旅人、覚書。
最近観たインディーズ・ムービー、
どうも、いまいち、何か迫力と感銘、おもしろさに欠けるものにばかりに、当たる気がしてならない・・・。
さらに、2度以上観よう、という気にさせてくれる面白さを持った映画となると、本当にごく稀にしか、ない。
その時間と予算があったら、
1本でも、新しい作品を観るのに当てたい。
3/20(火)は、
渋谷Q-AXシネマ(シネヴェーラと同じ建物内)レイトショーにて、
ENBUゼミ恒例・<ドロップシネマパーティー>で、
前半・学生組2本、後半・卒業生組2本の計4本を、順に拝見。
(括弧内、監督名)
「クリスマスのやくそく」(佐藤周也)
・・・は、
ちょっと泣かせる母子劇、のはずなのだが、
2人(学生らしい)の姿がどうも、母と娘らしく見えないので、
感情移入がしにくい。
始めは母子役とわからず、それとわかるのに、タイムラグがあった。
エプロンをしたほうが母親らしいのだが、
年齢の近いルームメイトか、姉妹にしか見えないため、
「これは、母と娘なんだ!」と自分に言い聞かせながら、観る他はなかった・・・。
いい話ではあるんだけど。
「努力のさきに」(小松知朗)
・・・は、
健康管理データが年金支給をも左右する近未来に、
バーで幼友達の男2人が、
禁煙・禁酒できっちり健康管理するか、
不健康でも吸って呑んで自由にやるか?
という話をするだけの、文庫本向きの近未来SF。
概ね予想したような画面と落ちが来て、あっさりと終わる。
まあ、スタンダードの出来。
「あやめ」(平波亘)
・・・は、
一番まともに?怪談らしい妙な味が出ていて、
まずは評価に値する。
森の中のわがまま武士、死体になった妻、
下男、その友人、奇怪な婆さんらをめぐる、
奇妙なやりとりの黒い可笑しさが、魅せる。
特に間抜けそうな下男役の、なりきりぶりが、目立って映えている。
「ひねくれ緑と星のパン」(吉田真也)
・・・は、
教室での男子のいたずらから発する先生との追っかけと、
机に女の子が残してしまったパンの処分を巡り、
民話の絵本にやや近い、小さくて暢気な世界が展開。
子供の世界らしい早口、饒舌なやりとり合戦と、元気のよさがまずまず、取り柄だろう。
「ユメ十夜」の運慶じゃないが、
やはりそうそう、樹木の中に本田隆一・富永昌敬級の突出を見せる仁王様は、埋まっていない模様・・・。
「あやめ」が比較的に、良い位。
又、3/29(木)には、テアトル新宿にて、
<水戸短篇映像祭セレクション>より、
「ロケットパンチを君に!」(中野量太)
「バスハウスマスダンス」(夏目大一朗)
を拝見。
うん、どちらも、共通点が多い。
片や、いじめられっ子とリストカット少女の、
ぶつぶつぼやく青春心理劇。
片や、風呂屋周辺で巻き起こる「Mr.BOO」張りの男女ドタバタ劇。
たしかに、2本とも、凡百の心情ドラマものよりは、
おもしろいには、おもしろい。
だけど・・・ね?
悲壮感と無邪気さとに溢れた主人公の夢想・幻想の部分が、
いずれも結構、飛躍に富んでいて、おもしろい。
「ロケット・・・」の腕、ネッカチーフ、充電器、湯気!
「バスハウス・・・」のAV女優・リアル女性・主人公の同時出現シーン、
あるいは興奮して目をむいた一同の過剰演技のすごさ!
美術、俳優達の力演、早回しとドタバタなどが、
それなりに効果を挙げていて、結構笑える。
けれども、笑いかけたところで、
ドラマ自体の生真面目さ、やるせなさが、
後で、現実ってザンコクだね、とばかりに、
その笑いを回収してしまう構造に、やや不満が残る。
どうして、両方とも結局は、
せせこましい日常の世界納得?へと、話が収束してしまうのだろうか。
妄想シーンを、あれだけ派手にやっておいて、
ちょっと、もったいない。
「花田少年史」並みに、とまではいわないが、
もう一発、スコーンと、
虚構の世界寄りに突き抜けてしまっても、いいんじゃないだろうか?
もっと原初に還った、むちゃくちゃな位のユニークさを、
観る側が求めるのは、無いものねだりなのだろうか・・・。
*追記*
前述のごとき不満を、連日くすぶらせつつある中、
31日夜、再び、テアトル新宿へと足を運んだ。
21時20分のレイトショー、
前田弘二監督<女>作品特集の舞台挨拶と、観客の反応を見るために。
5本の短篇を、連日3~4本、組み換えで上映しつつ、
毎回、トークやライブイベントを添える興行。
作戦としては、概ね順当だろう。
商業系公開の初日だけあって、さすがに集まりはよかった。
席は知人関係以外も含めて、20・30代男女をメインに、6~7割り方、埋まった。
木曜の<水戸短篇>(水戸監督の、ではない!念のため)レイトショーが、
平日の上に他所よりの再映作ということもあり、
ゲスト付きにもかかわらず、20人程の入りだったのを考えると・・・
土曜の夜の入りは、恵まれているほうだろう。
やっぱり、にぎにぎしく始まったほうが、イベントとしては好ましい。
金曜までの公開作中、「女」と「鵜野」、
および別曜日上映予定の「ラーメン」については、
既に他所でも観ており、以前にも某所にて、いろいろ語ったものだが。
今回レイトショーで初公開の、
「誰とでも寝る女」(なんちゅう、あけすけなタイトルだ!の声)の
奇妙なおもしろさ、エンタメ性に関しては、一言添えておくべきだろう。
サラリーマン男性達のたわいもなき女性経験談、
よくある「知ってる女、紹介して!」な話から始まる、この映画。
タイトル前に主要人物は、
中年男性と若い男性のコンビ、
および強がり?女子高生の3人にしぼられる。
やがて、喫茶店で、その表で、
建物内で、あるいは家屋周辺の狭い空間内で、
特に女性にとっては、とんでもない状況が明らかになってゆき、
なんとも奇妙な、かつ、息苦しいまでの<間>が、
長廻しキャメラの前で、展開してゆく。
客席のこちらは、その悲喜劇的成り行きを、
ただひたすら、じーっと、集中して見つめつづけることを、
半ば強要されることになる。
これは「女」や「ラーメン」を観るに関しても、
まったく一緒の事が云える。
常識はずれの奇妙な言動で、謎の訪問女性が、
対人相手を翻弄する「女」。
その相手をさせられ、
ぶっきらぼうな同居女性にどつかれて難儀しつつも、
次第にある種の理解?を示し始める男性。
ただただ、じーっと見つめてゆく以外には、打つ手は無い。
押しが強くて調子のいい上京男の言動に、<女>が怒る「鵜野」が、
それらの延長上、ないしは応用形にあたるのは言うまでもない。
こういう<見方>を要求されることは、
テンポのいい、親切な説明台詞の多い映画・TV等を見慣れた向きには、
ある意味、しんどい、かったるいものなのだが。
徐々に、文字通り微妙な演技の変化が見え始め、
ミもフタも無いナンセンスな笑いの要素とともに、
われわれの前へと差し出されてゆく。
その時点でもう、
あ、術中にはまったな、と自覚しつつも、
こちらは笑う他は無くなるのだ・・・。
かつて相米慎二監督が、
そして今も黒沢清監督をはじめとした多くの先達が、
確信犯的に使用してきた<長廻し手法>の意図が、
ここでも又、大きな効果を挙げている。
(これも、もうあちこちで、書いたよなあ・・・の声)
もう観ていて、本筋を知っていても、
それ以外の、確たる<何か>が残る、映画。
2度観ておきたい作品群、とは・・・
たとえばこういう映画群のこと、という好例なり。
以上。
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- 2007/03/30(金) 23:26:35|
- インディーズムービー
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旅人、覚書。
今朝出るときの、どしゃ降りな春雨には、参ったが。
梅、桃に続き、ようやく、桜の花が咲いてきた。
暖冬だったとはいえ、やはり、春が来たんだ、と実感す。
すでに通しで観ているのと、時間が取れないのとで遠慮したのだが、
やはり、入りが、気になる。
今頃、「over8」再映の最終回へ、人々が集まっているだろうなあ・・・。
じき満員かも?
