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シネマ旅の途上にて

自主映画ウォッチャー、アWorkerのブログ。

春よ春よと、笑っていった

主水日記。


世間は、連休前半。

でも、こういう日々の中でも出番があって、
仕事人してる(ぱちんこ仕事人、ではなく・・・)人々が、
いっぱいいる事を、小生も知っている。
合い間合い間で、休みが取れる小生の生活、
その人々のおかげなり、と、感謝しなければ。

さて、29日(日)。初めての<昭和の日>。
といっても、小学生時代には<天皇誕生日>だった人間だから、まだ、ピンとこない。
<みどりの日>だっていまだに、どうも、なじめないのだ・・・。
そのうちに<三丁目の夕日>に、なるんじゃないのか?

さて、この日曜は、新宿ロフトプラスワンにて、
<シネマ秘宝館32>に昼夜、どっぷりと漬かるのであった。
午後1時からの昼の部に、少し遅れて入場。
5時頃に一度外出し、夜7時の部に改めて並び、再入場した。

最近、一部では、内輪だけのものじゃないのか?とか、
レベルダウンしてきてないか?等を懸念する声なども、
時たま、複数、耳に入ってはくるのだが。
(どきっ!まさか・・・の声)

作品と笑いの質・センスを問われるイベントだからこそ、出る言葉なのだろうが・・・。
毎回、選者たる主催者の嗜好が大きくからむラインアップとはいえ、
あれは元々が、一様なセンスではない者の、集まりだったはずでは、ないだろうか?
作り手側、受け手側も、人によっても、受け止め方にばらつきは出るもので、
あれが合う人、合わぬ人が出てくるのは、実は本来、至極、当たり前の事なのではなかっただろうか?
世間様の男女全員が<現行シネ秘ファン>だったとしたら、
むしろ、気味が悪いはずなんだが。

とはいえ、その事で一抹の不安を抱えつつも、
いつもどおり、どお~んと、いや、そお~っと、行ってみよう、と・・・。
(欽ちゃんかよ!の声)
シネ秘元締・斉藤館長&広報秘書コンビの、
のどかな、ふんわり漫才?トーク姿を壇上に見つけると、
まずは、ほっとする。
さて・・・?

ご案じめされるな、レベルダウンどころか!
数段、上がってるじゃないか!
意欲的なラインアップが、たっぷりと集まっている。

旧作以来、シネ秘に縁の有るメンバーの作品や、
ベテラン復帰組作品の魅力は勿論の事だが、
今回は若手や新規参入組も多かったし、これが又、えらく面白い。
作品集めの大きな成果が、十分に現れている。
(実は、ここや他所のイベントで、何となく観た覚えのある作品も、幾つか含まれている。)

かつて常連客だった人々が壇上デビューしたり、
外部の学園祭方面から持込があったりして、
ちゃんと若芽は育っていたのである。
しかも、作品がちゃんと面白い。笑える。

一見してデタラメ、むちゃくちゃな発想の作品でも、
<身の回りの物と人体で工夫する>
<強引なテロップを入れる>
<落書き感覚のシーンを生かす>
<お店の人に好意的に協力してもらう>
<「終」、でさっと逃げる>など、
基本線は存外、きちんと(?)踏まえられているのだ。
学んでいる。いい意味で。

前回と比べても、当たり!の印象が、より強かった事は間違い無い。
大丈夫、観客も皆、盛り上がってるぞ!
さあさあ、心配御無用!観なきゃ損、損!なり。
とばかりに、入りもかなり良く、上々の部類。
ご存知の、シネマ関係者諸氏の姿も多い。
夜の部は、たちまち、満席に近い状況になった。

作品短評、各2~3行予定で、いざ。
なお、昼の部のみ、夜の部のみの上映作品が、各1本ずつ含まれる。
括弧内は監督名と上映時間。


<第1部 短篇作品・どーんと上映!!>

「ばくはつ五郎」&「ばくはつ五郎ZZ(ダブルゼーダ)」(高田勉、2本で1分):
どかん!わはは。まんまだね~。
池袋シネ秘のときも始まりは、サライ・ドカン!だったような。
SFと打ち上げドカン、最早ここでの定番なり。

「将軍暴れ旅」(高橋亨、5分):以前<賛否両論>サイトで配信したもの。
劇画時代劇調。宮川・赤星・松本・ザンス氏といえば・・・似合いすぎ。
ふんどし技、ロケット技、大いにウケる。<ガンコン>参加も可能?
ラストで、やっぱり場内、「え~!?」の嵐。
してやったり、<プロペラ>メンバーズ4人衆。

「充電池人間」(内田清輝、5分):高校生チーム作品。
メタルUFOがもろ吊りで、笑う。適度な脱力感がいい。
星人はきつね面、冷蔵庫からつなぎ服の人造人間が。
カラフル落書き、8ミリ全盛期を思わせるビーム描写、手描き感いっぱい、だしぬけな終わり方。十分、シネ秘の仲間入りだ。合格。

「ロサンゼルス物語」(天野力栄、13分):学生時代のサークル作品。
なぜか寿司屋の親父さんが、とんだ格好で握ってる。
からしの付け所(!)がチャームポイント。大ウケ。
でもちょっとだけほろり、ないい話。まんまな芝居も笑って許せる?
父子鷹、いや、乳子鷹。

「僕のスカイライン」(安原伸、4分):再見。
男が新車に乗って、車は・・・。
ワン・アイデアでこれだけ可笑しくできる、というお手本。
ナンパ時の反応に爆笑。
ドライブスルーも、マニュアル対応なのが笑える。
80年代、おおらかな一篇。

「明治天皇宇宙の旅」(安原伸、8分):再見。
え、え~と・・・タイトルそのままの、物語。SF冒険ロマン。
ぎりぎり、すれすれ、昭和の作品。
造形等からして、SWと「宇宙戦艦ヤマト」の線かと。
大変のどかな世界なり。


<第2部 気合い入った中篇作品!!>

昼の部のみ:「蛇閣童子」(内田伊久、19分):

ガンコン常連、バトル野郎な男が、監督で帰ってきた。
「スターブレーザー」おおなりてつや氏も、協力。
冒険ドラマへの原点帰り、
森のクールなカンフーヒーロー、大蛇退治のプロ、なかなか、やるねえ~!
ポーズも音も、ピシッ、ピシッと、キマッてる。
息が既に怪しい追い剥ぎ兄ちゃん達も、形無し。ビビる芝居もそれらしく。
自信満々な野郎だが、謎の美女には・・・崩れた。油断大敵。
とんだギャップがちょいと愉快。男ツンデレ?
そこら辺のコミカルさも含めて、画面に活劇らしきリズムがみなぎる。
ただ~し!
OP映像は、タイトルバックを除いて、予告編の後ろに廻すべし!
本編中盤まで、大蛇と女の姿は伏せておいたほうが、
一体どんなのだ?とじらされて、よりハラハラさせるぞ。
じらしも技、引っ張りも又、技。これ、連続活劇の奥義、なり。

