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シネマ旅の途上にて

自主映画ウォッチャー、アWorkerのブログ。

ひとすじに無敵の、スケバルマン!

政の日記。


「言葉なんて必要ナシ!面白いものはオモシロイ!」

・・・なんてイベントタイトル見ちまったら、おまいさん、どうする?
じゃ、どんなのか観てやろうじゃあねえか、と思わないかい?
実際、そういう内容だったんだよ、あれは。

2/9(木)と2/16(木)。
ちょっくら行ってみたんだ。
ニッポン放送ファンタスティックシアター。
<ドイツ発セリフのない映像世界 Short or German?>。

去年と今年、<日本におけるドイツ>とかいう国際文化交流企画、あちこちでやっててな。京橋のフィルムセンタ-でも昔のドイツ・オーストリア映画特集上映してるんだ。
これもその一環。

ニッポン放送のシアターでは、ドイツで夏の短編映画祭に集まった作品からセレクトした、殆どセリフなしのやつばっかし特集上映、って寸法だ。
音声や音響は入ってるから厳密にはサイレントじゃないのが多いけどな。字幕抜きでも十分わかるのが選ばれてる。

その<ワイターシュタット映画祭>、スライドで説明してくれてたよ。
ドイツだけじゃなくアメリカ、ベルギー、スコットランド、ハンガリー、とにかくあちこちの国から作品持ってくるんだ。
真夏の林の中にテント張って泊り込みなんだってさ。見る人も出す人も。昼間はテント内、夜は星空の野外設営スクリーンで上映会。
オツなもんじゃねえか。行ってみたくならないか?旅費大変だけどさ。

今回は一週目に3本、ソフトのトラブルで上映中止になったけどな。
2週連続で観に行ったらダブってたのもあったけど。
結果的に12本分、観れた。
シンプルでけっこう面白いのが一杯だぜ、このプログラム。


「FALLBEISPIEL」・・・白い床に野菜が、クギが、米粒が、鶏肉が、卵が、とにかくいろんなものが、バラバラと落ちてくる。その落ちる音が編集の妙でリズミカルに<楽器化>する。ただそれだけ。
4分間の実験映画。ピーター・シュルテ監督、冴えてる。
カットつなぎが映画を作る、という素晴らしきお手本。

「Carnivorous」・・・CGアニメ。ハエを取る食虫植物、上の方の枝葉がエサを皆、獲っちゃうんで下の枝葉が反乱を・・・。結局自滅。いとあわれなり、弱肉強食。

「The Return of Peg Leg PetePete」・・・スコットランド作品。
義手義足の元大海賊キャプテン、今や職安へ通う日々。船は欲しいと夢見るが金は無し。紹介されるバイト先では毎回トラブル、失敗ばかり。やがて・・・。
ちと哀れな眺めだが、周囲の人の腕が飛ぶシーンに、吹き出す。

「Like,You,See」・・・カラーアニメ。バーで呑んだくれる男、ウエイトレスの注ぐ赤ワインにたちまちへべれけ、サノヨイヨイ、女体のくにゃくにゃした幻を見る。ちょっと目が回りそう。

「Instrhumans」・・・「FALLBEISPIEL」と同じピーター・シュルテ監督、ほぼ同じ手法。こちらは数多くの人間の口が出す、パクパクいう唇の音をつないだだけ。それで<曲>めいたリズムが生まれる。

「Ego Sum Alpha Et Omega」・・・白黒漫画アニメ。素っ裸につるつる頭の男。なんとなく道を行くとスーツ、かばん、コートなどを次々にゲット、やがて周囲に住宅地が生え始め、家族と犬と車が現れ、通勤先のビルが仕事するごとに成長する。
日常を不思議世界化してるのがユニーク。

「Biyik」・・・トルコ・ロケ。
男女とも全員に口ひげの映えている国。ある日、勤め人の男が何故か、ひげを失くす。たちまち家族に気味悪がられ、社会生活からもはじきだされてしまった男。クサって盗み食いをしているときに、とあるCFディレクターに拾われ・・・。
結構泣かせるドラマ。今回これが一番好き。