シネアートン下北沢では、人気作で金曜の最終回は大体、入りがかなりいいのだ。
延べ、どのくらいの人達が、初見客で来場されたのだろうか?
そして、短篇8本のジャブ、連打を、
しっかり受け止めて、かつ、楽しんでいただけたか、どうか?
観客道としての注目点はもっぱら、そこなのだ。
さて・・・。
卒業・引っ越し・帰郷・上京・新入学・就職・転勤等、
春先は様々なる、別れの季節。
円楽師匠、
飯島愛女史、
ライダーカブトのとある女優と、
それぞれの事情により、
思い切って引退を決意・表明した人々が、続いている折りに、何だが。
一昨日位から、急に、
<どxxちプロダクション>サイトのBBSが出なくなったのが、
ちょいと気にかかる。
単なるアクセス不能ならば、復帰待ちだが。
まさか・・・
自主映画界、最強・無敵のシールド・ブレイカーも、
ついに、引退なのか?
いや、それは考えにくい。
監督として現役だし。
それともあそこも、ブログかミクシィに、移動したのだろうか?
そういえば最近、BBSへの書き込みに魅力が薄くなり、そちらへ移行した人達が増えている、と聞くが。
ああ、サイトの主はどうしてるんだろう。気になる。
4/9(月)付記:
その後、別ルートによりBBSアクセスは一応復旧したが、HP表紙からは入れない状況に。
当人も、そろそろBBS畳もうか、とぼやいているので、今後どうなるかはわからない。彼流の草野球的映画撮影は、依然、継続中の模様だが・・・。)
さて。
一趣味人観客の、小生としては、
よほどの事情が無い限り・・・
たとえ、監督というポジションに、
引退の日があったとしても・・・
あ、いや、勿論、現役に越したことはないけど・・・
とりあえず、小生自身に関しては・・・
「観客に、
そう簡単に、
引退は、
無いっ!!」
と、ひとまず言っとこう。
ただし、小生、今後も一層、
相応の体力・気力のキープに努めつつ、
ごくたまには、映画以外にも、寄り道をしつつ、
あくまでもマイペースで、
休み休み、ゆるゆる、のたくらひょんと、
この観客道を、行くものなり。
以上。
- 2007/03/30(金) 20:20:43|
- 映画(全般)
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主水日記。
夜のニュースで、おどろいた。
う、植木等までもが・・・
27日、80歳で、逝ってしまった。
合掌。
伝説のTV番組「シャボン玉ホリデー」や「若い季節」、
東宝クレージー映画、<無責任>シリーズでの高笑いシーンは、
勿論外せないけれど。
ATG映画「逆噴射家族」でのキレッぷり、「休み休み、頑張れよ~!」も、強烈だった。
「塀の中の懲りない面々」の囚人や「トットチャンネル」の先生のように、笑わせる以外の役も、ちゃんとやっているのだが・・・。
あまりにも、出ている映画やTVドラマ・バラエティー等が多いため、
今、どれを語ればいいのか、正直、わからない・・・。
とりあえず、自分達の世代に関しては、
「ザ・ハングマン」シリーズのバン、オショウ役あたりだろうか。
たまに台詞で<みっともないから、およしなさい!>が出ていた。
「甘辛しゃん」の酒蔵主役や、「新しい風」の政治家役のときは、さすがにおとなしい感じだった。
まだ、高松英郎・船越英二、両氏の余韻が、残っているのに・・・。
近年は、昭和の逝ける映画人が、多い。
まずは、急報にて。
以上。
- 2007/03/28(水) 01:09:39|
- 劇場用映画
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ゼルディア、通信。
ご存知メビウス、あと1回で終了です。
その後、ハヤタさんとメフィラス星人が出て・・・。
一時は、ウルトラマンとメフィラスの立場が入れ替わった世界まで、出現。
なんてまあ、えぐいゲーム・・・。
更に、ヤプールとの戦いで助けられた恩も忘れて?某人物(もうわかりますね・・・見てた人は)が、ミライ隊員の秘密を暴露。
この!最悪なやつ!恥知らず!
その一方で、総監もようやく、御登場。
さらにさらに、
ヤプールやメフィラスをも従えていた、
無数の侵略ロボット・インペライザーを、空間移動で送り込める、
宇宙最強、恐怖の大王、
<エンペラー星人>が、ついに、地球へ降臨!
あ、テンペラー星人、じゃないですよ。
彼をも従えていた、大物ですから。
「テ」と「エ」の一字違いで、ハンド・パワー・レベルが、全然違う。
並みいる強豪も、片腕だけで倒せる。
過去にはウルトラの父が、かろうじて、互角。
しかも、太陽をいじくって、変化させられるのです!
世界の大都市、セブンのゴース星人襲来以来の、ピンチ!
メビウス、再生インペライザーとの消耗戦に、ダウン!
GUYS基地も、空軍も、もうめちゃくちゃ!
