旅人、覚書。
18日(土)、午後。
随分と久方ぶりに、秋の<多摩映画フォーラム>へ。
この多摩ニュータウン地域密着型映画祭、洋画・邦画上映に自主映画コンテスト(TAMA NEW WAVE)、ゲストトーク、と企画は大変充実している。
公開時に見逃した話題の映画を年内に観たくなった人には、願ったりの上映企画が満載!なのだ。
上映は多摩センター駅近くのパルテノン多摩、多摩市役所隣のやまばとホール、永山駅前・ベルブホール、聖蹟桜ヶ丘・ヴィータホール、の4箇所に分かれて開催されている。
4会場のうち、多摩センターと永山は併走する京王相模原線・小田急多摩線の沿線、聖蹟桜ヶ丘は京王八王子線、やまばとホールは永山と聖蹟桜ヶ丘の中間地点にある。
会場間の移動は、地元のバス路線利用が便利。
ただし、永山~聖蹟桜ヶ丘間がバスで30分位離れているため、上映時間が重なるイベントはハシゴできないのが、惜しい・・・。
で、結局真っ先に観に行った企画は・・・
プロの<バカ映画>監督・河崎実作品特集。(注1)
<動物映画特集だよ!>と銘打って、並んだ作品名が「いかレスラー」「コアラ課長」「かにゴールキーパー」。
タイトルだけでもう、笑うしかない!
こういうキャッチーなタイトルって、どれ位ある?
「どれどれ、どんな映画だ?」って思わないだろうか?
邦画・洋画および自主映画の関係者諸氏よ、この世間向けのわかり易さ、とっつきやすさをもう少し見習うべし!(注2)
永山駅前すぐの会場に到着した頃には、2本目の「コアラ課長」が始まっていた。
B級・C級サスペンスにサイコ・ホラーにアルカトラズに空手アクションに、と絵に描いたような、パロディーの羅列。
しかも、主人公の<課長>は、コアラの面にスーツ。
周囲はみんな、社員もOLも亡き妻も医師も刑事も、普通のドラマのごとく、人間。社長だけがウサギ・・・。
怒ったときだけコアラ面の目がギラリ!に笑わされる。
<再生技>や、ラストにも唖然、大笑い。
強引、むちゃくちゃや!
「かにゴールキーパ-」は、やや味わいが違う。
いきなり海岸に、着ぐるみのカニが転がっている。
前半ナンセンス度をやや抑えて、漁村での少年少女との出会いと交流、貧乏一家との軽いドタバタ、上京バイトの苦労、いかにもな涙話、等を中心に泣かせ?路線で展開する。
動物映画なのに裏業界顔役(Vシネマ御用・小沢仁志)にキャバクラ嬢、ソープ嬢(一部ゆるい芝居だが・・・)、騙された借金体質嬢、などなどが出てくる。
ファミリー連れの一部観客は少々困り顔、お子様は普通に眺めていたが・・・。
かにの特徴である横歩き、泡吹き、かにみそ(!)などを生かした小技で徐々にギャグを挿入、泣き笑いの劇に。
生真面目一本に演じる藤岡弘の監督もいいが、竹中直人の怒りまくるサッカー協会大物役が、際立って可笑しく、お客にウケまくっていた。
ポーズが大河ドラマ「秀吉」の「心配御無用!」みたいで、余計に可笑しい。
反則無用の悪党対戦チームにブーイング、「タイガーマスク」や「マッシュ」さながらの乱闘試合はもう、わやくちゃになる。
ハリウッド映画そのままの、無理矢理なハッピーエンド?も、笑って許せるのだった。
40人以上の笑い好き通人・ファミリー層入り混じった男女観客は、快感に打ち震えていた。
「コアラ」上映後(「かに」上映前)のトークでは監督と司会、
「こういうのって、まじめな映画雑誌では評価してくれなくてね~」
「<日本以外全部沈没>は全国50館公開なのにね~」
「反論でも、取り上げてくれる所はありがたいよね・・・」
云々、ぼやいておられたが。
何、気にする事はない。
おもしろさは観た人々が、ちゃんとわかっているんだ!
終映後、バスで聖蹟桜ヶ丘へ移動、関戸公民館内・ヴィータホールへ。
ここは以前来たことがある。円盤状の屋根があるので見つけやすい。
幕引きトーク時の入りは20人位、いまいちだったのと、会場がやや寒かったのが気の毒だったが・・・。
「猫目小僧」まで全作品を通しで観てくれた人は、何人位いたのだろうか?各作品をよく味わって帰ってくれただろうか?
なお、時間の都合で観れなかった松田彰監督の実験的新作に関しては、次回、観てから判断したい。
以上。
[電撃多摩丘陵蟹味噌泡吹乱斬技]の続きを読む
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- 2006/11/19(日) 11:00:28|
- 劇場用映画
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