主水日記。
11月22日、日曜。
新宿より、私鉄に。
永山で、下車。
永山公民館に立ち寄り、しばし、休息。
そうしないと、とても、体力がもたなかったのだ・・・。
何だか、トライアスロンの途中みたいに、なってきた。
ここでは、以前、河崎実監督特集を観たことがあった。
今は、<ブラボー国際映画祭>等の準備中らしい。
予報されていた雨は、この間に降ってきた。
傘を持っていて、よかった。
9時半過ぎより、バスで、聖蹟桜ヶ丘駅へ、ゆっくりと移動。
車窓から眺める、多摩丘陵・団地周辺の土地は、
昼間見ると、広い。
ところどころ、紅葉を望みながら、進む。
午前10時半前より、駅前のヴィータホール。
エレベーターで、8Fへ。
<TAMA NEW WAVE>会場、到着。
入場料、1200円。
中・長編コンペ、ノミネート作品、6本立て。
松上元太監督「mon amour, mon amour」:
・・・は、一種の、辛口ホームドラマ。
結婚前提で同居中の、男女が登場。
しかし、冒頭でいきなり、
女性の与える支配的?圧迫感で、
男性側が不満を抱いており、
心理的にぎくしゃくし始めている様子が、
男性のナレーションで、先に語られる。
まあ、確かにわかりよいのだが、
ちょっと表現するのが、早い気も・・・しないではない。
やがてそこへ、女性の友人女性が、外国から帰ってきて、
この男女の住まいに一時、居候し始めた頃から、
二人の心理状態が、一気に表面化してしまう。
「お前の考えている事が、さっぱりわからないんだよ!」
という、抱えていたもどかしさが、ついに、大噴出!
PCとイヤホンのシーンなど、ピリピリムード一色で、つらいものが・・・。
で、あのラストは、もしや・・・?
新たなる何かの、序章なのか?と、はらはらさせられる。
遠竹真寛監督「INTERSPACE」:
・・・これも又、やや肩のこる1本。
NHK少年ドラマあたりでも、
ズバリ、やりそうな?近未来SF。
ほんとは、宇宙飛行士が夢なんだけど、
お家の事情で、法律家のお勉強中。
今年が最後、とせかされまくり、
焦ってる、浪人受験生。
そこに、驚くべき、通販器具の朗報が。
PC経由で、脳に直接作用、
知識注入・容量アップ!という、夢のような・・・。
だが、案の定というか、
世間にも、当人にも、
とんでもない、副作用が・・・!
結構、ショッキングな、泣かせる結末に。うるうる。
風呂やブランコから、宇宙へと広がる、
飛行士との対話イメージ・シーンは、ちょっといいな、と。
新井哲監督「ヘビと映子と佐藤のこと」:
・・・顔半分に、訳ありヘビ模様?
生真面目姉さん・小枝、
能天気でお気楽、出たとこ勝負、
勢いあるのみ?な台詞をのたもう、加藤めぐみ、
ちょっとした、漫才コンビなり。
何だか、女性版「天才バカボン」みたいな、
終始明るく、ポップに、シュールなおもしろさ。
TAMAでこういうのも、たまには、いいか。
(それが言いたかったな~!の声)
鈴木健監督「東京」:
・・・は、とある写真展、
そしてホテルの結婚披露宴から、始まる。
さまざまな事情を抱えた人々が、
入れ違い、すれ違い、ばったり出会い。
準グランド・ホテル形式。
別れた妻と娘を案ずる、壮年男性役と、
夫との不仲、子供との別居に泣く母親役が、
印象的シーンを、かっさらう。
大活躍するバイトボーイ学生より、目立って見える・・・。
字幕入りの写真展シーンで、
綺麗にまとめているのが、なかなか、いい。
今泉力哉監督「最低」:
・・・は、再見。
やはりというか、今回も・・・大ウケ状態に。
やれやれ、まったく、どうしようもないもんだ。
想いのすれ違い、こじれた男女の仲、ってものは。
はたから見てると、喜劇にすらなることが、あるのだ。
狭い部屋等で、迫りくる女優たちを凌駕?したのは、
まだ撮ったもん持ってる、眼鏡ストーカー男と、
それを追う、理解ある?眼鏡っ娘の名コンビ。
三又浮気男役、
やっぱりお前が、節操無いのが、一番悪い!
