主水日記。
秋から、冬へ。
もう明日からは、12月。
結局、秋の最後に観た劇場用映画は、
「オリヲン座からの招待状」、ということに、なった。
浅田次郎原作の映画化は数多いが、
評判のいいものは、意外に少ない・・・らしい。
(そういえばあったな、「大霊界」?みたいなのとか・・・の声)
しかし、これは拾い物、であった。
昭和の駅前映画館や名画座を、体験した者なら、
ほぼ誰にでも、よくわかる話にしたこと。
映写室や、各社の邦画名作を掛けまくってるあたりなど・・・。
そして、宮沢りえを、実質的主演にしたこと。
ここぞ、のシーンでは、宮沢りえを、
適度な距離感と照明でもって、綺麗に撮り上げたこと。
(オードリー・ヘップバーンに見えるシーンさえ、ある・・・の声)
ロケ地が皆、京都周辺で、
時代劇ロケに多用されてきた場所の、風景でいっぱいなこと。
(あの川、あの橋、あの滝・・・!の声)
モノクロ・映写フィルム・手持ちキャメラ等の持っていた、
あの画面の質感とテンポを、
新撮シーンでも再現し、大いに生かしたこと。
主題歌を無理に、入れなかったこと。
・・・などなど。
結構、ええとこずくめ、であった。
若干の、不満を言えば・・・
最初の映写技師が倒れたとき、
どんな混乱が起きて、どう乗り切ったのかが描かれず、
きれいに、省かれていたこと。
それと、気になったことが。
時代の変化と、メロドラマ的設定を合わせたとはいえ、
少年と少女が登場した後、終わり近くまで、ずーっと、
観客らしき人の姿が、全然見えなかったこと・・・。
確かにどこでも平日は、あんな感じだろうけど・・・。
うーん、どうやっていままで、長い間、もたせてきたんだろう。
新作の借り賃が高かった、
子供に見せられないからピンクもやらなかった、と言っているが。
たしかに、
ピンク映画のフィルム代は安いから、そちらに替えた、
という話は、よく聞く。
ただ・・・。
かつて、いくつかの名画座では、
未成年禁止の成人映画とは別に、
寅さん映画や、子供向きのアニメ・プログラムを掛けるシーズンが、あった。
それで、全体の採算を、何とかもたせていたのである。
勿論、その期間だけ、表のポスターと客層が、全面的に替わる・・・。
そんな実例を見てきているので、ちょっと気になった。
他所では皆、どうやっているんだろう?
出てくるカップル2組が、
両方とも、どうしてそうなるの?
と、いうのも・・・いささか、気にはなるが。
ともあれ、かつて似たような映画館の話を、
3本立て映画「結婚」中の1本で、封切り時に見た覚えがあるが。
映画ファンとしては、あれよりはまあ、納得できるラストであった。
作品は一通りちゃんと、見せてくれなきゃね・・・と。
以上。
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- 2007/11/30(金) 22:45:41|
- 劇場用映画
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