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シネマ旅の途上にて

自主映画ウォッチャー、アWorkerのブログ。

スケバルマンVSホームラン王!

鉄の日記。

「BIG-1 王貞治物語」観に行ったぜ。
吉田喜重監督の特集、アンコール上映でさ。
「戒厳令」「エロス+虐殺」「人間の約束」「鏡の女たち」みたいな生真面目そのものの作品群に混じって、このドキュメンタリーがあったんだ・・・すごくないかい?

いや、おそれいったね。もう超満員だ。補助椅子や座布団が出てたよ。
どうやら、これだけが今までDVD化されてなくて、めったにかからないせいらしい。野球ファンよりそっち目当てのお客さんが多かったな。
さすがに古いフィルムでピンク色ががってたがね。

77年頃の映像記録だって。
ほら、巨人時代に756号ホームランかっとばしてハンク・アーロンの記録、越えた頃のだよ。
あれをいろんな角度からとらえなおして見よう、って趣向。

自宅から車で出勤中に、運転してる王選手にもうインタビューしてる。
9月3日のその朝、周囲の応援を見てどんな感じがしたか?とかね。
通り道の国鉄(のちのJR)工場の人たちが手を振ってたシーンの再現までやってる。海外のTVにそういうのよくあるよな。
試合や客席の表情、TVのお祝い会見、結婚記者会見。
王のご両親やお兄さん(白衣の医師)にもインタビュー。
中国との往復移住に震災に東京大空襲に、とお父さん随分苦労してるよね。子供達の将来にも心を砕いたんだろう。

打たれたスワローズの鈴木投手にも、故郷へインタビューに行ってる。
読売の制作なのによくシーンOK出たよな・・・。
協力団体の中に<週刊少年ジャンプ>が。よくタイアップで野球漫画出してたからな。
「侍ジャイアンツ」とか「アストロ球団」とか。俺達年代の男の子はあれや「巨人の星」でなじみがあったから。後、お菓子のCMで。
公開は東映で。吉田監督は松竹出身なんだけど。ヌーベルヴァーグ組だから出てった頃の仕事かな。

「それを打つのは、4000分の一秒の世界」「正に、幻のホームランだった・・・」「われわれはそれを見ては、いけなかったのではないか?」なんて具合で竹脇無我の文学的ナレーションが入るんだ。
聞いててちょっとオーバーな感じもしたけどな。
でもあの説明で、プロのホームランってどんなに物理的・確率的に打ちにくいもんなのか、よくわかったよ。すごい打者だったんだな。
一番印象的なのは、鏡の前で王が黙々と素振りしてるシーン。
静かに訴える肉体、とはこのことよ。シビレるぜ。これぞプロ。

涙は、引退の時までとっておきます、という夫人コメント紹介。
記録更新を続けるプロの苦労を一番わかってるのは多分、夫人とご両親なのだろう・・・。

それにしても。みんな若いなー。
後ろ向きで写ってる吉田監督は派手な長髪でトレンチコート着てるし、長島もナベツネも黒髪。
スポーツとは別な意味でも、貴重な記録だったな。

「こんなにすごい人だったんだ・・・」って、ロビーでも20代男女が身を震わせてたぜ。今はホークスの監督だからな。それが彼らに伝わっただけでも、撮っといた意味はあったよ。
吉田監督。えらいぞ。


以上。



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  1. 2006/02/16(木) 00:00:55|
  2. 劇場用映画
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