さらにアクションと技でヒートアップして、
イキのいい続編、もう一丁!待ってるぜ。


夜の部のみ:「愛すれば」(金大錘、25分):

ゲイバーのストリップ・ダンサーと、新人サックス奏者、
踊りながらの、恋の顛末。優しい感じ。
以前、別スレでレズ・ゲイシネマ方面の特集上映について、ほんの少しだけ触れたのだが。
はじめからボーイッシュな色白の人物が女っぽく見えるのは、こういう映画には割とよくあるパターン。
そこら辺がちょっと弱いのだが、
こちらは、見ていて、切なくもすがすがしい。
そっちの気がある人には「違うよ~!」なんだろうけどなあ・・・。多分。
上野の某ハッテン場上映だったら、「ちょっと待て~!」な展開かも?
独占欲の強い支配人役が、一番しっかりと目立っていた事を、付け加えておこう。


昼・夜両方上映:「クライシス 北の国から」(田口清隆、27分):

昼・夜とも上映の前に、
「かなり激しい撃ち合いや、血が飛ぶようなシーンがありますので、多少きつい、という人もおられるでしょうが、ご了承の上、ご覧ください・・・」
との前置き説明がなされた。

ブラックな笑いを含みもつ、かなりシビアな、平行世界SF。
東西北海道統治分離、市民自衛団結成、
東京ミサイル空爆、隣国通信傍受、情報合戦、
内戦状態勃発、国土分断・・・と、
キナ臭い、血生臭い設定の自主戦争映画。
脚本に関しては、おそらく相当緻密に、書き上げられている。

深作欣二が撮ったのか、と思わせるまでの緊迫感と疾走の連続、
観ていて、いたたまれなくなる程。
内地のやつらは知らん顔だ、と室蘭の人物達がぼやく台詞には、正直、少しつらい気持ちになった。
こんな設定設定自体、シミュレーションのみであってほしいものだ。

銃撃戦シーンは、とにかく、ど派手!!痛みが伝わって来る。
こんな切迫した状況の合間にも、
<カニの刑>、カニの匂いでターゲットを嗅ぎつける、等の遊びが挿入され、一時笑わせるが、
すぐさま、次の悲劇がせわしく襲い来るため、
全体の痛ましさを「M*A*S*H」のごとき悲喜劇に転嫁するほどの中和作用には、ならなかった。
つい今しがた、笑ったのは、なんだったんだろう、と・・・そういう気持ちになるのだ。
ミリタリー・マニアの人なら、早めに設定ゆえの弱点が割れて、すぐ笑う方に回れるかもしれないが。(あえて書かない。)

それにしても、<証言者>の正体には、唖然とした・・・。
なんで、その人だったの!?反則だよ~。
ともあれ、とても正月帰省時期中心で撮った映画とは思えない、力作である。


<第3部 とっておきの作品上映!!>

「スペースネコシアター」(青木純、8分):芸術大学、卒業制作アニメ。
パンフの印刷が間違っていたが、スペースコタツネコ、ではない。
(スペースデンキネコでもない。)
大人の?エロネタをかますネコが、ウイスキーを。おっさんと呼ぼう。
テレビ・ショッピング、高級ネコ世話用品の売り方がいかにもで、軽く笑わせる。
授業シーンにも笑う。
欽ちゃんの教室コントで、「おはようございます!」「元気いいねー!」「はい、景気づけです!」っていうのが、あったな・・・。


「いちごチャンネル」(金澤 信、22分):シネ秘常連観客3人組で制作。
以前どこかで観てる?
2、3行じゃ、まともな解説は不能・・・・。
と、書くこと自体、むなしい。おかしさを十分に伝えきれないから。

なにわ天閣監督やタクラビジョンのインスパイア?風な、物体と音楽・音響の使用タイミング、
ローラー、スケボーでの横滑り運動、キック等の繰り返し(アタック!の声)、
落とされるタイトル版、
すっ飛ばされる昔話キャラのメンコ、
座頭市の真似で一人何役もやる人、
母親役?らしき人形首キャラの動き、
TV中継に混じるミニチェア、
けだるそうで語彙の不足した天気予報士、
しつこくいたずらばかりするTVジャーナリスト、
アバウトすぎる星占い、黒板で怒るドXXXん・・・・・。などなど。

ノンシャラン、軽妙洒脱、末梢・反射神経的、
自由奔放すぎるぞ!このメンバー。
こりゃ、和製ミニ・ジャッカス・チームか?
80年代のナイロン100℃の芝居観てるみたいだ。

ゲストでも出演者達が来てたが、あのまんまだな~。
彼等同士でマイペース、内輪しゃべりしながら館長とトーク。
良くも悪くも、今のTVバラエティー&シネ秘育ち、なのだろうか。


ラスト上映作*「響け協奏曲」(天野力栄、4分):

またしても、寿司屋のおやっさん登場。
人工呼吸になぜ、バターを・・・。
女の子と犬が来た時点で、何が起こるか、わかった。
大笑い。ひでえな~。とんだAED。
元ネタは「新造人間キャシャーン」らしいのだが、知らなくても無問題、で笑える。



以上。






























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  1. 2007/04/30(月) 11:44:14|
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春と思えば、夏が来て

主水日記。


渋谷での、とある特集上映(後述予定)の合間を縫って、
ほんのちょっとだけ、都心部のごみごみを離れてみた。

ちょうどいいところに、土曜14時に佐倉で、
例年より遅れていた<電丼上映会>があったので、立ち寄ることにした。
会場は勿論、京成佐倉駅前・ミレニアムホール。
ぽかぽか陽気で、珍しく電車の終点まで、熟睡す。

GWの初日のせいか、若干、空席が目立ったのだが・・・。
30人前後は、集まっていた。
「連休には、勝てん!」と、壇上で司会のTAT氏。

昨年暮れに高田馬場BABA-CHOPでお披露目された2本の、佐倉初上映。
「SCHOOP」など新作の予告編も、付け合せていた。
なぜか主役が一瞬、優作!?みたいに見えた。

