主水日記。
またしても、あいかわらず詣でている。
池袋のシネマキャバレーに池ノ上のシネマボカン。
いずれも最早、1~2ヶ月に一度は通わないと、身体の状態がおかしい?位になってきている。習性とはおそろしい。
まだ記していない分を簡単に補足しておきたい。
まず池袋より。
(おそらく前スレと一部内容ダブりますが、ご堪忍の程を・・・。)
9/24(土)シネキャバ・村田啓治出演作品特集。途中より参加。
自称<引きこもり系>俳優・・・と謙遜されて名乗っておられるその割には、どうしてどうして。2002年の「恋は致命傷」デビュー以来短編映画に頻繁に出演、それなりに場をさらっている。劇団ジアザーサイド等で舞台出演あり。
皆ほぼ過去に観た作品ばかりだが、この日上映されたものだけでも・・・
水戸ひねき(秀樹)監督「恋は致命傷」
(既にこの冒頭シーンで力演。以後水戸監督とはシネキャバ漫談コンビ?)
山岡大祐監督「男はみんな利用しろ!」
(資格取得意欲満々の英会話学校生ビジネスマン役。よくあんな長い台詞を一気呵成に!)
高橋亨監督「恐怖奇形人形」
(お気の毒な役回り。そういえば「豪快エロ坊主」でも・・・)
樋永真一郎監督「MERRY SHOW」
(誠実な映画助監督役。聞き役に徹していたが、ひょんなことから昇進に)
湊田眞弘監督「鈴木マン」1・2話
(ときめきチーム上映でも大ウケ!トック嬢とぶつかる奇ッ怪至極な怪人役熱演。このハジケっぷりは只事ならず。劇団ジアザーサイドはこの手の芝居が多い、とも云われている)
上嶋光弥監督「無理をしないで。(<鉄道物語>より)」
(女性に優しい車掌さん役。儲け役)
堀井彩監督「浅草チェリーボーイズ」
(堀井組には珍しいドタバタコメディ。クールに登場するも三坂さんにマジでおびえてる?役)
このバラエティに富んだ出演作品暦を見ただけでも、じわじわと只ならぬ存在になりつつある事が伺えよう。
着実に<男・宮川ひろみ>化?してゆく気配。
その上に<村田キャバレー>なるミニミニショーまでやるのだから、結構旺盛な活躍。
各回上映前に本人掛け声「こっち来いよ!」、思いっきり舞台調な明るさ故に皆、笑う。
今やもう誰も、このコンボイな眼鏡青年を止められはしない・・・。
10/22(土)シネキャバ。俳優・<石川謙>特集。
場内ゲストやや少なめとはいえ、和気藹々とした雰囲気。
こちらも大半作品が危険、いやさ既見。
高橋亨監督「餓鬼ハンター」
(観て以来、機嫌の悪い時には時たまつい「俺達中学生はよォ」をつぶやく癖が付いたのだった)
水戸ひねき監督「森のボンジュール」
(観て以来、タンタン手拍子の童謡を替え歌で歌いながら<人間以外>に震えるアナウンサーを、時折ふと想像するのだった)
山内洋子監督「濡れないジョロウ蜘蛛」
(観て以来、森の屋敷と滝つぼには用心して計画性・・・いや、自重をもって行動しよう、と思った)
堀井彩監督「ブラウンシュガーな夜に」
(観て以来、年頃の娘を持つ親と独身、どっちがいいだろう、とちょっとだけ思った)
山岡大祐監督「いじめっ子はぶっ殺せ!」
(観て以来、過去の者達へのむなしい仕返しなどやめて今をちゃんと生きたほうがいい、と主人公に云いたいと思った)
今回、新作は岡本泰之監督のミニミニ短篇「しりとり」一本なり。
石川医師と女性看護師、二名のみの喫煙休憩室。
職場関係のちょっときわどい?噂話の後、しりとり始めるも、あっさりと終了。早すぎ。
薬品や医療機器って「ン」多いからなあ・・・。「xxxx酸」とか「xxxxxピン」とか「xxxゲン」とか。
「xxx錠」だと「ウxxx錠」中心でぐるぐる薬品名で回りそう。
以前会場で貰ったチラシの出演役名紹介にはつい、吹き出してしまう。
<哀愁中年、妻殺し、苛めっ子、野人、不良中学生>・・・。
本文解説中にも<哀愁>と<人間以外>がごく自然に並ぶのが、ある意味すごい。
役と作品名を線で結べたら、貴殿も逃げも隠れも出来ぬ立派なシネキャバ通なり。
