主水日記。
世間は、連休前半。
でも、こういう日々の中でも出番があって、
仕事人してる(ぱちんこ仕事人、ではなく・・・)人々が、
いっぱいいる事を、小生も知っている。
合い間合い間で、休みが取れる小生の生活、
その人々のおかげなり、と、感謝しなければ。
さて、29日(日)。初めての<昭和の日>。
といっても、小学生時代には<天皇誕生日>だった人間だから、まだ、ピンとこない。
<みどりの日>だっていまだに、どうも、なじめないのだ・・・。
そのうちに<三丁目の夕日>に、なるんじゃないのか?
さて、この日曜は、新宿ロフトプラスワンにて、
<シネマ秘宝館32>に昼夜、どっぷりと漬かるのであった。
午後1時からの昼の部に、少し遅れて入場。
5時頃に一度外出し、夜7時の部に改めて並び、再入場した。
最近、一部では、内輪だけのものじゃないのか?とか、
レベルダウンしてきてないか?等を懸念する声なども、
時たま、複数、耳に入ってはくるのだが。
(どきっ!まさか・・・の声)
作品と笑いの質・センスを問われるイベントだからこそ、出る言葉なのだろうが・・・。
毎回、選者たる主催者の嗜好が大きくからむラインアップとはいえ、
あれは元々が、一様なセンスではない者の、集まりだったはずでは、ないだろうか?
作り手側、受け手側も、人によっても、受け止め方にばらつきは出るもので、
あれが合う人、合わぬ人が出てくるのは、実は本来、至極、当たり前の事なのではなかっただろうか?
世間様の男女全員が<現行シネ秘ファン>だったとしたら、
むしろ、気味が悪いはずなんだが。
とはいえ、その事で一抹の不安を抱えつつも、
いつもどおり、どお~んと、いや、そお~っと、行ってみよう、と・・・。
(欽ちゃんかよ!の声)
シネ秘元締・斉藤館長&広報秘書コンビの、
のどかな、ふんわり漫才?トーク姿を壇上に見つけると、
まずは、ほっとする。
さて・・・?
ご案じめされるな、レベルダウンどころか!
数段、上がってるじゃないか!
意欲的なラインアップが、たっぷりと集まっている。
旧作以来、シネ秘に縁の有るメンバーの作品や、
ベテラン復帰組作品の魅力は勿論の事だが、
今回は若手や新規参入組も多かったし、これが又、えらく面白い。
作品集めの大きな成果が、十分に現れている。
(実は、ここや他所のイベントで、何となく観た覚えのある作品も、幾つか含まれている。)
かつて常連客だった人々が壇上デビューしたり、
外部の学園祭方面から持込があったりして、
ちゃんと若芽は育っていたのである。
しかも、作品がちゃんと面白い。笑える。
一見してデタラメ、むちゃくちゃな発想の作品でも、
<身の回りの物と人体で工夫する>
<強引なテロップを入れる>
<落書き感覚のシーンを生かす>
<お店の人に好意的に協力してもらう>
<「終」、でさっと逃げる>など、
基本線は存外、きちんと(?)踏まえられているのだ。
学んでいる。いい意味で。
前回と比べても、当たり!の印象が、より強かった事は間違い無い。
大丈夫、観客も皆、盛り上がってるぞ!
さあさあ、心配御無用!観なきゃ損、損!なり。
とばかりに、入りもかなり良く、上々の部類。
ご存知の、シネマ関係者諸氏の姿も多い。
夜の部は、たちまち、満席に近い状況になった。
作品短評、各2~3行予定で、いざ。
なお、昼の部のみ、夜の部のみの上映作品が、各1本ずつ含まれる。
括弧内は監督名と上映時間。
<第1部 短篇作品・どーんと上映!!>
「ばくはつ五郎」&「ばくはつ五郎ZZ(ダブルゼーダ)」(高田勉、2本で1分):
どかん!わはは。まんまだね~。
池袋シネ秘のときも始まりは、サライ・ドカン!だったような。
SFと打ち上げドカン、最早ここでの定番なり。
「将軍暴れ旅」(高橋亨、5分):以前<賛否両論>サイトで配信したもの。
劇画時代劇調。宮川・赤星・松本・ザンス氏といえば・・・似合いすぎ。
ふんどし技、ロケット技、大いにウケる。<ガンコン>参加も可能?
ラストで、やっぱり場内、「え~!?」の嵐。
してやったり、<プロペラ>メンバーズ4人衆。
「充電池人間」(内田清輝、5分):高校生チーム作品。
メタルUFOがもろ吊りで、笑う。適度な脱力感がいい。
星人はきつね面、冷蔵庫からつなぎ服の人造人間が。
カラフル落書き、8ミリ全盛期を思わせるビーム描写、手描き感いっぱい、だしぬけな終わり方。十分、シネ秘の仲間入りだ。合格。
「ロサンゼルス物語」(天野力栄、13分):学生時代のサークル作品。
なぜか寿司屋の親父さんが、とんだ格好で握ってる。
からしの付け所(!)がチャームポイント。大ウケ。
でもちょっとだけほろり、ないい話。まんまな芝居も笑って許せる?
父子鷹、いや、乳子鷹。
「僕のスカイライン」(安原伸、4分):再見。
男が新車に乗って、車は・・・。
ワン・アイデアでこれだけ可笑しくできる、というお手本。
ナンパ時の反応に爆笑。
ドライブスルーも、マニュアル対応なのが笑える。
80年代、おおらかな一篇。
「明治天皇宇宙の旅」(安原伸、8分):再見。
え、え~と・・・タイトルそのままの、物語。SF冒険ロマン。
ぎりぎり、すれすれ、昭和の作品。
造形等からして、SWと「宇宙戦艦ヤマト」の線かと。
大変のどかな世界なり。
<第2部 気合い入った中篇作品!!>
昼の部のみ:「蛇閣童子」(内田伊久、19分):
ガンコン常連、バトル野郎な男が、監督で帰ってきた。
「スターブレーザー」おおなりてつや氏も、協力。
冒険ドラマへの原点帰り、
森のクールなカンフーヒーロー、大蛇退治のプロ、なかなか、やるねえ~!
ポーズも音も、ピシッ、ピシッと、キマッてる。
息が既に怪しい追い剥ぎ兄ちゃん達も、形無し。ビビる芝居もそれらしく。
自信満々な野郎だが、謎の美女には・・・崩れた。油断大敵。
とんだギャップがちょいと愉快。男ツンデレ?
