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シネマ旅の途上にて

自主映画ウォッチャー、アWorkerのブログ。

スケバルQ <3> 「ドロッピング・ゾーン」 

主水日記。


3/29(水)。
21時20分。
またもドロップシネマ・パーティー、レイトショー。

この夜は<映像俳優コース・夜間部>作品2本立て。
おそらく、映画俳優・女優志願者に演技を付けるコースなのだろう。

古厩智之監督「金町バッティングセンター」(以下、金町)。
松梨智子監督「トレポネマ」。

あえて細かくは記さないが、よくも悪くも、昨今の自主青春映画に見受けられる基本的要素が概ね、この2本には集約されているといってよい。
ただし、2本はまったく対象的な表現法を選択している。

たとえば、題材。

金町・・・・・・男女3人の恋愛告白をめぐる、アドバイザーたるセンター店主と常連客男女達の心優しき交流と、その喚起するさざ波。
トレポネマ・・・劇団内部の配役と死亡事件内偵をめぐる、作家・演出者たる劇団長と劇団員俳優・女優達の心貧しき抗争と、その喚起する荒波。(つるし上げ大会までやっている。)

たとえば、演技のあり方。

金町・・・・・・ごく自然な、肩のこらない日常対話風。
トレポネマ・・・大オーバーな、どぎついブラック・コメディ演劇調。

たとえば、男女間の対話。
金町・・・・・・互いにきわめて静かに接点を探りあい、おっかなびっくりな感じ。
トレポネマ・・・互いにきわめてあからさまに接点を探りあい、同時に腹に一物ある感じ。

たとえば、エロ表現のあり方。

金町・・・・・・女優aはAV出ようかなー、などと言葉で男にほのめかして反応を見る。女優bは自ら下品なギャグを男に演じて見せて、引かせる。
トレポネマ・・・セミ・ダイレクトに男女間、あるいは男と男で純愛ないしは欲得ずくのセックス暗示シーンを演じる。時には祝祭めいてすらいる。


たとえば、状況展開。

金町・・・・・・時間的に互いにすれ違っていた人々が、アドバイスされ、励ましあい、ささやかな心の救いを得てゆく。
トレポネマ・・・年中顔を合わせていた人々が、けなされ、いがみあい、互いの人間関係や自らの才能・将来に見切りをつけてゆく。
(もしや、あの転籍青年は、「毒婦マチルダ2」のあそこに行ってる・・・!?これは外伝か?の声)

そして、何よりも違うのは収束点。

金町・・・・・・彼らの行く手にはそれなりにさわやかな、ほっとする気晴らしのひとときが待っている。
トレポネマ・・・彼らの行く手には見るからに不気味な、画面をも腐食させるおぞましきぐちゃぐちゃの・・・xxxxxxxが待っている。


いやはや、何ともおもしろい組み合わせだった。
どちらかというと、これは明らかに、「トレポネマ」のほうが、人間くささと表現がより具体的かつあからさまで、実におもしろい。
ただ、冒頭の腐って落ちたアレが正直、気色悪い・・・。
それと、あの死亡事件の真相には呆れ果てた。そんなことやって死なすんじゃない!親が泣くぞ、ほんまに。
それにしても、終盤のむちゃくちゃな、ドラマすらふっとばす飛躍を誰が予測しえただろう。すごすぎる。面白すぎる・・・。
特殊造形班の威力が大いに寄与している事は、明記しておきたい。


ああ、おかげでもう、頭がクラクラ。
げに演出とは、演技者とは、おそろしき世界の住人よ・・・と痛感す。


以上。

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  1. 2006/03/30(木) 20:50:06|
  2. インディーズムービー
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スケバルQ <2> 「ダニエル・ゾーン」

主水日記。


28日(火)夜19時過ぎ。
何の因果か、この小生が・・・
新宿・全労済ホールで「葉っぱのフレディ」コンサートにやってきた。
え、ファミリー向けみたいなのに、なぜ?
それはね、フレディー・・・(出た!舞台の唄だ!の声)