(こっち来いよ!ってそれは村田氏の決め台詞。)
「窓」も好評、石川氏の活躍は今後も目が離せない。
ボカン方面は後日(予定)。
以上。
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- 2005/10/30(日) 12:02:27|
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旧掲示板過去ログのアクセス、復旧致しました。
管理人様サンクス!です。
さて。
結局、今年は東京国際映画祭には一度も行けませんでした。
というか行かなかったのです。
別用があったために先週土日のチケットは買っていないんです。
土曜は<新宿タクラビジョンまつり 逆襲篇>のために午後を空けておりました。
幸運にもこちらは土曜の予約を取れていたので、途中からですが大笑いでゲラゲラと観れました。編集の妙が何度観ても楽しいです。(EP処理加工で一層、厚みが増していました。)
その後シネマキャバレーへ伺い、一部再映作および岡本泰之監督&石川謙氏出演のほんとうに短い新作「しりとり」(笑ってポン、ですね)を観てきました。
日曜はここの書き込みとか、他のいろんな事で、遠出をしませんでした。
しかし正直、券が取れるか否か、という事以前に・・・
去年以降<東京国際>メイン上映作品群の殆どがこれまでの勝手知ったる渋谷周辺を捨てて、六本木会場にごっそりお引っ越ししてしまったことはかなり大きいです。
ごく一部がル・シネマに残りましたけれど。
あの庶民に敷居の高そうな、高額道楽組の殿堂・六本木に!
あれは東京国際が<in京都!>になった年以来のショック、でした。
セレブや業界交渉の人達には、相互に近い会場になって、移動が楽になって、警備もまとめてしやすくて、利便的にいいんでしょうけれど・・・ね。
困ったのが平日夜のプログラム。
仕事終わってからぎりぎりセーフ、で毎年夕方の渋谷会場へDASHして観てきた首都圏・近郊在住の一庶民めには、何となく会場がまた遠くなったような感じが。
(浜離宮会場の映画が夕方18時からっていうのもね・・・平日17時に仕事終わってDASH、もこの歳では結構きつい。こちらも今回はやめにしました。昼間が休みの日ならなア・・・フランスの<旅>映画特集とか観たいのに。)
JR山手線・中央線から又、地下鉄大江戸線に乗り換えるかバス・タクシーに乗らなくては。しかも会場はあの敷居の高い、六本木のど真ん中にある大手シネコン・・・。
それ考えただけで、チケット採る意欲が一気に減退するんです。
お台場まだしも。
新宿ファンタ会場はJR新宿駅から一直線なのに・・・。
何で「仮面ライダー・THE FIRST」プレミア試写をこっちでやらないんでしょう?六本木だと世間の通人・ファン層には敷居が高い感じだろうし。疑問ですよ。
渋谷パンテオンの取り壊しに続き、周辺からの会場撤退は<通い映画ファン市民>たる小生には、あれはつくづく痛かったです。
同感の人々は相当いるはず。
時間の関係でプレミア上映は行けるけれど初日舞台挨拶に行けない人だって、いっぱい居るわけですし。
泊りがけでないと観に行けない地方の人々だっているのだし。
だからあまり贅沢は言いたくないんですけれど・・・ね。
シネ・ヴィヴァン六本木(注1)なる封切ミニシネマがあった頃から付近にはたまに行っていたけれど、どうもあの街だけは気分的に馴染めないんですよ。なぜだろう。
(MOとかいう小さな自主上映スペースもあって、ドタバタの洋画短篇観たような、かすかな記憶が・・・?恵比寿や東銀座にも似たようなミニ上映スペースがあったっけなあ)
来日のたびに人垣と騒ぎと交通混乱で周辺住民が迷惑してきたハリウッド・スター関連以外は、渋谷会場に戻してもいいんじゃないでしょうか?
できましたらばどうかご再考を・・・と。
もう無理なのかな。
誰か小生の六本木苦手病を治してくれ!