そこら辺のコミカルさも含めて、画面に活劇らしきリズムがみなぎる。
ただ~し!
OP映像は、タイトルバックを除いて、予告編の後ろに廻すべし!
本編中盤まで、大蛇と女の姿は伏せておいたほうが、
一体どんなのだ?とじらされて、よりハラハラさせるぞ。
じらしも技、引っ張りも又、技。これ、連続活劇の奥義、なり。
さらにアクションと技でヒートアップして、
イキのいい続編、もう一丁!待ってるぜ。
夜の部のみ:「愛すれば」(金大錘、25分):
ゲイバーのストリップ・ダンサーと、新人サックス奏者、
踊りながらの、恋の顛末。優しい感じ。
以前、別スレでレズ・ゲイシネマ方面の特集上映について、ほんの少しだけ触れたのだが。
はじめからボーイッシュな色白の人物が女っぽく見えるのは、こういう映画には割とよくあるパターン。
そこら辺がちょっと弱いのだが、
こちらは、見ていて、切なくもすがすがしい。
そっちの気がある人には「違うよ~!」なんだろうけどなあ・・・。多分。
上野の某ハッテン場上映だったら、「ちょっと待て~!」な展開かも?
独占欲の強い支配人役が、一番しっかりと目立っていた事を、付け加えておこう。
昼・夜両方上映:「クライシス 北の国から」(田口清隆、27分):
昼・夜とも上映の前に、
「かなり激しい撃ち合いや、血が飛ぶようなシーンがありますので、多少きつい、という人もおられるでしょうが、ご了承の上、ご覧ください・・・」
との前置き説明がなされた。
ブラックな笑いを含みもつ、かなりシビアな、平行世界SF。
東西北海道統治分離、市民自衛団結成、
東京ミサイル空爆、隣国通信傍受、情報合戦、
内戦状態勃発、国土分断・・・と、
キナ臭い、血生臭い設定の自主戦争映画。
脚本に関しては、おそらく相当緻密に、書き上げられている。
深作欣二が撮ったのか、と思わせるまでの緊迫感と疾走の連続、
観ていて、いたたまれなくなる程。
内地のやつらは知らん顔だ、と室蘭の人物達がぼやく台詞には、正直、少しつらい気持ちになった。
こんな設定設定自体、シミュレーションのみであってほしいものだ。
銃撃戦シーンは、とにかく、ど派手!!痛みが伝わって来る。
こんな切迫した状況の合間にも、
<カニの刑>、カニの匂いでターゲットを嗅ぎつける、等の遊びが挿入され、一時笑わせるが、
すぐさま、次の悲劇がせわしく襲い来るため、
全体の痛ましさを「M*A*S*H」のごとき悲喜劇に転嫁するほどの中和作用には、ならなかった。
つい今しがた、笑ったのは、なんだったんだろう、と・・・そういう気持ちになるのだ。
ミリタリー・マニアの人なら、早めに設定ゆえの弱点が割れて、すぐ笑う方に回れるかもしれないが。(あえて書かない。)
それにしても、<証言者>の正体には、唖然とした・・・。
なんで、その人だったの!?反則だよ~。
ともあれ、とても正月帰省時期中心で撮った映画とは思えない、力作である。
<第3部 とっておきの作品上映!!>
「スペースネコシアター」(青木純、8分):芸術大学、卒業制作アニメ。
パンフの印刷が間違っていたが、スペースコタツネコ、ではない。
(スペースデンキネコでもない。)
大人の?エロネタをかますネコが、ウイスキーを。おっさんと呼ぼう。
テレビ・ショッピング、高級ネコ世話用品の売り方がいかにもで、軽く笑わせる。
授業シーンにも笑う。
欽ちゃんの教室コントで、「おはようございます!」「元気いいねー!」「はい、景気づけです!」っていうのが、あったな・・・。
「いちごチャンネル」(金澤 信、22分):シネ秘常連観客3人組で制作。
以前どこかで観てる?
2、3行じゃ、まともな解説は不能・・・・。
と、書くこと自体、むなしい。おかしさを十分に伝えきれないから。
なにわ天閣監督やタクラビジョンのインスパイア?風な、物体と音楽・音響の使用タイミング、
ローラー、スケボーでの横滑り運動、キック等の繰り返し(アタック!の声)、
落とされるタイトル版、
すっ飛ばされる昔話キャラのメンコ、
座頭市の真似で一人何役もやる人、
母親役?らしき人形首キャラの動き、
TV中継に混じるミニチェア、
けだるそうで語彙の不足した天気予報士、
しつこくいたずらばかりするTVジャーナリスト、
アバウトすぎる星占い、黒板で怒るドXXXん・・・・・。などなど。
ノンシャラン、軽妙洒脱、末梢・反射神経的、
自由奔放すぎるぞ!このメンバー。
こりゃ、和製ミニ・ジャッカス・チームか?
