、
<仙台>へと送られる死刑囚は、死刑執行決定、なのだ。
次は自分の番か?と恐れつつ、待たされる者たち。
このあたり、びくっ、となるぜ。
当然ながら、刑務所看守の懲罰覚悟で、暴れる者や、
脱走を考える、あるいは、試みる者も、いる・・・。
(これが又、わかっちゃいるんだが、
泣けてくる話、なんだよな・・・の声)
屋内相互観察、っていう、映画の構造上、
中盤まで主人公が、あまり、目立って活動しないのが、
この映画の、難点なんだが。
後半、刑事訴訟法を学んで、
自ら法廷で、積極的に争うのが、
悪人ながら、たいした持続力と、根性だ・・・。
それだけ、いかに、死なずに生き延びるかって事と、
生活の自由を得るってのが、
人間にとって貴重なものか、って事さ。
ま、こういう映画を観たら、戒めとして、
ちょっと、むしゃくしゃするから、って位で、
一気に犯罪ワールドへ、
簡単に、足を突っ込むもんじゃないぜ!って事だな。
後が大変だぜ、ほんまに。
これ観ると、判るぞ。
まず、やらない、ってのが、一番だよな・・・ってな。
以上。
- 2010/05/30(日) 16:32:23|
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ビーグル警部の、事件簿。
28日、夜7時、少し前より。
地下鉄千代田線・千駄木駅より、団子坂を上り、
休館中の、森鴎外記念館の脇を抜けて、
目印の旗と、テントの建った、会場へと歩む。
目指すは、ただ一ヶ所・・・。
劇団・水族館劇場・舞台公演、「恋する虜」。
あの劇団が、今年もやってきた。
実は、十年間続いてきた、この劇団の東京公演、
もしかしたら、来年は休みになるかも、しれないのだそうな・・・。
案内・刊行物の文章にも、そのようなほのめかしが、出ているのだ。
一体何が、その理由なのだろう?
決して、客の入り減少などでは無い事は、
毎年、前売り券を得るのに苦労している小生、十分にわかっている。
周辺住民・商店街の協力体制も、きわめて良好の様子。
してみると、主催者側に一時休養と、
発想・企画のリフレッシュ・タイムが、必要になったか?
と、見るのがとりあえずは、妥当であろう。
もっとも、文面によると、
気分が変われば、あっさり戻ってくるかも?
という風な、様子も同時に伺えるので、まだ、何とも言えないようだが。
こちらとしては、亀有名画座公演以来の、ゆかりもあるので、
もう一度、観ておきたくなったのだ。
昨年は、土日の席を取り損ねたので、
今年は、あえて平日の席を、取ることにした・・・。
会場が設営された、寺の境内には、
今年はなぜか、四角い人工池が、作られてある。
その周囲に、屋外部分のセットが組まれ、
反対側には、いつもの黒っぽいテントが、建っている。
門前の受付で、チケットを見せ、整理番号札を受け取る。
今年の前売り券は、なぜか、海外紙幣風デザイン・・・。
皆とわいわい、待つ。
やがて、屋外の前振り、小芝居が始まる。
上の方から、レギュラー俳優・女優らが、
例のごとく、怪奇なル昭和レトロ衣装で、登場。
今年は、紙芝居シーンの前に、
黄粉(きなこ)餅を売ってくれた・・・。
うまい。
金融変動で反故になった札束を、池の前で放りだす、
引き揚げ軍人姿の俳優。
・・・あれ、これ、前売り券のと同じ印刷じゃん・・・!
そうか、こういう皮肉だったか・・・と苦笑す。
ゴールドの金にでも、しとけばねえ・・・というわけさ。
フフッ。やれやれ。
さあ、屋内へ順次、入場だ・・・。
そして、約3時間半、
舞台は戦前の大都市、上海の裏巣窟。
男求めて日本から、船で渡ってやってきた、
流れ者の女優やら、どつき漫才師の夫婦やら、
元刑事やら、こうもり男の間諜(スパイ)やら、
脱走兵やら、ギャングやら、泥棒やら、
生き別れの、海の姉妹やら・・・。
いとも怪しげ、いわくありげな男女が出入り、
夢幻も空も越えて、
時には水から這い出して、
あら、こんにちわ、さようなら。
時には盗みも、発砲も。
例によって、例のごとくに・・・
廻り舞台と、時間往来旅行と、女優と、水(!)の、
めくるめく断層世界が、展開したのだった・・・!
ここは地上か、竜宮城か、
一体、どこからどこまでが、
夢か、うつつか、幻か?
わかっちゃいるけど、これだけは、
生で観るしかない!迫力。
御用と御急ぎじゃ無い方は、
その目で、しかと、確かめるべし!
白山側より、帰り路。
あじさい祭りも、近づいて。
付近にゃ、マックに、ネットの喫茶。
ここらも段々、変わってる・・・。
ただいま、平成。
以上。
- 2010/05/28(金) 23:47:20|
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ビーグルGメン・大種捜査員の、事件簿。
27日、夜6時半。
<シネマ健康会>・松本卓也監督、商業系映画、
「グラキン*クイーン」。
渋谷アップリックXで公開中に、ようやく、間に合った。
オール・香川県ロケ。
全体の主役は、2人。
一人は、眼鏡の、男子高校生。
同級女子が、いようといまいと、隠そうともせず、
めったやたらに、グラビア・アイドル写真鑑賞道を爆走中、
同級男子達を盛り上げている、カメラ大好き男子高校生。
時折ふっと、純真系?女子高生の<対比目線>に、
どぎまぎ対応するあたりが、若さというか、可愛いもの。
もう一人は、お元気系女子高生。
普段は、女子高の同級生達の前で、
眼鏡っ娘姿、極力地味に、暮らしているのだが、
実は、わけあって、
グラビア・アイドルのトップを目指せ!とばかりに、
細かい雑誌知識?込みで、やたらと気合が入っている。
この二人が、ひょんなアクシデントから、ばったり出会って、
お互いの趣味道?に気付き、
戸惑いながらも、紆余曲折を経て、次第に接近し、
写真コンテストや、ローカル美人コンテストで、一致協力してゆく、
そんなドタバタ模様を描いた、青春根性もの映画、なり。
主旨からか、全体に、屈折した暗さを控えて、
画面も、明るめにしている印象。
ファンサービス?らしき妄想シーンも、
時折、ひょいと出てくる。
伝説の人物役で、あの有名女優が!というのにも、
ちょっとびっくりしたが。(注1)
定番の、ライバル女子キャラが、<チョッキーナ!>連発だったり、
これまた定番の、お調子者のプロカメラマン氏(注2)、
いかにもいそうな感じで、吹き出す。
山本紀彦(注3)の、隠居した元撮影名人!登場も、
往年のドラマ・ファンには、嬉しい限り。
悪のり・快感(!)熱演で、後半部を大いに、盛りあげる。
(何とな~く、み~んなモデルが、見えてきたな~、の声)
高校の校門前で、
いかにも雑誌向け?なモデル・ポーズをとるシーンが、笑わせる。
香川県ロケにふさわしく、
うどん粉をこねる、修業?シーンなども、時折登場。
肉体の軟体性と、うどんの軟体性とが、同調する発想などは、
観ていて、なかなか、おもしろい。
明朗快活、己の力を信じきって、
ひたすら前向きに突進する、登場人物達の様相と、
松本監督の、撮り方の確信犯的ベクトルは、
おそらく、ほぼ、まるまる合致している。
そのベクトルを、運動性表現として、
特に、明確に体現しているのが、
ロックンロールな、ヒロインの妹役。
古今東西、コンテスト・シーンというものでは、
「包丁人味平」や「ゲームセンターあらし」、
「キン肉マン」や、多くの格闘技漫画の例を、ひも解くまでもなく、
周囲・支持者たちのヤジ飛ばしや、
分析・批評台詞が、盛り上げの<肝>なのだが。
インディーズバンド・ボーカル役の、彼女は、
その<思いあまって半ば空転する、やじの旗振り役>を、
後半部、殆ど一人で、やってのけていたのが、ほほえましい。
