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シネマ旅の途上にて

自主映画ウォッチャー、アWorkerのブログ。

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百年の夢を描いたのは漱石

主水日記。


しかし。
こういうのを、何と形容したら、いいのかねえ?
最初はオーソドックスに原作世界へと入り込み、
それから原作イメージを次第に膨らませて、
どんどん逸脱、野放図なまでにデタラメ化。
次第の前後のつながりも、濃淡も、まとまりもどうでもよくなり、
終盤はもう、グロくて、むちゃくちゃ。
煎じ詰めれば男と女、じゃない、「ユメ十夜」は、そんな短篇映画全集であった。

要するに、これ、
明治の文豪・夏目漱石の異色幻想小説「夢十夜」の映画化。

10本の短篇から成っていて、第1話に<100年後>の言葉がある。
今、執筆されて100周年まできたから、
10組11人の監督(内1本が監督2人なので)により
10本の短篇映画に撮って、プロローグとエピローグでつなごう、という企画なのだ。
中学の頃、家にあった本(全集があった)の一冊でひと通り読んでいたが、細部は忘れかけていた。
1・3・6・10夜は概ね、記憶している。
イメージが比較的に、つかみやすいからだろう。

夜19時のシネ・アミューズにて、通しで眺める。10話分。
丁度、かつて新宿スカラで<懐石料理>と銘打った、短篇映画集を観ていたときのような、気分。
これぞフルコース。

どの話も、まあまあ面白いんだが。
何しろ、他人の夢分析や小説執筆現場につきあってるようなものだから、細部に、わけのわからないところだらけで。
しかも明らかに同一人物役の俳優やキャラが、ころころ交代するので、ややこしい。意表をつかれた配役も。

そして、ここでも又、休憩時間無し。
さすがに後半からは、気力も落ちてややへばる。
20代客席男女からは「なげーよ!」のつぶやきが。
(某所、追体験?の声)


各話、ごく簡単に、短評するにとどめる。
各人、レイトショー等で、実物に当たるべし。


プロローグ:
 
女学生に注目。多分、<木曜会>によく来ていたという、伝説の人・・・。市川版「我輩は猫である」を観よ。

第一夜:光と影の使い方、舞台、キャスト。
正に実相寺監督X久世脚本(両者、ほぼ遺作)らしい、
かっちりと出来上がった逆走世界。入り口としては申し分ない。
ただ、ちょっと濃い目の味だったか。
エロいシーンは、いらない気もするが。


第二夜:うーむ、普通にそのままサイレント化、かな・・・。
もともとおとなしいパートだから、いじれなかった?

第三夜:家族持ち故のやや贅沢な?悩みに見える。
背中の子、コワいぞ。妻役、案外合っている。
親子のシーンはなごむ。

第四夜:新旧混ぜこぜ、美術と台詞回し。
つい時代考証を、云いたくなる。
「それは、いわんだろう!」「それは明治に無いだろう!」などと。
普通に、薄味。子役の勝ち。

第五夜:急激に現代漫画?タッチ。
市川実日子でデスノートやってる?みたいに、線が細い。

第六夜:舞台っぽい。
あれ程までに目立つ運慶が、出るとは。やられた。
周辺人物の台詞回しや字幕ともども、場内反応大。当然だろう。
なぜか愚連隊・石川謙さんの姿が。

第七夜:孤独なる漱石、いよいよ別人化。
居場所求めて人は旅立つ。ロマンチックやな~。

第八夜:最早スジまでも崩壊、イメージ奔放、大流出。
誰にも止められない。藤岡弘の暴走?も止められない。
もう、ついてゆけん。
リキって・・・何?腸?ミミズ?
やっぱり全然わからん。夢だからなあ、なにしろ。


第九夜:再び、スタンダード。ただし昭和の香り。
おとなしい緒川たまきも、ありかな、と。子役に勝ってる。
ただ幕引きに、あれは、ありなのか?いいんだが、微妙だ・・・。

第十夜:むちゃくちゃに面白い。予想以上の立体感と濃さ。
けばけばしいメイク、某科学者?登場も愉快。
身体張ってるぞ、本上まなみ。普通あそこまでやらん。
丼物業界の反応が、すごく心配になった。


あれだけやっちゃうと、エピローグが、
とってつけたみたいになるんだよね・・・。ま、いいか。
ハイ、さようなら。



以上。























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  1. 2007/02/23(金) 21:20:12|
  2. 劇場用映画
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ついにダウンしたのは観客

錠の日記。


ふいーっ。いけねえや、もう。
表稼業と、自宅関係のストレス(またしても、PC文字化けだよ!)、
ダブル・アタックで、こちとら、限界に達しちまった。
ついに「ゴジラVSデストロイア」のごとく、メルトダウン。
2回程、休んだよ。
映画も、怒りが頭をもたげて来そうな題材のものは、全部観るのをやめたんだ。
どうも健康によくなくて、いけねえ。
さしもの俺も、グロッキー、だぜ。

安く観れて、気分がよくなりそうな映画を選んだら。
かくて、復帰第一作はフィルムセンターの、
野口博志監督「赤い荒野」、となったんだな。

1961年、日活アクション全盛期、
宍戸錠主演、パターンどおりの、和製西部劇アクション。
さすらいのギャンブラー、エースのジョー、帰郷篇。

初代水戸黄門・東野英治郎が、
かつて牧場を強引に広げて、今は上を行くやつらに追い詰められてる、
頑固で人見知りする牧場主。
その牧場の名が<奥井牧場>って、まんまもじりじゃん。

地元のワル役は今より日焼けした、
「釣りバカ」重役でよーし、わかった!警部の加藤武。
ニカッと歯を出して笑うところ、同じだな。

権利金がらみで地上げにつきものの、
ブラック・ハット・ガンマン役は常連、内田良平。
当然、宍戸と因縁の、クールなライバル。
(少年の和田浩治が主役の映画でも、一緒の役だけどね・・・の声)

ヒロインが、東京から帰らぬ主人を待ちつつ、そのかつての友たる宍戸にも惹かれかける人妻に、南田洋子。
若くて光ってるのは明らかに、東野じい様の娘役・笹森礼子。
おそらく当時はアイドル的人気が、あったんだろうな。

で、これだけあれば、たとえ舞台の牧場が島根県の三瓶高原だろうと、
後は自動的にシェーン、カムバック!の世界に。
ドライな笑いを喰らいながらも、
ライフルで、ドキューン!
ショットガンで、バキューン!
敵は屋根から、ストーン!てなもんよ。
これ以上の野暮な解説は、不要なのだよ。チッチッチッ。
(キザるな!の声)


ああ、あれで大分、気分がスカッとしたぜ。
じゃ、知的作業ってやつに、戻るとするか。
又な!
[ついにダウンしたのは観客]の続きを読む
  1. 2007/02/23(金) 19:08:40|
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