80年代のナイロン100℃の芝居観てるみたいだ。
ゲストでも出演者達が来てたが、あのまんまだな~。
彼等同士でマイペース、内輪しゃべりしながら館長とトーク。
良くも悪くも、今のTVバラエティー&シネ秘育ち、なのだろうか。
ラスト上映作*「響け協奏曲」(天野力栄、4分):
またしても、寿司屋のおやっさん登場。
人工呼吸になぜ、バターを・・・。
女の子と犬が来た時点で、何が起こるか、わかった。
大笑い。ひでえな~。とんだAED。
元ネタは「新造人間キャシャーン」らしいのだが、知らなくても無問題、で笑える。
以上。
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- 2007/04/30(月) 11:44:14|
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主水日記。
渋谷での、とある特集上映(後述予定)の合間を縫って、
ほんのちょっとだけ、都心部のごみごみを離れてみた。
ちょうどいいところに、土曜14時に佐倉で、
例年より遅れていた<電丼上映会>があったので、立ち寄ることにした。
会場は勿論、京成佐倉駅前・ミレニアムホール。
ぽかぽか陽気で、珍しく電車の終点まで、熟睡す。
GWの初日のせいか、若干、空席が目立ったのだが・・・。
30人前後は、集まっていた。
「連休には、勝てん!」と、壇上で司会のTAT氏。
昨年暮れに高田馬場BABA-CHOPでお披露目された2本の、佐倉初上映。
「SCHOOP」など新作の予告編も、付け合せていた。
なぜか主役が一瞬、優作!?みたいに見えた。
<B級ランダム>制作、内海監督のサスペンス・ホラー「キャメラ」(1本目)と、
<電丼>TAT監督、「探偵 麻生よう子」の再編集バージョン。
星野佳世出演のリベンジ2本立て、という角川アイドル映画風カップリング。
特に1本目、真冬のさなかに観るよりは、
やっぱり、多少暖かいか、暑い時期に観るべきだよなあ、
と、つくづく思った・・・。
観客の一番言いたい事を、制作会見の司会が言い放っているのが、なんとも皮肉な事で・・・。
このえぐい話、現場のみんな、よく引き受けたよなあ。
(付記:翌朝、鬼太郎のTVアニメで、撮影所でのトラブルの話を観て、余計にそう感じた。)
2本目では、主題の詐欺・脅迫犯防止により力点を置くためだろう、
<殺すよりえぐい>仕置人的リベンジ・シーンと、
悪役コンビの、公園でおまけのやりとりをしている辺りが、
大胆にもカットされていた。
まあ、確かにこの2シーンが無くっても、
台詞上のつながりがあるから、これはこれで、
応援がすぐに来て、という風に、
すっきりした運びと締めになっているわけだが。
随分、終盤の印象が変わる。
最初のバージョン、観ちゃってるからなあ・・・。
ディレクタ-ズ・カット版と劇場初公開版を、
逆の順に(逆、っていうべきか?)続けて観た、という感じだった。
これもまた、ひとつの贅沢、というべきか。
恒例、舞台トークでは、真夏の撮影で暑かった、という話に。
トーク終了の直後、突如、電丼子役コンビにより、PR?あり。
映画次世代は、たしかに、育っている模様。
今回も、打ち上げで皆さんとの映画談義が楽しくて、つい長居をしてしまった。
又、時間が空いたら、寄ろうかな・・・。
以上。
- 2007/04/29(日) 10:44:52|
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政の、ぼやき。
「無垢なもの」ってデジタル撮影の映画、観たんだけどさ。
シネマアートン下北沢の、レイトショー公開で。
水曜日は、お客さんは殆どが、トークゲスト監督3人の知人で、11人程。
舞台劇の映画化で、
あの、ゆうばり国際映画祭の、
現時点で最後に上映された自主コンペ系映画、
って触れ込みなんだけど・・・な。
ドジって追われてるやくざ男と、言語か知能の障害?らしい若い男とが、
ひょんなことからばったり出会って、
弁護士秘書やってるそいつの姉貴と、やくざ兄貴の元カノのホステスがちょっと関わって、っていう話。
いや~、確かに、喧嘩とか、ぶった斬りとかの痛そうなシーンは、凄いんだ。
やくざ役の男、顔で得してるし。まずまず迫力もある。
障害青年のほうも、演技には結構、勢いついてるし。
花火の辺りとか、ちょっと活力が見えてるし。
変な芸当してみせる白髪ボスも、おもしろい。
でもさ・・・。
そこらのシーン以外が全体に、何ていうのか、おとなしいんだ。
エネルギーが無い感じ、なんだよ。
運んでいってくれる活気とテンポが無い、っていうか。
そこらがちょっと、勿体無いぜ。
これ、ゆうばりファンタや新宿ファンタのお客以外に売るのって、ちょっと難しい映画、なんだよなあ。う~ん。
でも、<石井輝男に捧ぐ>になってるのは、納得。
上映後トークも、雪深い中で交流会、とか、
ゆうばり出品方面での思い出話が多かった。
ゲストの男性監督3人が皆、40代らしくて、
「世代交代、進んでますよね~」な話になってたな。
ホラーシリーズで<夕張ゾンビ>っていうのをロケしてたとか、
毎年ロケしてると3年で撮る所が尽きる、とか言ってたよ。
それ、見てみて~よ!<夕張ゾンビ>。
夕張、新市長選んで、再建中だそうで。
今年は<応援映画祭>があったけど、来年は、どうなるのかな・・・?
それじゃ、又。
- 2007/04/28(土) 00:46:14|
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秀の日記。
22日、日曜。
珍事、とは正に、このこと。
またしても、一日で短編映画を、一気に11本、観てしまった・・・。
まず、BABA-CHOPにて、
元<スウィング・ガールズ>の、同一女優コンビが主演している7本の短編集企画、
越坂康史(5本)・朴成基(1本)・ウエダアツシ(1本)監督の連作シネマ「FRIENDS」。
その後、トリウッドに移動し、
<BLOWピクチャーズ>作品集より、
Secky chang監督「年賀状」&「鈴色の風」、
および、
たかひろや監督「primrose」。
アンド、小川誠一監督の中篇「グッドモーニングス」。
ありていに言って、おとなしい作品が多く、
それほど、とびぬけた印象のものは無かったが、
結構楽しめる、シネマ道中ではあった。
さて、公式HP等を見ればわかることなので、先に触れておくが、
今回、「FRIENDS」DVD化に際しての上映企画は、
当の女優コンビ欠席、お詫び挨拶、という予期せぬ波乱が生じた。
(当方は、入り口の貼り紙で知った。)
地方から日時を空けて、来ている人もいるだろうに・・・
観客道としては、主催者・来訪者とも双方、まことに気の毒、という他は無い。
幸い、大半のファンが既にHP等で知っていたのと、
監督や代打女性タレントがトークをユーモラスに?つないだので、
さしたる混乱も無く、2プログラムを終了した。
作品自体は2人が、様々の設定下で、
「トワイライトゾーン」「世にも奇妙な物語」路線の
SF・ファンタジー、セミ・ドキュメンタリー・タッチの室内演技、
などに挑んで、新たなる顔をのぞかせる試みである。
他者は、電話の声役のみ。
メイドから劇団員、女子高生、OL、ネイル・アーティスト、
サギられた女子大生、ヤマンバ(!)、預言者、緑色の宇宙人に至るまで、
すべて2人のみで、奔放に演じている。
各話とも発端の奇異さに比べると、その後の飛躍が淡くなっていて、
いささか、投げっぱなし?な締め方の作品も多いのだが、
それらの試みの狙いは、それなりに、
軽快な対話や動めきぶりを含めた、2人の魅力を画面に放ち、
概ね、効果をあげている。
場内ではヤマンバ・コンビと竹の子の一篇が、一番ウケていた。
当方では、ジョウロの宇宙船と植木投げ、宇宙人の履歴書、
屋上の唐突な乱射、ヤマンバのイカレた台詞廻し、などが面白かった。
演技的成長過程の記録として、ある意味、貴重なDVD化となることだろう。
「年賀状」は、
毎年暮れに切羽詰って書いた経験の有る人ならば、
誰でもよくわかるぼやき、つぶやきを、ほぼそのまま出した作品。
これは、共感を呼ぶ。
「鈴色の風」は、
猫?らしきワンピースの女の子が、町内を軽やかに走り回るだけの、
爽やかな風景画。小品。
「primrose」は、
いわゆる<セカチュー>路線?映画のエッセンスを、
コンパクトにまとめあげた、ずるいほどに直球な佳作だった。
(この線の映画、今、少し多すぎだね・・・の声も)
マフラーの使い方がミソ、なり。
そして・・・
「グッドモーニングス」は、
ネットサイトで知り合った、男性ばかりの自殺志願者たちが、
どこかの工場の屋上倉庫に集まって初対面、自己紹介する話。
(またかよ~!多すぎるよ!の声・・・)
ゼビー&ホッパーライダー氏が出演、繊細な役どころを見せる。
倉庫内のシーンが、もろに舞台装置芝居風で、
合間に映画らしい回想シーンが入るので、若干違和感が残るのと、
練炭準備作業等の中断理由が、意外にあっさりとしているのが、気にはなったが。
マジメさとユーモアを同居させた、暗すぎないドラマ性は、大いに評価できる。
ラストは<Gメン>みたいで、かっこいいのだった。これでいいのだ。
以上。
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- 2007/04/23(月) 21:53:40|
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竜の日記。
19日、木曜、夜18時半頃。池袋。
新文芸坐でかろうじて、パイプ椅子席の当日券を、3000円で入手す。オール指定席。
ここの名物イベント、落語家・立川志らく登場の<シネマ落語>が、生で聴けるのだ。
何たる幸運。
この日を逃がすと、次の機会は夏なのだ!