舞台退場シーンなど、
「殿中でござる!」「お放し下されい!」「武士の情けを~!」
みたいに見えて、つい、大笑いしたくなってしまった。
(次回は、歌舞伎ロック衣装で、いかがだろうか?の声・・・)
惜しいかな、終盤で、
映画全般のこうした、エネルギーの方向性と勢いに、
ある人物(これまた、ワンポイント奇演)によって、
ブレーキがかかり、せき止められてしまった様に感じられたのは、
果たして、小生だけだろうか。
いわゆる、お家の事情?なのだろうが・・・。
あれは、あのまま一気に、前進!で行くべきだった、
と、いう気がしてならないのだ。
(その後が又、大変だろうけどなあ・・・の声も)
しかし、元気はつらつな、愉快痛快作であることは、間違いない。
新潟や大阪でも、上映とのこと、
観ておいて、損はないだろう。
なお、音楽に一部、
<シネマ健康会>定番・<チャンべビ>の歌が、
使用されている事を、そっと付け加えておこう・・・と。
以上。
[ビーグル85「サイコロGメンVSプレイガールズ」]の続きを読む
- 2010/05/27(木) 23:36:09|
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ビーグルGメン・南田捜査員の、事件簿。
26日・水曜、
夕方、神保町シアター。
山田洋次監督「九ちゃんのでっかい夢」。
坂本九の、洋画風ダンス・ショー部分は、
まあまあ、それらしいんだけれども。
観終わっての感想は?といえば・・・
報われぬ恋愛がらみの、喜劇とは、
なんともまあ、残酷なものよ・・・
と、いうものだった。
生涯、独身を通した、ヨーロッパの老貴婦人が、
莫大な遺産を残した、その相手は、
かつて惚れた日本人男性の、孫にあたる青年(坂本九)だった・・・
という設定が、すでに、切ないではないか。
しかも、その当の青年自身も又、
初期設定で、大失恋を、運命付けられてしまっているのだ!
やれやれ、むごいもんだ。
ヒロインも、人がよすぎだ。
その青年を、探しに日本へ来た弁護士と、
老婦人の、唯一の縁者男性(洋装のコメディアン!)の依頼で、
孫の命を狙いに来た、殺し屋(E・H・エリック)が、
慣れぬ日本で、とんだ同行旅に。
しかし、彼の命を狙う者は、もう一人いた。
舞台で物真似や歌手をしている、当の主役青年は、
ある理由から、世をはかなんでおり、
自分で自殺が出来ず、
人づてに殺し屋を、頼んでいたのである!
これが、何ともせこい、泥臭い感じの人物で・・・。
もうちょっと、誰かそれらしいのが、居なかったのか?と。
やがて、およそありえない誤認(これはひどい!)を経て、
大半の人物が、舞台のこけら落としに集合し、
お定まりの、大ドタバタと、終盤になだれ込む。
しかし、主役の表情が、いちいち、涙もろすぎて、
笑うべきシーンが、どうにも、ぱっとしないのだ・・・。
劇中劇で、てんぷくトリオと坂本九が、
<ロシアン・ルーレット>のコントや、
<旅がらす歌謡ショー>を、熱演するあたりは、
さすがプロ集団、ちゃんと笑わせた。
まあ、確かに、面白い事は面白いんだけど、
全体に、あまり、垢ぬけた感じがしなかったな・・・
などと、つぶやいてみるのだった。
以上。
- 2010/05/26(水) 22:33:44|
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ビーグルGメン・大種捜査員の、事件簿。
22日・土曜、
夜7時前より、
池ノ上・シネマボカン。
<アウトマンラボ>主宰企画、
<カルト女優・河野亜紀特集>を、訪問。
われら、エンタメ系(基本)自主映画観客と、
自主女優・河野亜紀女史とのおつきあいは、
既に、10年を越えているが。
なぜにいままで、この人つながりの、
特集が無かったのか、不思議な位なり・・・。
大半の作品は、この約10年間に、
少なくとも一度か二度は、楽しんで見た、傑作ばかり。
当然にというか、
<映像温泉芸社>や、<アウトマンラボ>関係が、多い。
新宿ロフトプラスワンや、野方区民ホールなどで・・・という。
当日の観客も、これまた当然に、顔見知りでいっぱい。
一部作品については、初見の客が、
約2名居たのが、むしろ意外!だった。
以下、上映作品。
「オープニング」(1分)byアウトマン:
・・・新津氏が、国会の裏で糸を引く、大臣候補役。
なかなか堂々として、様になっている。
しかし、その自宅へ新聞を、上映イベントの券付きで、
売り込みに来る販売員も、全く、いい度胸じゃねえか・・・。
「萌え!」に、笑う。
酒徳ごうわく監督「バカ映画110番 第一話/夫婦のトラブル編」
(2000年・8分):
自主映画監督たる父親が、
幼いわが子を無理やり、スーパーヒーロー役に。
そりゃ、殆ど、DV撮影、だよ・・・と。
・・・投げられた赤ちゃん(人形)、
やっぱり、バウンドしてる・・・。ひでえな~。
亜紀女史は、何ともお気の毒な、母親役。
高岡晃太郎監督「リストラサルティンバンコ」
(2000年~2010年ニューリミックス版):
・・・ボクサーのトレーナーみたいな、サーカス団長から、
芸が不評だから降りろ、と追放された、ピエロ(高岡)。
病気がちの妻(河野)の前で、芸の一部を披露。
しかし、そりゃ、あのキモい芸じゃ、ねえ・・・。苦笑。
(サルティンバンコ公演も、もうそんな前か・・・の声)
山本拓監督「リー*トンプソンズ」(2006年・12分):
・・・コミカル・ホラーSF。
元バンドメンバーズ、
過去への復讐を、メイドカフェで密談中、
ゾンビが、襲来する。
男性3人のテンジョン・ボルテージが、
とにかく、やたらめったら、高い。笑える。
河野女史、この眼鏡メイド嬢役に、
見事、はまってしまった模様。
似合ってる。
新津東二監督「フライデー」(2007年・17分):
・・・河野女史、はまり役(?)、
メイド所作の人妻役で、再度登場。
男性達も全員が、次第にメロメロになり、
甘えん坊な、お子ちゃま言葉になってゆく様子が、
何とも、可笑しい。
あまりにもあっさりな、一同和睦が、あっけにとられる・・・。
ダー機関制作「安全な遊戯」(2010年・13分):
・・・おそらく、最新出演作。
いわゆる<法的表現規制>法案が、否決された、
近未来?世界。
女性編集者のダメ出しに、お疲れ気味の、男性漫画家が、
ちょっとの間、スタジオを抜けだして、休憩中。
そこへ、いわゆる<表現規制>側らしき、
Gメン?男性(Pマン・野村武正、大怪演!!)が現れ、
タイムマシン・ヘルメットを使用しての、法的状況変更を、提案。
かくて、漫画家は、
ちょっとだけ過去へ戻って、<工作>に協力する事になるのだが。
女性編集者は、まったくものともせずに、
Gメンならぬ魔人(!?)に、対峙するのだった・・・。
強引なまでのシュールな笑い、
鋭い批評性をも含んだ、猛毒スチャラカ喜劇。
河野亜紀女史の役は、高岡氏の男性漫画家を相手に、
ハッパをかける、担当編集者。
突然、真っ赤なセーラ服姿になり、
ボーイズラブ漫画誌ファン?ぶりを発揮。爆笑。
中村犬蔵監督「琴似沈没(恋のユラユラ大作戦)」(2007年・50分):
・・・「日本沈没」を、北海道に置き替え、
登場人物?をすべて、マスコット風CGキャラにした、
爆笑パロディー・CGア二メ大作。
「2001年宇宙の旅」のモノリス?さえも、擬人化。
端から端まで、怒涛のように、笑わせる。
河野亜紀女史は、声優として参加。
水道工事屋の、可愛いユーモラスな助手役で、好演。
しかし、何度聴いても、わけがわからないのが、
星野佳世女史の吹き込んだ、
あの女神の、理屈っぽい長台詞の意味・・・!
