竜の、日記。
土曜夜、7時20分過ぎ。
またも・・・池ノ上、シネマボカン。
これで、何度目だろう?
夏、納涼といえば・・・そう、怪談。
この夜は、以前も2度行なわれた、
B-SHOT PICTURES、<怪奇劇場>の第3回。
今回、
B-SHOTの山岸信行監督作品だけではなく、
野方&SCUM&BABACHOP上映のレギュラー監督・制作組、
大集合で各者が撮影。
過去の<怪奇劇場>シリーズと比べても、
きわめて、バラエティーに富んだ印象のプログラムとなった。
会場では、常連女優・星野佳世女史をはじめ、
浴衣姿の出演者挨拶が目立ち、納涼気分を出していた。
例によって、おなじみメンバーズ中心の客層。
スタッフ嬢から補助椅子が出る、超満員。
そして、怪奇、という言葉には、
怪談やホラー、サスペンス以外の要素も十分、含みこまれているのだ!
という当たり前の事実を、
改めて、強く認識させられたのだった・・・。
以下、すべて、2007年、DV撮影作品。
なお、黒犬獣監督「``その部屋``」なる作品のみ、
観るのが途中からになったため、今回は判断保留。無念・・・。
電丼・TAT監督「凪呼人(なぎよびひと)」は・・・。
とにかく、まず絵で見せてわからせよう、という姿勢が全体にあって、
始めの、主役女子高生の台詞が、ほぼ無しのまま、
古本棚の向こうで、往来する少女のシーンから、
くいっ、と引き込まれる。
女子高生がある男性と会い、古書の話をするシーンから台詞が増え、
進行がややゆるむ。
この男性、古書の事について思い出すのが、いささか遅すぎたかも・・・?
やがて母親役(星野)が現れ、
いかにもそれらしい、リアルな芝居を見せ始める。
(違った一面を見せてくれた!との声、会場にあり)
後は、特撮系によくある、合成入りになって、
救いを求める少女や、古書とのバトル?を、カラフルに見せてゆく。
古書の内容など、よくわからぬままに、
絵と展開でなんとなく、納得させられてしまう。
(この技術で、「ねらわれた学園」も、撮れる?の声)
吉本昌弘監督「マオン」は・・・。
夜。
車の陰で、何かが、行なわれた後・・・。
白黒画面、アパートの一室周辺、男女。
ある人物の影に、終始おびえきる、
主演女優の、アップで力一杯な演技が・・・
コワい。容赦ない。切ない。
吉崎仁美、やはり、あなどれない。
正に、愛ゆえの、スリラー。
山岸信行監督「邪神島」は・・・。
タイトルから、最初、
金田一映画の「悪霊島」みたいな展開なのか?と思っていた・・・。
(鵺(ぬえ)の鳴く夜はおそろしい、ポ~・・・の声)
ロケ地の島は、明らかに、
TVの「仮面ライダー」や「西部警察」、
映画の「蘇える金狼」など、
多数のロケで使用されてきた島である。
その島を、軽い探検に訪れた男女4人。
だが、それ以来、ヒロインと同行していた、男性の様子がおかしい。
執心していた伝奇本・ファンタジー路線を、急に否定しはじめて、
部屋で妙な独り言、対話らしきつぶやきを始める。
このあたり、何とも、薄気味悪い。
不審に思った彼女は、
とある心理研究者(またしても、星野佳世!熱演)に相談するのだが、
そこで、大いなるトラブルが・・・。
やがて、島を再度調べに訪れたヒロインの前に、
驚くべき事実が、立ちふさがる・・・。
とくれば、コワくなるはずなのだが、
こ、これはっ!と、
随所で思わず、吹き出してしまった。
学者の実験は明らかに、某洋画の真似だし、
実験器具(なぜその形?)使用シーンも、
そこまでの薄気味悪さを、吹き払っている。
その後は、まるで・・・「ウルトラQ」だった・・・。
まあ、これ、小生のかなり好きな線ではある。
31分、ちょっと長いのだが、
こういう線のものがやりたいんだな、というのは、伝わってくる。
ホラー、というよりファンタジーとして、なかなか楽しめる。
石毛誠監督「連れてって」は・・・。
う~ん、タイトルどおり、という他はなし。
田舎の町並みを古いカメラで、撮影している男の後を、
どこからか来た少年が、声とともに追いかける・・・のだが、
そこから先が無いため、今一つ、で終わった感じ。
アニメにあった、「おんぶおばけ」なんだろうか。
ただ、そのカメラ、乱歩映画とか昭和方面の映画には、
小道具に向いてるよね~、と。
有瀬訓晴監督「連れて来たらしい」は・・・。
これがもう、とんでもない作品なのだ。
有名な<合わせ鏡>の伝説が、一応の元ネタなのだが。
のどかな音楽の上に、更にのどかそうな、男女キャラ。
およそ、ホラー系向きの配役では、ない。
あえて、薄っぺらさを強調しているような、作りの理由は、何か?