お笑い、というより正しくは<一人笑わせ劇>、だろう。
落語家の独演会というのは。
しかも、映画ファンのためのネタが詰まった<シネマ落語>、と聞くと、素通りは出来まい。
そもそもこの人、以前別所のミニホールで、
サスペンス仕立ての自主映画監督作を披露していたときに、見たのが最初。
もっとも、映画はテンポがあまり良くなく、
高座やゲスト・トークほどには引き込まれなかったのは、やや不満が残ったのだが。
ヨコハマ映画祭にそれらしき人物が現れたこともあるが、
関内の広いホールではしゃべくりの効果があまり、冴えなかった。
小さめか中位のホールで、細かい笑いを集中して連打したほうが、面白いタイプ、と見た。
とにかく、笑いに関して才能がある人なのは、間違いない。
それにしても、新文芸坐に貼られている、ポスターに刷られたお題が、
<シャイニング、他>ってのは・・・。
おいおい、あのジャック・ニコルソン主演、キューブリック監督の恐怖映画が、
ほんとに、落語になるのか!?
と、半ばいぶかしがりながら、19時頃、入場。
既に、お囃子が流れている。
ロビーでは記念グッズ・写真販売も。勿論店番は一門の人達。
19時半より高座、開演。
前座噺の立川らく次が開口一番、軽く笑わせ、会場を暖める。
さすがにプロ、基礎は固まっているようで、結構流暢である。
やがて真打・志らく登場。
見るからに威勢のよさそうな、自分を<乗せてる>按配なり。
半分、焦っている様な?キャラが売り、なのだろうか。
まくら(導入部)で同門の楽屋話や、師匠との愉快な電話のやりとり、
某人気落語家の税金騒動(!)へのおちょくりネタ等を振って、
自分がらみのエピソードが、いかに他者によって、
針小棒大に吹聴されて師匠に伝わり困惑させられたか?
などをもぼやいてみせ、しっかり笑わせる。
いやもう、既にゲラゲラ。
構成はというと、そうしたまくら話を付けつつ、
「いやもう、もともとのが脱力な下げ(オチ)で脳停止状態にする噺だから・・・」とエクスキューズ付きの解説をしておいて、
まず、東西の古典噺、<不動坊>と<鰍沢(かじかざわ)>を、2本続けて演じる。
<不動坊>は、大家からの縁談話で、後家を嫁にもらった男の噺。
彼をからかってやろうと、ご町内の男たちが、
後家の前夫のニセ幽霊をでっちあげて驚かそうとするコメディー。
怪談につきものの太鼓をチンドン屋、
幽霊役を林家正蔵(無論、あの、正蔵師匠ではない)の弟子に振ったがために、計画はめちゃくちゃになる。
場内大受け、こちらも大笑い。
<鰍沢>は、雪深き民家で、偶然の再会から起きた悲劇を描いたサスペンス噺。
欲を出すと、ろくな事が無い。
かなりコワいんだが、オチは・・・。落語だから?
休憩時間をはさんで更に1本、
忘れん坊の間抜けな侍が、目下の人物に尻をつねってもらう、
というだけのドタバタ喜劇<粗忽の使者>を、
これまた、流暢かつアクティブに語り込む。
で、最後に、
ここからは新作落語ではなくて<アレンジ落語>ですよ、と前置きし、
それぞれの噺で登場した愉快なキャラクター達を再登場させ、
いわば続編の形で、「シャイニング」の筋立てに放り込んでみる、
という凝った趣向。
さっきの正蔵の弟子キャラが妻子を連れて、
いわくある冬の宿にこもって修行中に、
例のチンドン屋達がこっそり訪れたら・・・と、つなぐ。
落語家が部屋で恐怖に震えつつ、ジュゲムジュゲムをつぶやくなど、
もう、空腹絶倒。
<鰍沢>がサスペンス噺なので、設定にうまく合致する、というわけ。
古典の3本を予習した上で聴くと、より笑える、というおいしい構成。
これは、常連客が付くのも道理。
いや~、ええもん、見せてもらった。
又、観たいぜ。志らく師匠!