打ち上げ会、参加す。
お久しぶりの人達も、いる。
きわめて、陽気になれる、夜だった。
以上。
[ビーグル85「Gメンvsバクマン編集女王!」]の続きを読む
- 2010/05/23(日) 02:29:37|
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ビーグルGメン・北町警部補の、事件簿。
・・・その後、オールナイトの翌朝、
19日・日曜の昼過ぎまで、
都内の公園で昼寝。
夏並みの陽気で、日焼けした。
午後は某所へ、とある知人関連の上映へ、寄ってみたが、
残念ながら、空席が埋まったというので、
やむなく、帰ることにした。
が、その帰りに気分直しで、1本だけ、観れた・・・。
神保町シアターで、喜劇映画特集より、
「極楽大一座 アチャラカ誕生」。
かなり前に、どこかで観た覚えが。
フィルムセンターか?阿佐ヶ谷か?不明。
エノケン・キンゴロー・トニー谷・三木のり平ら、
昭和の有名コメディアンが、続々登場。
舞台巡業中の一座、地元のトップから、
「ゆかりの義経、出してくれなきゃ、演らせないよ!」などと、
無理な注文を付けられて、対応しながら、
準備してきた芝居を上演する、というだけの、
東宝系喜劇人・オールスター・コメディー。
劇中劇・<最後の伝令>が、
手違いだらけで、ドタバタになる景は、必見もの。
だあ~っ、とコケるエノケン、
ひょいひょい出てくる、三木・トニー、
大いに、笑わせる。
生の舞台でも、ぜひ観たかったものだ・・・。
しかし、これ残してあって、よかった、よかった。
付記:5月22日(土)
その6日後、22日の土曜に、
シネヴェーラ渋谷にて、1本鑑賞。
石井輝男監督版・「実録三億円事件 時効成立」(注1)。
相当以前に、一度だけ、
大井武蔵野館あたりで?観たような記憶、あり。
いきなりドキュメント・シーン、
当時の警察関係者、2名が登場、
この映画の筋についての、コメントを求められる、
という、凝った始まり方。(注2)
その直後から、ドラマとして、
この人物だったんじゃないか?という、犯人像が、
鮮やかな手口とともに、丁寧に描かれてゆく。(注3)
後半は、
直感の鋭い刑事・金子信雄(ノリノリ快演!)の、
執拗なる容疑者追跡と、
犯人側の、犯行証拠隠滅との競争が、
時間的・精神的に、ぎりぎりの状態にまで、
ずいっ、ずいっ、と、引っ張られてゆく・・・。
正に、サスペンスフル。
長時間の、きつい取り調べで、
眠そうな容疑者の有り様は、かなり、ヤバい感じ。
まるで、オールナイト明けの、映画観客。
実際の捜査結果は、
誰もが、ご存じの通りだが。
果たしてこの映画では、
犯人は勝ったのか、負けたのか・・・?
これは双方、痛み分け、といったところだろうか。
世に犯罪の、種は尽きまじ。
以上。
[ビーグル85「Gメンvsニセ白バイ強奪犯」]の続きを読む
- 2010/05/21(金) 23:14:55|
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神出鬼没怪人、マーキュロ・クロームの、報告。
よっ、諸君、おひさ!
ちょいと、拝見してきたぜ。
年1回の、あのさすらいの、フェスティバルをよ!
16日、夜23時半頃より、
テアトル新宿へ、入場。
<ピンク大賞>オールナイト、参加の為である。
この日のために、決して良くはなかった体調を、
春先から、じっくり、整えてきたのだ。
しかし、とても不思議なのだが。
このテアトル新宿、かつて毎年、
<日本プロフェッショナル大賞>、
略して<日プロ大賞>という、
大手系以外の、一般映画の年間表彰式・オールナイトが、
ずっと行なわれていた、会場なのだ。
が、今年、久々に復活した<日プロ大賞>は、
なぜか、今日(!)の開催会場を、
池袋の名画座、新文芸坐のオールナイト枠に、移動した。
・・・そう、そこはかつて、つい2年前まで、
こちらの、<ピンク大賞>オールナイトが、
毎年開催されていた、会場なのである。
そして<ピンク大賞>は、去年から、
テアトル新宿が、会場になっている。
なぜ、入れ替わったのやら・・・・?
しかも、両方が、同じ夜の開催、って・・・?
これは、偶然の一致、なのだろうか・・・?
双方で、週をずらしてくれれば、
重ならなければ、両方観れるのに・・・?
などと、映画ファンとしては、
大変、贅沢な悩みを、抱えてしまったのだが。
今回は、亀有名画座以来ごひいきの、
ピンク映画特集を、最優先!することにした。
これのために、一年間、待ったのだから。
やむを得ん、日プロ大賞関連は、又の機会に・・・と。
(あっちは今頃、どうなってるんだろう?と、
ちょっと、気にかけながら、ね・・・?の声)
幸いにというか、当日券は、
それなりに出ていた模様。
既に、入口やロビーは、
常連スタッフ諸氏や、観客、
女優、男優、ミニコミ誌「PG」方面関係者などで、
和気あいあい、大いに、賑わっていた。
こういう光景は、やっぱり、好きだな。
皆、揃ったところで、
<ピンク大賞>・表彰式が、始まった。
司会進行ととプレゼンター・チームは、例年にならい、
松島氏・女優のイ幸田李梨・日高ゆりあ&池島ゆたか監督の、各氏。
早速、表彰式に。
酒こそ入らねど、いわば、華やかなる宴。
新人女優賞、かすみ果穂・真咲南朋。
女優賞、亜紗美・藍山みなみ。
男優賞、野上正義・なかみつせいじ・野村貴浩。
新人監督賞、小川隆史。
脚本賞、大河原ちさと。
監督賞、友松直之。
技術賞は、音楽の大場一魅女史、再選。
これは、珍しいケース。
特別賞は、
対外PRも積極的になってきた、上野オークラ劇場に。
今の支配人は、大分若い、スーツの人。
バリバリ現役で、しかも新規建て直し中の劇場が、
表彰されるのは、大変喜ばしい。
そのまま、毎度休憩時間をはさんで、
オールナイトで、4本、観た。
内1本のみ、再見。
1本目、
加藤義一監督・城定秀夫脚本、創優和・撮影、
「壺姫ソープ ぬる肌で裏責め」。
持田茜(別名・しじみ:既述)・藍山みなみ・合沢萌・
THUNDER杉山・岡田智宏・なかみつせいじ、出演。
この作品は、再見。東中野以来。
大学生の、彼女の家から、
家賃不払い等で、追い出されてしまった、エロ漫画家青年。
同じ時期に、風俗店の客として、
再会した女性は、元高校同期生女子だった・・・。
彼女の家へ、転がりこむが、
やがて、中高年の、ある男も、やってきて・・・。
とにかく、ヒロインの可愛らしさが、いい。