<B級ランダム>制作、内海監督のサスペンス・ホラー「キャメラ」(1本目)と、
<電丼>TAT監督、「探偵 麻生よう子」の再編集バージョン。
星野佳世出演のリベンジ2本立て、という角川アイドル映画風カップリング。

特に1本目、真冬のさなかに観るよりは、
やっぱり、多少暖かいか、暑い時期に観るべきだよなあ、
と、つくづく思った・・・。
観客の一番言いたい事を、制作会見の司会が言い放っているのが、なんとも皮肉な事で・・・。
このえぐい話、現場のみんな、よく引き受けたよなあ。
(付記:翌朝、鬼太郎のTVアニメで、撮影所でのトラブルの話を観て、余計にそう感じた。)

2本目では、主題の詐欺・脅迫犯防止により力点を置くためだろう、
<殺すよりえぐい>仕置人的リベンジ・シーンと、
悪役コンビの、公園でおまけのやりとりをしている辺りが、
大胆にもカットされていた。

まあ、確かにこの2シーンが無くっても、
台詞上のつながりがあるから、これはこれで、
応援がすぐに来て、という風に、
すっきりした運びと締めになっているわけだが。
随分、終盤の印象が変わる。

最初のバージョン、観ちゃってるからなあ・・・。
ディレクタ-ズ・カット版と劇場初公開版を、
逆の順に(逆、っていうべきか?)続けて観た、という感じだった。
これもまた、ひとつの贅沢、というべきか。

恒例、舞台トークでは、真夏の撮影で暑かった、という話に。
トーク終了の直後、突如、電丼子役コンビにより、PR?あり。
映画次世代は、たしかに、育っている模様。


今回も、打ち上げで皆さんとの映画談義が楽しくて、つい長居をしてしまった。
又、時間が空いたら、寄ろうかな・・・。


以上。
  1. 2007/04/29(日) 10:44:52|
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春よ来い、夕張に

政の、ぼやき。


「無垢なもの」ってデジタル撮影の映画、観たんだけどさ。
シネマアートン下北沢の、レイトショー公開で。
水曜日は、お客さんは殆どが、トークゲスト監督3人の知人で、11人程。

舞台劇の映画化で、
あの、ゆうばり国際映画祭の、
現時点で最後に上映された自主コンペ系映画、
って触れ込みなんだけど・・・な。

ドジって追われてるやくざ男と、言語か知能の障害?らしい若い男とが、
ひょんなことからばったり出会って、
弁護士秘書やってるそいつの姉貴と、やくざ兄貴の元カノのホステスがちょっと関わって、っていう話。

いや~、確かに、喧嘩とか、ぶった斬りとかの痛そうなシーンは、凄いんだ。
やくざ役の男、顔で得してるし。まずまず迫力もある。
障害青年のほうも、演技には結構、勢いついてるし。
花火の辺りとか、ちょっと活力が見えてるし。
変な芸当してみせる白髪ボスも、おもしろい。

でもさ・・・。
そこらのシーン以外が全体に、何ていうのか、おとなしいんだ。
エネルギーが無い感じ、なんだよ。
運んでいってくれる活気とテンポが無い、っていうか。
そこらがちょっと、勿体無いぜ。

これ、ゆうばりファンタや新宿ファンタのお客以外に売るのって、ちょっと難しい映画、なんだよなあ。う~ん。
でも、<石井輝男に捧ぐ>になってるのは、納得。

上映後トークも、雪深い中で交流会、とか、
ゆうばり出品方面での思い出話が多かった。
ゲストの男性監督3人が皆、40代らしくて、
「世代交代、進んでますよね~」な話になってたな。

ホラーシリーズで<夕張ゾンビ>っていうのをロケしてたとか、
毎年ロケしてると3年で撮る所が尽きる、とか言ってたよ。
それ、見てみて~よ!<夕張ゾンビ>。

夕張、新市長選んで、再建中だそうで。
今年は<応援映画祭>があったけど、来年は、どうなるのかな・・・?



それじゃ、又。

  1. 2007/04/28(土) 00:46:14|
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春風そよ吹く、空を見れば

秀の日記。


22日、日曜。
珍事、とは正に、このこと。

またしても、一日で短編映画を、一気に11本、観てしまった・・・。

まず、BABA-CHOPにて、
元<スウィング・ガールズ>の、同一女優コンビが主演している7本の短編集企画、
越坂康史(5本)・朴成基(1本)・ウエダアツシ(1本)監督の連作シネマ「FRIENDS」。

その後、トリウッドに移動し、
<BLOWピクチャーズ>作品集より、
Secky chang監督「年賀状」&「鈴色の風」、
および、
たかひろや監督「primrose」。
アンド、小川誠一監督の中篇「グッドモーニングス」。

ありていに言って、おとなしい作品が多く、
それほど、とびぬけた印象のものは無かったが、
結構楽しめる、シネマ道中ではあった。


さて、公式HP等を見ればわかることなので、先に触れておくが、
今回、「FRIENDS」DVD化に際しての上映企画は、
当の女優コンビ欠席、お詫び挨拶、という予期せぬ波乱が生じた。
(当方は、入り口の貼り紙で知った。)
地方から日時を空けて、来ている人もいるだろうに・・・
観客道としては、主催者・来訪者とも双方、まことに気の毒、という他は無い。

幸い、大半のファンが既にHP等で知っていたのと、
監督や代打女性タレントがトークをユーモラスに?つないだので、
さしたる混乱も無く、2プログラムを終了した。

作品自体は2人が、様々の設定下で、
「トワイライトゾーン」「世にも奇妙な物語」路線の
SF・ファンタジー、セミ・ドキュメンタリー・タッチの室内演技、
などに挑んで、新たなる顔をのぞかせる試みである。
他者は、電話の声役のみ。
メイドから劇団員、女子高生、OL、ネイル・アーティスト、
サギられた女子大生、ヤマンバ(!)、預言者、緑色の宇宙人に至るまで、
すべて2人のみで、奔放に演じている。

各話とも発端の奇異さに比べると、その後の飛躍が淡くなっていて、
いささか、投げっぱなし?な締め方の作品も多いのだが、
それらの試みの狙いは、それなりに、
軽快な対話や動めきぶりを含めた、2人の魅力を画面に放ち、
概ね、効果をあげている。

場内ではヤマンバ・コンビと竹の子の一篇が、一番ウケていた。
当方では、ジョウロの宇宙船と植木投げ、宇宙人の履歴書、
屋上の唐突な乱射、ヤマンバのイカレた台詞廻し、などが面白かった。
演技的成長過程の記録として、ある意味、貴重なDVD化となることだろう。