以上。
- 2007/04/20(金) 20:42:28|
- トークイベント
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旅人、覚書。
最近、故・田中登監督特集の為、ラピュタ阿佐ヶ谷行きが多い。
ゲスト来場日など、満員で入れない時間帯も有る。
そういうときは、延期するか、
ロビーで監督生前のインタビュー・ビデオを眺めて、次を待つ。
実際、70年代の日活ロマン系をメインに、力作揃い。
宮下順子の名作「実録 阿部定」、
透明傘やシャッター音のシーンが印象的な「牝猫たちの夜」、
古尾谷雅人の傍若無人ぶりを際立たせた「人妻集団暴行致死事件」、
石橋蓮司が特にハツラツ?とする、
実相寺版より怪奇味が出ている「江戸川乱歩猟奇館 屋根裏の散歩者」、
劇画家・石井隆の絵入りで、
鹿沼エリ・地井武男のライバル記者男女が、夢とうつつの間を交錯する
「天使のはらわた 名美」(これは今回、もう一度観た!)、
中川梨絵の時代劇「(秘)女郎責め地獄」、
芹明香の大阪うらぶれ物語、鶏冠(とさか)のシーンが強烈な「(秘)色情めす市場」・・・など。
亀有名画座で観ていた作品も、数多い。
<ロッポニカ>一般路線での「妖女伝説’88」は、
これも今は無きロッポニカ新宿で観たが、
コンピュータ・プログラマー青年と女性幽霊の組み合わせは珍しいものの、そこから先への発展性が広がらず、今ひとつに終わった。
その後も、2時間サスペンスドラマ枠ではずっと、現役だったそうだ。
せめて後一本、劇場用映画を・・・と願っていたのだが。
永島瑛子の「女教師」(’77)、
主人公を孤立・孤独感へと追い詰める、無理解で事なかれ主義の教師達に一矢報いたのは、主犯のはずの高校生役・古尾谷雅人だった。
おろおろする久米明の妄言シーンは場内、爆笑になった。
「夜汽車の女」(’72)ではズーム、耽美的倉庫シーンなどが、
姉妹やメイドを演じる女優たちの色気に、彩を添えている。
東映実録路線の「安藤昇のわが逃亡とSEXの記録」(’76)、
主人公は警察への反抗心をあらわにしつつ、
愛人宅を回っては逃亡を繰り返し、最後の最後まで抵抗心を貫き通す。
とにかく、常人ならざる、むちゃくちゃな行動力で・・・。
小松方正の記者を含め、ところどころ、あけすけさ故の笑いすら、場内では起きている。
「愛欲の標的」(’79)はその点、サスペンスとしての筋がゆるく、いまひとつの出来だった。女優は美しいんだが・・・。
松竹・富士映画系列で撮られた「丑三つの村」('83)では、
常連・古尾谷雅人が戦時中の犯人青年を、
意外なコミカルさをもたたえて、いきいきと、演じている・・・。
乱射シーンは「ゴキブリ刑事」や「鬼畜大宴会」以上のど派手さで、ドキッとさせられる。ラストの台詞も、お見事な幕切れに。
TVの2時間ドラマ「愛の報い」('83)では、
報われなかった愛の形が、風間杜夫と桃井かおりの力演によって、シビアに示される。
黒髪の田山涼成が、一瞬見れる。
土日も池袋・新文芸坐の<ピンク映画祭>オールナイトをはさんで、
阿佐ヶ谷との間を、行ったり来たりだった。
<ピンク映画祭>について言うと、
若干、不安要素が垣間見えるものではあった。
とうとう昨年度は、新作数が80本を割って、
79本になってしまったそうである・・・。
特に新東宝・国映系の制作本数が、激減したためらしい。哀。
ミニコミ情報誌<PG>編集長の作品評もややシビアで、
どうやら突出して目立つ程の作品が、例年よりも少なかった模様、なり。
量は質を生む、というが、
業界も今一歩の踏ん張り、制作活性化と集客の工夫とが必要な様子だ。
が、少なくとも、この夜の集客は、補助椅子が多数出るほどの盛況で、
「これは、過去最高!」(司会チーム・池島監督談)
「上板東映時代には無かった、にぎわいです」(受賞ゲスト陣・下元氏談)
だそうである。
亀有名画座時代から見ても、新しい世代のピンク初見客は、男女を問わず、相当に増えている。
ロードショー公開以外での特集上映や、イベント企画・PR等の効果と浸透度は、着実に上がってきているのだ。
普段、中高年のおっちゃん層が、もうちょっと劇場に来てくれれば・・・というのは、相変わらずあるのだが。
そちら向きの作品群は、概してテンポがのろく、
ピンクイベントの主たるファン層であるところの、
テンポの早い映像に慣れている20・30・40代のお客さんには、いまいち不評なものも多い。
対策が一率にはならない、できないところもあるのだ。
オールナイト上映作4本(内2本は既に観ていた)を観る限りでは、
エンタメ路線作品に関しては、決して不作などではなく、
むしろ好意的に、面白く観れるものが多かった。
成人したら食わず嫌いせず、是非一度、とおススメしておこう。
ちなみに、かかった4本は・・・。
竹洞哲也監督「悩殺若女将 色っぽい腰つき」。
主演女優のユーモラスな魅力、おおっぴらなコメディー演技ぶりに、尽きる。
全体にきわめて、明るい雰囲気が広がる。
英語混じりの性交、「ざます~!」、「ギザ十!」、立ち読みシーンなど、随所にライトなおかしさ一杯。
そば屋の父娘の話がちょっといい、人情コメディ。
(作品賞・女優賞・新人女優賞・技術賞)
池島ゆたか監督「昭和エロ浪漫 生娘の恥じらい」。
これは去年、上野オークラで観た。
女性の自立についての論議って、
60年代からあったんだろうな、多分。
長島の話するだけの、酒場のレトロ・シーン、
なぜか、とても味わいがあって、いい。
歌声喫茶のシーンに、B-SHOTの怪談監督がエキストラ出演。
(ベストテン5位、監督賞・新人女優賞)
いまおかしんじ監督「絶倫絶女」。
一般公開タイトルは、「おじさん天国」(既述)。
俳優・下元史朗の魅力を再認識させた、快作。
妄想シーンの力が、大きい。
イカ墨、男の喧嘩、蜘蛛、閻魔様等、
なぜにそこまでする!?なシーンの連続に、
皆が、またしても爆笑。
(ベストテン8位、女優賞・男優賞)
新人・田中康文監督「裸の三姉妹 淫交」。
思うような<絵>が描けないがゆえに悩む者、
その絵の才をうらやむ者。
淡々と、しかし切なく描かれ語られてゆく、姉妹のドラマ。
(ベストテン10位、男優賞・新人監督賞)
日活ロマンやピンク映画の過去作品が持っていた、
なまめかしくも強固なるイメージや、溢れるときめき感を、
更に超えた映画を観る日は、又、来るのだろうか・・・?
