主水日記。
「TAKESHI’S」を観た。
「わかりにくい」「ラストが理解できない」等、酷評が多いと聞くのでどれどれ?と昨年の「デビルマン」同様、即拝見す。
結論。なんだ、そんなにむずかしい内容じゃないジャン。
わかりやすすぎて拍子抜けしたくらいだ。
みんなおもしろがれないのか?これを。
評価混乱の原因は、おそらくは観客を挑発すべく、意地悪っぽく仕掛けられた二重構造のせい。
原因その1。
主役を含めた俳優・女優の大半が2役かそれ以上の人物を演じ、劇中に頻繁に出入りしているため。途中消えても又ひょっこり現れたりする。
当然の成り行きとして観るほうは・・・
「あれ、この人さっきのシーンで出てたよね?でも今のシーンと設定つながらないな・・・」
「同じ人?違う人?」
「えーい、誰が誰やらわからねえ!」
・・・となる。
そこの迷宮構造こそが刺激的でおもしろいんだけど、普通に映画の筋を追う人達はそうは思わないんだよなあ・・・。
岸本加代子とのコント部分(コンビニ)とかはウケるべき所でウケてたけどね。「みーんなやってるか!」のぬるいコントよりはちゃんと笑わせてる。
夜間タクシーのグロいドライブ・シーンは・・・ギャグなのかな・・・?あれだけ乗れんかった。
原因その2。
要するに編集と展開の構造がたけし版「マトリックス」、あるいは押井守監督作品等の延長上。時系列多少無視のつなぎでもOKになるわけ。
夢か現(うつつ)か幻か、夢また夢で、ぐーるぐる。
何しろ<夢>なんだから、あのラストもまあアリ、でしょ。
こういう映画を自主・プロ含めて何十本観てきたことか?今やそれ程なじみの無い構成じゃないはず。平行世界設定もTVのSFものでいっぱい出てるし。あ、でも小生は慣れてるからそう感じるのかな・・・。
難点といえば唄やタップのシーンがちょっと長めなことだろうか。
舞台芸人出身でコメディアンだからこだわりが深いのは当然なんだが、ヨーロッパの<キタノ・ブルー>系ファンはよく知らないのかもな・・・。
(「Dolls」の人形浄瑠璃も長かったよね、の声。回想。)
これ、たけしの<大作自主映画>ですよ。
贅沢三昧。良くも悪くも。
乗れる人はすごく乗れて、乗れない人は全然だめ、ってことにどうしてもなる。賛否真っ二つになるのがはっきりしすぎている。
来春のベストテン集計では正直苦しいだろうけど、小生は結構楽しめたよ。
でも迷宮モノ映画観るのは、今年はこれで打ち止めかも?と。
以上。
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- 2005/11/16(水) 07:31:49|
- 劇場用映画
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