味方の助っ人達(なるほど、あれとあれが来たか!と感心)も、次々と・・・ああ!
さあ、どうする?どうなる?
で・・・一昨日の分は、<最終3部作>の中篇なのですが。
データ映像(留守録)を見ていて、はっとしました。
インペライザーが歩いている、都市セットのシーン、
画面の向かって右下の隅、看板の絵に、
意外なものが・・・見えてました!
デ、デ・・・・・ンキネコ?!
まさか?幻を見たのでしょうか?
いや、そんなはずはない!
各方面、目撃情報、求む!
・・・え、電王とゲキレンジャー?
今は、それどころじゃないですよ!
でも、ちょっとだけ報告。
ゲキレンはハエ・キャラが、バトルの実況、詳しくやってますから。
ええ、ハエが。悪女キャラの横で。
いつかの、古舘伊知郎のように・・・!
電王は・・・
ぼちぼちサポート・ヒロインの出自が、見えてきそうです。
なぜかGUYSのクゼ・テッペイ隊員似の人が、<鬼>を従えて、道場破りやってます。
あれ、あの人って、「母親失格」でも、見かけたような・・・?
後、それの同時間帯に「キッパリ!」で、
555(ファイズ)でライダーデルタだった人に似たドクターが、目撃されています。
社長オルフェノクらしき人物と、一緒に。
また戦うのでは・・・?
と、そんなところで。
ゼルディア通信、以上。
- 2007/03/26(月) 20:47:52|
- 特撮
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主水日記。
24日、土曜、夜19時過ぎ。
またまた、池ノ上シネマボカンに。
近年は、何かのときには池ノ上、という感じになってきている。
この夜は、以前にも記した、
吉本昌弘監督「PINKY」「PINKY ZERO」の再映イベント。
初見客の反応を、見に来たのだった。
予約組・ボカン常連組も含めて、既に大勢、詰め掛けていた。
製作団体名は、<幻燈館>になっている。(注1)
従来の<シネマドッグ>路線や、
<ナッツ>シリーズ路線とのイメージ差別化を、図るためだろうか?
2本が監督・出演者挨拶をはさんで、連続上映。
たちまち、ミニ試写会状態のにぎにぎしさに。
周囲より、吉本組は女優陣が充実していてうらやましい、の声多し。
(ああ、世に男祭りの映画は、多けれど・・・の声)
やはりというか、またしても思い出しつつ、爆笑させられてしまう。
各女優が「あれ~!」の成り行き頻発シーン(特にしーとん嬢!)、
いわせ氏が「あれ~!」の猛烈力演シーン(よくまあ、あそこまで!)
ステテコ拳銃親父や、ノリ易いカメラ青年(演技もノンストップ!)、
グレた?警官、寝こみ父さん(さすがは・・・フフフ!)
・・・などのシーンが、周囲の客席でも、むちゃくちゃに反応が良い。
狙いのツボ・シーン以外では、
「ZERO」のモデル嬢の撮影シーンが特に、笑いが起きていた。これは予想していなかった。
おそらく本人が普段、言わないような台詞、やらないようなポーズが、並んでいるためであろう。これこそ、女優冥利。
そんな中、両作でさらりと酷な事を言う常連・吉崎仁美、
さりげなくベース・ポジションをキープ。
初見時も1本目の「xxxさま~」には、やられた。
打ち上げにも終電前まで、残った。
変幻自在な俳優・女優の魅力というものを、あらためて、感じさせられる夜であった・・・。
以上。
(注1)まぎらわしいのだが、ATG系映画等の<幻燈社>とは、別な団体である・・・。
[ああ演技魂百花繚乱]の続きを読む
- 2007/03/25(日) 10:38:22|
- インディーズムービー
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<おしらせ>
今夜は、
テレビ東京系「逃亡者(のがれもの)おりん」、
最終回スペシャル鑑賞の為、
他の書き込みは最早、不可能状態・・・!
いつものパターンと、わかっちゃいるけど、やめられねえ。
大御所・吉宗公暗殺疑惑を題材に、勢力争い、
甲賀と手鎖人、入り乱れて、江戸城内で忍法合戦。
柳生一族の誰かさんや、水戸の御老公みたいなシーンまで、登場。
これぞ、江戸城大乱・・・!
もう、止まらない。
よって、他所に関しては、後日に。
御免!
- 2007/03/23(金) 20:20:52|
- 時代劇
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主水日記。
17日、船越英二、逝去。84才。
増村保造監督「盲獣」の盲人芸術家役が、最も、鮮烈に浮かぶ。
同じ増村監督の「暖流」では、歌いまくり、
根上淳と会話中の頭の影が・・・変だった。
按摩兄弟の二役で怪談に出たときも、絶品。
寅さん映画で、リリーと3人旅、パジャマのシーンで、ニッコリ。
それから、TV「時間ですよ」のパパ、
「熱中時代」の校長先生、
「暴れん坊将軍」の、<じい>・・・。
まさか下北沢で「六人の女を殺した男」の音楽家役を観て、
その翌週に、なんて。
レクイエムに、なってしまった。
もう、同じ道を選んだ息子さん夫婦を、許してあげてほしい。
名優ジェントルマンの幕引きに、合掌・・・。
以上。
- 2007/03/21(水) 22:57:59|
- 劇場用映画
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旅人、急告。
三寒四温、春夏秋冬、季節の変わり目に観るのがぴったりな映画というのが、たまに、ある。つまりちょうど今頃。
好例が、奥原浩志監督の「タイムレスメロディ」(既見)。
そして、もし今日ならば・・・
河野和男監督の「夜明けまで」(既見)、であろう。
今日は、JR中央線・中野駅南口から徒歩8分の、
なかのZEROの視聴覚ホールで、
19時から21時15分頃まで、1回上映しているそうなので。
機会のある方は一度、と珍しく推薦、提灯持ちをさせていただくものなり。
あれは、寒暖が入れ替わるこの季節に観るのが、一番よろしかろう。
観終わった後で、DVDの「タイムレスメロディ」をご覧になると、
寒暖の味わいが一層、引き立つであろう・・・と。
秋口にこの2本を見るのも、又、オツなものなり。
ところで、シネアートン下北沢の再映「over8」も、
P-kraftのHPに出ているトークゲストが、何だかすごいことになってるぞ・・・!