以上。
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- 2007/04/16(月) 07:52:37|
- 劇場用映画
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旅人、覚書。
今週は、珍しく、映画を観に行っていない・・・。
ああ、世間は今や何かと、せちがらく。
外は、春の突風、吹き荒れて。
あっしには関わりのねえ事で、と言い放つ事もかなわず。
帰り道は、哀、
一人旅行く、木枯らし紋次郎の、気分。
と、書いておいて、何だが。
シネマ旅以外では、
最近、旅らしい旅を、ぜんぜんしていない気がする。
近距離は、たまにあるのだが。
予定に追われないで、ゆっくりと過ごせるような、
泊りがけの、のんびりした旅。
特に、関東以遠。
あいにくと、出張旅費の出る身でもないので、
自前で行ける範囲でないと。
考えてみれば、同じ関東の高崎映画祭ですら、出向いた事が、無い。
ああ、こんなときだけは、時刻表と料金を心得ているだろう、
巷の行動派、鉄道マニア君達が、ちょっとだけ、うらやましい・・・!
(シネマ秘宝館の館長は、そういうの、詳しいんだろうなあ・・・の声)
この前の、名古屋の万博が一番、遠くだったか・・・?
わやくちゃな目には遭ったが、
あれはあれで、結構な旅ではあった。
しかし、あれ以降、関東から全然、出ていない・・・。
まず宿がとれないと、野宿になってしまうし。
それは、ちょっと、きつい。
もうGW期は、諸事情で、地元での<お留守番>がほぼ決まってるし・・・。
実は、7日の粟島映画会以前から、ずっと、そんな事を考えていた。
ああ、ほんの2、3日でいいんだ!
ちゃんとした旅に出たい!
で、できれば、
ご当地の映画館、名画座などを、訪問してみたい。
実際、ロケ地訪問してる人も、いるし。
うん、いいかも。これって。
でも・・・やれやれ・・・いつになるのやら?
以上。
- 2007/04/13(金) 19:23:03|
- 日記
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主水日記。
粟島(あわしま)という離島を、ご存じだろうか?
新潟県の沖にあるという、その島で、2本の自主映画が撮影され、
今、公開されている。
なぜか、下北沢の一角で。
制作・<シネマ健康会>。
中篇2本、「ナイランド~なくし者賛歌~」と「私は落ち 陽は赤黒く」。
2本とも監督・松本卓也。
以前伺った、トリウッドの短篇企画等で、名前がよく出ている。
公開場所は下北沢駅西口前、
ミニイベントスペース<ギャラリィ・トウキョウ・ジョー>。
(4/8(日)~4/22(日)まで。)
初日は、夕方と夜、各1回の上映。
井ノ頭線ホームから見上げると、すぐ前にある建物の3階に、それらしき名前の小さな張り紙が。
降りて線路沿いに表へ回ると、運動靴店の横に入口階段がある。
監督自身が出ている、<アワシマン>?!なるヒーローらしき、妙なポスターがそこに。
女優・淡島千景ネタよりは、とっつきやすいか。
受付で2本分支払い、中へ入ると、
改装した屋根裏部屋そのままの、三角屋根のスペースに、椅子とプロジェクター。
なぜか、向かって左の一角に、
干し蛸(そう、あのタコが。海産物の)が吊るされている。
みやげ物コーナーは、タコや海草方面がいっぱい。
まるで海産物問屋。(いよっ、越後屋!の声)
上映前後のトークによると、どうやら、
2年前から夏に離島ロケを行なっている<シネマ健康会>一行が、
自ら島のPRと物産展を買って出た模様。
右の壁には、島内を撮影したミニ写真展が。
奥のスクリーン横にも、何本もの紐に釣られて、
ロケ隊の記念写真が展示してある。
夏休みの、学生サークル合宿風。
随分、くつろいでいる感じで、微笑ましい光景。
席には20代位の、男女客が多い。
演劇・音楽方面の人も、ちらほら。
松本監督が芸人出身だけあって、軽く笑わせるトークが楽しい。
聞き手の女性ライターも、スムーズな話芸に引き込まれている。
出演者・スタッフ、ゲスト一同も、口々に、
「なんにもなくて、広~い島なんだけど、そこがいいんだ」
「フェリー便にさえ、遅れなければ・・・ね」
「民宿も、海の家もあるし」
「すぐ日焼けするし」
「沖縄行くより安いし、近い」などなど・・・。
各人スケジュールを組んで、
3日間限定ロケの人、一週間近くスタッフで居た人、いろいろあったようだが。
よほど皆、現地が気にいったのであろう。
2本立てで1500円(前売り1300円)、
上映後に初日こけら落としパーティで、
トーク&ドリンク付き、1000円ならば、安い!
テーブルに、タコの切り身が出ていた。
軟らかくて、うまい。
他にくじ引き、200円というのもあり。
あいにくとくじはスカで、
土産のかわりに出たのは、特製アワシマン・バッジ。
思わず、変身、アワシマン!ポーズをしてしまったのだった。
現地産の<炭>を貰っている人もいた。
なお、生漫才?シーン再現、という貴重なものが観れたことを、幸運に思うものなり。
作品短評、付記。
「ナイランド~なくし者賛歌~」(初見)。
昨年夏に撮られた作品。
どこかにある、謎の島。
何かなくしものをした人が、次々と流れ着き、
その失った物を島内で探して、
見つかったら、帰ってゆく。
そういう島の世界。
そして、何を失くしたのかすら、忘れていて、
思い出せないまま留任状態で、現地案内人となっている女性がいる。
常連女優・川島田ユミヲ、のびのびと演ず。
全編、テクテクと島巡りをして歩き回っている、
それ以上、何があるというものでもない、ないないづくしなのだが、
お茶の時間を、のんびりとくつろいでいるような雰囲気を味わえる。
時折出る、ベタな駄洒落ネタが、ちょっと笑える。結構ウケている。
終わり方も、概ね予測されうるものとはいえ、爽やかなものがある。
「私は落ち 陽は赤黒く」(多分再見)。
2年前に、オール粟島ロケで撮られた作品。
某サイトで自殺予告をして、島に帰って来た20代女性、
人生がつまらなくなり、その自殺を見届けに来た女子高生、
自殺を思いとどまれ!と止めに来た、妙なかつらの中年男性、
波止場でタコを釣っている、ぼーっとした青年、
以前から島に留まっているらしい眼鏡女性、
ビデオ・ロケに来た、いまいち売れない女性漫才コンビ、
(決めポーズが、いかにもそれらしい!)