「年賀状」は、
毎年暮れに切羽詰って書いた経験の有る人ならば、
誰でもよくわかるぼやき、つぶやきを、ほぼそのまま出した作品。
これは、共感を呼ぶ。

「鈴色の風」は、
猫?らしきワンピースの女の子が、町内を軽やかに走り回るだけの、
爽やかな風景画。小品。

「primrose」は、
いわゆる<セカチュー>路線?映画のエッセンスを、
コンパクトにまとめあげた、ずるいほどに直球な佳作だった。
(この線の映画、今、少し多すぎだね・・・の声も)
マフラーの使い方がミソ、なり。

そして・・・
「グッドモーニングス」は、
ネットサイトで知り合った、男性ばかりの自殺志願者たちが、
どこかの工場の屋上倉庫に集まって初対面、自己紹介する話。
(またかよ~!多すぎるよ!の声・・・)
ゼビー&ホッパーライダー氏が出演、繊細な役どころを見せる。

倉庫内のシーンが、もろに舞台装置芝居風で、
合間に映画らしい回想シーンが入るので、若干違和感が残るのと、
練炭準備作業等の中断理由が、意外にあっさりとしているのが、気にはなったが。
マジメさとユーモアを同居させた、暗すぎないドラマ性は、大いに評価できる。
ラストは<Gメン>みたいで、かっこいいのだった。これでいいのだ。


以上。
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  1. 2007/04/23(月) 21:53:40|
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春うらら、居酒屋ゆうれい噺

竜の日記。


19日、木曜、夜18時半頃。池袋。
新文芸坐でかろうじて、パイプ椅子席の当日券を、3000円で入手す。オール指定席。
ここの名物イベント、落語家・立川志らく登場の<シネマ落語>が、生で聴けるのだ。
何たる幸運。
この日を逃がすと、次の機会は夏なのだ!

お笑い、というより正しくは<一人笑わせ劇>、だろう。
落語家の独演会というのは。
しかも、映画ファンのためのネタが詰まった<シネマ落語>、と聞くと、素通りは出来まい。

そもそもこの人、以前別所のミニホールで、
サスペンス仕立ての自主映画監督作を披露していたときに、見たのが最初。
もっとも、映画はテンポがあまり良くなく、
高座やゲスト・トークほどには引き込まれなかったのは、やや不満が残ったのだが。

ヨコハマ映画祭にそれらしき人物が現れたこともあるが、
関内の広いホールではしゃべくりの効果があまり、冴えなかった。
小さめか中位のホールで、細かい笑いを集中して連打したほうが、面白いタイプ、と見た。
とにかく、笑いに関して才能がある人なのは、間違いない。

それにしても、新文芸坐に貼られている、ポスターに刷られたお題が、
<シャイニング、他>ってのは・・・。
おいおい、あのジャック・ニコルソン主演、キューブリック監督の恐怖映画が、
ほんとに、落語になるのか!?
と、半ばいぶかしがりながら、19時頃、入場。
既に、お囃子が流れている。
ロビーでは記念グッズ・写真販売も。勿論店番は一門の人達。

19時半より高座、開演。

前座噺の立川らく次が開口一番、軽く笑わせ、会場を暖める。
さすがにプロ、基礎は固まっているようで、結構流暢である。

やがて真打・志らく登場。
見るからに威勢のよさそうな、自分を<乗せてる>按配なり。
半分、焦っている様な?キャラが売り、なのだろうか。

まくら(導入部)で同門の楽屋話や、師匠との愉快な電話のやりとり、
某人気落語家の税金騒動(!)へのおちょくりネタ等を振って、
自分がらみのエピソードが、いかに他者によって、
針小棒大に吹聴されて師匠に伝わり困惑させられたか?
などをもぼやいてみせ、しっかり笑わせる。
いやもう、既にゲラゲラ。

構成はというと、そうしたまくら話を付けつつ、
「いやもう、もともとのが脱力な下げ(オチ)で脳停止状態にする噺だから・・・」とエクスキューズ付きの解説をしておいて、
まず、東西の古典噺、<不動坊>と<鰍沢(かじかざわ)>を、2本続けて演じる。

<不動坊>は、大家からの縁談話で、後家を嫁にもらった男の噺。
彼をからかってやろうと、ご町内の男たちが、
後家の前夫のニセ幽霊をでっちあげて驚かそうとするコメディー。
怪談につきものの太鼓をチンドン屋、
幽霊役を林家正蔵(無論、あの、正蔵師匠ではない)の弟子に振ったがために、計画はめちゃくちゃになる。
場内大受け、こちらも大笑い。

<鰍沢>は、雪深き民家で、偶然の再会から起きた悲劇を描いたサスペンス噺。
欲を出すと、ろくな事が無い。
かなりコワいんだが、オチは・・・。落語だから?

休憩時間をはさんで更に1本、
忘れん坊の間抜けな侍が、目下の人物に尻をつねってもらう、
というだけのドタバタ喜劇<粗忽の使者>を、
これまた、流暢かつアクティブに語り込む。

で、最後に、
ここからは新作落語ではなくて<アレンジ落語>ですよ、と前置きし、
それぞれの噺で登場した愉快なキャラクター達を再登場させ、
いわば続編の形で、「シャイニング」の筋立てに放り込んでみる、
という凝った趣向。

さっきの正蔵の弟子キャラが妻子を連れて、
いわくある冬の宿にこもって修行中に、
例のチンドン屋達がこっそり訪れたら・・・と、つなぐ。
落語家が部屋で恐怖に震えつつ、ジュゲムジュゲムをつぶやくなど、
もう、空腹絶倒。
<鰍沢>がサスペンス噺なので、設定にうまく合致する、というわけ。

古典の3本を予習した上で聴くと、より笑える、というおいしい構成。
これは、常連客が付くのも道理。

いや~、ええもん、見せてもらった。
又、観たいぜ。志らく師匠!


