主水日記。
PFF以外にも、最近何箇所か、行っているのだが、
取り急ぎ、こちら関連の報告より。
PFFアワードに関していえば、
ここ数年、大豊作続きで、
相当なレベルの作品でも、無冠が出る程の盛況だったのだが。
今年はついに、その反動?揺り返し?が、若干来たようだった・・・。
勿論、一定水準以上のレベルは、
ちゃんと保たれたラインアップには、なっているのだが。
あくまでも、小生の基準、感覚から見ての印象なのだが、
これは珍しい、毛色が変わっている、という程の、
目立った作品が、例年よりもやや少ないような気が、したのだった・・・。
「ビハインド」や「はばかりあん」や「犯罪したいラリパッパ」、
「いそげブライアン」、「電柱小僧の冒険」、
「雨女」、「妹と油揚げ」、「ストレンジハイ」、
「筋肉インフルエンザ」、「よっちゃんロシア/残りもの」、
「鬼畜大宴会」、「睡蓮の人」、
「BANBI*BONE」、「あるべると うんべると」、
「隼」、「はっこう」・・・。
上記はごく一部だが、
あれらの、テーマの料理法や、独特な描写の力でもって、
過去の常識を超越した自主作品群を、
今、例によって、思い起こしている。
ああいう、とんでもない掟破り?位の作品というのが、
今年の出品作にはあまり、見当たらないような、気がしたのだ。
過去に観た、それらの作品群があまりにも、
すごすぎたせいもあるのだが・・・。
今回の作品でいえば、
じい様や母親と別居した、関西弁の男女と親父さんが、
下品台詞をつぶやきつつ、
あばら家で同居生活する、ちょっと長い「剥き出しにっぽん」や、
編み物少女と都電風景の「つめたいあたたかい」、
ぼそぼそしゃべりの女子高生が走る「革命前夜」などには、
もう少し、脚本等の締めを、望みたかった。
せっかく、それなりに魅力的な人物達をメインで登場させていながら、
筋の展開がややゆるいので、
観る側の興味と緊張感を、
最後まで十分引っ張りきれていなかったのが、
三作とも、もったいない。
人物達の動きとその追い方が、あまりにも自由かつ手ぶらであることが、
時に感銘を薄めていることも、ある。
その点、
中学生目線でその日常性を描いた「パラレリズム」、
サスペンス・ホラーの「背」、
昔の園子温映画のミニマム型な、ジタバタ疾走譚の「シねない奴」、
孤独な年上女性とスーパー店員青年の逢瀬劇「幸福なる食卓」、
家出して転がり込んだ先の従兄弟に、女子高生が恋する「それから明日が」などは、
定番的展開ながら、脚本・ストーリの<引っ張り>の力が持続し、
結構うまく作用していた。
問題作「その子供」は、
視点と、主役キャラクターの立ち方はすばらしいのだが、
いかんせん、善意と友情関係の崩壊劇は、後味が悪い。
あんな身勝手な頼みをするのは、周囲の迷惑だし、
PCを軽い判断で貸す人も、どうかと思う・・・。
夏休みの風景アート写真派、と思わせておいて、
廃墟の中、とてもいけない?展開を見せる「季夏」は、
暗くて、薄気味悪い印象を与える。
屋根裏部屋からの見下ろす構図は、必殺仕事人みたいで、ちょっといいのだが。
主役少年が、ラストまで台詞無しだったら、もっとよかったのではなかろうか?
そんな中で、
中島良監督の「俺たちの世界」と、
角田裕秋・野田憲一共同監督の「青梅二丁目先」は、
テーマへのアプローチと、描写の豊かさ、
テンポのものすごさ、世界観の広がり方が、
明らかに突出していた。
イケメン組大学生と高校生男女と暴力教師を、
屈折しきった心情吐露と、
皮肉な捨て台詞交じりに大暴れさせ、
現代の事件を題材にしながら、
70年代青春アクションドラマを髣髴とさせる「俺たち・・・」。
斜め構図のキャメラと細かいカットつながり、
刺激充満状態、高速度で突っ走り、一気に見せきる。
ラストの台詞を含め、これも又、とんでもない問題作。
某所展望台?の締めのシーンが、いまいち弾けないのと、
後半部での、即物的なアップの多用が、
やや、くどさを感じたのが難点だが、
とにかく存在感は、ぶっちぎり。
世間的エコロジー論への疑問?をテーマに、
エンタメ的ドタバタと、アート寄りファンタジーの間を、
虚実ごちゃ混ぜになってゆく中で、
生活モデルが正反対の青年2人が、
自由闊達に往復する「青梅・・・」。
大変、おもしろい。
近頃は珍しい、きわめて魅力的な作品、といえよう。
あの女性は誰?といぶかるも、じき判明する。
筋の入り組み具合から来る、若干のわかりにくさに、
戸惑う観客も一部見られたが、
その画面の混濁ぶりこそが、正にこの映画の、魅力の肝、なのである。
両者、気になる点も多々あるとはいえ、
2本とも、すぐにでも、ちゃんと劇場公開をしてほしい位の、
すぐれた仕上がりであった。
さて、今回観れなかった、
「青い猿」と「深海から来る音」の評判は、どうだったのだろう?
以上。
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- 2007/07/16(月) 15:24:49|
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錠の、ぼやき。
やっと、台風一過。
久しぶりに、遅く起きた。
今朝の空は曇り。風は少し吹いている。
雨はすっかり止んだ。
やれやれ、と思ったら、
今度は10時台に、新潟・長野で震度6・・・。
一時、原発から出火するも、昼には鎮火の報。
TV・ラジオ・インターネット、
皆、その報道関連で、一杯になっている。
避難や災害救助は、進んでいるのだろうか?
各地方の知人達は、大丈夫だろうか・・・?
おまけに、電波障害なのかアンテナなのか、
NHKとフジテレビの映りが、どうも、よくない・・・。
まったく、なんという連休だろう。
又、「日本沈没」の田所先生が、浮かんだ・・・。
以上。
- 2007/07/16(月) 14:55:58|
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