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シネマ旅の途上にて

自主映画ウォッチャー、アWorkerのブログ。

ビーグル75・生殺名与奪

主水日記。


結局、連休中は、大幅な予定変更を余儀なくされて、
ああ、あれも行けない、これも観れない・・・の嵐に。

ラピュタ阿佐ヶ谷で、
谷崎潤一郎原作の映画を2本、観るにとどまった。
以前、観ている様な気もする2本だが、
どこでだったが、思い出せない・・・。

プログラム中のモノクロ作品「夢の女」は、封切り時に見て、
テンポが、かなりかったるかったので、今回は省いた。


「刺青」(にっかつロマン版)は、伊藤裕子主演、曽根中生監督。
1980年代を舞台に、
なつかしの?ライトでポップな風俗店カルチャーや、
ゲーセンのテーブル型インベーダーゲーム、などが見れる。

金持ちお嬢様のバックアップで、ブレイク寸前の女性ムード歌手が、主役。
最初のほうでは、活きのいい?濡れ場、連打の勢いで、引っ張る。
彼女の行く先を、芸能記者(ロッキー刑事の人)が追いかける筋。
だが・・・

刺青を入れられて、女が堕ちてから、どうなるのか?と思えば、
刺青師はあっさり、フェードアウト。
吊り上げSMショーなど、それなりに魅せるものの、
後はムードだけの、さっぱり弾むもののない、
だらだらとした画面と展開が、続く・・・。
せっかくの大胆な脚色も、勢いへと生かしきれず、腰砕け。
これでは若尾文子の、肉感的な大映版に、及ぶべくもない・・・。残念。


レイトショー、大映映画「おんな極悪帖」は、
その名が売れ始めていた頃の、安田道代主演、お家騒動時代劇。

夜鷹稼業から、女郎、芸者、殿様のお手つきと、
男遍歴付きで、あれよあれよの、立身出世を成し遂げた、
上昇志向の、一代女。

江戸の下屋敷の主におさまって、息子までもうけて、
なおも満足しない、欲深な彼女は、
その二面性を、たくみに駆使しつつ、
上屋敷の、藩主の正妻を消して、実力者の座に納まろうと画策・・・。
その周囲では、お定まりの仁義無き、血生臭い内部抗争が、続く。

部下の、こわ~い暗殺武闘派女中を使い、
若侍や、茶坊主らを振り回し、
昔なじみの家老や、医師をも手玉にとって、
すべては、冷酷な彼女の思惑通り、
見事手中に、と思われたが・・・。

予算が限られていたのか、あるいは池広一夫監督の狙いなのか、
下屋敷での登場人数は、かなり少ないのだが。
その分、夜中のシーンの不気味さ、薄気味悪さが、
じわじわと、染み渡ってくる効果をあげている。

注目の岸田森は、気まぐれでやたら高笑いする、わがまま放題な殿様。
とにかく、言動のすべてが、唐突で、予測不能。
あまりにもアバウトすぎて、こわい・・・。
江戸屋敷の家臣達も、難儀させられる。

ラスト、生き残った人物達が、大いなる皮肉、なり。
まったく、傾国の女とは、かくも迷惑なものよ。


以上。

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  1. 2008/01/15(火) 21:51:13|
  2. 劇場用映画
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