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シネマ旅の途上にて

自主映画ウォッチャー、アWorkerのブログ。

子亀の謎を探ります

主水日記。


6/2(金) 

渋谷シネパレスで「小さき勇者たち ガメラ」。


平成ライダー・シリーズの田崎竜太監督が角川映画でガメラを、しかも少年が主人公で、と聞けば、観ないわけには行かない。
公開終了寸前で、間に合った。
平日の夕方でお客は20人くらい。半分が大人と通人層、あとの半数は親子連れ。父親と男の子、母親と女の子、両方が観に来ているのはほほえましい。


怪獣のもたらした災害で家族と避難をしながらも、ガメラに「さよなら」をちゃんと言う少年。白黒テレビで観た最初のガメラ。
それが小生にとっての理想的ガメラ映画、のイメージなのだった。

空飛ぶ生臭い?吸血鬼<ギャオス>、宝石争奪を巡る大人のムードな<バルゴン>以後は荒唐無稽な敵対怪獣、男の子達とガメラの仲のよさ、というイメージがより強まった、大映・湯浅憲明監督シリーズ。
小学生時代がもう70年代なので、映画館でなくテレビ放映で初めて目にしたものが多かったが。
筋とデザインがゆるい、っていえば相当ゆるいのも多いけれど、あれはあれでカラフルで、当時は観ていて面白かった。こども時代はそういうものである。
銀タイツの美人宇宙人ペアには十分用心すべし、という人生で大切な教訓?も、学んだのだった。(ピンクレディーではない。)


大人になってから、突然、ガメラとギャオスが帰ってきた。
予想だにしない形で。

回転飛行するガメラの雄姿には喜んだものの、ハードな破滅招来系SF寄りの世界、ミリタリーに災害惨禍性、といったクールな印象が目立つ、金子修介監督版<平成ガメラ>シリーズ3部作には、何というか、想像の余地を許さない、よそよそしさ?を感じ取った。
特にレギオンの仙台破壊(ひどいよ!爆弾投下同然じゃないか!)以降、小生には大変痛ましい、痛々しい気持ちを与え続けた。
せっかく投入された、にっかつ出身の金子監督らしい?少女キャラも、特に3本目では、人間屈折とエロ?の対象のごとき存在感を強化させていった。
可愛げの無い登場人物たち。全然、感情移入できない。不快感がつのっていった。
「あの少女はXXXがお約束じゃないかよ!」などと笑っていた一部通人観客達の声を聴くにつけ、痛ましさは倍加した。
「もう、これは俺の知ってる<少年とガメラ>の映画じゃない・・・!」と、小生はついに、このシリーズを見限ってしまった。
あれの続きだったら、もう、観たくも無かった。
後で続編映画になるはずだった?話を漫画版で読んだが、少しもわくわくせず、何だか取り残されたような気分だった。
銀タイツの美人宇宙人も、出なかった。(そっちはええんかい!の声)

平成ガメラは、物凄さと引き換えに、いわゆる<冒険小説の楽しさ>が欠けていた。ゴジラ・シリーズはかろうじて、保ち続けてきていたが。


そして幾歳月、ようやく少年達とガメラ、というかトト(呼称)の映画がやってきた。
一度、原点に戻ってみるのも、悪いことではない。


母の死に寂しさを抱きつつも、友達や働いてる父親と普通に日常会話して、マンガの新刊(「ケXロ軍曹」なのがご時世)楽しみにして読んで、親に内緒で子亀を隠して飼っている、秘密の隠れ家も持っている。
70年代にも郊外によくいたような、ごく普通の、ちょっとだけトムソーヤな男の子のお話。
<隣のお姉ちゃん>の出し方もいい。年上ヒロインの扱いはあれ位が望ましい。
ドカーン!兆候の設定にはちょっと驚いたが。
単純に、主人公の少年や、津田寛治扮するお父さんの気持ちになって、自然に移入して観れた。
店の包丁を焦がすシーンでは、ギロンが浮かんだ。
あの子亀から何でいきなり、あの丸っこいスーツ亀に?などというなかれ。
あれはいきなり出るからいいんだ。人間達やとんがった凶悪エリマキ怪獣の前に、丸っこいのが。
エリマキ怪獣、80年頃の車のCM、浮かんじゃった。ジラースより先に。あれのでかいのだよね。
防衛隊や強化研究チームの<解説>シーンを、あえて最小限にとどめたのも、正解。
あれ、あんまり長いと怪獣バトル待つ間「まだか~!?」ってぼやくもんだから。
名古屋でのリレー・シーンが泣かせる。
男の子も、女の子も、父も一生懸命。
ビル街のシーンでも「早よ渡せ!」と、心の中でせっついていた。


やっと、僕らのガメラが、帰ってきた。
トト、という姿で。
おかえりなさい。ガメラ。



以上。
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  1. 2006/06/04(日) 13:49:48|
  2. 特撮
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