以上。
  1. 2007/04/20(金) 20:42:28|
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春おぼろなり、うつつの夢よ

旅人、覚書。


最近、故・田中登監督特集の為、ラピュタ阿佐ヶ谷行きが多い。

ゲスト来場日など、満員で入れない時間帯も有る。
そういうときは、延期するか、
ロビーで監督生前のインタビュー・ビデオを眺めて、次を待つ。

実際、70年代の日活ロマン系をメインに、力作揃い。

宮下順子の名作「実録 阿部定」、
透明傘やシャッター音のシーンが印象的な「牝猫たちの夜」、
古尾谷雅人の傍若無人ぶりを際立たせた「人妻集団暴行致死事件」、
石橋蓮司が特にハツラツ?とする、
実相寺版より怪奇味が出ている「江戸川乱歩猟奇館 屋根裏の散歩者」、
劇画家・石井隆の絵入りで、
鹿沼エリ・地井武男のライバル記者男女が、夢とうつつの間を交錯する
「天使のはらわた 名美」(これは今回、もう一度観た!)、
中川梨絵の時代劇「(秘)女郎責め地獄」、
芹明香の大阪うらぶれ物語、鶏冠(とさか)のシーンが強烈な「(秘)色情めす市場」・・・など。
亀有名画座で観ていた作品も、数多い。

<ロッポニカ>一般路線での「妖女伝説’88」は、
これも今は無きロッポニカ新宿で観たが、
コンピュータ・プログラマー青年と女性幽霊の組み合わせは珍しいものの、そこから先への発展性が広がらず、今ひとつに終わった。

その後も、2時間サスペンスドラマ枠ではずっと、現役だったそうだ。
せめて後一本、劇場用映画を・・・と願っていたのだが。


永島瑛子の「女教師」(’77)、
主人公を孤立・孤独感へと追い詰める、無理解で事なかれ主義の教師達に一矢報いたのは、主犯のはずの高校生役・古尾谷雅人だった。
おろおろする久米明の妄言シーンは場内、爆笑になった。

「夜汽車の女」(’72)ではズーム、耽美的倉庫シーンなどが、
姉妹やメイドを演じる女優たちの色気に、彩を添えている。

東映実録路線の「安藤昇のわが逃亡とSEXの記録」(’76)、
主人公は警察への反抗心をあらわにしつつ、
愛人宅を回っては逃亡を繰り返し、最後の最後まで抵抗心を貫き通す。
とにかく、常人ならざる、むちゃくちゃな行動力で・・・。
小松方正の記者を含め、ところどころ、あけすけさ故の笑いすら、場内では起きている。


「愛欲の標的」(’79)はその点、サスペンスとしての筋がゆるく、いまひとつの出来だった。女優は美しいんだが・・・。

松竹・富士映画系列で撮られた「丑三つの村」('83)では、
常連・古尾谷雅人が戦時中の犯人青年を、
意外なコミカルさをもたたえて、いきいきと、演じている・・・。
乱射シーンは「ゴキブリ刑事」や「鬼畜大宴会」以上のど派手さで、ドキッとさせられる。ラストの台詞も、お見事な幕切れに。

TVの2時間ドラマ「愛の報い」('83)では、
報われなかった愛の形が、風間杜夫と桃井かおりの力演によって、シビアに示される。
黒髪の田山涼成が、一瞬見れる。


土日も池袋・新文芸坐の<ピンク映画祭>オールナイトをはさんで、
阿佐ヶ谷との間を、行ったり来たりだった。


<ピンク映画祭>について言うと、
若干、不安要素が垣間見えるものではあった。

とうとう昨年度は、新作数が80本を割って、
79本になってしまったそうである・・・。
特に新東宝・国映系の制作本数が、激減したためらしい。哀。

ミニコミ情報誌<PG>編集長の作品評もややシビアで、
どうやら突出して目立つ程の作品が、例年よりも少なかった模様、なり。
量は質を生む、というが、
業界も今一歩の踏ん張り、制作活性化と集客の工夫とが必要な様子だ。

が、少なくとも、この夜の集客は、補助椅子が多数出るほどの盛況で、
「これは、過去最高!」(司会チーム・池島監督談)
「上板東映時代には無かった、にぎわいです」(受賞ゲスト陣・下元氏談)
だそうである。
亀有名画座時代から見ても、新しい世代のピンク初見客は、男女を問わず、相当に増えている。
ロードショー公開以外での特集上映や、イベント企画・PR等の効果と浸透度は、着実に上がってきているのだ。

普段、中高年のおっちゃん層が、もうちょっと劇場に来てくれれば・・・というのは、相変わらずあるのだが。
そちら向きの作品群は、概してテンポがのろく、
ピンクイベントの主たるファン層であるところの、
テンポの早い映像に慣れている20・30・40代のお客さんには、いまいち不評なものも多い。
対策が一率にはならない、できないところもあるのだ。

オールナイト上映作4本(内2本は既に観ていた)を観る限りでは、
エンタメ路線作品に関しては、決して不作などではなく、
むしろ好意的に、面白く観れるものが多かった。
成人したら食わず嫌いせず、是非一度、とおススメしておこう。

ちなみに、かかった4本は・・・。


竹洞哲也監督「悩殺若女将 色っぽい腰つき」。
主演女優のユーモラスな魅力、おおっぴらなコメディー演技ぶりに、尽きる。
全体にきわめて、明るい雰囲気が広がる。
英語混じりの性交、「ざます~!」、「ギザ十!」、立ち読みシーンなど、随所にライトなおかしさ一杯。
そば屋の父娘の話がちょっといい、人情コメディ。
(作品賞・女優賞・新人女優賞・技術賞)


池島ゆたか監督「昭和エロ浪漫 生娘の恥じらい」。
これは去年、上野オークラで観た。
女性の自立についての論議って、
60年代からあったんだろうな、多分。
長島の話するだけの、酒場のレトロ・シーン、
なぜか、とても味わいがあって、いい。
歌声喫茶のシーンに、B-SHOTの怪談監督がエキストラ出演。
(ベストテン5位、監督賞・新人女優賞)


いまおかしんじ監督「絶倫絶女」。
一般公開タイトルは、「おじさん天国」(既述)。
俳優・下元史朗の魅力を再認識させた、快作。
妄想シーンの力が、大きい。
イカ墨、男の喧嘩、蜘蛛、閻魔様等、
なぜにそこまでする!?なシーンの連続に、
皆が、またしても爆笑。
(ベストテン8位、女優賞・男優賞)


新人・田中康文監督「裸の三姉妹 淫交」。
思うような<絵>が描けないがゆえに悩む者、
その絵の才をうらやむ者。
淡々と、しかし切なく描かれ語られてゆく、姉妹のドラマ。
(ベストテン10位、男優賞・新人監督賞)


日活ロマンやピンク映画の過去作品が持っていた、
なまめかしくも強固なるイメージや、溢れるときめき感を、
更に超えた映画を観る日は、又、来るのだろうか・・・?