というのは、朗読パートを担当するのが電丼・芸社・愚連隊他で知らぬ者はいない自主映画女優、かよさんだったから。
お子様にもゆるりとなじめそうな柔らかい声で、優しく読み聞かせてくれる。

絵本の葉っぱ達が後方にスライドで映し出され、バイオリン・フルートなどを含む男女混合・<サロンオーケストラ>一同が生演奏。
葉っぱ達の会話部分は歌劇になっていて、建畠慶子・池谷京子の歌手コンビが朗々と歌い上げる。
清々しい響き。

「ダニエル~、なぜ、木陰を作るの~?」
「それはね、フレディー、ぼくらの仕事なんだよ~!」
「ダニエル、さ・む・い・よ~!」
「こわくはないよ、フレディー~!」

ああ、まだ耳から離れない・・・。2、3日エコーかかってる。
ひとときの、心洗われ、リラックス。
やっぱり、聴いてみるもんだなあ。朗読劇。

ここは、シネマ愚連隊作品群で音楽を担当された音楽家、桃井聖司氏が演奏を統括・調合(コラボ?)するコンサートなのである。
したがって朗読劇の後は、オーケストラにピアノ奏者大野氏、ドラムス・エレキ&アコースティックギターを加えて、ロックとクラシックの融合コンサートを行なう。
あえてメジャーなビートルズをはずし、レッド・ツェッペリンやビリー・ジョエル、PATIO(?)などに行く、と言うのが知見豊かなる音楽家らしい。(トークによると「バブルの頃は連日作曲が多くて、寝る間もなかった・・・」そうである。よく気力がもったものだ。)
よくコンクールの課題曲になる、きちっと出来てて崩せない、というバッハの難しそうな曲目も、女性バイオリニストのリードで一気呵成に演奏、一同満場の拍手。
よくわからないのだが、レオの円盤生物の<釣り>操演並みに難しい演奏なんだろうなあ・・・と。
目前にでっかいステレオがあるような気分で、生演奏をサラウンドで堪能。
たまにはこういうライブも、いいもんだな。


当然に会場の席には、一般のお客さんに混じって各団体のレギュラーメンバーがちらほら。今にもロビーで自主映画の品評会が始まりそうだ。
ロビーにはフリードリンク。なぜか白・赤のワインだけが多めに残っており、打ち上げより前から皆ほろ酔い気分・・・。小生は翌朝が早いので酒を控えたが。
で、終演後の呑み代が一人3400円。なぜか入場料の3000円より高い。でも盛り上がった。話で十分酔える。
一同語らいの間に、どしゃぶりの雨が降り、帰りにはすっかり上がっていた。
天下泰平、これが一番なり。


以上。

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  1. 2006/03/30(木) 01:07:08|
  2. 音楽
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(新) スケバルQ <1> 「アンバランス・ゾーン」

主水日記。


27日深夜。
三度めの正直。やっと観れた。
フジ系「100人のバカ」SP。
案の定、というか<自主映画バカ>紹介のVTRコーナーが。
(失礼な扱いだよな、考えようによっては・・・でもまあ、あの作品なら放映されればとりあえずOKか?・・・の声)
ミナミユー監督の「ヒャクレンジャー2」、次男、三男・・・が、コメンターに結構受けてた様子。
ごうわく監督の「リアルニ00ンドー」もコメンターにアイデアを買われていた。
それと健在が喜ばしい、さすらいの歩く人間雑誌・中沢健氏。
又、弟子が増えてる。生活大変そうだなー。
「北斗の拳」を力演朗読する人とか、面白い。
でも、ダイナ・アスカ隊員役の人やコメンテーター諸氏の前でハイテンジョンなウルトラ・ライダーポーズ演じた人が、一番・・・
すごい!圧倒された。度胸ありすぎるよなあ。
負けたよ、完全に。お見事でした。


以上。
  1. 2006/03/30(木) 00:43:58|
  2. TV
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