以上。
- 2007/03/18(日) 10:44:50|
- インディーズムービー
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主水日記。
珍しく、平日に数日、休暇をとった。
まず、生活者ブログでは定番の、
身の回りの掃除、片付け、洗濯をしてみた。
ずっと無くしていた、小物が次々と、見つかった。
ボタン、ボールペン、チューイングガム、鉄人の食玩部品・・・。
埋もれていたいろんなものが、あちこちから、発掘された。
さすがに小判とか、昭和以前の都合のいいものは、無かった。
次に、一日位、どこかへ遠出も、と考えたが、
結局、14日(水)に、近場ですませた。
かくて・・・又も、映画。
平日の昼間も、数多くの映画・特集上映・イベント等があったのだが。
結局、選んだのは・・・
ラピュタ阿佐ヶ谷。
<月丘夢路>モーニングショーと、
<ミステリー劇場へ、ようこそ。第2幕>特集だった。
行った日は水曜割引で、すべて1本1000円。計5000円。
(普段は1本1200円、3回券が2700円。)
朝10時半から、昼食をはさんで、夜の最終回まで、計5本。
一日中居たのは多分、初めてではないか。
どの回も、概ね中高年層主体で、20人位入っていた。
ご近所らしきおじいちゃん、おばあちゃんも多い。
若いカップルもたまに来る。
戦前・戦後の邦画に詳しそうな通人風じいちゃん達がロビーに来て、映画雑談に興じる光景は、フィルムセンターと似ている。
亀有名画座に居た頃、あそこでは有名なアニメ作家の来日に合わせて開館して、<町内のご近所シネマ>を目指してるそうだ、とよく噂を聞いていた。
その目標はとりあえず、達成されている模様。
料金だけが、ネックなのかもしれないが。
(1日で5000円・・・ちょっとした贅沢?の声)
受付・ロビーの雰囲気、応対などはいつも大変良い。
後は、上映前のミニ解説&ご注意をあまり早口にせず、焦らずに心持ちゆっくり目に・・・と願うものなり。
邦画発掘上映の名所として、今後も頑張っていただきたい。
上映作品。
「おしゅん捕物帖 謎の尼御殿」:戦後初期の日活時代劇。モノクロ。
江戸の市中で、小町娘達の髷を切る、連続通り魔事件発生。
月丘夢路が男っぽい老目明しの娘、捜査に乗り出す。
ライバル岡っ引きの子分が有島一郎、さすがに動きも若い。
トリックは子供でもわかるものだが、犯行動機には、涙。
これ、女性が観たほうがわかる話なのでは?
「黒の死球」:大映、モノクロ。
性懲りも無く、今またタイムリー?になってしまった、
高校野球投手のプロスカウト金銭乱舞問題を、<良心の呵責>入りで扱った、本格推理もの。さすがに人物配置がよく出来ている。
(フィルムセンターにも別口の批判映画が、1本あった・・・の声。)
引退した元剛速球投手の心情を、スカウト役の宇津井健が、きびきびと演じる。
先輩の老スカウト役が、いい味を出している。実質的主役は、彼。
「雨は知っていた」:東宝、カラー。
吸血鬼映画の山本監督&スタッフが、「太陽にほえろ!」チーム。
母子役女優は、頑張っているのだが・・・。
犯行協力者が途中で、読めちゃうのが難点。
後楽園遊園地(現・東京ドームシティ)内にタイガーマスクが見えるのが、撮影された時代を感じる。
「脅迫(おどし)」:東映、モノクロ。
深作欣二監督、初期の篭城・誘拐犯サスペンス。
後の黄門様が、脱獄犯!コンビの一人。
三国連太郎・春川ますみ、という、
ボリューム感たっぷりのサラリーマン部長夫婦を脅し、
犯行の手伝いを強要。
しかし、いささか、脅しすぎたようだ。苦笑。
「黒の奔流」:松竹、カラー。
正義派のクセにやたら好色な、山崎努の弁護士が大手会社のボンボン(「積み木くずし」の・・・!)の転落死事件で被告女性の国選弁護人を担当。勝訴、そして・・・。
貧しき世界からの脱出・上昇志向が強いと、つい焦ってしまう、その心理が主題。
被告役もコワいが、弁護士秘書役の女性が、一番コワい・・・。
ラピュタを出て、レイトショーは、新宿武蔵野館。
黒沢清監督の最新作、「叫」。
サスペンス・ホラー。
例によって、観客に画面の凝視させ、耳のそばだてを要求する、
陰影たっぷり、ゆっくりゆっくりの展開。
こういう映画の見方もありだよ、と監督は伝えたいんだろうが・・・
長い、長すぎる。
ある種の無常観は、出ているのだが。
後半はさすがにちょっと、眠い。
まるで大林宣彦監督の、某ホラー映画のような話に。
30人ほどの場内20~30代男女客、
ラストも含めて「なんだか、よくわからない・・・」の連呼。
悪くはないのだが、役所広司と幽霊役だけが、得をした?印象。
以上。
- 2007/03/16(金) 20:11:57|
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秀の、ぼやき。
今頃になって、めっきり、寒くなってきたな・・・。変な春。
で、吉祥寺のレイトショーで、観てきたんだが。
「夢十夜・海賊版」。
平日の夜、20時45分より開始。客、20人位。
ごく一部の客のマナーが悪く、
上映が始まっても、スナックをかじる音。
段落ごとにぼそぼそとつっこみ、しゃべりあい。
いかなる理由があろうと、上映妨害の類は、周囲の観客の迷惑なり。
静かそうなを日を選んで、予定を空けてはるばる来たのに、
まだこんな事があるのか、とゲンナリ。
そういうのは、上映終了後に外で話してほしい・・・!
以前もほぼ似た状況について、別所で苦言を呈した。あ~あ。
で、観たのだが。
・・・・・あ~、あかん。
万事、印象が、薄い。
1作目の白いカーテンから、悪い予感がしたが。
脱力感・・・。第十夜以外は。
張り紙によると、とあるシティ映画祭で、
表舞台版?「ユメ十夜」一同に対して<宣戦布告>した、
自主映画チームによる制作、らしいのだ。
スタッフロールを観た限りでは、映画x学校の関係者が多いみたいで。
しかし、いかに音声もキャメラもきっちり、かっちり撮ったからといっても、
出来たものが、このような驚きに乏しい平板な画面と、
リズム感のゆるい、万事がやせ細ったスカスカぶりでは・・・。
静と動の対決どころか、とても、勝負にならない・・・。
ごめん、小生には、だめだった。
観客道として、駄目出ししなければいけないのは、本当に、心苦しいのだが。
学校での習作らしい安定感はあるものの、
皆、どこかで既に見たような、デ・ジャ・ブなシーン再現のオンパレード。
真似なりに面白ければ、むしろあっぱれなのだが・・・。
台詞もあちらに比べれば棒読みに近く、単調な朗読のよう。
小説ではない、<映画>としてのイメージの飛躍、というものがない。
題材が小説である事にこだわり、寄りかかるあまり、そうなるのであろうか。
いや、決して原作そのままではなく、
子供をおぶって歩く夢を自家用車のドライブに変えたり、
暗い中に顔を映してみたり、
「ブレードランナー」的近未来設定にしたり、
各話、いろいろアレンジしては、いるのだが・・・。
かんじんのロケ・シーンに、ファンタジー性が殆ど無い事が、大きな原因だろう。
ああ、山林やスポーツ施設、廃屋、岩場の海岸、路上などで、
設定をそれらしく、丁寧にきちんと撮って、きっちり編集しているな、というのは、見えるのだが・・・。
見えている景色の向こうに広がっているべき、<別世界>のイメージがさっぱり湧き出してこず、
ロケ地の<日常>としての景色が、見えるのみ。
イメージのふくらみ、想像を喚起させる描写の力自体が足りなくては、どうにも、弱い。
既成の枠組みをイメージ的に突き崩し、逸脱し、
はみ出すような何か、<余力>みたいなものが必要なのだが、
それらがどの作品にも、足りない。
そういう<余力>無くして、何の<夢>描写であろうか?
