主水日記。
結局、連休中は、大幅な予定変更を余儀なくされて、
ああ、あれも行けない、これも観れない・・・の嵐に。
ラピュタ阿佐ヶ谷で、
谷崎潤一郎原作の映画を2本、観るにとどまった。
以前、観ている様な気もする2本だが、
どこでだったが、思い出せない・・・。
プログラム中のモノクロ作品「夢の女」は、封切り時に見て、
テンポが、かなりかったるかったので、今回は省いた。
「刺青」(にっかつロマン版)は、伊藤裕子主演、曽根中生監督。
1980年代を舞台に、
なつかしの?ライトでポップな風俗店カルチャーや、
ゲーセンのテーブル型インベーダーゲーム、などが見れる。
金持ちお嬢様のバックアップで、ブレイク寸前の女性ムード歌手が、主役。
最初のほうでは、活きのいい?濡れ場、連打の勢いで、引っ張る。
彼女の行く先を、芸能記者(ロッキー刑事の人)が追いかける筋。
だが・・・
刺青を入れられて、女が堕ちてから、どうなるのか?と思えば、
刺青師はあっさり、フェードアウト。
吊り上げSMショーなど、それなりに魅せるものの、
後はムードだけの、さっぱり弾むもののない、
だらだらとした画面と展開が、続く・・・。
せっかくの大胆な脚色も、勢いへと生かしきれず、腰砕け。
これでは若尾文子の、肉感的な大映版に、及ぶべくもない・・・。残念。
レイトショー、大映映画「おんな極悪帖」は、
その名が売れ始めていた頃の、安田道代主演、お家騒動時代劇。
夜鷹稼業から、女郎、芸者、殿様のお手つきと、
男遍歴付きで、あれよあれよの、立身出世を成し遂げた、
上昇志向の、一代女。
江戸の下屋敷の主におさまって、息子までもうけて、
なおも満足しない、欲深な彼女は、
その二面性を、たくみに駆使しつつ、
上屋敷の、藩主の正妻を消して、実力者の座に納まろうと画策・・・。
その周囲では、お定まりの仁義無き、血生臭い内部抗争が、続く。
部下の、こわ~い暗殺武闘派女中を使い、
若侍や、茶坊主らを振り回し、
昔なじみの家老や、医師をも手玉にとって、
すべては、冷酷な彼女の思惑通り、
見事手中に、と思われたが・・・。
予算が限られていたのか、あるいは池広一夫監督の狙いなのか、
下屋敷での登場人数は、かなり少ないのだが。
その分、夜中のシーンの不気味さ、薄気味悪さが、
じわじわと、染み渡ってくる効果をあげている。
注目の岸田森は、気まぐれでやたら高笑いする、わがまま放題な殿様。
とにかく、言動のすべてが、唐突で、予測不能。
あまりにもアバウトすぎて、こわい・・・。
江戸屋敷の家臣達も、難儀させられる。
ラスト、生き残った人物達が、大いなる皮肉、なり。
まったく、傾国の女とは、かくも迷惑なものよ。
以上。
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- 2008/01/15(火) 21:51:13|
- 劇場用映画
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