堂々の、男優賞&グランプリ。
ウディ・アレンに、見せたいよなあ。
高橋康進監督「ロックアウト」:
・・・ラスト1本は、栃木県ロケの、ロードムービー。
記憶が半分薄れたまま、
車で長距離を転がす、労務者風青年。
とある不運な成り行きで、
只今、遠出をしている最中・・・。
時折、不意に出てくる、
暴力的なイメージの、自分の幻に、悩まされている。
これがなぜか、スーツ姿で、
ドラキュラめいているのに、ちょっと驚く。
途中立ち寄った、大型スーパーで、
母親とはぐれ、車を間違えた、小学生の男の子。
二人は、何となく出会い、ちょっとした道中となる。
夜道の交番では、手配中の人さらいと、疑われるが・・・。
80年代のジャームッシュ映画を、思い出させる。
待ってくれている人が居るだけ、
主役の二人、幸せなほうだよなあ・・・
などと、つい、しんみりするのだった。
上映終了後は、休憩をはさんで、
審査員の総評トーク、 表彰式、と続く。
内容や印象に、デ・ジャブ感が目立つ、との評もあったが、
長い年月、さまざまな映画やドラマを観てきていると、
往々にして、そういうことはある。
小生自身が、もう、そういう歳になりつつあるのだ・・・。
そんな中で、観客を魅了しうるストーリー、人物像や感性、
画面上に弾む運動性、などなどを、
発見する喜び、というものが、あるのだ。
だから、映画を観ることは、やめられない・・・。
その後、打ち上げに参加。
黒いTシャツの、映画祭スタッフさん達、
バイタリティがあるなあ・・・と、感心す。
以上。
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- 2009/11/23(月) 22:25:51|
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主水日記。
11月20日、金曜。
シネマヴェーラ渋谷にて、<洞口依子映画祭> 、最終日。
パルコPART3公開時以来、約20数年ぶり?で、
「ドレミファ娘の血は騒ぐ」、堪能す。
何度見ても、へんてこりんで、
健康的で、エロくて?ゴダールみたいで。面白い。
「なぜですか?」問答で又、皆と大笑い。
ルンバ・ソングの、足蹴り技応酬!シーンで、
また、大笑いしたのだった。
終了直後に、階下のユーロスペースへ、移動。
レイトショーの、パンタン映画映像学院短編映画祭、
<エネフレッシュ!09>も、今夜が最終回。
21時15分ごろ入ってみたら、
やや長めの、テーマソング・女性ライブの真っ最中。
既に、「早く映画に行け!」という、客席の雰囲気を察して、
「え~、皆さんが映画を待っている、圧力を感じてやってますが・・・」
と、少々やりにくそうな歌手さんだったが、歌はなかなか、いい。
柏の駅前などだったら、もっと反応が、いいのではないか。
いろいろ重ならなければ、
同時間帯の洞口チーム・<デジ・キシン>(後刻、注)も、見ておきたかったが、
まあ、今回はやむを得ない。
あちらでは終了後、ワインが出るとかで。いいな~。
パンタン短篇は、Aプログラムの3本のみを、鑑賞す。
オール・DV映画。
やや固い感じで、とびぬけたものは無かったが、
美術等、シンプルかつ丁寧な作りで、悪くない。
1本目、「喫茶あんでるせん」。
2本目、「アボガド」。
3本目、「異性人」。
これが、男という種族は150年後、滅亡する!という、こわ~いSF。
男性客、皆、どん引き・・・。ああ、気の毒に。
始めでキャメラ、動きがあっていいのだが、
ちょっと振り回しすぎ。目が回る・・・。
後半の、女優達とのCG合成は、なかなかよくできていて、よろしい。
終了後、一応拍手をしたのは、小生一人だった。
そりゃ、男にきつ~い「異性人」の後じゃね・・・。おそまつ。
11月21日、土曜。
昼までの仕事と、昼食を終え、池袋へ。
サンシャインシティ・文化会館、2F。
<アイランダー2009>イベント、訪問。
日本全国に散在する、多くの離島を紹介するブースが並び、
さまざまの特産品が、あふれている。
各地舞踊の、ライブショーや、
現地関係者の観光・居住等の、PR中。
粟島(あわしま)のブースを探していたら、
新潟県と香川県の2島があって、ちと慌てる。
薄紫色の、見覚えのあるハッピの一団を発見、ほっとする。
<シネマ健康会>の人々が、
よく行くロケ地である、新潟県の粟島PRに、一役買っているのだ。
映画主題歌で協力している女性3人組ユニット・<チャンべビ>からは、
粟島だよ~、というソングCDまで、出ている。
しっかり、ブースでも売っていた。
大きな、新潟県PRのビニール手提げ袋を渡され、
餡子の菓子などを、馳走になる。
千葉県出身なのに、この手提げで、
場内では新潟県のPRをしてしまった、
小生って、いったい何なんだ・・・?
