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シネマ旅の途上にて

自主映画ウォッチャー、アWorkerのブログ。

スケバルQ <7> 「ミステリー・ゾーン」 

今夜の小生、いささかはらはらしております。
明日の関東地方、天気はやや崩れそうですが。
そう、明日は・・・待ちに待った、あれが公開に。
さて、どんな反応が来るのか?
待て次号!



主水日記。

最近観てきた作品群、わりにヘビーな問題作が続き、いささかグロッキー気味なり。
題材と描写とを別個に扱わないと評価が難しいものが、多い。
新作からいこう。

4月某平日夕刻、シネコン。
西谷弘監督「県庁の星」。
客・男3人、女2人。

TVドラマを先に映画化した、という感じ。
映画表現としては<中くらい>だが、主演コンビのきりっとしつつおどおど、な演技がそれなりに光る。
店長など脇キャラがユーモラス、ストーリーも堅実に引っ張っていく。
ラスト、希望を持たせるやり方がニクイ。
公務員もスーパーも、裏でやること多くて大変なんだなあ・・・。
あらゆる職場にとってサブ・マニュアルになる?観といて損はない。
「NANA」よりはロングランが納得できる。


ややさかのぼる。
3月某日。
伊藤俊也監督「映画監督って何だ?」。

新文芸坐で1日だけ大公開。日本映画監督協会が制作。
映画著作権は現場を指揮した監督のものか、製作した会社や団体のものか?というディスカッション映画。うーむ、これは判断がむつかしい。
現行法と慣習では、作品の著作権は1本完成と同時に、自動的に製作団体へ移行する、となっているらしい。
たとえば、作家・村上龍には原作小説の著作権があるが、自分で監督した映画化作品の著作権は・・・無い、というわけ。(ドキュメンタリー部分で当人が驚いていた。)
協会は「当然、監督のもの」という一方、運用する際の権利許可の煩雑さを考える製作会社は「脚本家やスタッフも含めて作った、総合的作品だから・・・」となる。
これはやはり、自動移行ではなくて、移行時にコントラクト(契約書)に一筆入れる形に改めるべきだろう。

全体を通してのナビゲーターは小泉今日子、学習漫画キャラのごとくに法的決定の場に出没、時空を自在に駆け回る。
出演者・スタッフの大半が映画監督、というオールスター。贅沢。
劇中劇(文士劇、というか?)がユーモラス。
時代劇パートで阪本順治監督の<脚本太夫>、小栗康平監督の<菅徳之助>に笑う。
同じ脚本シーンの演出を佐野史郎出演で、三人の監督がやるとこんなに違う、という実験も面白い。
表現的にはユニークだが、題材の扱いについては意見が分かれるところだろう。
観客としては、とりあえずは料金を払って観る、表現がおもしろければ評価する、なのだが・・・。
ちなみにこの映画の権利は、<監督から監督協会へ移行する>そうである。ややこしい。


3月某日。
大森立嗣監督「ゲルマニウムの夜」。

東京・上野の国立博物館、西門側敷地に設置された会場<一角座>のみで半年間公開中。「夢二」で銀色ドーム、「王手」で電飾やぐらを組んだ荒戸源次郎事務所らしい、限定時空間ロードショー方式。
チラシにも会場の外壁にも、TV資本からは離れた自由表現の映画を、と日本映画の作品内容的復活へののろしを上げている。
(未公開の邦画がなお百本以上も存在するとは!そんなにあるのか・・・。)
その心意気は今時、大いに頼もしいが。

ただ、その・・・。
ひとことでいって、ところどころが、少しきもい。
半分容赦なき暴力、半分ゲイ・少年愛シネマ。某ハッテン場向け映画みたいだ。そこへ随所に、表現上の汚らしさが伴う。
それを観に来てる人々の約半分は、女性層・・・。
コワいもの見たさ、なのだろうか?<ザ・ガマン>やりに来てるのか?
石攻撃のシーン、痛い。キレた巨漢役俳優、こわい・・・。
よく国立博物館の敷地内で上映許可が出たものだ。(半券で常設展示も、観れるのだ・・・!)

