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シネマ旅の途上にて

自主映画ウォッチャー、アWorkerのブログ。

とかくこの世は一天地六

半兵衛の、日記。


土曜午後、
仕事と昼食の後、ポレポレ東中野へ。

この日より特集上映、<小沢昭一 僕の映画史>、開始。
プログラムには、
「エロ事師たちより 人類学入門」、「競輪上人行状記」、
「にあんちゃん」「大当たり百発百中」などが並んでいるが、
未見の「競輪上人行状記」と、
夜の舞台挨拶のある「大当たり・・・」(再見)のみを、観ることにした。

今でこそ、NHKの「サラリーマン川柳」とか、
夕方のラジオで世俗の話をしゃべる、白髪の人、という印象だが、
映画ファン的には、
60年代、日活・松竹・東宝映画のコメディ・シーンで、
物凄い怪演をしてきた俳優、の位置づけ。

物凄さと勢いと、軽い身のこなしが同居する、という意味では、
同時期のフランキー堺などに、近いライン、なのだ。

モノクロ劇映画「競輪上人行状記」を、小沢主演で撮ったのは、
後に日活ロマンポルノ路線のトップバッターとなる、西村昭五郎監督。

元学校教師の小沢が、
兄の急死で余儀なく、実家の寺を父から継がされて、
寺の維持費用捻出策に、奔走しつつも、
競輪にはまったのが高じて、身を持ち崩してしまう、悲喜劇。
味方は、かつての教え子のみ・・・。

寺の運営でやり手なのは、小沢よりもむしろ、
兄嫁役の、南田洋子。
坊主の手配から、近所の犬の葬式、後のいろんな処理(!)まで、
もろもろ、たくましく引き受けてしまうのだ・・・!爆笑もん。
(今あんな事やったら、確実に、立ち入り調査もんだぜ・・・の声)

終盤、最大の勝負をめぐる、ある人物との出会いなどから、
彼なりの悟り?を経て、
大衆を前に説教、熱弁をふるう小沢は、天下一品、絶品。
渥美清が本格的にブレイクする、少しばかり前、である・・・。


夕方の回、「大当たり百発百中」上映前に、
ゲストの小沢昭一氏本人による、舞台挨拶。

白い長めの髪でスーツ姿、
落ち着いた感じの紳士が、壇上にあがる。
映画だと、猫背で小柄?な印象があったが、
当人は結構、背が高いので、ちょっと不思議な感じ。
何となくだが、今村昌平監督の弟?のようにも、見えてくる・・・。

「今日、何かかってるの?」と司会に、上映プログラムを確認、
「にあんちゃん」の長崎ロケや、
日活のSP(本編2本の添え物、ショートピクチャー)時代のお話などをされた。
北林谷栄女史の、演技への熱意を評価した上で、
「演技賞って、あくまでも、まず監督あってだから・・・」
と、強調されていたのが、印象的なり。

そして、春原政久監督のモノクロSP、
「大当たり百発百中」が、始まる。

若き日の小沢昭一氏が、アイドル歌手の作詞家役。
趣味の競馬予想に、勘が働くばっかりに、
加藤武のギャングに追っかけ回され、
やむなく、大勝負レースの予想を手掛けさせられるが・・・。

新人(!)・松原智恵子の新妻をほっぽらかして、
芸能社長の由利徹、エロ写真家の南利明らを尻目に、
大車輪で、大ドタバタ。

たわいもない、といえば、たわいもないのだが。
客席の温まった、この状況下ではもう、
ウケるに、決まっている・・・のだ!
それ、みんな、笑え!笑え!

・・・と、これでいいのだ。


以上。











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  1. 2008/06/01(日) 10:07:14|
  2. 劇場用映画
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