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シネマ旅の途上にて

自主映画ウォッチャー、アWorkerのブログ。

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夏・はみだし・シネマクラブ6

ゼルディア、通信。


BS2で平日夕方、「生物彗星WOO」オンエア中です。

円谷プロで「ウルトラQ」や初代「ウルトラマン」よりも早くフジテレビ放映予定で企画されながら、この時は実現せず。
なぜか21世紀になって突然、NHK-BS系で企画復活、ジュブナイル・ドラマ調にリニューアルされて登場した、それこそ幻のプログラム。

彗星接近、異物落下、怪獣出現、中学校全滅、そこから唯一の生存者である少女とキュートな超能力宇宙生物WOOの、余儀なき逃亡2人旅が始まる。
常に防衛隊と一緒に行動するウルトラマンよりは、「逃亡者」や「超人ハルク」、「シルバー仮面」にやや近い設定。

極秘命令による国際的宇宙研究班の捜査と追跡、防衛隊の苦戦、変身・巨大化するヒーロー、などなど、その後の多くのSFドラマでおなじみの設定がコンパクトにオンパレード。

そこに、捜査班(永島敏行、山田純大、黒岩友香、他)や塚本信也の科学者らに代表される<大人達>の証拠隠滅、WOO確保方針に対する少女の青春初期らしい反発心、母親(とよた真帆)やフリーター青年との別離状況などがからみ、旅先ではややコミカルながらも、その孤独さをにじませた逃亡のドラマが芯になって展開。
不法入国者女性、ホームレス、昔の同級生など様々な人々との出会いと別れを繰り返しながら。
この主軸発想はおもしろい。

逃亡先で洗濯した服の乾燥機使用料にも困ってる横で、近所のおっちゃんが小銭を楽々拾い集めてゆくシーンなど・・・。
結構、泣かせるものが。
昔の友達に買ってもらった食事メニューを、矢印付きで表示するシーンには、ちょっと苦笑。
その辺り、家出経験者にはたまらない?ドラマかも。

変身、巨大化するのは身振り手振りのみで言葉を発せぬ生物、WOO。
人間体の宇宙人ではない。
しかも青い巨人に変身時の、WOOの呼び名が、<アイ吉(あいきち)>。
ちょっと、気が抜けます・・・ね。
光でなく水がエネルギー源のようで、カラータイマーも無い。
普段は、小さな化石?や水色のリュックに化けているのが、かわゆい。
よく見ると少女が走る商店街の天井にさりげなく、ナース(「ウルトラセブン」の怪竜)の飾り付けが。遊び心?

こういう逃げながら戦うヒーロー・ヒロインのドラマって、今、案外少ないので逆に新鮮です。
WOOの丸っこい造形、くにゃくにゃした動きもユーモラスな魅力。
でも・・・

かつてのNHK<少年ドラマシリーズ>枠の健全イメージから大きくはみ出すものではなくて、深夜のSF・オカルトドラマにありがちな極度のどぎつさは薄められている。
それと、何だか妙に間が空きすぎ、テンポが全体にのっぺりした感じなのが気にかかるんですね。
セット部分でいかにもミニチェアな戦車がひしゃげてたり、ハイビジョン撮影の割にお粗末なビジュアル混じりなのも、難点・・・。
地上は市民や警察、防衛隊が混乱して相当危機的状況のはずなのに、間延びのために緊迫感が薄く見えてしまう。
そこら辺にかなり、不満が。
お子様にも安心、というより、毒抜きが徹底されすぎてないだろうか?
(予算の問題もあるんじゃ?の声)

本当は、だからこそ地上波(教育テレビあたり)で、普通に放映してほしいものなのですが。
でも民放のアニメや特撮ドラマに慣れてるお子様達は、シビアに眺めて、あの、間が抜けた感触を笑ってしまうかも・・・?と。
折角の設定を十二分に料理しきれていない、そんなもどかしさが残るんです。ああ、もったいない・・・。