以上。









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  1. 2007/04/16(月) 07:52:37|
  2. 劇場用映画
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春や春、はみだしシネマぼやき旅

旅人、覚書。


今週は、珍しく、映画を観に行っていない・・・。

ああ、世間は今や何かと、せちがらく。
外は、春の突風、吹き荒れて。
あっしには関わりのねえ事で、と言い放つ事もかなわず。
帰り道は、哀、
一人旅行く、木枯らし紋次郎の、気分。


と、書いておいて、何だが。

シネマ旅以外では、
最近、旅らしい旅を、ぜんぜんしていない気がする。
近距離は、たまにあるのだが。

予定に追われないで、ゆっくりと過ごせるような、
泊りがけの、のんびりした旅。
特に、関東以遠。

あいにくと、出張旅費の出る身でもないので、
自前で行ける範囲でないと。

考えてみれば、同じ関東の高崎映画祭ですら、出向いた事が、無い。
ああ、こんなときだけは、時刻表と料金を心得ているだろう、
巷の行動派、鉄道マニア君達が、ちょっとだけ、うらやましい・・・!
(シネマ秘宝館の館長は、そういうの、詳しいんだろうなあ・・・の声)

この前の、名古屋の万博が一番、遠くだったか・・・?
わやくちゃな目には遭ったが、
あれはあれで、結構な旅ではあった。
しかし、あれ以降、関東から全然、出ていない・・・。

まず宿がとれないと、野宿になってしまうし。
それは、ちょっと、きつい。
もうGW期は、諸事情で、地元での<お留守番>がほぼ決まってるし・・・。


実は、7日の粟島映画会以前から、ずっと、そんな事を考えていた。

ああ、ほんの2、3日でいいんだ!
ちゃんとした旅に出たい!

で、できれば、
ご当地の映画館、名画座などを、訪問してみたい。
実際、ロケ地訪問してる人も、いるし。
うん、いいかも。これって。


でも・・・やれやれ・・・いつになるのやら?



以上。



  1. 2007/04/13(金) 19:23:03|
  2. 日記
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春爛漫、美酒に酔うがごとく

主水日記。


粟島(あわしま)という離島を、ご存じだろうか?
新潟県の沖にあるという、その島で、2本の自主映画が撮影され、
今、公開されている。
なぜか、下北沢の一角で。

制作・<シネマ健康会>。
中篇2本、「ナイランド~なくし者賛歌~」と「私は落ち 陽は赤黒く」。
2本とも監督・松本卓也。
以前伺った、トリウッドの短篇企画等で、名前がよく出ている。

公開場所は下北沢駅西口前、
ミニイベントスペース<ギャラリィ・トウキョウ・ジョー>。
(4/8(日)~4/22(日)まで。)
初日は、夕方と夜、各1回の上映。

井ノ頭線ホームから見上げると、すぐ前にある建物の3階に、それらしき名前の小さな張り紙が。
降りて線路沿いに表へ回ると、運動靴店の横に入口階段がある。
監督自身が出ている、<アワシマン>?!なるヒーローらしき、妙なポスターがそこに。
女優・淡島千景ネタよりは、とっつきやすいか。

受付で2本分支払い、中へ入ると、
改装した屋根裏部屋そのままの、三角屋根のスペースに、椅子とプロジェクター。

なぜか、向かって左の一角に、
干し蛸(そう、あのタコが。海産物の)が吊るされている。
みやげ物コーナーは、タコや海草方面がいっぱい。
まるで海産物問屋。(いよっ、越後屋!の声)

上映前後のトークによると、どうやら、
2年前から夏に離島ロケを行なっている<シネマ健康会>一行が、
自ら島のPRと物産展を買って出た模様。

右の壁には、島内を撮影したミニ写真展が。
奥のスクリーン横にも、何本もの紐に釣られて、
ロケ隊の記念写真が展示してある。
夏休みの、学生サークル合宿風。
随分、くつろいでいる感じで、微笑ましい光景。

席には20代位の、男女客が多い。
演劇・音楽方面の人も、ちらほら。

松本監督が芸人出身だけあって、軽く笑わせるトークが楽しい。
聞き手の女性ライターも、スムーズな話芸に引き込まれている。

出演者・スタッフ、ゲスト一同も、口々に、
「なんにもなくて、広~い島なんだけど、そこがいいんだ」
「フェリー便にさえ、遅れなければ・・・ね」
「民宿も、海の家もあるし」
「すぐ日焼けするし」
「沖縄行くより安いし、近い」などなど・・・。
各人スケジュールを組んで、
3日間限定ロケの人、一週間近くスタッフで居た人、いろいろあったようだが。
よほど皆、現地が気にいったのであろう。

2本立てで1500円(前売り1300円)、
上映後に初日こけら落としパーティで、
トーク&ドリンク付き、1000円ならば、安い!

テーブルに、タコの切り身が出ていた。
軟らかくて、うまい。

他にくじ引き、200円というのもあり。
あいにくとくじはスカで、
土産のかわりに出たのは、特製アワシマン・バッジ。
思わず、変身、アワシマン!ポーズをしてしまったのだった。
現地産の<炭>を貰っている人もいた。
なお、生漫才?シーン再現、という貴重なものが観れたことを、幸運に思うものなり。

作品短評、付記。


「ナイランド~なくし者賛歌~」(初見)。

昨年夏に撮られた作品。

どこかにある、謎の島。
何かなくしものをした人が、次々と流れ着き、
その失った物を島内で探して、
見つかったら、帰ってゆく。
そういう島の世界。

そして、何を失くしたのかすら、忘れていて、
思い出せないまま留任状態で、現地案内人となっている女性がいる。
常連女優・川島田ユミヲ、のびのびと演ず。

全編、テクテクと島巡りをして歩き回っている、
それ以上、何があるというものでもない、ないないづくしなのだが、
お茶の時間を、のんびりとくつろいでいるような雰囲気を味わえる。
時折出る、ベタな駄洒落ネタが、ちょっと笑える。結構ウケている。
終わり方も、概ね予測されうるものとはいえ、爽やかなものがある。


「私は落ち 陽は赤黒く」(多分再見)。

2年前に、オール粟島ロケで撮られた作品。

某サイトで自殺予告をして、島に帰って来た20代女性、
人生がつまらなくなり、その自殺を見届けに来た女子高生、
自殺を思いとどまれ!と止めに来た、妙なかつらの中年男性、
波止場でタコを釣っている、ぼーっとした青年、
以前から島に留まっているらしい眼鏡女性、
ビデオ・ロケに来た、いまいち売れない女性漫才コンビ、
(決めポーズが、いかにもそれらしい!)