合わせ鏡の、その後に、待つものは・・・。
爆笑。苦笑。
まるっきり、コントだよ、これは・・・。
高岡晃太郎監督以来の、ファンタジー・コント、とでもいうべきか。
わかった、まいった、おそれいったよ!
第二作にして、これだ。
間違いなく、ある種の才人だよ、有瀬監督。
もう、認めますよ。
三作目で、クリーン・ヒットを飛ばしたら、更に認めるからね!
ラスト、岡本泰之監督の「愛と憎しみの果てに」は・・・
どう書けば、いいんだ?!これは。
すごいんだ。すごいんだけど。
書きようが無いよ。これ。
閉所での凶行、どアップ多用、
どぎつすぎるほどの、息苦しきまでのサスペンス。
出演者達の、気魄迫る力演の果てに・・・。
まさかあんな形で、最後を迎えるとは・・・。
興味有る方は、ご自分で確認を、というしか。
洋画系にこだわるあたりが、岡本監督流、なのだった。
以上。
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- 2007/08/13(月) 14:46:08|
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主水日記。
真夏。
12日、土曜。
昼まで、仕事。
(しつこいが、ぱちんこ仕事人、ではない。)
昼飯前に、訪ねてきた昔の仕事仲間2人に、再会する。
(勿論、おりくや三味線屋、ではない。)
この週は、そういう再会が、多かった。
2年くらい、会っていなかった人達もいたので、懐かしい。
盆休みの季節には、ふさわしいだろう。
この土曜は八王子から池の上へ、という珍しい移動になったが、
時間の関係で、池ノ上の1本だけ、
最初のほうを見逃したのは、後悔が残っている。
後日の機会を、待ちたい。
さて、八王子といえば、即座に、
「同心暁蘭之介」最終回の千人同心哀話や、
「仕事人」第一話での、のどかな住まいなどが浮かぶが。
(それは、あんただけ!の声)
この日は、八王子市生涯学習センターの一室で、
8ミリホームムービーの持ち込み上映会がある、とHP等にあったので、
様子を見に行ったのだ。
今年はこの時期、世界中のあちこちで、
そういう8ミリフィルム保護運動方面の上映会が、執り行われているらしい。
主催は、<シネマ秘宝館>・斉藤館長。
着いたころには、
昼下がりから始まっていたはずの8ミリ会は、既に終盤だった。
自分を入れると、10人ほど、集まっていた。
フジカシングル8、スーパー8のフィルムなど、
計10本ほどを、上映していたそうだ。
(注: 実際、斉藤館長によると、
その時点までは、特にトラブルも無く、
上映は順調だったそうである。)
終了の少し前に、小生が到着した時点では、
なぜか不運にも、映写トラブルの真っ最中だった。
映写機のベルトが、切れた模様。
ガタガタリール、音声不良、フィルム溶け落ち、
ゴムバンドの汚れ付着、ホチキスでの補修・・・。
目の前で、あの「マイム・マイム・マイム」の再上映が、
<溶けて>止まるのを、
見る事になろうとは・・・。
あ、消滅した・・・と、
このときはマジで、思い込んでしまい、
小生は暗闇で、青くなった・・・。
もしや、二度と観れなくなったのでは?と。
(注: その後、
消滅はしていない!溶けたのは一コマだけ、
だから再上映は可能、との、斎藤氏よりの御指摘があり、
正直、ああよかった、と、ほっとしたのも、事実なのだった・・・。)
やはり、というか、
フィルムは、有限なのだ。
今頃、思い知ったのだった。
皆、その場はやむなく、笑い合うしかなかった・・・。
現地でも、8ミリ以外も含めた、
フィルム一般の保存・扱い等、
上映方法の後継者を募る必要が、あるようだった。
DVD上映が一般化してきた昨今、
致し方のない事では、あるだろうが。
もはやこれは、伝統芸能継承の域である。
ということは今頃、全世界の8ミリイベントで、
こういう事態が、同時に起きているのだろうか?
10年、20年後には、
<なつかしのベータビデオ上映会>でもやれば、
世界のどこかで、たちまち、こうなるんだろうか。
でもそれまで、機材があるのかな・・・
などと、小生も、慨嘆す。
撤収後、讃岐うどん屋で、しばらく一同と話し込んだ。
8ミリやDHL等の話など、世代的?昔話をした後に、
一同と別れた。
ちなみに、腰が強い、なかなか旨いうどんであった。
夜の池ノ上篇に、続く。
- 2007/08/13(月) 06:30:43|
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