休むかも・・・とつい先日言っておきながら、あわてて追記です。
TAMAで松田彰監督「お散歩」がグランプリ、飯野歩監督「ガソリンゼロ」が特別賞を受賞した模様です。
おどろきました。
「お散歩」は撮影監督が飯野氏だから、実質コンビでダブル受賞、といっていいでしょう。
両監督、受賞おめでとうございます。
ほんとうのところ、松田作品に関しては小生、女性キャラ主導っぽくてつるん、と撮られた「お散歩」よりもぐにゃぐにゃ展開が残る「餓鬼の季節」や「夢の祭」方面が好みなのですが・・・。
支持されたのは普通に男女の心理がわかりやすくて移入しやすく、仕上がりも上出来だからかな?と。
支持されたTAMAの方々の<民意>、と受け止めさせていただきましょう。
飯野監督の「ガソリンゼロ」は主役男性とヒロインのそれぞれの悩みと行動、両者の対比と心理動向が、言葉少なながらくっきりと描き出されて文句無く痛快、かつユーモラスな作品です。
実は今年の出品作「エスカルゴ」と「恋鎖」、既に以前観ております。
「エスカルゴ」はたしかPFFで。過去スレで解説したかも。
孤立でなく孤高?を目指すもじゃもじゃ工場労働青年が主役のコメディ。工場のおっちゃんの頼みでひょんな事から品のいい老婦人と出会い、そして思いもせぬ!展開になる。
のんきな感じのテンポですが、かなり愉快な作品です。一見キザなハスラー男達との対比シーンも面白い。
「恋鎖」は八丁堀リトルシアターで封切り時に観ています。
ひとことでいえば、現代の不毛にぼやく者たちの青春映画です。
ナレーションが「新世紀になって・・・」云々を語っていながらも題材自体はそんなに目新しくはないのですが。構成がなかなか工夫されている。
最初に出て来た軟派な青年が主役、かと思いきや、2人のヒロイン出現、途中より代わって青年と同郷の友人弁護士が<都市生活者>らしい独白を始める。やがて軟派青年はいつの間にやら姿を見せなくなり、ヒロインの一人に主役が移る。
青年をストーカーする女A、その件で青年を訪問し強引にナンパされた女B、その女Bを助けた路上バイト労働男性コンビ、その又知り合いの医師・・・などなどが画面を徘徊。
ドラマ上の主役が次から次へと交代し、それぞれの人生観が語られてゆき、話がどんどん横滑りしてゆくのが興味深い。
ただ、おのおのの画面が絵的にはきっちりかっちりと上等に撮りあげられている(花と水面など)その分、場面と場面の間で流れがややせき止められ、山地に囲まれた小川に段差が作られていて鮎ならぬ人間達がさかのぼっている、といった印象。
つっかえつっかえ、なだらかではなくスムーズでもない、画面と展開の流れ方に一つの特徴を見る。
ヒロインの一人にバイト男Aが過去の女(似ている、らしい)を思い出して心が揺らぐシーン、そのヒロインと無礼なバイト人Bが大バトル?になるやりとりシーン(笑った)などが、ちよっとした見もの。
竹刀(しない)を振った幽霊?たちの対話が後半部をぴしっ、と引き締めている。この場面にもう少しインパクトがあれば・・・と。
映画全体があまり明るくなく、屋内シーンがやや狭苦しく感じるのが難点かも・・・。
結果的に、すっきり明るい2本が選ばれた、という感じですね。
とりあえずは以上。
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- 2005/11/22(火) 01:42:34|
- インディーズムービー
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