・・・などなどの人物が、同じ島内のあちこちで、
自分達の心理状況をぶつぶつ、ぼやきつつ、
行ったり来たり、右往左往したりするだけの、島内ロードムービー。
殆ど同じ場所に留まっているのは、
高台で一人、なわとびに興じる人物だけ。
画面のリズムを測っている、メトロノームのよう。

各人ぼやきのシーンに、PC操作の真似を入れたり、
でかい白文字を入れたり、
中年男性のシーンに刑事ドラマ風?アレンジBGMを重ねたり、
各所にちょっとした工夫があって、
末梢的ながら、画面に変化を作ってるのがイイ。

中年男性が随所で行なう、力一杯絶叫(!)シーンや、
川島田ユミヲの「尼さん?」シーン等には、皆、大笑いした。
ラストシーンには<定番>をも打ち破る勢い、心意気?を、人々は目にすることだろう。
TAMA、受賞作品。



以上。

  1. 2007/04/09(月) 22:23:45|
  2. インディーズムービー
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春高楼の、花の宴なれど

主水日記。


実のところ、自主上映以外にも、
フィルムセンターの企画上映とか、
ラピュタ阿佐ヶ谷の田中登監追悼特集とか、
いろいろ触れておきたい話があるのだが。
取り急ぎ、大いなる快感と困惑とを同時に食らった、
ある自主作品について、先に記しておきたい。


堀井彩監督、目下の最新公開作「日曜日にはカレーを」は、
ひとことでいえば、監督自身の映画制作遍歴を基にしつつ、
自伝的要素におそらくは一部大幅に?フィクションをまぶした、
過去名場面ダイジェスト・プラス・業界裏話?ネタの、
二重構造映画である。

主役の監督青年は、劇中の女優達に対して、
正に日活ロマン的な、捨て身の肉感的場面を要求し、
ボリュームたっぷりに、画面へと差し出させしめている。

いってみれば、男性監督流の「映画監督になる方法」に、「火宅の人」(!)等を加味したような内容。
これ、ここまでやっていいのか?と、
いささか、はらはらさせられるのも事実。

劇中の主役たる監督、演じている俳優の風体は、
まるで監督とは、別人・・・!
なぜかやたらと、女優や女性スタッフにもてまくり、
製作過程の煩悶がらみとはいえ、要所要所で、
彼女達との、出会いと別れのシーンを繰り返す。
その辺は、生真面目な男ながらも、
いささか調子の良い「愛と平成の色男」(!?)な展開ぶり。

俳優・女優の演技プラン不納得、
出演者の遅刻、スタッフ離反、
寸借詐欺と思われる女優勧誘?等の制作トラブルに対しては、
主人公はかなり厳しい対処をし、クールな一面も見せている。

彼は、スタッフと自分とのある距離感を保ちつつ、
時には知人がらみの話でも、題材として映画表現へと昇華し、
常に人間付き合いの不得手さと、
撮る理由の自問自答とに悩まされつつ、
やがては自分なりの道を、模索してゆく。
(観客と作品の間にも、それに近い距離感が時折表面化するのだが・・・の声)

現場にいたらばさぞ困惑させられるだろう、
困難な製作過程と男女関係のこじれる話が、同時進行。
比較的明るめの画面と、テンポのよい疾走感とともに、
意外にもわりと陽性な画面と表現でもって、語られてゆく。

業界現場の悲話を、痛く暗く語りすぎて、
泣かせるより先に、観る者の気分をどんより落ち込ませてしまった、
他所の某大手商業系公開映画よりは、
表現のサジ加減がずっと、よろしい。
この手の題材につきものの不快さを、
こちらが長くひきずらないで済むのは、救いなり。
(だって、観客には直接関係が無い事だし、大抵は精神的に、迷惑なのだ・・・!の声)

某女優が男優に、プロとしての現実的な注意を促して泣かれ(!)、
困惑する辺りの混乱シーンなど、
いかにも現場でならあるがちそうな話ゆえ、危ういところではあったが、
基本的に<悲喜劇>的状況として描かれているため、
当方は不覚にも、苦笑させられていた。

仮に双方のファンが居て、ダイレクトに観せられたとしたら、
相当、引いてしまう所だろう。
あれ位の<表現按配>までが、必ずしも懐の広いとは限らない、
一般的観客にとっての許容限度、なのである。

名古屋ロケの話から登場する、植木等主演映画のごとき、
陽性でポジティブな脚本家(御存知、石川謙氏)の存在も、
観ている側としては正直、気分的にありがたい。
唐突な大集合シーンなどは、映画の関係者諸氏にたいする、
作者なりの照れと詫びと、感謝の表意なのだろう、と見た。

色気とボリュームと切なさとで押しだしてゆく、
胃の腑の強さを見せ付け続ける堀井監督の作品としては、
一部やや軽さに流れていないか?と、若干気にならなくもないのだが、
まずは<本道>に復帰、復調してきた、という印象。

今一度、過去映像に準拠しない、完全オリジナル作品でもって、
その力強い押し出し表現の醍醐味を・・・と、大いに期待しておきたい。



他所の作品については、別項にて。

まずは、以上。

  1. 2007/04/09(月) 01:19:46|
  2. インディーズムービー
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春は曙、味噌上手

主水日記。


金曜夜、フジ系「鬼平犯科帖スペシャル~一本眉」を、途中より観ていた。

非道が嫌いな老盗っ人が宇津井健、
もうこういう渋い役、来る歳になったのか、と感慨。
(大映映画では、やたら元気だったからなあ・・・の声)
情容赦なき極ワル泥棒が、遠藤憲一。
ひ、ひでえ奴・・・許さん、斬るッ!!

歳を重ねた二人が夜明かしで呑んでたり、
料理のシーンに凝ったり。
今回は正に、味噌がミソ、の話。
調子のいい、うさぎ同心がコメディ・リリーフだったりするのは、
鬼平ファンにはおなじみ。これが無くっちゃね。

彦十役が長門裕之だと、猫八彦十より、豪快な感じだなあ、と。
「剣客商売」初期では田沼意次の髷結った娘役で、
女剣士だった大路恵美、
今回はお気の毒な役で・・・。
あんたなら、刀振って勝てるだろ~!と突っ込んでしまったぞ。

そして、レギュラーで殉職?したはずの、三浦浩一の伊三次が、
またしても、甦ったのだった。
やっぱり、人気キャラクターなんだよなあ・・・。
ちょっと嬉しいけど、ファンとしては、やや複雑な気分ではあった。


以上。

  1. 2007/04/08(日) 09:39:40|
  2. 時代劇
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春雨じゃ、濡れて行こう・・・

旅人、覚書。



火曜頃は大雨で、かつ肌寒く、大変難儀したが。
その後は晴れわたる日も、戻ってきた。

夜桜、満開の中、外を歩く、連日。
花見には、絶好の季節。


ところで、過去に見た作品のおさらい会巡りも、
そろそろ、一休みにしようか、と。
(一休!一休~!の声)