以上、都市近郊映画ファンとしてのぼやきでした。
・・・あ、でも、六本木で小生にとても馴染みのある大きなものを一つ思い出しました。
それは・・・テレビ朝日。
理由は、ここをよく読んでる方なら、もうわかりますよね・・・?
「欽どこ」(注2)やっていた局、というのもありなのですが。
では又。
注1:西武系の海外アート・シアター系列映画が多かった。末期にはなぜか「ろくでなしBLUES」・「岸和田愚連隊」シリーズあたりの<ビデオ寄り>新作がたまにかかっていたような・・・?
注2:「欽ちゃんのどこまでやるの!」という名ののどかなホームドラマ風コント番組。<見栄晴>という人の芸名はこのコントの長男役。
なお、この延長上で「ザ・コント55号」、途中より改め「たみちゃん」、というそば屋のコント番組もあった。いきなりそば屋の店員娘が主役?看板に変わったので放映当時、びっくりした。
[シネマ人・萎える(民族移動篇)]の続きを読む
- 2005/10/29(土) 15:25:08|
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俳優・根上淳さんが亡くなりましたね。享年82才。
大映映画の二枚目スターとしての氏は増村保蔵監督「暖流」の病院立て直し責任者役で主演だったのを覚えています。大井武蔵野館で増村監督特集があるとよくかかっていました。
(船越英二氏の「だからぼくは、きみがすきー!」シーンは目立つ、目立つ!階段で根上氏との対話シーンもシルエットがとっても変。必見です。)
TVのロボット・アクション番組「電人ザボーガー」や時代劇にも出演されてたような・・・?
比較的最近のTVドラマ出演ではテレビ朝日系「外科医 柊(ひいらぎ)又三郎」(ショーケン主演)の院長役などがありました。
でも70年代に小学生だった小生には何といっても・・・
TBS系「帰ってきたウルトラマン」(注1)の2代目隊長・伊吹役の印象が真っ先に浮かびます。
前任者の加藤隊長役・塚本信夫氏の劇団公演の都合で交代になったそうです。宇宙ステーションへ転任、になってます。
その回(ゴミ怪獣・ゴキネズラ登場)からの新隊長登場となりました。
ニューヨークから転任の戦闘機上で通信、指示を出しつつ現場の夢の島に直行!かっこいいです。
あるとき(ムルチ登場の回、名作と評価が高い)は袈裟(けさ)姿で現場に来たり、
あるときは隊員達を「いきなりMATでござい、と隊員服で行くよりは」とハイキング姿で山村へ派遣したり(キングマイマイの巻)、
あるときは悪役宇宙人のテレパシーを聞いた、という郷隊員(ウルトラマンに変身する隊員)の言葉から真犯人を発見してウルトラマンのピンチを救い、
あるときは、和服でくつろぐ里帰り先で巨大な鎧武者と宇宙人に狙われたり、
又あるときは、なまけ怪獣ヤメタランス(なんちゅう名前だ・・・)の<なまけビールス>の影響で急に任務放棄、ブランコで隊員服のまま遊んでいたり・・・。
ああ、こうしていても名シーンの数々が浮かんで止まらないです。
これで初代マン・セブン・新マン(注2)までの隊長役、計4人までが居なくなってしまいました・・・。タロウも隊長・副隊長とも既に故人ですし。また昭和40年代が遠くなったですね。
なおAとレオ・80(エイティ)の隊長各氏は健在です。(誰だか全員わかる人、コメントどうぞ・・・)
又、夫人で歌手・女優のペギー葉山さんは「タロウ」に<ウルトラの母>の人間姿役で出演されてます。交通安全の<緑のおばさん>姿でした。
では又。
注1・注2:初放映以後より「レオ」の頃まではゲスト的再登場が多く、ファンには「新マン」「帰りマン」などと呼ばれていました。「ジャック」の呼称は十数年後に定着したもので、当時は使われておりません。
- 2005/10/26(水) 19:32:46|
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主水日記。
10/16(日)昼間の部。
<600秒>結果発表終了後、ただちにDASHで移動。道中軽く昼食、パンを2個ほおばる。