予算や規模の問題のみではないことは、低予算枠で制作されながらもユニークな成果と実績を残した、大小の映画群が、物語っている。
(連作集「over8」にしても、そこら辺をまず踏まえつつ、
そこから、更なる逸脱を求めて、とりあえずは展開と画面が動いていった。)
わずかに途中で、夜の白煙中に<顔>が写るシーンのみ、一瞬心を揺さぶられた。
このシーンはスモークの幻想効果が、ちゃんと出ていた。
DV撮影でも、ファンタジー性は、やれば出せるのだ。
が、良いのはそこだけだった。
唯一、段落全体がハツラツとする<第十夜>は、
落語家を呼んだのと、
ほっそり美人軍団と大きめ?女性達をあらん限り集めまくって、
(よく集まったなあ・・・の声)
キャバクラを舞台にしたのが功を奏し、
遊び人の時空を超えた?受難をブラックな笑いとともに描いて、好調。
これぞ、<余力>発揮というもの。
と、いった具合で、まだまだ・・・なんだけれども。
若干とはいえ、芽は少し出始めたかな、という所。
ああ、今夜も、しばれるなあ・・・。
ぼやき、以上。
- 2007/03/14(水) 01:19:33|
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主水日記。
週末。
3/10(土)、19時、池ノ上シネマボカン。
この夜のイベントは・・・
<映像温泉芸社inシネマボカンvol.19 8mmバカ・クラシック+1>。
協力:伊丹映像研究会。
(その団体名を聞くと、条件反射的に<シネ秘>等で観た、太陽の塔がゴジラ化して関空ぶっ壊す、某作品が浮かぶ・・・の声)
今回は、兼・シングル8延命記念、とのこと。
(2/9(金)、8ミリシネマの項を、参照されたし)
800円、約40席、休憩をはさんで3時間位。
飲食物の持ち込み可。(ただし打ち上げは、別注文要。)
毎回、レギュラーメンバーが大半集まってくるのが、ここの強み。
しかも、ややハイレベル?の笑いを十二分に楽しんで、帰ってゆく。
それだけ、引力がある、ということ。
そうか、もう19回目か・・・。
さすが、というべきだろう。
実は・・・すでに小生は、過去のイベント(特に、<シネマ秘宝館>方面)にて拝見済みの作品が殆どなのだが。
今回は特別おさらい教室、ということで、ご納得いただきたい。
芸社過去スレや当ブログにて、紹介していないタイトルもあるかと思われるので、ここに可能なもののみを、記しておくものとする。
なお、以下に記する情報以外に関しては、諸事情により・・・。めんご。
竹下パフォーマンス 秘芸水戸黄門(1986):なぜお墓の前で?
(スーツ男一人で物真似、いったい、何役!?分身撮影テクもすごい。CG無しで・・・。)
手作りのALIAN(1993):あのシーンで、やるしかないよね。
(ゴーストバスターズにも見える。やられた男がもだえ苦しむ前で、平然と食事してる女性が可笑しい。)
手作りのSTAR WARS(1990):大人気。
(これぞ真に手作り!手タレ・エキストラ大集合?影絵のよう)
一休さん1・2・3(78~85年頃?):中学生制作、との解説有。
(ピンポン玉の人形かわゆい。「ジェットスクランダー!」「くるか~!」などの軽い早口漫才調が愉快。タイトルからもうつっこんでる。XXちゃん星人には笑う)
人形アニメーション バットマン(1990):瞬間、ターザン。
(しつこさ、反復ギャグ、コンパクト化の勝利)
前科者ブルース(1994):ル・ピリエ、8ミリ最低映画祭、出品。
(所詮俺は・・・を付ければ、何でもシオシオのパーな笑いになる、好例)
想い出のコペンハーゲン(1992):横へスライディング。ずるっ。
(というよりは、70年代のスウェーデン・・・?)