木曜にもう一度だけ、テアトル新宿へ<女>特集へ伺ったのだが、
とうとう皆、もうすでに他所で、観たものばかりになってしまった。

最初に、山田広野監督の生アドリブ活弁付きで上映された、
動物有名人のヤバネタ入りで爆笑の「僕とメアリー」も、
実はトリウッドで一度、拝見済みなのだ。
今でも面白いんだが、ペット飼うのが好きな人には、どうなんだろうか・・・?
と、少し余計な心配をした。
なお、観客の反応は、非常によろしかった。

ちなみにこの活弁作品の主役が、<女>シリーズの前田弘二氏!と今回判明。
トークの模様(司会・蔭山氏)によれば、
おそらくマスター映像が現存する、
山田作品で最古の?前田氏主演作品、ということになりそうだ。


その前田監督作品「誰とでも寝る女」(相変わらずくぐもった?笑い声でウケてる)再映に引き続き上映された、
水戸短篇映画祭受賞作、「古奈子は男選びが悪い」も、
記憶があいまいだったが、実は一度、観ていたのを思い出したのだった・・・。
多分、テアトル池袋か、ロフトプラスワンあたり?
しかも、ロケ地が明らかに「僕とメアリ-」と、同じ動物園!
同じ虎の、檻の前つながりだったのか!
もう、デジャブ感でいっぱい。

女性2人に、年上の男性ばかり集まって来る合コン、
男達がぼそぼそしゃべったり、
(京急沿線の羽田・川崎方面を知ってないと、よくわからない所も?)
男女間の対話が一瞬固まったり(冷蔵庫の男・・・)
後から現れる噂の<シゲさん>が、
予想されるようなおっちゃんではないのが、人を食っている。

その中からちょっとズレたような、にわかカップル誕生。
友人の決め付けた?アドバイズ、動物園でのデート、
ちびくろサンボ・ネタで引っ張る辺りが笑える。
その後、あきれた真相が発覚し、はたき合いになるシーンに、苦笑。
終わりはちょっと暖かく、ほっとさせられる。
全篇にわたり、前田流<長廻し>芝居の醸し出す、緊張感と間が生きているのは、いうまでも無い。

既に触れた「鵜野」の始まる頃に、遠慮させていただいた。
連日、にぎやかなる客席との司会の言葉に、ひとまず安堵す。


さて、この世にまだまだあまた存在するはずの、
未知なる何か、様々なものを、探しにゆくとしましょうか・・・。


以上。
  1. 2007/04/06(金) 19:49:59|
  2. インディーズムービー
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春の桜は、涙とともに

ゼルディア、報告。


ああ、とうとう、終わりました。「ウルトラマンメビウス」。

タロウ人間体がついに、出なかったのが、無念なのですが・・・。
レオ・80の人間体シーンも、もう一度位、観たかった!

最強悪役のエンペラー星人が<闇の超人>なのは、すご~く、よくわかるんですけど。
<帝王>御自身が直接繰り出す、<技>と動きが、意外に少なくて。
マントしてるし、身軽そうなんですけど、あんまり動かないんです。
その辺は、知恵者のメフィラス星人と、似てますね。

その分、ウルトラ・チームとの光線技対決に、
莫大なエネルギーを振り向けていたのが、目立ちましたね。
あれは物凄い。

そうか、ファイナル・メテオール兵器には、こんな使い方があったんだ。
メビウスも、人類の技術も、随分、成長したなあ・・・!
ミクラスもウインダムも、マケット機能停止でなかったら、
も一度、出して欲しかった!

そしてリョウが、ミライが、GUYSメンバーが、総監が、
あ、あんなことに・・・なるなんて!

タロウでもウルトラ六兄弟合体!とか、
全兄弟一時人間化!とかあったし、
ネクサスでも、変身能力移動シーンがあったけれど、
あれは・・・予想しなかった!
もうあれ以上の、泣ける究極、当分、出来ないよ~!


最後までチームの仲間意識の強さと、ウルトラマン兄弟の絆という筋を、きちっと通しきった。
メビウス、完成おめでとう!
一年間、往年のファンとしては、本当にいい夢、見せてもらいましたよ。ありがとう・・・!


ところで、ライダー電王では、
テッペイ似の人がらみで、モモタロス・ウラシマタロスに続き、
キンタロス(ぷっ!)なる新イマジン・変身バージョンが、出始めてます。
勿論、マサカリかついでますよ。

で・・・タイムトラベルと過去修復の過程で、
消えてしまった別の歴史世界の元住人、という話が、
ヒロインの口から出てますが。

どうでしょう?
このデンライナー列車と、平行世界の設定を生かして、
昭和や平成シリーズの仮面ライダー達を、
再登場させるって言うのは?だめかな?
(アニバーサリー・イヤーでないと、出せない?の声)

そろそろ、ライダ-でも、TVシリーズのサーガ篇、やってほしいんですけど・・・。
昭和ライダーファン向けには、漫画化サーガがあって、ライダーゼクロスの話も出てるみたいだし。
まず、あの線からでしょう。

でも平成ライダーは、毎回、世界設定は別個だから・・・
(付記:クウガとアギトは、世界観、一応つながってるんですが)
やっぱり、何か大技使わないと、接続が、ね。
ウルトラや、戦隊シリーズのSPみたいには、いかないのかな。
ティガ・ダイナ&ガイアの映画化みたいな、ぶっとんだ<技>も、一つの手・・・かも?
(付記:勿論、ティガとダイナは、つながってます)


あ、ゲキレンジャー、観てなかった・・・。
ブルーが天才画家だったことだけ、言っときます。
拳法の<技>とつなぐ発想はいいんだけど・・・ね。
まだ、あの野生児レッドに、なじめなくって。はい。


以上、ゼルディア報告、終わり。



  1. 2007/04/02(月) 00:53:39|
  2. 特撮
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春の挨拶は、新入生に

挨拶代行・三味線屋。


春が来た。
パッと咲いて、パッと散るのも、いいさ。
桜の花のように・・・。

エイプリル・フールなど、俺にはどうでもいいんだが。
国の借金とか、いろんないやな事件とか、
みんな、嘘になってくれないもんだろうか?ほんとに。

ちなみに、中条きよしの「うそ」という、嘘のような歌が、あるそうだ・・・。
なぜか、まだ、聴いたことは、無い。


以上。礼!
  1. 2007/04/01(日) 16:15:37|
  2. 日記
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