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シネマ旅の途上にて

自主映画ウォッチャー、アWorkerのブログ。

ビーグル83「Gメンは見た!プロ・ワールドの誕生記録」

錠の、日記。


18日、土曜。
うららかな、春の午後。

今年は、横浜開港150周年だそうな。
そんな中・・・
横須賀線で、のんびり出かけて、
逗子市街を、しばらく散策。

その後、京浜急行線にてターン、横浜・黄金町へ向かう。
行く先は、勿論・・・ミニシアター、シネマ・ジャック&ベティ。

かつては、1館が洋画2本、
1館が時代劇等の邦画2本立て、
というのが定番の、名画座だった。

今では時間帯ごとに、さまざまな洋画・邦画を公開・上映している。
さて、この日の、お目当てとは・・・。


清水雅美監督、「日本の女子プロボクシング夜明け」(本編96分)・DVD上映。

そう、<シネマ愚連隊>で、昭和風味アート作品「狂華」を監督した、
清水雅美監督がDV撮影した、女子ボクシング界の取材ドキュメンタリ-である。
舞台挨拶に来た、ボクシング専門誌の女性記者も、登場する。

この日の舞台挨拶と上映は、
<黄金町映画祭>同様、2階のスクリーンで行なわれた。
観客席には、女性1名を含む、10人。
小生も、その観客十人衆の、一人となった。

1999年以来、日本にも、女子ボクシング試合があったのだが、
まさかそれが、シネマ下北沢の、
すぐ向かいの会場で、始まっていたとは、まったく知らなんだ・・・!
ちょっと、驚いた。
女子サッカーからの移動加入組が居た事も、意外な感じがした。

試合記録と共に、これまでのスター・ボクサー達の、インタビューも収録。
まだできる!と思っていた者が、あっさりと、引退決定にならざるを得なかったり、
デビュー戦だけで倒され、出れなくなった者もいるとか・・・。
見かけ以上に、なかなか、ハードな世界のようだ・・・。

そして、女子プロボクシング協会の設立が、去年。
ごくごく、最近なのだ・・・。
「ミリオンダラー・ベイビー」みたいな女子プロ試合が、
ようやく、後楽園などで、始まったばかりなのだ・・・。

業界初の、プロテストのにぎやかなプレス取材模様も、映し出される。
合格者の結果発表時、
張り出す紙をもっと大きく!と記者達が息巻くのに、笑った。

試合にはなかなか、迫力がある。
タンカ搬送まで、出た・・・!
全体に若々しく、まっすぐな、前向きな感じのボクサーが多い様子で。

世間への認知は、まだまだ、これから、という所で。
思うに、ロッキーに対して、ドラゴ達が現れたように、
もうちょいヒールな、朝青龍?みたいなボクサーが、
スターボクサーのライバルで出てくれば、
スポーツ誌なども盛り上がり、より話題になりそうだが、さて・・・?


帰りに、BABACHOPへ寄ると、常連一同が、打ち上げの真っ最中。
珍しい事だが、今月の<B-DASH>に参加した監督から、
1作、DVDを戴いた。
帰宅後、拝見す。


手塚悟監督の自主DV短編、「つるかめのように」(13分)。

最初に、父・母・娘で、高校入学の朝らしき風景が映され、
その次には、家族のありふれた、朝食シーンが出てくる。
朝御飯の支度をしている、母親の姿を見た時の、娘の様子から、
母がしばらく、留守だったらしい、と思われるが・・・。

まあ、一種のファミリー・ファンタジーなのだが、
ささやかな短編がら、すがすがしく、
何だか、ほっとする話ではある。


以上。
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  1. 2009/04/19(日) 15:38:27|
  2. 映画(全般)
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ビーグル83「Gメンは見た!伝説の自由人達」