「Fire」・・・ラブ、セックス。燃え上がる男女の三角関係。燃え上がりすぎ。その先はいわずもがな。

「Lebensgeister」・・・水中シーン多し。最初「ジョーズ」かと思った。
海岸で遊ぶ水着の女に2人の男。男の一人がボールを拾いに沖まで泳いで、溺れかける。ブクブクブク!観ていてほんまに溺れてないか?とハラハラ。
で、戻った男は置いてかれたのだった。切ないなー。

「Saitenhiebe」・・・又してもピーター・シュルテ監督!
今度は1本のアコースティックギターから様々な音を拾ってつなぐ、2分半。まるで学生会館の部室棟で演奏練習の音を集めたような。

「Dragon Slayer」・・・CGアニメ。
ドラゴン退治で鳴らした勇敢な戦士。が、ある日子どものドラゴンに会って方向転換。ほのぼの童話。

「Maestro」・・・ハンガリーのCGアニメ。
いかにも歌手らしき鳥のマエストロ、服着せてメーキャップする召使いは楽屋の壁から伸びるマジックハンド。ン?
なんだ、ハト時計か・・・。終わり。


・・・てなもんよ。
なかなか良さそうだろ?
特集タイトルの筋、一本ちゃんと通ってる。

おっと、「八丁堀の七人」チェックしなきゃな。
じゃ、又な!





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  1. 2006/02/21(火) 23:44:59|
  2. インディーズムービー
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君はなぜ戦い続ける、スケバルマン!

主水日記。

前回は思わぬアホをさらしてしまったが。
小生の活動は着実に続いていた。
決して連日、ただ安らかに冬眠していたわけではなかった。
(クマかい!の声)


5日(日)には例年通り、ヨコハマ映画祭に行っている。

ここに書くべきかどうか、実はずっと悩んでいたのだが、意を決して書き記す。

今年は、ある<異変>を察知させられた。
目立って気にかかったのは・・・

1・恒例の審査員挨拶での各氏の会話。
各所の<年間ベストテン>集計に関する様々な問題点が指摘されていた。

「(某誌より)今年からは公平性を書くので、出演作のある人はベストテン投票を遠慮してくれ、と言われた・・・」
「こちらでは自分の出た作品からも入れないと、ベストテンが選べないので入れて、決めた」
「でも結局、今年はこちらでも受賞結果、あまり変わらなかったね?」
・・・等、ぼやく人の多かったこと。

そういえば、どこのコンクールでも「バッチギ!」と「ALWAYS三丁目の夕日」に賞がかなり集中している。
「タッチ」「メゾン・ド・ヒミコ」や「空中庭園」は多少、ばらけてるけど。

この日上映された「いつか読書する日」は地方公開がまばらなので、観ている人が少ないのだろう。ヨコハマ映画祭が評価したのは良い事。

緒方明監督といえば「独立少年合唱団」を60年代<社会革命挫折>青春譚にしてしまい、お台場メディアージュの上品おばあちゃん客達を引かせ怒らせて帰したのだが(当たり前だよ!普通ウィーンみたいなの期待するジャン!)、さすがに今回は人物ドカーン!などは一切無かった。
坂道の多い地方都市で、中年男女の静かに再燃する恋心、それを見守る壮年女性小説家、その認知症気味の夫。
田中裕子の牛乳配達員(兼・スーパー店員)と岸辺一徳の役所職員がなかなか直接出会わず、やきもきさせられる。
虐待されている近所の万引き少年、全てがすさんでいて、哀れになってくる。
スーパー店長と某女性店員のシーンは「どうしようもねえなあ・・・」と呆れる。
一見けだるい、だらだらと続く日常の延長なのだが、時折の事件発生でさざ波が立ち、それらの連なりからに終盤一気にスライディングしてゆく手並みが、お見事。
できれば、もっとハッピーエンドだったら、というのはいささか欲張りだろうか?

横綱級・社会派学ラン青春映画「バッチギ!」については、既にあちこちで語り尽くされていることだろう。
良くも悪くも、これがわれわれ人類の生きている<世界>の縮図、である。
深く痛ましき対立・抗争状況なのだが、随所で身もふたも無い<男性的>なユーモアが救いになっている。<アンコ・・・>には笑ったし、赤電話のシーンにはあっけにとられた。
ほんとうは、まず強烈さが光ってる番長兄さん役の人に、演技賞をさしあげたいんだけど・・・。誰かあげてよ!