なかみついせいじの、おやっさん・・・エロ漫画雑誌編集部の。
いかにもな、くせがあって、傍から見ると、面白いのだった・・・。
先輩学生も、なんだか、のんきな感じだなあ、と。
見事、ベストテン1位。
作品賞・女優賞(藍山みなみ)・男優賞(なかみつせいじ)を受賞。
2本目、ベストテン2位、
友松直之監督・大河原ちさと脚本、小山田勝治・撮影、
「老人とラブドール 私が初潮になった時・・・」。
夜道で、謎の<ロボット野犬>に襲われ、
性的攻撃(!)まで受ける、気の毒な女性の姿・・・。
唐突に、野上扮する老人、和風の家屋に一人住まいの景。
・・・え、何がどうしたんだ?と、
一瞬、戸惑わされる。
床の間にはなぜか、動かぬメイド人形が、一体。
旧式の試作品で、合うバッテリーが、切れている様子。
そのメイド人形は、老人の実家で、
幼少時から仕えていた、試作品メイドだった。
老人が、メイド人形の手入れをしながら、
子供時代や若き日、両親の死後、一時的結婚・離婚と、
メイドとの長きにわたる生活を、
しみじみと、懐かしそうに、回想する・・・。
一方、某有名電気街では、
ニュータイプの、女性アンドロイド・ロボット達が、
通好みの人々向けに、次々と開発・発売されていた。
そこへ捜査にやってきた、女性刑事は、
業界のレクター博士?みたいな、何者かと接触、
凶悪なロボット野犬の、発生理由を、調べにかかっていた・・・。
という、押井守監督「イノセント」の外伝みたいな、
近未来SF・ホラードラマ、&若干?バラエティー。
そこに、人造セックスの吸引力を加えて、なかなか刺激的世界。
とにかく、犬やロボ、レクター?等の造形が、
ユニークで、面白い。
狭い世界に、なにもかもが、
ぎゅうっと、凝縮されている感じ。
でも、映画全体を、真に引っ張っているのは、
過去シーン以外では、ず~っと、殆ど動かない、
主演のメイド人形嬢、そのものだろう・・・。
監督賞・脚本賞・男優賞(野上正義)受賞。
3本目、ベストテン4位、
佐藤吏監督・金村英明脚本、大場一魅・音楽、
「三匹の奴隷」。
(ストレートな、タイトルだ・・・の声)
亜紗美・友田真希・真咲南朋・
那波隆史・なかみつせいじ・黒木みらい・柳東史、出演。
オムニバス3部作形式、共通する一部人物が登場。
1本目では、ヒロインたる人妻を、
夫の公認!で再生?するべく、いたぶりまわす、
クールでシビアな、変態(!)緊縛男が、
2本目以降で、
まるで別なタイプ(!)の女性を、相手にしているのが、
すごい、ギャップで・・・。
目が、点になる・・・のだった。
女優賞・男優賞・新人女優賞(真咲)・技術賞(大場)を受賞。
ラスト4本目、ベストテン5位、
池島ゆたか監督・後藤大輔脚本・長谷川卓也撮影・大場一魅音楽、
「エッチな襦袢 濡れ狂う太もも」。
日高ゆりあ・真咲南朋・上原優・
野村貴浩・なかみつせいじ・柳東史、出演。
普段は、ぱっとしない日常生活をしている、
見知らぬどうしの、男と女。
ある日、ばったり出会ったがために、
互いに、高貴な令嬢と、大会社の二代目息子などと偽って、
延々、ふりをし続けるのだが、
だんだん、大ボラになってきて、収拾がつかなくなり・・・。
いるよなあ、嘘を更なる嘘で、固めちゃう人って。
言いだすと、引っ込みつかなくて、
ついつい、見栄張って ・・・ね?
O・ヘンリーあたりの短編で、
夏のリゾートホテルに泊る、謎の男女が・・・というのがあったなあ。
下痢男ってのは、ちょい下品だが、
おとぎ話兼落語のような、ちょっといかしたコメディー。
男優賞(野村貴浩)・新人女優賞・技術賞(大場)、受賞。
かくて夜は、明けた。
外へ出ると、新宿の街は、
もうかなり、明るい。
さて、軽い朝食の後は、
どこかで、朝寝と昼寝を、いっぺんにするか・・・。
以上。
- 2010/05/19(水) 00:09:21|
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北町警部補の、事件簿。
土曜夕刻、高田馬場・BABACHOP。
時間の関係で、見逃しが出たのが、無念。
「駅名駄洒落初級編」(言わずと知れた?有瀬訓晴監督)と、
「三匹の刑事 完結編」(毎度おなじみ・中村幸一監督)の2本、
および、「美しい花」の前半を見逃すも、
後半3本、拝見す。
(ああ、みんな、ちゃんと観たかったよ~!の声)
鈴木靖人監督「美しい花」は、
前半を見ないと、人物の関係がよくわからないのだが。
後半を見る限りでは、スタンダードなドラマ、の印象。
若く心優しき男女達の、会話劇。
ほのかな、落ち着いた、生活信条談の模様。
台詞が良い、と客席では、かなり好評だった。
その次の、阿部誠監督「シーサイド・リゾート」(15分)は、
香港映画っぽいOPで、毎度おなじみ、カンフー?と思いきや、
鶴田法男監督あたりが、やりそうな、
<映り込み>ホラー報告篇、だった・・・!
証言者?達が、匿名希望?なのに、
皆、名前が文字で出ているのに、苦笑。
しかも、シーサイドホテル?なのに、
車で向かってるのは、山の上の宿。
それ、変だろー!
(そういや、80年代に、
「目白台シーサイドホテル」って自主映画、あったな・・・の声)
で、これって、最後までフェイク、なの?
そ、それとも・・・まさかね・・・。ははははは。
5分の休憩後、ラスト1本。
なんと8ミリフィルムを、映写機上映という、貴重なもの。
皆、しきりに感心。
「HI SPORTS SPECIAL」。
<電丼>TAT監督、
青春期真っ只中の、監督&出演作品。
古いフィルムなので、
画面こそ、薄茶色にくすんでいるものの、
それはそれで又、タイムカプセルをのぞくような、味があるもので。
80年代中盤頃の、男女大学生達の、
平和なキャンパス・ライフと、
ラブコメ漫画的恋愛模様を、
軽快なるドタバタ風に、ふんわりと展開したもの。
若かりし日の、準長髪?でスレンダー、
Gパン姿のTAT氏を、観れるだけでも、貴重。
主役の、ぽっちゃり可愛い、陽気な女の子との、
凸凹コンビぶりが、なかなかに、ナイス。
唐突に、動きが、<劇的>スローモーションになるシーンでは、
いかにもな感じで、皆、笑ってしまった。
(当人たちは、大真面目なんだろうなあ・・・の声も)
その分、理科系?の眼鏡学生が、ちょいと気の毒で・・・。
いつの時代もあるんだよね、報われない恋心ってやつは・・・ね。
まあ、縁があろうが、なかろうが、
みんな、いろいろあらぁな。
それが、青春だ!