壱の、日記。


4月17日(金):夜、渋谷。
ユーロスペース・レイトショー。
山田広野監督のDV長編、「バサラ人間」、公開最終日。

独特のいわゆるヘリウムガス?音声で、オリジナルのサイレント短編に活弁を付ける、
ブラック・ユーモア溢れる、自主映画活弁の旗手として知られる、山田監督だが。

今回のメイン作品では、活弁抜きで台詞つき、
長尾みのる、という人のイラストーリー(絵の入った文化小説本らしい)を元に、
60~70年代風衣装のエロあり、サイケありの異世界アート劇映画を、やってのけた。

いってみれば、さそり監督(既述)あたりにもやや近い、
エロと美女とアート、混濁の作風だろうか。

大体3部構成で、
遊びまわるわがままな人気女性タレント(久世律)、
新人アイドル志願の上京少女(仲村みう)、
若い頃食えなかった文化人男性(OBKA&帰りマンこと団時朗)の3人が、
それぞれの主役となり、
登場人物たちが時制の前後と共に、あちこちで交差する。
その辺は、エロ話が入るのも含めて、「罪とか罰とか」とも似ている。
(もう一つの共通点は、車か・・・?の声)

しかしまあ、えぐい事するなあ、蛍雪次朗の芸能マンは・・・!
笑っちゃった。おかしいよ、あんな検査。
気付けよ、ヒロイン!

全体に、カラフルなCGや衣装を投入して、
芸能とポップ・アートの、融合された舞台とされているのが、特徴。

現代(21世紀)の人々が通行する、あの新宿の街中を、
60・70年代風のファッションに、身を包んだ出演者達が、
入れ替わり立ち代わり往来し、
見世物一座・デリシャスウィートスが歌い、
不老不死?の麗人(采花)がつぶやき、横切る様は、
眺めているだけでも、新宿今昔時空旅行という感じで、なかなかに楽しい。
文化評論家らしき人物(団氏)が、
いかにもそれっぽい、お店のナビゲートをしているのも、面白い。

ホテルのいざこざなども、愉快。
ジュリーそっくりの人物には、又、微笑す。
一番しんみり来るのは、バーの女とポンチ絵描きの話・・・かな。

驚いたのが、エンディング・ロ-ルの不敵な長さ。
出演者各人が、新宿の歩行者天国で、一人一人、パフォ-マンスしてみせる。
テンポのいいBGMとともに、舞台俳優の芸達者ぶりが、連打されるので
都合でVTRだけの人が出ると、なぜお前はやらない!と怒ってしまいそうになる。
こういうエンディングの処理法もある、という一つの良き見本ではある。


映画の文句でも云っているのだが、
自由奔放、大酒のみとはいかぬまでも、
杓子定規、窮屈なる世に流されつつも、
負けず滅びず、飯を食い、軽やかに這いずり回り、
時には起き上がり、自分のやりたいことをやる・・・。
そんな、せめて精神だけでもバサラな野郎に・・・
小生などは、なれるものだろうか・・・?


長編終了後、引き続き、山田広野監督の十八番、短編活弁あり。
手製のクレイアニメ、「ピートト」の第2話が、
ようやく完成したとかで、1話と2話、一気にライブ。

ニワトリ型の魚が、金魚兄弟と対話しつつ、
怪しいナマズ出現におびえる、というだけのシンプルなもので、
後は、監督のアドリブ全開、
20代男女メインで満員の場内は、爆笑の渦に。
春の宵、ひと時の、至福。


土曜分に、続く。



  1. 2009/04/19(日) 10:38:41|
  2. 劇場用映画
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ビーグル83「新GメンVS署長VS悪行刑事!?」

鉄の、日記。


未記録の鑑賞作品もあるので、先週分も含めて、記す。


3月20日(金):午後4時15分~7時頃まで、渋谷イメージフォーラム。

<日本性愛映画史1965~2008>(ピンク映画特集企画)にて、
過去に観た懐かしの2本立てを、再見。1400円。
(亀有名画座では、3~4本立て、800~1200円でした・・・の声)