ゴジラ対水戸黄門(1991):秘芸の延長上。
(主演大車輪の活躍。大魔神?キングギドラ?らしき何者かも登場。
たしかにまるで、でっかい様に見える!キャメラ・テク)
特別企画:秘蔵映像。G監督による生ツッコミ・解説付き。
なつかしや、池袋にありし日の、
旧文芸座のしねまブティックに、地下ホールのル・ピリエ。
中、いつも黒っぽかったよな。
以前別所でも書いたのだが、かつてここで、
パン猪狩・早野凡平師弟のパントマイム・ライブを、観た。
パン師匠は、昔の勲章と栄光を夢見る老芸人を自ら演じていた。
えぐいけど、たしかにうまいな、と思った。
早野凡平は、帽子で「逆子誕生!」やったり、縄持って踊ったりして、笑わせてくれた。
よく知らない芸人氏が舞台つなぎで、
忘れたが駄洒落(今で言う親父ギャグ)を連発、
「今の学生は金持ってるらしいからなあ!」と放言した。
学生だったのでその時だけ、少しいやな感じがした。
「ピンポンパン」(フジ系。当時もう終わっていた)の坂本新平ちゃんが、猪狩師匠を称えるトークしに来ていた。
保護司をしている、とこの時知った。
パン・坂本・早野・・・皆、既に鬼籍に入られた。
こうして小生にとっての昭和は、一応は、過去のものになった。
ここで別な日に怪演?していたはずの、快楽亭ブラック師匠を渋谷や浅草で目撃するのは、はるか後年のことになる。
当時直接見てはいないのだが、ここはオールナイト企画・<8ミリ最低映画祭>の会場でもあった。
解説によると、文字通り、そのばかばかしさ、最低度を競う自主上映企画で、審査員付き、ゴングショー形式。
観るほうがだれてくると、ストップがかかる。
作品タイトルは、筆文字の<めくり>で新作落語のごとく示され、直ちに上映がなされる。
その状況下で、一発<ネタやり逃げ、終!>芸的に、インパクトを残そうとする参加者の作品も多く、
彼らにとっては東京近辺上映での、笑わせるセンスを磨く、すさまじき修練の場にもなっていた、という。
何しろ、異様にハイテンジョンな司会氏も、
独断・偏見選考の審査員達も、
長時間見せられて、ヨイヨイ、へべれけの上に、眠い。
その状況下でインパクトを残せる作品は、
<最低>でも、ある意味、すごい、ということ。
それも又、勲章なのだろう。
その割に、当時のありもの?の賞品だらけのようだが。
今持ってたら貴重?どうなんだろう・・・。
後に、ここでかかっていた<バカ映画>作品の一部を、
シネ秘や芸社等で、小生は、目にすることになる。
他のイベントでお見かけした監督達の、若き日の情熱的な?姿が見える。今や貴重な映像なり。
結局、わが<最低映画祭>体験は、後に旧UPLINKで復活するまで、待たざるを得なかった・・・。
おさらい会、以上。
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- 2007/03/12(月) 20:48:13|
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旅人、覚書。
3/9(金)夜、18時。
池袋駅西口より、ミニバー<MODeL T>へ。
<三寒四温映画祭>。
1800円(予約1500円)。
こじんまりしたガラス張りのミニバーに、椅子を並べ、プロジェクター設置。
上映会は3日・4日・9日の計三回、山内監督作品のみ3本中2本ずつを上映。あとの2本は同じ。
この夜は「エロティック・煩悩ガール」(山内洋子監督)を除く4本と、一部予告編(未公開作を含む)を上映す。
大半が初対面の男女客、20人ほど集まる。3回でトータル、60人とのこと。
上映前に写真家・小島健一氏による、<棄てられ島>(廃墟で知られる離島)の写真展、スライド映写、解説等もあった。
バーで撮ったらしいOP映像のミニ芝居には、「便秘!」「たとえようぜ!」などの、日常あまり言わない?台詞が・・・。
ミクシィつながりで社会見学コース(ビール工場、など)参加者等から自主映画関係者まで交流が始まり、その縁で今回の集まりとなったそう。
最初はどこでもみんな、こういうひょんな事から、会合がスタートするものなり。
本編は、まず、
山内洋子監督のイメージが自由に膨らむ秀作「ぐずつく乳房」。
あの傘が転がる風景は、忘れられない。
次は同監督の傑作、ギタギタ女性心理劇「ラブハンターチャンス」。
王子様の歌、戦場イメージ・シーン等、独特のユーモアに溢れている。
3本目が「夢十夜」の第一夜を一部アレンジして(多いね、今年は、の声)ナレーションがラジオ朗読劇調の味わいになって、純和風モノクロ小品に仕上がった「待人」(渡辺淳)。これも以前、どこかで観たような?
そして、地球外生命体との初接触に備えてのコミュニケーションを想定した<シミュレート>クラブと、そのメンバー達自身の対人交流のささやかなる進化?を描いた小品、「SIMULATION」(矢島恭子)。
最後のこれ、前半のゲーム感覚と後半の人間ドラマにギャップがあるのが難点だが、同時にユニークさでも有る。
ラスト、まさか戸口にモノリスが・・・?と想像をたくましくしてしまった。
ちなみに、主催者にして同作脚本の生井氏によると、この種のシミュレート・クラブは・・・実在する!そうだ。(な、何だって~!の声)
参加者達が立場立場で言いたい放題、
観てる分にはなかなか面白い試みだが、
あれはホール内で宇宙人・地球人間を往復する議長が、へばるぞ・・・!
さて、このメンバー、主催者の<tenseatcompany>なる製作団体をベースに今後は、毎年この時期に上映会を開きたい、という意向。
早速、上映後トーク中に、新作の女優も紹介あり。
まずは、順調なる完成・御披露目を、待つとしよう。
以上。
- 2007/03/11(日) 17:26:14|
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旅人、覚書。
先月から今週にかけて、スクリーンで観れた映画より。
(追記の可能性、あり)
某シネコン 「バブルへGO!タイムマシンはドラム式」(ホイチョイ・プロ):
「バック・トゥー・ザ・フューチャー」そのままのドタバタ、東京版。
広末涼子が目一杯はしゃぎまくり、ナンパな阿部寛が振り回される凸凹コンビもの。
劇団ひとりの変わり身メイクが、元祖映画の某キャラに、そっくり。
ブレイク手前の有名人役で、本人達がちらほら出演。これもCG進歩のおかげ?