いろいろな離島の名物が見れて、結構楽しい。
海産物や、工芸細工、塩、サトウキビなど、各島、多種多様。
場内では、平家武者姿の老男女や、
フラダンスのような、南洋踊りの人々や、
勾玉細工を付けた小学生や、
大きなまんまるい着ぐるみの、
佐渡のトキや、シカ・キャラ2匹等が、歩きまわり、
来客のこども達と、遊んだり、
島民どうしでも、互いに、交流を深めたりしていた。
なんとなくだが、自主映画関係者どうしの相互交流に、近いものを感じた。
4階の、全国物産展とあわせて往復、たっぷり試食を楽しめた。
宮城県の4Fブースでは、刺身がふるまわれていて、特に盛況だった。
物販以外は、基本無料なので、ありがたい。
ただし。
4Fの物産展はともかく、
離島の2Fには、千葉県の島のブースは、ないのだ・・・。
なぜ、わが千葉県は海に面しながら、
<離島>が、無いんだ!?
などと、会場内では、ちょっとだけくやしがりつつも、
まあ、でも埼玉県とか、海自体が無い県もあるから・・・
などと、思い直すのだった。
鴨川市の観光地・仁衛ェ門島は、
近くて小さく、離島とは呼べないのだ。
しかし、離島住人どうしにとっても、都市部住民へのPR活動者達にとっても、
こういった、定期的情報交換・交流の機会は、大いに有益だろう。
ぜひ、今後も継続してほしいものなり。
同日夜、いったん新宿へ寄った後、
19時頃、西武新宿線で、野方区民ホールへ移動。
<NEW CINEMA DOG>・吉本昌弘監督の「愛染橋」、御披露目上映会。
ロビーが、例によって知人達で、大賑わい。
若干の機材トラブル対応により、15分程遅れて、開始す。
「PINKY」「PINKY ZERO」等の、すれ違いコメディー路線に、
設定でもう一捻り、入ってる。
レズあり、三角関係あり、見え透いた裏切りあり、
カン違い、すれ違いあり、ばったり出くわしあり。
女流作家役・星野佳世と、編集部員・岩瀬氏のからむ、
大人系?シーンが、燃焼度高く、大爆笑の嵐に。
もう、あちこち皆で、ゲラゲラと笑いまくる・・・!
これ、もう一度、観てみたい。
鑑賞後、会場を辞し、そのまま西武線で、新宿まで戻る。
テアトル新宿。
券をとっておいた<日プロ大賞、見参>オールナイトへ向かう。
当日券、2500円。
21時半より、女性の司会で、2部構成のトークが始まる。
最初が、プロデューサー経験者&評論家、三人トーク。
20分では短すぎる、と、一部観客?より苦情が上がり、
女性スタッフが慌てて、なだめに行く一幕も。
確かにこの3人なら、朝まで生トークも可能そう?だが。
よく考えたら、それでは、映画が観れないので・・・。
せめて1時間位は、ほしいところなり。
第二部が、上映作の松江&白石監督トーク。
名助監督といわれた白石氏、ついに監督デビュー、との事。
「ガマの油」(初見)
・・・は、役所広司自身と、高校生ヒロインは、
ユーモラスで、とてもいいんだが。
全体が、どうも間延びしすぎ。惜しい。
もう少し、詰められないだろうか?
「あんにょん由美香」(再見)、
これは反応が、今回も大変良かった。
トークによると、90分前後が映画1本の標準、と考える松江哲明監督が、
119分のドキュメンタリーを撮るのは、異例なのだそうだ。
「ウルトラミラクルラブストーリー」(再見)
・・・やっぱり、なんであのラストになるのか?と、考え込んでしまいそう・・・。
松山ケンイチや幼稚園児達に翻弄されてる、麻生久美子って、いいなあ。
「Lost Paradise in Tokyo」(初公開)
・・・これが、大力作。
緊張感が、きっちり持続しているのは、見事。
終始、きっつ~い話で、昔のATG青春映画みたいな、シビアさ。
登場するドキュメンタリー野郎2人を、どつき倒してやりたくなったぞ!
主役の3人が求める、パラダイス=アイランドは、
3人が揃っている所にこそあり、という、ちょっといい話も。
強引すぎなラストも、あの筋の後なので、救いといっていいだろう。
正式公開が、待たれる。
(アイランドと聞くと、実は、行川アイランドが浮かぶのだが・・・の声)
終映、いつしか夜明けの7時前。
曇り空。朝食。
そして、次なる目的地に、向かうのだった。
つづく。
- 2009/11/23(月) 01:29:59|
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速報、です。
22日、日曜、午後7時20分、発表。
関戸公民館・ヴィータホール発、現地にて確認。
(今、現地から帰りました。)
<第10回TAMA NEW WAVE>において、
今泉力哉(いまいずみ・りきや)監督の「最低」が、
最高賞のグランプリを、受賞致しました!
また、特別賞は、
高橋康進監督の「ロックアウト」に、決定致しました。
なお、ベスト男優賞は、「最低」の芹澤興人さん、
ベスト女優賞は、「ヘビと映子と佐藤のこと」(新井哲監督)の、
小枝さんに、決まりました。
皆さん、おめでとうございます!
詳細、後日。
- 2009/11/23(月) 00:46:26|
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