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シネマ旅の途上にて

自主映画ウォッチャー、アWorkerのブログ。

ザ・マーキュロ!*3「俺たち、自由な放浪者!」

主水日記。


「必殺仕事人2009」、1日(金)放送分は、
ひとことでいえば、印象がむごかった・・・。

小五郎の同僚同心が、
唐辛子屋の娘(「吉原炎上」で、つぼ抱えて泣きわめいてた女優・・・!)に、
しつっこく、迫るストーカー男を、追い払ううちに、
自分もストーカーに、なってゆく話で。

その同心役が、あの「剣客商売」シリーズで、
途中から、息子剣客役だった、あの人とは・・・。
町人女に惚れ込みすぎて、嫉妬に狂った力演すると、
こんなに不気味で、卑怯で、こわかったんだな・・・。ぶるる。

当然、彼は小五郎の標的に。
間合いの対決、いつものBGMが一曲済んでから、というのが、
ちょっとフェイントで、いい。

そのストーカー同心の、事件現場偽装を手伝うのが、
大男の、乱暴な岡っ引き親分と、その手下。
この親分・権造、とにかく、目立つでかさ。
そして、用心深い・・・。
「仕掛人」の、針が通らねえ!標的(三国連太郎)の線か。

かなり、手ごわそうなので、
お菊と涼次と仕立て屋レンの、三人がかりで、仕掛ける。

涼次とレン、普段何かと、張り合っているので、
お菊と組んでの、大男退治は、もうちょい苦戦するかに思われたが。

・・・ハイッ、針仕事に糸仕事!
意外な位に、息がぴったり合っていた。ダブル・ライダーみたい。
割にあっさり片付く、の感あり。
用心深い割には、お菊の色香作戦には、もろかった・・・。
もうちょっと、ピンチで苦戦してみせてほしかったのだが。

そういや、秀と勇次で一人仕置、って回も、
「新必殺仕事人」の初期に、あったっけな・・・。
勇次がつるし上げて、秀がピュッ!てのがな。


さて、そっちが終わってからすぐ、
江口洋介主演・「木枯らし紋次郎」二時間スペシャルの後半に、かかる。
放送時間が1時間弱、重なったため、
後から、前半の録画を観よう、という変則的視聴に、ならざるを得なかったが・・・。

「必殺」因縁のライバル、ここに堂々復活!うれしいじゃないか。

「仕事人2007」と「2009」が、過去を踏まえつつ、
BGM流用以外では、エンディング等、
一部に新しい印象の表現をも、試しているのに対して、
「木枯らし紋次郎」SPは、二代目の主役を、きっちり盛り立てつつ、
過去のシリーズの印象を、なるべくそのまま再現しよう、
という趣向が、より強まっている。

旧作2シリーズを、少なくとも2度観ている小生など、
観ながら、「おお、それ、それだよ!」と、思わず手をたたいた程、よく出来ている。
河毛俊作監督、DV込みでよくぞこれだけ、見事にあの画面と雰囲気を、再現してみせきった。

というか、あの元祖・市川監督流の、あの画面表現が、
とても、やりたかったんだろうなあ・・・と。
ストーリーも、以前のTVシリーズで、やった話が入っているような。
ただもう、感服。

屋内の陰影、闇夜の暗さ、
紋次郎の動作を、一瞬BGMに合わせて、細かい編集でハッ!とさせるテクニック。
敵味方とも、生まれた家庭の事情や貧しさから、
渡世人になった人物達の、やるせなさ。
つかの間の人情と、その結末。
悪人を一掃しても、なお根強く残る、むなしさ、切なさ、哀しみ。
旅先の街道、山林の荒涼・・・。

これで、じわっと来なかったら、男じゃないぜ。
おなじみのテーマソングが、懐かしさと、ひとときの旅情をそそる・・・。

(「男はつらいよ」って、この旅路の寂しさの、
裏っ返しの話、なんだろうな・・・の声)
(寅さんはとりあえず、帰る家庭があるけれど、
紋次郎には、帰っても、無いんだよな・・・の声)