17年前も、TVの向こうのよそごとだったなあ。こんなに浮かれた六本木界隈の世界は。
周囲であんな羽振りのいい人達いなかった。
近所はたまに歩いてたけれど。
今の中国経済も、殆ど、これの後を追ってきているようだが・・・。
無理な冷却策等はなるべく避けて、日本の大崩壊のテツを踏まぬよう、慎重な判断を、と願うばかりなり。
日比谷シャンテ 「マリー・アントワネット」(コッポラ一家の娘、ソフィア・コッポラ):
実は観る前に、「あれって、2時間半、全然おもしろくなかった・・・」という声を、一部で耳にしていた。
観てみると、なんと、すこぶる面白いので、かくも人によって評価が違うか!と仰天す。
こういうマリー王妃像も、ユニークなんでないかい?と。
そうなった理由は、容易に察せられる。
まず、歴史大河ドラマや「ベルサイユのばら」の線を想定していた人々が欲するような、革命時の暴動や処刑、戦闘などの目立つスペクタクル・シーンが、ほぼ皆無に等しい事。
(カンヌ上映でブーイングが起きたというのは、それゆえであろう・・・の声)
ほぼすべてのシーンは、あくまでもベルサイユ宮殿や別邸内の王宮関係者達とその周辺のみを描き、外部のことはせいぜい<接触>程度にしか描かれない事。
しかもその殆どは、マリー王妃の目線中心で扱われている事。
次に、主役のマリー王妃自体に、これまでの大半の歴史劇に出てくる王妃のような、凛とした印象のシーンが無い事。
オーストリア王室というより、アメリカの田舎の良家で育ったティーン・エイジャー・ガールが、そのままお輿入れしたような印象を与える事。
(主役が年中はしゃぎまくってるのは、「バブルへGO!」と一緒だな・・・の声)
又、皇位継承者のための子作りが難航する話が、前半のドラマの芯を形成しておりながら、かんじんの性交シーンは大半が、あたかも戦前のロマンス映画のごとく、あっさりと省略されている事。
ポップス、ロック調の楽曲が随所に流れる事・・・などなど。
ソフィア・コッポラ監督が描きたかった事の力点が、宮廷や革命歴史劇の<忠実な>再現自体には、無かったのだ。
描写の力点はもっぱら、主人公たる王太子妃(のち、王妃)が何故、あのような浪費三昧に向かったか?を動く絵画として、ふんだんに見せてゆく事に注がれている。
嫁ぎ先たる宮殿内世界の不自由さ・理不尽さ(あんなに手間がかかる着替えがあろうか?!)、
周囲や実家からの<子作り>プレッシャーにうんざりし続けたあげく、
過剰なまでに、菓子・靴・服・髪型などのデザインの洪水へと、自らの日常生活をどっぷりと浸してゆく、その憂さの晴らし方にこそ、ドラマの肝が置かれている。
(どっかで似たような話、よく聞くよな・・・の声)
とにかく、パーティー・シーンも含めた、その豊穣すぎるイメージの力に、誰しもが圧倒されることだろう。
それらの果てに、ようやく母親になった主人公の喜び、
そして浪費と夫の失政等から招かれる、その後に来る悲しみが、せりあがってくる・・・。
普通の会社OLと共通する<気晴らし>の心情と発想、ここらに乗れるか否か?でこの映画の評価は二分される。
ハンサム男性とのロマンス、離宮での自然接触生活スタイルなども、それらの心情の延長線上、一主婦の目線と見れば、納得が行く。
幕引きのあっけなさに目をつむれば、結構イメージ豊かで面白い、宮廷ツアーのファッショナブル・シネマといえよう。
シネマアートン下北沢 「六人の女を殺した男」(島耕二):
昔、テレビ東京で昼間、流していた。通しでちゃんと観たかった作品。
フランキー堺が好色な画伯役で主演する、大映スリラー・コメディー。
アーティストとしては結構、有能なんだが。
女運があるんだか、ないんだか。
結婚するたびに、欲を出したドライな女達に翻弄され、資産をまきあげられ、
あげくに事故で、あるいは故意に、次々と殺してしまう羽目になる。
コミカル・シーンもあるとはいえ、全体には暗い影がただよう。
岸田今日子のシーンなど、かなり薄気味悪い。
毎回「ハイ、110番を」って、先に救急車呼べよ!
春川ますみとからむシーンのみ、むやみに元気ハツラツ。
日活や松竹、東宝の喜劇路線からそのまま<出張ってきた>感じで、
いつもの2人らしいド迫力喜劇風芝居になるのが、
現代的に振舞う他の5人との時とはギャップがあって目立ち、可笑しい。
黄金ボリューム・コンビ。
以上。
- 2007/03/10(土) 01:19:55|
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主水日記。
大暖冬が、とりあえず、明けた。
関東ではとうとう、雪がろくに降らぬまま、3月になってしまった。
昼間、電気ストーブすら点けなかった日々が、続いてきた。
寒いのが苦手だから、花粉症だけ気をつければ、今のところは助かるのだが・・・夏が心配だ。
この土日も、朝からぽっかぽか、なり。
どうもこうなまあったかいと、逆にいまいち体調が、ついてゆかない。
昨夜寝る前に、ちょっと暖房炊いてたら、朝、たちまち室温、24度。
あわてて切った。
ハワイか、ここは。
明日は雨らしいから、急冷に用心しないと。
かくて、この週末は、
一切時間に追われずに、ゆったりと過ごすことに、決めた。
そんな中、先週、2本だけロングラン映画を観た。
(他にもちょっと行ったが、後刻)
「リトル・ミス・サンシャイン」と、「雪に願うこと」。
「リトル・・・」は、渋谷の追加上映劇場が水曜1000円の日とあって、20代女性8割で、大入り。
心優しきアメリカン・ファミリーのコミカル・ロード・ムービー。
各人の受難・悲喜劇のエピソードが、連続ドラマ式でバランスよく盛り込まれた脚本と、ショー場面の演出の勝利だろう。
あえて途中の話は明かさないが、もう、随所で大爆笑の渦。
小生など、周囲を思って?笑いのトーンを抑えるのに、必死だった位!
こういう、市民社会のヒューマン・ドラマがちゃんと作れるうちは、
<20世紀>の取れたFOX映画も、まだまだ、大丈夫だろう。
助平なじいちゃんと、子役少女には、アカデミーならずとも、文句無く、花丸付きで<大変よくがんばったで賞>を差し上げたい。
しかしまあ、子役女優から皆、あれほどのレベルがあるとは・・・。
あれでは日本から、<ミュージカル志望!>でいきなり行ったって、かなわないわけだよなあ・・・。
下地が違いすぎるよ。ほんとに。
「雪に願うこと」は、都内で見逃し続け、
川越に唯一残るスカラ座でまだやっていると知り、土曜に観光がてら、電車と循環バスでのんびりと、行ってみた。
上映までの待ち時間に、蔵の町、鐘の立つ周辺をゆっくりと散歩するのも、一興なり。
川越スカラ座は、<小京都>のちょっと裏手に、ひっそりとある。
白髪の、感じのいい方が受付に。おそらく支配人氏であろう。
入り口前に<東京国際映画祭・受賞!>等の記事・張り紙がしてあるあたり、
なつかしの亀有名画座にて周防正行監督のピンク作品がかかった頃を、脳内再現しているような気分。
ちょっと微笑ましい気持ちになる。
(あそこでも、根岸吉太郎監督のにっかつ時代、宮下順子が子供を驚かすシーンを撮った映画が、かかっていたのだ。)
ロビーには、70~80年代頃のポスターと一緒に、
埼玉県周辺の映画館の存立期を示す年表が張られている。
県の年表付きの映画館、というのは小生も、初めてだった。
アンケート掲示板なども、早稲田松竹や昔の池袋シネマ・ロサ等を、ほうふつとさせる。
昼間は1700円、ただし情報誌呈示で200円引き。
土曜は夜の回のみ、1000円。
スクリーンはシネコンほどに大きくはないが、休日の午後、市民が秀作を静かに味わうには、丁度よろしい。
立派な、映画ファンのための名画座なり。
<ばんえい競馬>向けの厩舎を運営する、無骨ですぐ人をぶったたく兄(佐藤浩市)と、
東京のネット商売が大変なことになって帰郷した弟(伊勢谷友介)の、
反発し合いながらも交流する兄弟ドラマ。
そこに山崎努の富豪、賄い婦の小泉今日子、騎手の吹石一恵、勝利のおまじないをする元同級生の山本浩司らがからむ。
ベースはあくまでも、母親の事と、負けの込んだ馬の調教をめぐる、
主役兄弟の再会と殴り合い、涙。そして和解への道。
準主役は、白い息を吐き、コースでぎりぎりまで踏ん張る、馬。
何一つ奇をてらった所は無く、一度手痛い負けを知った者達の、再生へと向かう<強さ>の人間ドラマが、いつもの根岸調で、淡々と描かれる。たまには、こういうのを観るのも、いいものだ。
来客は地元の映画ファンらしき男女10人程だったが、皆、満足そうだった。
スクリーンで観ると、同じ劇映画でも、
風景とか、馬の息遣いの感じとか、迫力と味わいがやはり違う。
全国のこういう規模の小屋が、映画ファンの人々を確かに、育ててきているのだ・・・。
映画鑑賞の原点に、戻った日だった。
帰りに吉祥寺へ寄ってみたが、
「夢十夜・海賊版」(!)は既に約1時間前から、始まっていた。
そんな<競作>があろうとは。まるで「自由学校」。
レイトショーのみなのだが、観る時間が空くだろうか?