(フッ、照れるぜ・・・!の、小声)
以上。
土曜深夜、テアトル新宿・オ-ルナイト篇に、つづく。
- 2010/05/17(月) 18:52:03|
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ビーグル警部の、事件簿。
5月15日、土曜。
晴れ。
これは、夏日になりそうだ。
ついこの間までの、白い息や霜(!)が、嘘のよう。
午前中、仕事。
昼食後、自由。
さて、これから2日間、
体調を十分に取り戻した上で、準備していた、
一大強化スケジュールが、待っている・・・。
まず、池袋・新文芸坐へ向かう。
これで、3日目。
鈴木則文監督特集、初日。
うまい具合に、通常料金1300円で、
監督&元助監督&批評家トークへ、入れた。
これは、ありがたい。
すなわち、当日のゲストは・・・
鈴木則文・澤井信一郎(現・監督)・山根貞男、
という、最良のトリオ。
「マキノ監督特集のときも、トーク、この3人だったね~」
「実際にトラックに乗ったり、
警察の人にいろいろ訊いたり、取材して、作ったよね~」
「下品なギャグは皆、澤井さんが作ってたね~」
「それで自分ではやらずに、鈴木監督に、やらせるんだよね~」
「監督自身は、文芸派なんだよね~」
などなど、笑いに満ちた、トークとなった。
(とても、「野菊の墓」で、
監督デビューした人とは、思えないなあ・・・の声)
(だって、石井輝男監督の助監督も、
やってるんですよ・・・!の声)
(<シネマ愚連隊>の皆さんには、先刻承知、かな・・・の声)
この日の2本立ては、
これまた昭和原人には懐かしの、再見作。
「華麗なる追跡」&「トラック野郎 御意見無用」。
いやあ~、こりゃまた豪華、結構な組み合わせで。
客層は、年配層と中年・若年層男性、一部が女性。
結構、反応がよろしい。
「華麗なる追跡」は、志穂美悦子主演。
女性アクション版「多羅尾伴内」。
自ら挑戦する、派手なスタントも、すごいが、
掃除のばあちゃん変装は、
ものすごく、怪しい・・・。
渡辺文雄が珍しく?いい奴。
エロと熊?も出て、そこでは場内、爆笑。
ど派手な爆破シーンも、あるでよ!
マジなもんと、お馬鹿なナンセンスが、
ごちゃまぜなのが、面白い。
かつての大井武蔵野館には、
この手の笑いが、あふれていたものよ。
「トラック野郎 御意見無用」は、
一般上映用フィルムの状態が、よくないため、
フィルムセンター所蔵のものが、上映されていた。
先程の、取材解説トークを、思い出しながら、あらためて観た。
桃次郎や、ジョナサンの台詞・行動の随所に、
その成果が、細かく現れているのが、
今回、よくわかった。
なるほど、それでキンキンが、
元・鬼警官の、トラッカーなのね・・・と。
2本上映の後、新文芸坐を出て、
ただちに、BABACHOPへと、向かうのだった・・・。
次回へ、つづく。
[(新)ビーグル85「新Gメンよ、動け、走れ!」]の続きを読む
- 2010/05/16(日) 22:54:05|
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秀の、日記。
5月13日から15日まで、
木曜・金曜・土曜と連続で、新文芸坐。
木曜と金曜は、<池波正太郎&必殺>映画特集。
「仕掛人梅安」東映版。
降旗監督版。
あるのだ、こういうのが。
概ね、原作世界に忠実。
新宿昭和館以来、2回目。
出演は、萬屋錦之介&中村嘉津雄の、兄弟。
殺しの名コンビには、ぴったりの、息の合った共演。
錦ちゃん梅安の彼女?が、日活ロマン派・宮下順子。
悲劇のヒロインは、「紅ノ介参る」の小川真由美。
標的の一人が、ねじまきネクタイ・中尾彬。
若くて一本気な浪人・小杉さんは、
「サンバルカン」・二代目バルイーグル、五代高之。
なかなか、いい配役だ。
これ、BGMが、なんとすべて、
TVドラマ「影の軍団」シリーズと、一緒。
おそらくどちらかが、流用であろう。
しかし、ちゃんと場面展開に、合致した使い方をしてるのは、さすがだ。
ただ、終わりの、大胆不敵な殺陣シーンは、
やっぱり、夜のシーンにしたほうが、よくないか?と。
あれじゃ、すぐに面が割れて、捕まっちゃいそうだ・・・。
「闇の狩人」。
これも、二度目かな。
松竹と俳優座の制作、五社英雄監督。
仲代達矢の、ゴッドファーザーな江戸元締と、
原田芳雄の、記憶喪失の殺し屋浪人が、実質的主役。
冒頭の仕掛けから、大いに、
五社得意のハッタリを、かましまくってる。
土曜サスペンス常連・松尾嘉代が、特に猛烈演技。
あれで迫られたら・・・恐いわ。
<合い言葉はマリーム>CM・岸恵子も、
男達を悩ます、お色気演技。
舞台を観ているかのような、すごさはある。
梅宮辰夫と藤田まことも、
とても目立つ、殺され方で・・・。
この二人が後に、
「はぐれ刑事純情派」の署長と刑事に、なろうとは。
殺し屋組織同士の、生き残り抗争、
という枠が、枷(かせ)となっていて、
あんまり、外の世界への広がりを感じられないのが、難点か。
頼み人や、一般江戸市民についてのエピソードが、省かれていたからだろう。
それと、各人の思い入れ芝居が入る間は、
人物達のアクションが、やや停滞気味なのが、気になった。
千葉真一の、藩をつぶして成り上がった侍が、元締に、
蝦夷(えぞ:北海道)開拓をやらないか、と誘うあたりに、
わずかにロマン主義を感じ取れるが。
ラストのマカロニ・ウエスタン調対決は、ちょっといいな~。
金曜、時間の都合で、
「必殺!4 恨みはらします」1本。
深作欣二監督。
これで少なくとも、劇場で観るのは、4回目。
封切り当時、3回も、現金払いで観たのは、
これと、「必殺!3 裏か表か」だけだろう。
とにかく、敵も味方も、派手、派手。
標的の旗本愚連隊は、ド派手!
倍賞美津子のおふくと、中村主水の、
大人な対話も、いいムードだし、
千葉真一・相楽ハル子の、親子仕事人も、
どきっ、とさせてくれたり、大いに魅せるが。
圧倒的なのは、成り上がりの新奉行役・真田広之。
「かかってこいちゅ~の!」で、
なぎなたを振る、超スピード。
それでいて動き・ポーズが綺麗。
あれは、誰も真似出来んわ~!と。
土曜分に、つづく。
[<おまたせ!必殺関連スペシャル!>]の続きを読む
- 2010/05/16(日) 22:53:18|
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壱の、日記。
5月8日・9日。
例によって土曜の午前のみ、仕事。
この土日は、実質、GWの終盤。
天気が良かったので、
日中は、眠い・・・。
銀座・新宿・阿佐ヶ谷等を、散策す。
渋谷・ユーロスペースには、
土・日の二回、行った。
理由は・・・
吉田浩太監督「ユリコのアロマ」(レイトショー)
石井裕也監督「川の底からこんにちは」(昼間公開中)
の2本を、観るため。
しかし、既に「川の底から・・・」は、連日、大混雑しており、
直前時間だともう、ロビーはごった返していて、
席取りが、難しそうな状況、とみたので、
土曜は、レイトショー初日の、
「ユリコのアロマ」のみを観た。
主人公は、アロマセラピー店員の女性と、
店長(美保純)の親戚の、男子高校生。
匂いに敏感な女性店員、なぜか、
剣道部員である高校生青年の、汗の匂いに、はまってしまう。
その一方、彼女は、お客の女性に頼まれて、
アロマのやり方を、指導し始めた。
一方、高校生クンは、
学園のアイドルたる、女子高生に関心がある。
が、剣道部の仲間が、彼女にアタック、デートを始めて、
少々、くさっていた。
このあたりの演技は、かなりリアルで、生っぽい。
女性店員は、この高校生を、
匂い嗅ぎが目的で、密かにマーク、後をつけ始める。
やがて高校生は、<性的>目的で、
自分からも彼女に、接近・・・。
こうして、あやしくも奇妙な、
にわかカップル?の<密会>が、始まる。
だが、例の女子高生の心変わりから、
2人の剣道部員と、セラピー女性との関係性が、
おかしな方向に、こじれてゆく・・・。
一方、そんな事などつゆ知らぬ、常連客女性は、
次第に、色っぽいレズっ気?を、垣間見せてゆく・・・。
前半、男女間のギャップで、ドタバタ。
爆笑シーン、連発。
主役女優を、一見無機質・無感動っぽい印象の、
人物にしたのが、成功している。
しかしながら、後半は気まじめ、
周囲からの嫌悪・迫害の中、
2人の、切羽詰まったような、<交流>の在り様が描かれるため、
アロマの癒し効果も、どこへやらで、
観ていて気分が、落ち込んでしまうのだった・・・。
演出の効果は確かなだけに、
勿体ない気も、する。
上映終了後、プレス向け撮影を兼ねた、舞台挨拶あり。
陽気そうな女性が、司会に。
が、しかし・・・。
主演女優が、居ないっ!