(もう一本の上映作「運命じゃない人」については、既述の通り、詳細をあえて書かない。いきなり観て楽しむべし!)


ベストテン選出をめぐる諸問題については「映画芸術」最新号に詳しく出ているので、論戦はとりあえずそちらの皆様にお任せするとして・・・。

多数派のべストテン、というものをあまり信用していない、自分にとってのそれがあるだけだ、と公言する人達も居るのは確かだし。
実際、どこまで客観的な作品評価って、可能なのだろうか?
普段邦画をぜんぜん観ない、業界にかかわらない人たちだけを抽出して10本以上、見せる・・なんてことが可能か、有効か?
そもそも、観客なり、関係者なりがそれぞれの形で何らかの<映画>にこだわり、かかわっているからこその<お楽しみ>(だけでもないか・・・問題作含まれるし)として、その年のベストテンがあるのではないか?
もう、考えれば考えるほど余計にわからなくなり、きりがないので、ここでは止める。疲れてくる。


2・表彰式のとき、前方の席・通路にデジカメ、携帯写真撮影のファンが殺到、一部ゲストにややナーバスそうな?様子が浮かんだこと。
そのためか、式の途中で関係者から「式の間は後ろの席に戻って観てください!」「前方の通路を空けてください!」等の<注意>が入ってしまったこと。

大会終了時挨拶にても「写真撮るだけじゃなくて、映画も観ていってください!」とのコメントがあった。
(勿論、こちらはそれがメインではるばる来てるんですが・・・。)

例年以上の大入り状況からそうなったのだが、客席の小生は正直、後味が悪かった。去年はなごやかな雰囲気で終わったのに・・・。
最早、写真無断流用禁止の御願い、だけではすまなくなってきたようだ。マナーの問題である。
こういうことはデジカメ・携帯を売っている所では、売れればお構い無し、なのだろうか。
相互に気持ちよく楽しい撮影、って無理なの?と悩んでしまった。


3・フランス映画祭の会場がだしぬけに、横浜・みなとみらいから六本木に移されたこと。
しかも6月だった時期が3月に繰り上がっていたこと。

市に予算の余裕が無いので、その場合は会場を六本木へ移転、という話は前々からあったそうだが、フランス映画の委員会は横浜市・関係者への事前連絡無しに、いきなりプログラムを発表した、というのだ・・・・。

帰ってから地方新聞記事のサイトで知り、仰天した。
これがもし本当ならば、長年開催に協力してきた人々や、横浜寄りの映画ファンに失礼ではないか。事前のおことわりを入れるべきだったのでは・・・。
小生としてはむしろ六本木のほうが地理的には近いが、今からでは時間的にもう予定が殆ど取れない。がっかりである。
予算だけ六本木方面から出して、会場は横浜で、ってわけには、いかないのだろうか?あっちのほうが肩が凝らずに観れるんだけど・・・。


2つの映画祭、映画は東京だけのものじゃない!からこそ、ずっと存在意義があったはずなのだ。
早くも来年が、心配になってきた。
取り越し苦労であってくれれば、いいのだが・・・と祈る。


以上。



付記:

今回は一映画イベントファンとして、あえて苦言を呈させていただきました。
楽しみでなければ、多くの熱心なファンにとっての<祭>じゃないよ!と。
いい映画を味わって観る、という<心>を皆さんに無くさないでほしいから・・・。
なお、会場係員の皆様は全体的には観客に大変、親切な対応をされていた事を付け加えておきます。

では又。

  1. 2006/02/21(火) 22:37:23|
  2. 劇場用映画
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スケバルマンVS闇の帝王!

主水日記。


あまりにも公私共に多忙すぎて、身体に反動が来た。
ああ、昨夜は録画セットもせずにぐっすりと・・・寝過ごしてしまった。睡魔という名の帝王に負けた・・・。
フジ系深夜の「100人目の馬鹿」再放送をチェックしそこねた事には大いなる後悔が残っている。
せっかく、トリウッドの名付け親、と伝えられる関根勤氏の番組だというのに・・・。無念。
「アタマイザー5」や「ヒャクレンジャー」が出たはずだが、視聴者のウケはどうだったのかな?
面白さは保証します!ということで。

(かよさんの声とロボの「まー!」発音、脳内エコー)


以上。
  1. 2006/02/21(火) 21:03:43|
  2. インディーズムービー
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