以上。
- 2007/03/04(日) 17:03:36|
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とある、太平洋側の、海岸。
スケバルマン・エース(A)、上空で髪をなびかせ、
びゅんびゅん、滑空。
そしてス~ッと、軟着陸。
スケバルマンA、大回転し、転げ回り、はしゃぎまわっている。
(以下略称、スケA)
「ひゃっほ~!!やった、やったあ~ッ!」
「やっと公式飛行能力免許、取ったぞお~!!」
「しかも、準A級、だよ~!」
「これであたし、飛行中の名前は、ダブル・エース(AA)だ!ハハハ」
「さあ、地球の公海上空、思いっきり、とばしまくるぜェ~!」
「ガッツ!!(ポーズ)」
その後ろで、声。
声(エコー付き)「フッフッフッフッフッ、何がダブルエースだ、お・ろ・か・ものめェ!」
スケA「な、何ぃ?誰だ!(ふり向く)」
黒マントの人影、後ろの崖に立ち、光をさえぎっている。
スケA「(見上げる)あっ!お、お前は・・・?!まさか・・・」
人影「(掛け声)やあッ!」
ひらり、と降りてくる人物。
が、着地でちょっとよろける。一瞬あらら、という表情になる人物。
顔を見るA。
スケA「一緒に地球に家出してきて、途中で生き別れになった、あの・・・ベリウェル・ゲンマン・ズブール!」
ベリ「そ、それはお前と別れる前の名だ!今のあたしの名はな・・・」
ポーズをとる、人物。
ベリ「パメラ・ジェームズ・マルコビッチ・フォン・ゲル・ゲーゲル!!なのだ」
スケ「・・・ゲル・ゲーゲル・・・?何だそりゃ、変なの。カエルの名前か?」
ベリ「(少したじろぐ)だ、黙れっ!この地球の救世主、ゲルザム様から、わが称号として下された、栄誉ある、新しき名だ!」
スケ「その、カエルの名前がか?」
ベリ「だから!カエルじゃないってば!まあいいや、どうせスケバル星人一の、愚か者のお前などには、この名前の崇高なる価値はわかるまいよ・・・」
スケ「酢うどんの、ナルトの、カチンコ?」
ベリ「だから、ちがうってばよ!あー、もういい。とにかくだな、あんたと別れてから、いろいろあったの。あたしはゲルゲラスって、秘密組織に入ったの。そこの代表運営議長がゲルザム様。で、ちょっと組織でもまれてさ、今、幹部クラス一歩手前になってるの。これで大体、わかった?」
スケ「・・・ン、まあ、一応な。で、いったい、何の組織なんだ?」
ベリ「(きっぱりと)それは秘密だ。入会金2000円ですべてわかる」
スケ「いきなり引っ張って、勧誘かよ・・・活動内容も秘密、って、まさか・・・お前、そこ、映像温泉芸社ってとこじゃ、ねえよな?」
ベリ「あれは、入場料1000円だ!予約では500円。それで中身は濃い。異次元渦巻世界体験コース。ゲルザム様配下の情報網では、常識だ」
スケ「よく知ってるな、お前。それで、ゲルゲラスってのも、すご-く、怪しい組織だってわかった。ベリ、お前は幼なじみの友達だが、バックのゲルザムとかいう奴は敵だ!」
ベリ「・・・微妙な、納得のされ方だな・・・」
スケ「あ、それとさ。どうせワルの入会なら、652円くらいにならねえ?今月ピンチなんだョ、あたし」
ベリ「あのなあ、半端に、値切るなよ・・・」
スケ「(ベリの指を見て)ところで、その水晶らしい指輪、質屋でいくら位なんだ?」
ベリ「だめ、これは触るな、こするな!こすると組織の本部から、恐ろしい生き物が、再生して、飛んで来るんだ!」
スケ「再生して、飛んで来る恐ろしい生き物って、再生円盤生物とか、再生ヤプールとか、再生べムスター?それともキングギドラか?ブニョか?」
ベリ「い、いや、たとえば・・・再生キューxxックとか、再生アルxマン、再生今村x平、再生深x欣ニ、再生工x栄一、再生石x輝男、再生中x信夫が・・・次々と、ロケ地に飛んで来るんだ」
スケ「そ、それは、ある意味、恐ろしいかも・・・ってどんな再生組織だよ?新百合ヶ丘のあたりにでもあるのか?」
ベリ「いや、あそこは再生するまでも無く、ゴジラ級がもういる。新藤x人と荒井x彦・・・」
スケ「自然に再生しそうだもんな・・・って納得さすな!」
ベリ「わはははは、どうだ。すばらしい秘密アイテムだろう」
スケ「あの、ところでさ。そんなに自分の組織とかアイテムの秘密って、外部のあたしにべらべら、しゃべっちゃっていいのか~?」
ベリ「(ハッとして)ば、バカモノ!ゲルダム様臣下の、この、ゲル・ゲーゲルに、なれなれしくするな!愚か者め!」
スケ「今頃、言ってるよ・・・相変わらずだな~、アハハ。・・・で、これ、ちょっとこすってみようか?指輪・・・」
ベリ「こ、こら、だめ!サーフボードに乗った月光仮面と、スーツのJXXRXCの人が飛んで来たら、どうするんだ!逃げろスケバルマン!」(逃げる)
スケ「・・・フッ、逃げ足だけは早いな・・・」
つづく。
[ああスケバルマンAA、運命の再会!]の続きを読む
- 2007/03/02(金) 19:40:47|
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