男女の対話から徐々にセックスへと移行するシーンを、ワンシーンでじーっと見つめつつズームで近づく視点。万事この撮り方に代表される、長まわし式の表現法が続く。微妙な空気の緊張感。
一歩間違えば「追悼のざわめき」になりかねない?グロな題材ながら、キャメラがクールに観客視点との距離感を保っているので、グロさの出しゃばり過ぎが防止されている。(それでもなお、気分の悪そうな女性が若干、見受けられた。)
「フッ、殺人なんて別に何も感じねえ・・」みたいにけろっとしてクールに振舞う主役青年が、ゲイ行為を要望されると、途端にビビりだすギャップに、ちょこっと微苦笑。
石橋蓮司の某シーンなど本来、もっと笑えるはずなのだが、薄暗き画面沈滞の中にすべっているのが惜しい。ああいうのはコメディ風演出で無いとなあ・・・。
「てなもんやコネクション」伝説の監督・山本政志氏が、悩める神父役で出演。以前ある舞台でワル組長役だったので、ちょっと意外。
なお土日は上映終了後パンフを買うと、主演俳優&監督のレアな?サインが貰える。今がチャンス?



3/31(金)。
スクリーン・マッド・ジョージ監督「BOY IN THE BOX」他、短編集。

下北沢トリウッドで公開終了間際に、滑り込み。
人形がしゃべったり、顔がひび割れたり、とにかく濃すぎるほどのCG油絵世界にもう、前半で満腹に。
大トリ、「BOX・・・」はいわば異次元SFファミリーホラー・ドラマ。
コテコテなにわ漫才調が所々笑わせる。
筒井康隆が書いたみたいなシュールさ、止まらないブラックさ。
トイレ・シーンはくどくて、ちょっといやだな・・・。
終盤は「羅生門」みたいに、見事にオチた。


4月中、その後。

ラピュタ阿佐ヶ谷レイトショー、鈴木則文監督「スケ番」他、70年代東映京都製作のスケバン映画シリーズ。
革ジャンや毛皮コートにブーツ、ケバイじゃん。それも盗んだの?
助けられた男にお色気シーンで恩返しする律儀さ、今日じゃちょっと考えられん・・・。
なぜか宮内洋がライダーV3より弱い役ながら、目立つ、目立つ。
もう一人、眼鏡のチンピラ兄ちゃんも、ひねたいい味出してる。
鳩さえ焼いて売りとばす、池玲子とスケ番役御一党よ、あんた達こそ真の<スケバン>女優だぜ!
グループ対立、仁義きり、風俗やくざにリンチされ、敵討ち、乱入、お手のもの。時にコメディですらある。
あのデタラメなエネルギー、一体どこに行っちまったんだ?
あんた達、某新作主演のあいつらにこそ、今、何とか言ってやれ!と。

同・ラピュタにての中川信夫監督特集では・・・。

「ウルトラマンレオ(TV、16mm/2本)」かぐや姫とアクマニア星人の回。既に過去TVで視聴。試写室みたいな気分で観れた。
上映後、周囲より「新東宝怪談と同じ撮り方!」の声。さもありなん。

「八百万石に挑む男」は吉宗政権を揺るがした隠し子騒動、天一坊役が若き日の中村嘉津雄。裏の参謀役が市川右太衛門。東映チャンバラらしい立ち回りが全然無い。異色作なのはわかるが、芝居だけで延々では、何ともかったるい・・・。

「さすらいの旅路」はモノクロ。
アパートに隣同士で住む流しの男性歌手と献身女性の純愛もの。
カメラが両者の窓を行き来する定番シーンあり。
他の女性歌手とのコンビでブレイク、たちまちゴシップの渦に。と、くれば当然に、献身してきた女性はすれ違いメロドラマの王道へ。えぐい、えぐい。
友人流し役の田崎潤が黒髪で若い。ゲストの<大したたまげた>淡谷のり子も若々しい。貴重。


「夏目漱石の三四郎」、以前も観た。軽いユーモアに笑う。
まだ黒髪の笠智衆、教師の<哲学的>皮肉台詞、白髪年配層は大笑い。
要するに、女心ってなんだ?っていう入門篇なんですね、これ。
八千草薫を観るための映画。

「亡霊怪猫屋敷」(再見)、闇夜の階段、足音はミステリーゾーンの入り口。明らかに、あのカンシャク球家老が全部ワルイ・・・!
猫ばあ様の演じっぷりを堪能出来る。


とりあえずは、以上。
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  1. 2006/04/07(金) 21:49:45|
  2. 劇場用映画
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