公開中の劇場版「仮面ライダーカブト GOD SPEED LOVE」にも、そんな設定未消化のもどかしさを少しだけ感じますが、こちらはもっぱら材料過多と、編集つなぎの大胆過ぎる端折り方が原因でしょう。
画面のテンポは適切な早さを終始保っているし。

ライダー組織2派の対立に場外格闘技にウエスタン・スタイル、「マッドマックス」、「メテオ」に難病物語(!)を練り合わせたような、TVシリーズとはまったく異なる独立した世界観の下、壮大なスケール・イメージの宇宙SF映画世界が展開しています。
<平行世界>として差異を比較するのが、正しい見方でしょう。

ゼクト組織の中世騎士のごとき衣装、戦闘時と平時のガタック青年の落差、クールなカブト君の意外な力演、TVで欠席がちな一部キャラクター達の目立つ登場(逆に映画で欠席したキャラもいた)、宇宙ステーションや宇宙船内外でのバトル、宇宙らしさを出す為の縦方向のキャメラ視点移動、後半の大胆展開・・・
などなど、見どころはたっぷりです。

不満は、といえば・・・
1・ライダー同士のバトルが万事に優先されるため、元凶たるワーム怪人達(撮り方が遠目すぎる)や一部レギュラー・キャラはおろか、素顔戦士の出ない一部ライダーさえも、その存在感があまりにも希薄になった事。(出番が短い。あれでは、戦闘員並みではないか!)
2・<最強のライダー>の素顔に薔薇投げが、どうも・・・似合わない事。(でも、この強敵のねばり腰は、見せ場を作った。)
3・宇宙船外のセットが、いやでも「北XX人」のそれを想起させた事。(本田博太郎さんも出てますから。)
4・<クロックアップ><ハイパー・クロックアップ>の意味が、TVシリーズを観ていないと理解しにくいだろう事。
(TVを観ずにいきなり映画として観る人が、どれくらいいるかにも拠るが・・・の声)
5・作戦を巡るゼクト本部トップの<真意>説明が台詞のみで、<絵>でわかるようになっていない事。
6・終盤の現象を、登場人物各人はいったい、どうやって感知・理解したのか?が、端折られていて、一部わかりにくい事。
(その意思表示は、読み取れるんだけれども・・・。こっちは、置いてかれた感じ。)
7・某女優の「変身!」が無い事。

・・・などなど。
相変わらず生真面目一本でユーモア・シーンは<おばあちゃん>以外は少ないんですが。
劇場版としては、まあ例年並みに善戦している模様です。
「アギト」や「ブレイド」よりは、「龍騎」「響鬼」にやや近い線ですね。
後はあえてここに書きませんので、劇場でどうぞ。


ライダー映画より先に観た劇場版ボウケンジャー、こちらは例のごとく、すっきり、わかりやすいです。
劇場ロビーの張り紙と、本編ロゴマーク後にプール排水口に関する<おねがい>文章が出ていました。
本編冒頭シーン観て、一応納得。関係者も困ったのでしょうね・・・。

謎のプレシャス存在表明をめぐって、誰が貰うか争奪戦、アクションシーン中心にスイスイ展開。
これなら敵グループが4つ、と多くても大丈夫。
予告編段階から<主催者>のあやしさが、見えてしまうのが欠点ですが。
TVでいつも勘の働く名リーダーぶりを発揮しているレッドが、アクション名優(香港で大物)扮する探検家に坊主扱いされて、ムキになってるのが、愉快!です。わかるわかる。
レッド直属で冷静沈着、一番相性のいい?ピンクが、妙にうれしそうなのが余計に笑える。
自衛隊出身でもあの生物、デカイのは苦手だったか・・・。
コミカル神官ガジャとくの一悪女、出番少ないな。
もう少しからませてほしい。
ともあれ、肩のこらない娯楽好篇でした。


ゼルディア通信、以上。 [夏・はみだし・シネマクラブ6]の続きを読む
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  1. 2006/08/11(金) 21:01:14|
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