・・・などなどの人物が、同じ島内のあちこちで、
自分達の心理状況をぶつぶつ、ぼやきつつ、
行ったり来たり、右往左往したりするだけの、島内ロードムービー。
殆ど同じ場所に留まっているのは、
高台で一人、なわとびに興じる人物だけ。
画面のリズムを測っている、メトロノームのよう。
各人ぼやきのシーンに、PC操作の真似を入れたり、
でかい白文字を入れたり、
中年男性のシーンに刑事ドラマ風?アレンジBGMを重ねたり、
各所にちょっとした工夫があって、
末梢的ながら、画面に変化を作ってるのがイイ。
中年男性が随所で行なう、力一杯絶叫(!)シーンや、
川島田ユミヲの「尼さん?」シーン等には、皆、大笑いした。
ラストシーンには<定番>をも打ち破る勢い、心意気?を、人々は目にすることだろう。
TAMA、受賞作品。
以上。
- 2007/04/09(月) 22:23:45|
- インディーズムービー
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主水日記。
実のところ、自主上映以外にも、
フィルムセンターの企画上映とか、
ラピュタ阿佐ヶ谷の田中登監追悼特集とか、
いろいろ触れておきたい話があるのだが。
取り急ぎ、大いなる快感と困惑とを同時に食らった、
ある自主作品について、先に記しておきたい。
堀井彩監督、目下の最新公開作「日曜日にはカレーを」は、
ひとことでいえば、監督自身の映画制作遍歴を基にしつつ、
自伝的要素におそらくは一部大幅に?フィクションをまぶした、
過去名場面ダイジェスト・プラス・業界裏話?ネタの、
二重構造映画である。
主役の監督青年は、劇中の女優達に対して、
正に日活ロマン的な、捨て身の肉感的場面を要求し、
ボリュームたっぷりに、画面へと差し出させしめている。
いってみれば、男性監督流の「映画監督になる方法」に、「火宅の人」(!)等を加味したような内容。
これ、ここまでやっていいのか?と、
いささか、はらはらさせられるのも事実。
劇中の主役たる監督、演じている俳優の風体は、
まるで監督とは、別人・・・!
なぜかやたらと、女優や女性スタッフにもてまくり、
製作過程の煩悶がらみとはいえ、要所要所で、
彼女達との、出会いと別れのシーンを繰り返す。
その辺は、生真面目な男ながらも、
いささか調子の良い「愛と平成の色男」(!?)な展開ぶり。
俳優・女優の演技プラン不納得、
出演者の遅刻、スタッフ離反、
寸借詐欺と思われる女優勧誘?等の制作トラブルに対しては、
主人公はかなり厳しい対処をし、クールな一面も見せている。
彼は、スタッフと自分とのある距離感を保ちつつ、
時には知人がらみの話でも、題材として映画表現へと昇華し、
常に人間付き合いの不得手さと、
撮る理由の自問自答とに悩まされつつ、
やがては自分なりの道を、模索してゆく。
(観客と作品の間にも、それに近い距離感が時折表面化するのだが・・・の声)
現場にいたらばさぞ困惑させられるだろう、
困難な製作過程と男女関係のこじれる話が、同時進行。
比較的明るめの画面と、テンポのよい疾走感とともに、
意外にもわりと陽性な画面と表現でもって、語られてゆく。
業界現場の悲話を、痛く暗く語りすぎて、
泣かせるより先に、観る者の気分をどんより落ち込ませてしまった、
他所の某大手商業系公開映画よりは、
表現のサジ加減がずっと、よろしい。
この手の題材につきものの不快さを、
こちらが長くひきずらないで済むのは、救いなり。
(だって、観客には直接関係が無い事だし、大抵は精神的に、迷惑なのだ・・・!の声)
某女優が男優に、プロとしての現実的な注意を促して泣かれ(!)、
困惑する辺りの混乱シーンなど、
いかにも現場でならあるがちそうな話ゆえ、危ういところではあったが、
基本的に<悲喜劇>的状況として描かれているため、
当方は不覚にも、苦笑させられていた。
仮に双方のファンが居て、ダイレクトに観せられたとしたら、
相当、引いてしまう所だろう。
あれ位の<表現按配>までが、必ずしも懐の広いとは限らない、
一般的観客にとっての許容限度、なのである。
名古屋ロケの話から登場する、植木等主演映画のごとき、
陽性でポジティブな脚本家(御存知、石川謙氏)の存在も、
観ている側としては正直、気分的にありがたい。
唐突な大集合シーンなどは、映画の関係者諸氏にたいする、
作者なりの照れと詫びと、感謝の表意なのだろう、と見た。
色気とボリュームと切なさとで押しだしてゆく、
胃の腑の強さを見せ付け続ける堀井監督の作品としては、
一部やや軽さに流れていないか?と、若干気にならなくもないのだが、
まずは<本道>に復帰、復調してきた、という印象。
今一度、過去映像に準拠しない、完全オリジナル作品でもって、
その力強い押し出し表現の醍醐味を・・・と、大いに期待しておきたい。
他所の作品については、別項にて。
まずは、以上。
- 2007/04/09(月) 01:19:46|
- インディーズムービー
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主水日記。
金曜夜、フジ系「鬼平犯科帖スペシャル~一本眉」を、途中より観ていた。
非道が嫌いな老盗っ人が宇津井健、
もうこういう渋い役、来る歳になったのか、と感慨。
(大映映画では、やたら元気だったからなあ・・・の声)
情容赦なき極ワル泥棒が、遠藤憲一。
ひ、ひでえ奴・・・許さん、斬るッ!!
歳を重ねた二人が夜明かしで呑んでたり、
料理のシーンに凝ったり。
今回は正に、味噌がミソ、の話。
調子のいい、うさぎ同心がコメディ・リリーフだったりするのは、
鬼平ファンにはおなじみ。これが無くっちゃね。
彦十役が長門裕之だと、猫八彦十より、豪快な感じだなあ、と。
「剣客商売」初期では田沼意次の髷結った娘役で、
女剣士だった大路恵美、
今回はお気の毒な役で・・・。
あんたなら、刀振って勝てるだろ~!と突っ込んでしまったぞ。
そして、レギュラーで殉職?したはずの、三浦浩一の伊三次が、
またしても、甦ったのだった。
やっぱり、人気キャラクターなんだよなあ・・・。
ちょっと嬉しいけど、ファンとしては、やや複雑な気分ではあった。
以上。
- 2007/04/08(日) 09:39:40|
- 時代劇
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旅人、覚書。
火曜頃は大雨で、かつ肌寒く、大変難儀したが。
その後は晴れわたる日も、戻ってきた。
夜桜、満開の中、外を歩く、連日。
花見には、絶好の季節。
ところで、過去に見た作品のおさらい会巡りも、
そろそろ、一休みにしようか、と。
(一休!一休~!の声)
木曜にもう一度だけ、テアトル新宿へ<女>特集へ伺ったのだが、
とうとう皆、もうすでに他所で、観たものばかりになってしまった。
最初に、山田広野監督の生アドリブ活弁付きで上映された、
動物有名人のヤバネタ入りで爆笑の「僕とメアリー」も、
実はトリウッドで一度、拝見済みなのだ。
今でも面白いんだが、ペット飼うのが好きな人には、どうなんだろうか・・・?