吉田監督と、青年と、アロマ女性客と、女子高生役が、
登壇して、挨拶と、トークをしていた。
当日は、渋谷の劇場で公演中、
そちらでの進行が、押し気味なので、
こちらの挨拶に、出られなくなった、という。
やむなく、メッセージが読み上げられた。
こういう事は、生のイベントだと、たまにあるものだが、
それならば、会場前で先に、言ってほしいもの、なり。
どんな人か、見たかったのに・・・と。
惜しい。
なお、チラシにも出ていたのだが、
監督は、冬場の若年性脳梗塞から、
復帰しての、公開・挨拶とか。
観たところ、質疑応答は、普通にこなしていたので、
ひとまず、安堵す。
さて、「川の底からこんにちは」は、
日曜午後に、あらためて出直し。
約一時間前に行って、手続きをして、待った。
予告編の段階で、
これは面白そう、いける!という感触が、あったのだ。
(だって、あの合唱だよ・・・!の声)
なお、このロビーの自販機には、奇妙にも、
ウリみたいな、緑色のスイカ?が、乗っていた。
どうやら、「川の底」劇中で、映っているものらしい・・・。
で、本編。
帰郷・青春・奮闘系映画に、よくある筋立てながら、
その展開は、全体にのほほんとした雰囲気に、描かれている。
各シーンが、随所で、
いちいち分解され、珍妙なシーンとして、再建・再生されている。
いってみればこれは、画面と音声で見せる、落語なのだ。
主人公たるヒロイン(満島ひかり)が、
当初、周囲のOL達が何を訊いても、
「でも、しかたないですから・・・」を、
ぼそっと無感動気味に、連発する。
(「新しいお母さん」も、
途中から、連発するねえ・・・の声)
そのヒロインが、帰郷・再就職後、
地元住民たちとの、いざこざを通じて、
「しかたないけど、がんばるぞ~!」に、
変化してゆくまでの過程が、本筋。
時々、ぼそぼそっと、話し相手への反発を示し、
時にはおどおどと、たじろいでいる、
ヒロインの、状況反応の様子が、
その都度、おもしろい。
一気に心情をぶちまけて、目の色を変えるシーンは、
感動的、なり。
にわか旦那、連れ子少女、
しじみ工場の、噂好きな、
いそうな感じだな~、の主婦労働者達、
病に倒れた父親、役場の叔父らとの、
人間関係修復・回復が、ドラマの横糸になっている。
そこへ、いささかの下品さを伴った、
ユーモアが、まぶされてゆく。
「ユリコのアロマ」に出ていた高校生達の、
生々しかった演技と比べて、
「川の底からこんにちは」の、登場人物達の台詞回しは、
きわめて、舞台演劇のそれに近い。
いわゆる喜劇・コントとしての、
可笑しさを心がけた、演出なのだろう。
とにかく、端から端まで、おもしろい。
ヒロインが、相手へのリアクションに困る、
妙な状況下での<間>が、笑いを、倍加させている。
ワンシーン・ワンカットの、連なりが多い撮影・編集は、
最早PFF出身組の、一つのお家芸?と化しているが、
下手を撃てば、間延びしてダレてきそうな所を、
いちいち、ユーモアをまじえて、面白くしているのが、いい。
漁師と大柄女子とのやりとりなど、
横道にそれてないか?と暫時、はらはらしたが、
ちゃんとオチをつけているのは、正解。
父親とのやりとり、
にわか旦那の逃亡?シーンなどでは、
その長まわし工法が、<男の泣ける>シーンとして、
良き作用を、醸し出してしている。
そうした、表現と展開の果てに、
終盤では、悲喜劇双方のブレンドが、
のんきな風景の中のおいて、大いに、盛り上げてくれる・・・。
あれは最早、シーン自体の儀式的意味すら越えて、
感銘を、もたらす。
結論、明快。
観るべし。
イイ気分に、なれるから。
以上。
- 2010/05/09(日) 23:16:45|
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主水日記。
またも、訃報。
俳優・佐藤慶、5月2日に、死去。
ああ、じい様、逝っちまったか・・・。
去年の秋から冬、
ラピュタ阿佐ヶ谷で、特集組んでたよなあ・・・。
ニュースに名脇役、なんて書かれてたが、
黒木和雄監督の「日本の悪霊」では、主役。
小林正樹監督や、大島渚監督の映画で、
とにかく頻繁に、出演してたよなあ。
いわゆる、同志、ってえ奴だよな。
旧文芸坐で観てた「儀式」は、
正直、わけわからん映画だったけど、
佐藤慶の、「次はわしが歌う!」には、爆笑したな~。
「白日夢」の歯科医役は、
神出鬼没、ルパンみたいで変だった。
<必殺>で、不気味な敵役、やってたような?
ナレーションの仕事も、すごく多かったな。
低音の魅力、でな。
「XXXのパレード」の吹き替え、とかな・・・。
遺作が、「カイジ」(本編未見)のワル老人。
それ、似合いすぎだぜ・・・。
女優・北林谷栄、4月27日、死去。
あ~、とうとう、
あのばあ様も、あっちへ、行っちまったか・・・。
早めにばあ様役へ、舵を切ったのは、
正解だったよな。あの人は。
しかし、まあ、20代の頃から、とはねえ。
TVドラマへ出始めるときから、老け役へシフトした、
森繁久弥のじっちゃんの、女性版だよな~。
「ビルマの竪琴」日活版・東宝版で、
両方、同じおばあちゃん役、だったよなあ・・・。
岡本喜八監督の「大誘拐」で、山林王、堂々の主役。
日テレ版は、水の江滝子だっけ?