1本目、1980年・小水一男(別名・ガイラ)監督、日野光脚本、
「ラビットセックス 女子学生集団暴行事件」(シナリオタイトル「兎」)。

中流生活どっぷりの父母に、違和感を覚えた女子高生や、
ぱっとしない受験浪人らが、ビリヤードの遊び人達と合流、
屋上や海辺・断崖で、気分開放されるべく、セックス&ドライブ。

ピンク四天王監督として知られた、佐野和宏が、
自由気ままな遊び人学生?を、ノンシャランと、快活に演じているのが、
完全に中高年役にシフトした今では、不思議な感じがする。

<ウサギ小屋>に住んでる日本人家庭、という表現が、
今や、妙に懐かしくすらある・・・。
ゴダールみたいなラストが、ちょい唐突?


2本目、1986年・福岡芳穂監督、ガイラ・チャン脚本、
「制服監禁暴行」(シナリオタイトル「BABY WHAT‘S LOVE」)。

80年代ピンクでは欠かせぬ男優・下元史朗、
ボギーを気取ったキザ台詞、タフでコミカル漫画な探偵役で、主演。
原宿・渋谷・新宿周辺ロケ、あの頃の、
ライトでポップなファッション・風景が、眺めていて楽しい。

家出娘の調査を、父親に頼まれた探偵が、
にわか助手の、女子大生風俗嬢とともに、
過激AV撮影の撮影で死んだらしい、家出娘のその後を、
裏稼業世界を往来しつつ、真相に行き着き、嘆息する・・・。
テーマは現代っ子の調子よさ、ってやつだろうか。
ラストの、隣の音、いったい何なんだろうねえ・・・?


同日夜、ラピュタ阿佐ヶ谷レイトショー、
<60年代まぼろしの官能女優たち>特集より、「淫紋」。
1967年、向井寛監督、内田高子主演。白黒。

金沢、お堅い旧家への嫁入り。
病弱で寝たきりの夫、家名のために子を欲する義母、
第二次世界大戦に乗じ、その財産を奪おうと画策する、
軍人幹部と地元の有力者・・・。

唯一、嫁に心を開くのは、
学生期から遊郭通いが止まらない、義理の息子。
これが、髪も黒々、若き日の、久保新二!びっくり。
だが彼は、家庭内情事の後、出征してしまう・・・。

この哀しき状況下で、生き抜く嫁の半生を、
大映ドラマのように、古風なメロドラマ調で描いている。
お約束のエロ・シーンも、割とおとなしく、
雷の草むらに素足が見えてあえぐ、位の抑えた描写、ちょっと拍子抜け。
結局、子供を宿した女は強い、という、
古風な昭和の、メロドラマそのものだった・・・。


4月7日(火):フィルムセンター、吉永小百合版「伊豆の踊り子」。

かなり以前、テレビ東京系午前中の映画枠で、
日活アクション映画ばかり放映していた時期に、
やっていたものを観たのが、初体験だろうか。

あれだと画面幅の都合で、人物対話シーンが右へ左へ横移動したり、
初めと終わりのシーンが、どうしても縦長に見えたりするのだが、
スクリーンだとそれが、初めから普通に、ゆったりと横長。

まあ、それが本来のありかただし、劇場映画ファンとしては、それが正しいわけだが。
屋上からの俯瞰みたいな印象で、ラストを記憶していたので、
ちょっと不思議な感じも、するのだ・・・。
これ、小生だけだろうか?


4月12日(日)、午後、シネマヴェーラ渋谷。
<東宝アクション2>特集にて、「野獣死すべし」「顔役暁に死す」の2本、再見。

須川栄三監督&仲代達矢版「野獣死すべし」は、
野獣というより、計画完璧、きわめて冷徹なる、犯罪コンピュータ男。
現代的にひんやりと、容赦なく実行、
不満ある他人をも乗せて、巧妙に利用してゆく。
好きになれない。コワい。