と、少し余計な心配をした。
なお、観客の反応は、非常によろしかった。
ちなみにこの活弁作品の主役が、<女>シリーズの前田弘二氏!と今回判明。
トークの模様(司会・蔭山氏)によれば、
おそらくマスター映像が現存する、
山田作品で最古の?前田氏主演作品、ということになりそうだ。
その前田監督作品「誰とでも寝る女」(相変わらずくぐもった?笑い声でウケてる)再映に引き続き上映された、
水戸短篇映画祭受賞作、「古奈子は男選びが悪い」も、
記憶があいまいだったが、実は一度、観ていたのを思い出したのだった・・・。
多分、テアトル池袋か、ロフトプラスワンあたり?
しかも、ロケ地が明らかに「僕とメアリ-」と、同じ動物園!
同じ虎の、檻の前つながりだったのか!
もう、デジャブ感でいっぱい。
女性2人に、年上の男性ばかり集まって来る合コン、
男達がぼそぼそしゃべったり、
(京急沿線の羽田・川崎方面を知ってないと、よくわからない所も?)
男女間の対話が一瞬固まったり(冷蔵庫の男・・・)
後から現れる噂の<シゲさん>が、
予想されるようなおっちゃんではないのが、人を食っている。
その中からちょっとズレたような、にわかカップル誕生。
友人の決め付けた?アドバイズ、動物園でのデート、
ちびくろサンボ・ネタで引っ張る辺りが笑える。
その後、あきれた真相が発覚し、はたき合いになるシーンに、苦笑。
終わりはちょっと暖かく、ほっとさせられる。
全篇にわたり、前田流<長廻し>芝居の醸し出す、緊張感と間が生きているのは、いうまでも無い。
既に触れた「鵜野」の始まる頃に、遠慮させていただいた。
連日、にぎやかなる客席との司会の言葉に、ひとまず安堵す。
さて、この世にまだまだあまた存在するはずの、
未知なる何か、様々なものを、探しにゆくとしましょうか・・・。
以上。
- 2007/04/06(金) 19:49:59|
- インディーズムービー
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ゼルディア、報告。
ああ、とうとう、終わりました。「ウルトラマンメビウス」。
タロウ人間体がついに、出なかったのが、無念なのですが・・・。
レオ・80の人間体シーンも、もう一度位、観たかった!
最強悪役のエンペラー星人が<闇の超人>なのは、すご~く、よくわかるんですけど。
<帝王>御自身が直接繰り出す、<技>と動きが、意外に少なくて。
マントしてるし、身軽そうなんですけど、あんまり動かないんです。
その辺は、知恵者のメフィラス星人と、似てますね。
その分、ウルトラ・チームとの光線技対決に、
莫大なエネルギーを振り向けていたのが、目立ちましたね。
あれは物凄い。
そうか、ファイナル・メテオール兵器には、こんな使い方があったんだ。
メビウスも、人類の技術も、随分、成長したなあ・・・!
ミクラスもウインダムも、マケット機能停止でなかったら、
も一度、出して欲しかった!
そしてリョウが、ミライが、GUYSメンバーが、総監が、
あ、あんなことに・・・なるなんて!
タロウでもウルトラ六兄弟合体!とか、
全兄弟一時人間化!とかあったし、
ネクサスでも、変身能力移動シーンがあったけれど、
あれは・・・予想しなかった!
もうあれ以上の、泣ける究極、当分、出来ないよ~!
最後までチームの仲間意識の強さと、ウルトラマン兄弟の絆という筋を、きちっと通しきった。
メビウス、完成おめでとう!
一年間、往年のファンとしては、本当にいい夢、見せてもらいましたよ。ありがとう・・・!
ところで、ライダー電王では、
テッペイ似の人がらみで、モモタロス・ウラシマタロスに続き、
キンタロス(ぷっ!)なる新イマジン・変身バージョンが、出始めてます。
勿論、マサカリかついでますよ。
で・・・タイムトラベルと過去修復の過程で、
消えてしまった別の歴史世界の元住人、という話が、
ヒロインの口から出てますが。
どうでしょう?
このデンライナー列車と、平行世界の設定を生かして、
昭和や平成シリーズの仮面ライダー達を、
再登場させるって言うのは?だめかな?
(アニバーサリー・イヤーでないと、出せない?の声)
そろそろ、ライダ-でも、TVシリーズのサーガ篇、やってほしいんですけど・・・。
昭和ライダーファン向けには、漫画化サーガがあって、ライダーゼクロスの話も出てるみたいだし。
まず、あの線からでしょう。
でも平成ライダーは、毎回、世界設定は別個だから・・・
(付記:クウガとアギトは、世界観、一応つながってるんですが)
やっぱり、何か大技使わないと、接続が、ね。
ウルトラや、戦隊シリーズのSPみたいには、いかないのかな。
ティガ・ダイナ&ガイアの映画化みたいな、ぶっとんだ<技>も、一つの手・・・かも?
(付記:勿論、ティガとダイナは、つながってます)
あ、ゲキレンジャー、観てなかった・・・。
ブルーが天才画家だったことだけ、言っときます。
拳法の<技>とつなぐ発想はいいんだけど・・・ね。
まだ、あの野生児レッドに、なじめなくって。はい。
以上、ゼルディア報告、終わり。
- 2007/04/02(月) 00:53:39|
- 特撮
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挨拶代行・三味線屋。
春が来た。
パッと咲いて、パッと散るのも、いいさ。
桜の花のように・・・。
エイプリル・フールなど、俺にはどうでもいいんだが。
国の借金とか、いろんないやな事件とか、
みんな、嘘になってくれないもんだろうか?ほんとに。
ちなみに、中条きよしの「うそ」という、嘘のような歌が、あるそうだ・・・。
なぜか、まだ、聴いたことは、無い。
以上。礼!
- 2007/04/01(日) 16:15:37|
- 日記
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