現役期間の長かった、二人に、
合掌。
以上。
- 2010/05/06(木) 20:09:27|
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鉄の、日記。
2日・日曜と、5日・水曜は、
自宅の片付けの続きに、集中。
まだまだ、断続的に、行なう予定なり。
ピンク映画館の上野オークラ、8月に建て替えへ。
既に隣敷地で、白い映画館を、建設中。
3日・月曜に、舞台挨拶に行ってみて、初めて知った。
そうか、あのピンク映画の歌舞伎座も、建て直すのか・・・。
あの昔風の、亀有名画座や新宿昭和館に、やや近い雰囲気に、
ずっと、なじんできていたものだから。
ただ、大分、老朽化しているのは、否めないからなあ。
さて、GWのお楽しみ、<OP映画祭>。
3日・4日の午後だけ、
目いっぱい行く時間が、空いたので、
舞台挨拶2回と、ピンク映画6本を、拝見。
できれば、9本全部を、ゆっくり観たかったのだが・・・。
3日は、渡辺元嗣監督と、
夏川亜咲・藍山みなみ・夏井亜美・西藤尚・山口真里の各女優が、来場。
行ける舞台挨拶は、この日のみ、と思っていたら、
3日の支配人発表で、
急遽、4日にも、
荒木太郎監督&里見瑶子女史の挨拶が、追加されていた。
おかげで、4日も、ちょっとした、
後夜祭的?賑わいとなっていた。
観客としては、大変、ありがたかった。
さて、今回観れた作品は。
渡辺元嗣監督「令嬢とメイド 吸い尽くす」(2007年2月公開)
・・・は、以前どこかで、観たような。
森の中で道に迷った、オカルトマニアの男性と、その婚約者。
とある別荘に、泊めてもらう。
だが、住人の令嬢と、
メイドの様子が、何かおかしい・・・。
男性には、あらぬ妄想?を抱かせつつ、
当人達は、レズっている。
そのまま数日泊っていた、2人の顔色も、気性も、
だんだん、悪くなってゆく・・・。
そして、地元の鬼姫伝説とからまった、驚きの真相が。
色っぽさと、不気味な恐さとが、
同時に、じわじわっと迫ってくる、伝奇ホラ-。
同・監督「夫婦夜話 さかり妻たちの欲求」(2009年4月)
・・・は、歳の差・新婚カップルの話から、入る。
主人が出張中、帰りを待っている、という、
根っから明るい、新妻。
お隣の奥さんや、妹の、
旦那についての愚痴話を聞いて、
それとなく、解決策をアドバイスしてゆく。
かくて、お隣の夫婦は愛情復活となり、
一方、妹は、妻よりも仕事と結婚したような夫と、別れたのだった。
だが、万事めでたし?とは、参らない。
実は新妻自身にも、
周囲に語っていなかった、あるつらい事実が、あったのだった・・・。
そ、その展開は、ありなんだろうか・・・?
それでもいじらしい、というか、
ちょっと泣けてくるぜ、これは。
同・監督「牝猫フェロモン 淫猥な唇」(2010年5月)
・・・は、ピンク女優・早川瀬里奈の、引退作。
主役・早川は、
高校時代に惚れた、ある青年を追っかけて、
ちゃっかり、お隣に住んでいる、
お掃除バイトの、地味系女性。
可愛いストーカー、という役。
その下宿青年が、同窓会で再会した女性は、
今や、売れっ子の、キャバクラ嬢に。
彼の心を知りながら、
早川嬢、よせばいいのに?
密かにシラノよろしく、2人の仲立ちを、してしまう。
さらに、純真な青年を、高額なおねだりで振り回す、
このキャバクラ嬢の本性に、呆れ果てたヒロインは、
どう見ても、可愛い女性!な<男装>姿で、
もう一丁、お節介を焼く。
で、その結果は・・・。
はい、大体、ご想像の通りで・・・。
でも、これがきっかけで、
青年と、ヒロインの距離が、一気に縮まって・・・。
ああ、やっと、夢がかなうんだね・・・。
とにかく、早川嬢の、
スタイルと可愛らしさに、尽きる。
いじましく、隣のドアに、すりすり!したり、
うれしい時、恍惚の表情に、なったり。
これで引退とは、
まことに、惜しい限り・・・なり。
滝田洋二郎監督「痴漢電車 極秘本番」(1984年8月)
・・・は、やや昔、亀有でもやっていた。
当時は、滝田監督&高木功脚本、といえば、
ピンク・コメディーの代名詞。
主役は、蛍雪次朗。
この作品ではなんと、主役の2人が、
忍者・佐助と、くの一。
大阪夏の陣、直前の世から、
豊臣家の埋蔵金のありかを示した、密書をめぐって争い、
突如、昭和後期の世界に、タイムスリップしてくる。
かたや、電車の網棚経由で、女子大生宅に居候、
かたや、トXコ(後のソープ)で売れっ子になり、
霧隠(池島ゆたか)の芸能事務所にスカウト、
といった、のんきなオール・ライト・ドタバタ。
荒木氏は、家康の御付き?坊主役で登場。
密書の仕掛けが、ちょっと凝っていて、おもしろい。
その割に、とってもいい加減な、
終わり方には、苦笑・・・。
荒木太郎監督「させちゃう秘書 生好き肉体残業」(2010年5月)
・・・は、
不況をいまだ脱しきれぬ、今の日本の、
OL・サラリーマン諸氏にとっては、
じつにシビアな、観ていてつら~い、内容。
親父の借金、だらしない生活の兄貴らに苦しむ、
妹思いのヒロインOLが、主人公。
勤め先の建設会社で、社長の秘書なのだが、
お金のために、やむなく、
社長の浮気の、お相手になる事を、引き受ける。
「初めてなんだから、多く払って!」と、
自ら、金額交渉。
現実の前に、開き直ると、実にしっかり者だ。
案外、料理の上手いのは、取り柄の社長。
一時は、なごやかな?空気にもなるのだが。
しかしながら、入り婿の社長は、
実質的経営権を、女房に握られていて、
夫婦仲はとうに、こじれきっていた。
その上、社長は、秘書との浮気にハマりすぎ、
稼業を、おろそかにしてしまう。
会社の経営状態は、既に、危くなっていた・・・。
そして、ついに会社は、倒産。
(あたりめ~だよ!そりゃ・・・の声)
社長の友人のやり手男性が、
会社を乗っ取って、多くの旧社社員を、
ボンクラ扱いして、追いだしてしまった。
あおりを食ったのが、
秘書の元カレの、男性社員・・・。
哀。
そして、人のよすぎた旧社長は、
ヒロインにも女房にも、見捨てられた・・・。
ああ、カネの切れ目が、縁の切れ目・・・哀。
新経営者は、金満な条件を餌に、ヒロインをスカウト、
オフィスで彼女を、誘うのだが・・・。
たちまち、派手な逆襲を食らう。
同族経営者の失敗、企業乗っ取り買収、リストラと、
ヒロインや、買収屋の捨て台詞が、
あまりにもドライで、シビアなため、
かなり気分が、悪くなってしまった・・・。
あのなあ~!
誰しもが、あんた達のレベルまで、ドライにやれて、
生き延びられるわけじゃ、ないんだよ!
お前ら、いい加減にしろよな~!
と、彼らを、叱ってやりたくなってしまった。
結局、一番たくましくなったのは、
<悟る>のが早かった、あのヒロインだよなあ・・・。
と、ぼやくのだった。
荒木太郎監督「ねっちり娘たち まん性白濁まみれ」(2009年10月)
・・・は、一転、ドラマの雰囲気が、がらりと変わる。
長年経営していた、工場がつぶれて、
引退した老夫婦が、
妻は息子の家、夫(野上正義)は娘の家と、
別々に、一時、世話になる。
やがて、それぞれに、身の振り方を決めて・・・という、
家族ドラマ仕立ての、ちょっといいお話。
全体に、小津安二郎風、
「東京物語」路線、といっていいだろう。
息子の一家では、孫娘が・・・
あれ、ついさっきの、秘書の女優?