マカロニ・ウエスタン調のテレビ時代劇は、いっぱいあるのだが、
このドラマは、それらの中でも、かなり異色、といっていいだろう。
画面が暗すぎて、時折、斬りあいがよく見えない、という欠点もあるのだが・・・。

江口洋介、立ち姿、歩く姿が、なかなかのもの。
心配した殺陣も、旅先の渡世人と親分・手下たちの喧嘩で、
暗闇での斬りあいは、やはり見えずらいものの、
結構荒っぽさが出ていて、悪くない。
戦国自衛隊映画の自衛官より、こちらのほうが、合っている気がする。
これなら、連続シリーズも、いける!のではないか。

今回は、敵か味方か?の、とある人物が、興味を引っ張る。
こういう人物、ウエスタンでいうところのグレイ・ハットが、一人いるだけで、
展開の面白さが、断然違う。
かなりの、好演。

若村麻由美の屋敷妻、ともさかりえの人妻も素晴らしい。
渡辺いっけい、やりすぎな位の、不気味な力演が際立ち、
ぞくぞくっ!とさせる。

そして、あの、ありえない!因果応報決着シーンは、
宍戸錠&鈴木清順監督の日活アクション映画、
「野獣の青春」のラストをも、想起させる恐さ・・・。

やっぱり、観ておいて、よかった。
再現・再生という形ではあるが、
こういうマカロニ・タイプの新作時代劇は、今少ないから、
新世代の人々には、結構、新鮮に映るかもしれない。
連続シリーズ、希望。

(又、時間重ねられるかも・・・?の声)


以上。


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  1. 2009/05/03(日) 13:26:19|
  2. 時代劇
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ザ・マーキュロ!*2「俺たち、自由な表現者!」

三味線屋の、日記。

閑話休題・・・で、いいのか?

いきなり、こういう話でいいんだろうか、と戸惑いながらも、
やはり、書いておかねばならん・・・。


ミュージシャン・忌野清志郎が、2日に、
とうとう、亡くなってしまった・・・。


なんてこった、である。
自由闊達、エロネタ・ヤバネタ・タブーネタありの、
生ける自由表現の、冒険者が・・・この世から、みまかった。

昔、ラジオの「ビートたけしのオールナイトニッポン」で、
2時間まるまる、忌野清志郎ライブの深夜生中継で、
合い間に、番組のたけし&高田文夫コンビのしゃべりが入る、という回があって、
たまたま、リアルで聴いた事があったな・・・と。

ホテルのルームナンバーの歌を、
独特のくにゃくにゃ、ねばりが入った声でやっていたのが、
耳にこびりついて、長年、離れなかった。
同じ人が、やや後に、
昼間のパパは・・・という、パパ応援歌をも歌うとは、
当時はとても、思えなかった・・・。


音楽関係には、つたなき知識しかない、小生などの知る限りでも、
TVバラエティのありがちな光景をも批判し、
瀬々隆久監督のピンク成人映画等に、曲を提供した、
PANTAぐらいのものだろう。
80年代、あの世代周辺の、ライブ・パフォーマ-で、
他に、ああいう事を、どこの表舞台メディアでも、
あそこまで思いっきり、容赦なく、やれただろう人というのは・・・。

おちょくりズムの才人、とでもいうべき人だろう。
ロック音楽、という枠を、はみ出した何かが、
この人の行状には、確実に、あった。
その後もそのまま、バリバリ現役で、突っ走って行った。

その業績の詳細は、影響を受けた(喰らった、というべきか?)、
多くの有名・無名の人々が、こと細かに、語り倒してくれる事だろう・・・。

小市民の小生などは、それらのほんの一部と、
一瞬だけ、すれ違ったにすぎないのだった・・・。

享年、58歳。
ここに、敬意と、若干の羨望をこめて、合掌。


以上。 [ザ・マーキュロ!*2「俺たち、自由な表現者!」]の続きを読む
  1. 2009/05/03(日) 01:18:19|
  2. 音楽
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