アレを見直すと、つくづく、松田優作版「野獣死すべし」は、
呼び覚まされた、薄気味悪いが人間くさい殺人野獣、
という感じに見えてくる・・・。

全編クールな「野獣死すべし」に比べると、
「顔役暁に死す」の、加山雄三や中谷一郎は、陽性。
ギャング抗争にからむ命のやりとりにしては、いささかのんきな印象を与える。
ここではむしろ、女がコワい・・・?という。
修理中の車のシーンなど、岡本喜八監督らしい遊びが垣間見えて、楽しい。


4月15日(水)、夕刻:丸の内東映、「釣りキチ三平」。

とにかく、主役少年が、原作漫画の<三平ポーズ>とアクションを、
しっかり会得して、快活に見せているのが、たのもしい。

舞台は、「ニセ札」同様?田舎ののどかな風景を映し出しているが、
努めてさわやかに、明るく撮られている。
ロケ画面も、都会暮らしの姉と田舎の釣り大好き少年の物語も、
当然ながら、ずっと明るい印象でもって、
ひたすらわかりやすく親切に、誘導されている。

全体の印象をひたすら、さわやかに持ってゆこう、持ってゆこうとする方針が、
徹底して貫かれている。

その一方で、魚のたたき等、軽い笑いが起きるべき一部シーンでは、
いささかあてこんだ感じ、すべってる感じを作っているのが、
ちとヨワくて、もったいない。
あのヒロインの、固さゆえも、あるのだろう・・・。

それにしても、かつての東映不良性映画で、暴れまくっていた渡瀬恒彦が、
じっちゃんを、演じる歳になっていたのか・・・。

魚紳さんが塚本高史、というのは少し驚いたが、
(だって、ドラマでビートたけし役の人だよ!の声)
渡瀬じっちゃんとの、むきになったやりとり等、
塚本、なかなかに好演している。

見所は、CG合成を駆使した、魚の水中遊泳や、釣り糸の動き!
70年代には、これができなかったのだ。
合成部分が終わると、魚が少し小さくなって見えてしまうのは、
釣りキチ一同の、性(さが)・・・?

しかし、いや~、川釣りの技と醍醐味を、
ちゃんと丁寧に描いてゆく姿勢には、感心、感心。
「釣りバカ日誌」シリーズでは、ここらが、大雑把に流されている感じなので。
一度、釣りバカ浜ちゃんと、釣りキチ魚紳と、三味線屋勇次を、
川岸に並べて、糸投げ技を競わせてみたいぞ!

エンタメ映画としては、飛びぬけた印象の作品ではないが、
ひと時のくつろぎ、休暇、ヒーリングを、という人には、いいんじゃないだろうか。


4月16日(木)夜:シネマライズ渋谷、「罪とか罰とか」。

平日で封切終了間際とあって、
20名位と、いまひとつな、客の入りだったが。
これが、大当たりだった。
面白い。ゲラゲラ、だった。

・・・あれ、そいつが実質主役か?と思わせておいて、
あっさり、方向転換したり。
なかなか、主役が出てこない。
何の道草だ?などと思って、油断してはいけない。

とにかく、突発的状況、連発。
その進行・構成が、実によく出来ているのだ。
そして、適度に?ドライな感覚。
(いや、適度越してるだろ~!あちこち、いて~ぞ!の声)

「運命じゃない人」とか、
ウディ・アレンの初期映画群とか、
「ファール・プレイ」とか、
ホラー・パロ映画とか、ああいうのが好きな人には、
結構、ハマれるんじゃないか?と。
勿論、特に何も知らなくても、十分楽しめる。

女優陣では、自意識過剰、典型的巻き込まれタイプ役の、
一日署長たる主人公、
反応がいちいち可愛くて、いい。
元恋人の、とんでもなくあぶない刑事が、
役柄に似合わず、一見落ち着き払って見えるので、
そちらとの対比で、余計、可笑しくなってくる。

その周囲では、奥菜恵とサトエリが、猛烈に・・・!
もう、すごくて、笑わせる。
人生の何を捨てたら、そこまで演れるのか!?と。
もう誰にも、この2人は、止められない・・・。
必見。


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  1. 2009/04/19(日) 10:27:10|
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