まるで別人のように、無邪気で、可愛らしい役。
ギャップに、びっくり。
「させちゃう秘書・・・」同様、
リストラの悩み話が出てくるが、
突き放したような、厳しい台詞ではなく、
しんみりと、一家の愛情を見せるように、と、
大分、ほのぼのとした感じに、なっている。
(年金で電話のシーンでは、
お父さんが、怒ってるけどね・・・!の声)
娘の一家?では、
お父さんの勧めた、役場をやめて、
女優稼業にはまってる娘が、里見瑶子。
軟派そうな男性俳優と、お部屋で演技の練習?しながら、
なぜか床から?出てくる、
うぶそうな生活助手?青年を、やきもきさせながら、
陽気な中に、時折、切ない表情も、見せる。
まさに、はまり役なり。
やがて、老夫婦は、
それぞれに、晩年の身の振り方を、自ら決めて、
離れ離れになる前にと、
若き日以来の、東京デートを、するのだった。
もしかしたら、これが最後になるかも・・・という、デートを。
何だが、いい雰囲気の中、
やっぱり、ちょいと、泣けてくるのだった・・・。
(俺も、いい加減、いい歳なのかなア・・・の声)
リアルであれ 、ファンタジーであれ、
<女>の何たるかを、比喩的に描き続ける、ピンク映画。
演じてゆく、女優達。
まだまだ、目が離せない・・・。
以上。
- 2010/05/04(火) 23:46:45|
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貢の、日記。
5月1日、土曜。
世間ではGW、
だがその合い間にも、仕事のある人間達は、一杯居る。
小生は本日、昼まで。
午後は、フリー。
休日も残る人々に、すまないな、と思いつつ。
さて、まずは、京橋と、東銀座へ。
昨日の閉館式で、完全に約60年の幕を閉じた、歌舞伎座周辺を、散策。
このポカポカ陽気のオフに、外を歩かないのは、もったいない。
だが、この時期の観光地や、中距離交通は、
ファミリー等で、ごっがえすのが常。
だから今日は、映画のついでで、近場にしたのだ。
もっとも、歌舞伎座の廻りでは、
記念撮影の老若男女々が、大勢いて、
思い思いのポーズを、とっていた。
すでに撤収用のトラックが、正面玄関に停車しており、
向かって右側のレストランでは、作業服姿の人々が、
クレーン車などで、厨房の片付けをしていた。
大がかりな、作業の様子だった。
さて、本日の映画メニューは・・・。
島耕二監督「猫は知っていた」(フィルムセンター)
田中千世子監督「みやび 三島由起夫」(銀座シネパトス)
井上梅次監督「あいつとララバイ」(同・シネパトス、レイトショー)
フィルムセンターの「真空地帯」も、時間的に、観れなくはなかったが、
心地よい仕事疲れで、ちょうど昼寝モードだったので、今回は断念した・・・。
隣のシネパトス話題作・「クロッシング」は、
初日から超満員の列で、とても、入れそうになかった・・・。
「猫は知っていた」は、推理作家・仁木悦子原作。
あのビバ・パッショイト!な、大映白黒映画には珍しく?
割と普通の、落ち着いた、理知的サスペンス演出だった。
のほほんとした音楽が、日曜の昼さがりみたいだった。
推理ものなので、細かい筋はあえて、書かない。
ただ一つ、DNA鑑定のできない時代とはいえ、
指紋確認は、すぐにはできないのか?との疑問は、あった。
当時珍しかっただろう、音楽大学のテープレコーダー、
かなり、でかい。
後の世の、ウォークマンやMDは、コンパクトだよなあ。
真犯人判明の所で、あっ、と言った。
そっちの可能性も、あったか。
「TANTANたぬき」にも出ていたおばあさん役と、
性悪そうな高松英夫以外は、目立ったスターが見当たらない。
おそらく、2本立ての添え物だったのだろう。
客層は 、直前の「真空地帯」から、居残っていたとおぼしき、
白髪の、老年男女層が多かった。
皆、ほっと一息ついていた、という感じだった。
「みやび 三島由起夫」は、比較的最近の、ドキュメンタリー。
同じ田中監督のドキュメンタリー・「能楽師」の、
極度のスローテンポから来る、かったるさと比べれば、
「みやび 三島由紀夫」は、
はるかにとっつきやすく、かつ、興味深い内容なり。
ドキュメンタリー、といっても、
<三島伝説>自体の羅列では、ない。
なんというか、文科系大学の講義・講演に近い内容。
三島の晩年か、それ以降より、
さまざまの形で、三島文学に接してきた人々が、語り部になる。
能楽師や、海外や現代日本の作家・文化研究者・演劇関係者らが、
幼少時に聞いたニュースで知った、彼の切腹死のショックや、
彼の残した、近代能台本や随筆・小説の内容を分析し、
それが自分達にとって、
今、どんな意味を持つものなのか?を、語りつくす。
それらの内容を総合すると、
三島文学の女性像は、
三島の母や妹にかなり、影響されたものらしい。
また、幼少時(学習院!)の肉体的ひ弱さが、コンプレックスとなり、
後年のマッチョ的鍛え上げ志向、<絶対的>存在感志向へと、
つながっていただろう事などが、
徐々に、浮かび上がってくるのだった・・・。
劇映画のファン層には、ちょっと細かくて、わかりにくい内容かもしれないが、
一人の<人間>としての、 作家の成り立ちと、
後世に生きる者達の、
いまだ彼に追いつけない、という思いなどをも知るのには、
ともかくも、懇切丁寧な入門ガイドとなる、ドキュメンタリーだろう。
ノーゲストで、客は、中年男性が数名だったが、
やっぱり、とりあえず観ておいて、よかった。
レイトショーは今、女優・秋吉久美子特集。
「あいつとララバイ」(1983年頃公開)になると、
客層ががらりと代わって、
30~40代女性の姿が、目立つようになる。
おそらく、ジャニーズ・ファンの人達だろう。
何しろ主演が、<少年隊>なのだ。
原作は、楠みちはるの人気連載漫画。
監督は、惜しくも今年物故された、井上梅次監督。
元・日活アクションの監督(舛田利雄監督など)が、
ジャニーズやTVアイドルの、青春映画を撮るというのは、当時の定番。
実質的主演は、ニッキこと、錦織一清。
デビュー当時のTVで、頻繁に、
「ジャニーズ少年隊のニッキで~す!」を、連呼していた人。
高2のダブリ(留年組)で、バイク大好き青年役。
陽気にナンパ、女4人にもてまくる。
ヒロインの優等生(樹由美子:後の麻生祐未)に、
やたらとギャグ・シーンで、キン蹴り!されていて、痛そうだ。
今や必殺仕事人・小五郎役の、東山紀之は、
元ボクサーの、暴走族リーダー。
「ハマは俺達のもんだ!」が、さすがに、時代を感じる。
80年代までの少年漫画には、多かったタイプ。
渡る世間・植草克秀は、バスケ部のキャプテン。
ひたすら、さわやか。
これも、よくあるよな~。
秋吉久美子は、新任の色っぽ~い、マドンナ先生役。
着任するなり、ナンパな男子達を、いきなりひっぱたくなんざ、
秋吉久美子以外だったら、許せませんぜ!
酒癖の悪さが、玉にきずで。
かなり問題言動、多い先生だな~。
昔の恋人が、タロウ・篠田三郎じゃ、
ナンパ野郎も、こりゃ、かないませんや。
もう一人のヒロイン・三原順子が、
後の「スケバン刑事」の先達みたいで、抜群にかっこいい。
歌も、歌うし。
特に後半、大活躍!
眼鏡で変装(変身?)してても、すぐに誰だかはわかるが。
あの眼鏡は、父親役が、
セブンこと森次晃嗣氏だから、かも・・・?
関西弁の、ユーモラスなヒロイン役は、だれだろう?
情報求む・・・。
あと、とびますとびます・坂上二郎のおやっさんは、
結構、面白いなあ、と。
日活アクション時代の、スター達と比べると、
TV中心で育ったとおぼしき、出演者たちの、
線が細い事は、否めないが。
喧嘩中でも、パーティー中でも、
急にダンス・シーンが入って、すぐバク転!する少年隊は、
切り替えと、動きのキレが、見事。
歌謡ショー的シーンでは、映える。
あれは勿論、努力の賜物だろうが、
誰にでも出来ることでは、ない!
まあ、見た価値は、大いにあったですね~。
結構、楽しめた。
今週の目標。
「気になるものは、とりあえず、観てみる!」。
以上。
- 2010/05/02(日) 00:17:25|
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