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シネマ旅の途上にて

自主映画ウォッチャー、アWorkerのブログ。

ショーケンVS必殺家出人ガルス!

主水日記。


連休明け、衣替えがやっと終わった。
と思ったら、土日は冷え込んで、またも、雨・・・。

あわてて、上着を数着、出し戻した。
こりゃ、遠出は中止だな・・・。
やっぱり、近場にしよう、と決めた。

先週はいくつか、
公開中に観そびれた映画があるのが、心残りだが。
土曜は久しぶりに、旧作上映へ行った。


シネアートン下北沢、<ショーケンが好き!>特集。
3本立て券で3000円、1本あたり1000円なら、
交通費を入れても、まずまず、安い。

この日は、
「股旅」(’73、)、「魔性の夏 四谷怪談より」(’81)、「竜馬を斬った男」(’87)。
時代劇3本、70年代から80年代にかけての、ショーケン出演作、
その風貌の変化を、とくと味わえる、お得感あり。

「股旅」は、低予算・独立プロ作品の雄だった、ATG系の公開作品。
脚本が、監督の市川昆(ほんとは山かんむり付き。字が出ない・・・)と、
詩人・谷川俊太郎。
(なぜスヌーピー・ブックスの翻訳者が?謎だ・・・の声)
TVシリーズ「木枯らし紋次郎」からの収入をもとに、
市川監督が作った映画と、伝えられている。

主役は、なんか情けなさ、コミカルさが目立つ、3人の若き渡世人。

おどおど、弱々しく優しい青年役なら任せとけ?とばかりに、
TBSドラマで活躍していた、ほぼそのままの役柄で出ている、小倉一郎、
「あしたのジョー」テーマソング熱唱の尾藤イサオ、
長髪でいきがって暴れて、先輩にもつっかかるショーケン。

3人揃って、やっと一人前、という旅人達。
適度に世間をなめた甘えを見せつつ、
調子よく、せこく立ち回る、おかしさ。

小倉の旅人(家出人、のほうが近い)と父親との再会、
泣きながらの、無理やりな決着、
珍道中の、哀しいくらい、あっけない終幕・・・。
とにかく、端から端まで、おかしくも哀しく、情けない3人。

その情けなさがおそらく、当時の若者達の、
大人への反抗心と同居した<挫折感>に、フィットしたのだろう・・・。
この時期前後のショーケン・ドラマは、
たしかに、そういう時代背景があったのだ。
ショーケン出演期の「太陽にほえろ!」は、成人になってから再放送を観たが、
たしかに、そういう空気があった。
そんな時代ゆえの、産物、なり。


この興味深き「股旅」の次に、
「・・・魔性の夏」が来ると、
とたんに、がたっ、となる。

冒頭から一同が、わいわいやってる楽しさ、にぎやかさはあるし、
ショーケンと石橋蓮司が、
互いの犯罪をむりやり、隠蔽する辺りは笑えるし、
ショーケン・関根恵子・森下愛子と3人で、
自分たちの(?)芝居を見に行って、
ひと時、夫婦の慣れたるアツアツぶりに、
森下がくやしがるあたりも、なかなか面白い。
(一服盛らせるワル者役が、「電王」石丸氏だし・・・の声)

でも・・・
関根恵子の、あのお約束メークが・・・映画向きじゃない・・・。
あれで、がたっとくる。
舞台劇だったら、あれで力演すればいいんだけど、
映画だと、ちょっと・・・。困った。

あれで、その後、恐いはずの各シーンまでが、
とんねるずのコントみたいに、見えてしまうのだ。
ショーケンと勝野洋(「太陽」出演者同士)が、坂を転がる下りまで・・・。
劇としての面白さを追求する間に、
ホラーとしての恐さが減じた感は否めない。

その分、石橋のダメ亭主をはらはらさせる、
夏目雅子の演技にこそ、本来あるべき恐さが見られ、
大いにポイントを、稼いでいる。



「竜馬を斬った男」は、公開当時、
「塀の中のプレイボール」と2本立てで、観ている。

画面はさすがに松竹京都、
ひんやりした、いい明暗の感じで、仕上がっている。
冒頭の人斬りで、おおっ!と乗せかかるが、
そこからが・・・。
何だか、間延びしている。

人物紹介の字幕が無いので、
大河ドラマを普段観ない人には、大半の人物、
誰やら、よくわからないのではないか?と気になる。
人物関係が大体、わかっている人向けの、編集。

はっきりいえば、脚本・構成がどうも、悪いようで・・・。
いびつなほど、不気味な気迫の表情を、
時折見せ付ける主役以外は、
概ね、つるつるの人物描写で、何だか熱気が薄い印象。
女優達は、きれいに撮れてて、まあ、いいんだけど・・・。

ところどころ、子供との水掛け、竜馬逃亡の景など、
場内でも、けっこうウケていたし、小生も大笑いだった。
「俺は一体、何をやってるんだ!」のつなぎ方は・・・ちょい失笑。

終盤にいたっては、蛇足が長すぎ。
あれでは、くどくなる。
いまいちな、締めだった・・・。


外が寒いので、この日は無理をせず、
ここまでにて、帰る。


以上。
























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  1. 2008/05/11(日) 08:14:35|
  2. 時代劇
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  4. | コメント:3

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