仕事人・銀平の日記。
さて、毎年恒例、1月2日14時より、テレビ東京系の10時間時代劇。
(かつては昼より12時間、だった・・・の声)
これ、半日で全部観てる人って、どの位居るの?
今年は「忠臣蔵 ヨウ泉院の陰謀」。
(ヨウの字が出ない!ぶつぶつ・・・の声)
人形浄瑠璃を鑑賞する、浅野の殿様の未亡人登場シーンより始まって。
なんと、最初の15分間で・・・
浄瑠璃ナレーションと縦字幕入りで討ち入り、一同切腹まで全部やっちゃった。
大筋全部終わった。早い!
で、いわくありげな女性3人が再会。
これが赤穂浪士の吉良邸討ち入りより、10年後。
どうやら彼女達が、赤穂浪士の討ち入りに際し、その準備段階で、様々な根回し、裏手回しを行なっていたのでは?という設定のドラマらしい。
つまり、お上の不十分なる御裁断、政策に対する復讐心から妻が動く、という視点で回想に入り、ドラマは進行する。
と、裏技「巧名が辻」みたいな着想はユニークなのだが・・・
いかんせん、討ち入り以外では目立ったアクション・シーン、泣かせるドラマ・シーンが少なく、かったるいのが難点だった。
主要人物達の手による、かなり遠大なる作戦遂行劇であるにもかかわらず、どうも、心にひっかかるものが少なく、感銘が思っていたよりも、薄い。
まず気になるのが、浅野の殿様の設定。
周囲の子作り要望等からくるストレス説、を強調しすぎ。
あれでは感情移入が、やや難しい。
どうしてもヨウ泉院の市中触れ回り作戦、大石内蔵助・大老柳沢吉保らの腹芸的御対面、策謀、等のドラマが、全体の中心になるから、そういう<定番>移入型の芝居にはなりにくいのだ。
そして何とも、全体的にドラマとしてのカタルシスが薄い。
いまひとつ、ここぞ、という所でどうも盛り上がらない、そんなもどかしさを感じさせられた。
ヒロインの二役・入れ替わり芝居も、同じOL(?)が二面性を見せているように見えていて、あまり効果を挙げていない。
おそらくこの辺にも、情感を十分に喚起しきれないでいるもどかしさの一因が見え隠れしている・・・。
演じ方の問題が、あるのではないか?
しかも、有名エピソードの省略が目立つ。
脱退組・煩悶自決組などの話も、時間内にもっとちゃんと描けるはず。
堀部安兵衛・弥平らの血気にはやる様と、ユーモラスやりとりとを随所に入れているので、何とか<やる気>らしさを維持してはいるのだが・・・。
(あまりのかったるさに一時中座し、近所で初詣を一つ済ませてきた。こんなことは異例である。)
更に、メイン・イベントたる討ち入り、切腹の後も、ドラマはなお一時間程あるのだ!
大石の<軍略>がいかに正しかったか、がここで又判明するのだが、どうしても後日譚、尾ひれの印象が強い。
その分、火山噴火や地震、大オーバーな将軍母子らのやりとり、左とん平の大工一家と同心の<お犬様騒動>シーンなどが、わずかに、ケレンと見せ場を形成していた・・・。
ラスト近くから、初めと殆ど同じシーンが繰り返されたときは、「番組内再放送だ・・・」とつぶやき、いささか苦笑させられた。
<大人のドラマ>としては、決してつまらなくはないんだれけども、このままだと、ちょっとな・・・という、困った気分になる。
かくて、世にも奇妙な?10時間は終わった。
以上。
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- 2007/01/03(水) 17:10:46|
- 時代劇
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