13時より京橋・映画美学校。
5人監督新作合同上映会
。
オール新作ということもあって、驚くべきほどの・・・大盛況。
出品の松田彰監督自ら入場整理に奔走していた。エネルギッシュ。
5人の監督とスタッフ、座席探しに上映に出演者・スタッフとの舞台挨拶に受付に、と大車輪。子役もいて可愛らしく挨拶あり。
補助椅子、座布団が出るほどの混雑。着席出来たのは幸運なり。
男女層半々、若々しい印象。知人・非知人入り混じり、休憩中のロビーでも皆、近況と映画談義に華が咲く。まさに秋の紅葉大集合。
(なお、この近代レトロで小粋なロビーは<刑事まつり>の一部作品ロケで、ほぼそのままの状態で使用されていた。)
また、この日は同校内地下ホールにおいて松田彰監督「お散歩」(既述)、および飯野歩監督「窓」(既述)のノンストップ上映も行われた。
Bプログラムより拝見す。
石倉慎吾監督「ALICE」(38分)
「不思議の国のアリス」の現代版、という触れ込みだが・・・
ど、どこが!?と戸惑う程に結構エロティックで深刻げな男女仲。
髭の8ミリ撮影アート青年とロングヘアー女性、ヨーロピアン風アパートメントにて共同生活する世界。性的興奮にこだわり心は二の次、みたいな事云いながらもそれなりに心も通じ合っている様子。
なんとなく御茶ノ水か日仏学院周辺にいそうな感じの2人。2人のため世界はあるの、の世界。要は寂しがり屋なのだ。
そこへ暫時の平和を乱すかつての男が女への支配欲むき出しで来訪、楽園に危機が。別れと再会のシビアな対話劇。
紅い照明、蝋燭、血糊、部屋装飾の美術が御茶ノ水系?アートっぽさをいよいよ強化する。クラシック音楽が急に切れる所など昔のフレンチ・ヌーベルヴァーグ映画そのもの。
全体的には芝居にやや硬さが残るが、画面は落ち着いてスタイリッシュ。その分、別れの予感に思いつめたある女性の荒れる形相を回想するモノクロ場面が逆に生々しく見える。
ヒロインが缶詰を落とすシーンの表情に何とも、切なさがこみ上げる。
ラスト、自分達だけの世界から外へ出てゆく2人だが、多分その先にも2人だけのALICEな世界があるのみなのだ・・・。
主演・田口志麻の微笑みながらも哀しげな、あの表情を観るためにある、といっていい映画。
松田彰監督「冬の幽霊」(43分)
出た!またしても<ゆうれい>シネマである。
(どこでも皆、撮りたくなるもんなんだねえ・・・の声)
但し、こちらは「海とユニットバス」にやや近い感じの設定で、かつずっとコミカルな状況の喜劇をも狙っている作品。そしてちょっぴり泣かせる小粋な味わい。
男の幽霊には靴を履いた足が付いているのだ。
主人公女性は自室内での非常にあほっぽいドジ(あるある、でちょっと笑える)で片足をくじき、ギプス付きで休んでいる。
かつて恋人をバイク事故で亡くしたヒロイン。その後別な男性と婚約、後は挙式待ちなのだが・・・
こともあろうにそこへ、元カレが幽霊として<なんとなく><自然に>出現し、ヒロインは大慌てする。そこらがまず笑わせる。
さあ、観ているあなたはそこから既に、この「ウルトラQ」な世界へと入ってゆくのです・・・。
彼が劇中の約2名にしか見えないし話し声も聞けない、という「もーれつア太郎」の八百屋親子的すれ違い状況がヒロインを大いに悩ませる。
彼の状況把握とその後の意思(遺志?)に理解を示してその母親や自分の今の婚約者を見せようと協力、奮闘するも、その残酷な状況が行く手をはばみ、悲喜劇が派生する。
しかも、気付けに一杯、と劇中人物が持ってくるスタミナドリンクの商品名を間違えるほどに動転しているのだ。
かくてヒロインは婚約者のある<きつーい>一言により、今までの自分は彼の事を、今の婚約者の事を、また彼は自分の事を、どういう方向性でもって想っていたのか、本当にちゃんと想いを理解しあっていたのだろうか?と一同の前で悩まされる仕儀に相成る。
物理的かつ心理的、二重構造のコミニケーション・ギャップ。それこそがドラマを形成し、ある浅からぬ感銘を与える。夕陽の美しさがその感銘をより補強する。
「餓鬼の季節」「鍋の中」のぐにゃぐにゃした人物の運動性や画面描写面は「お散歩」を境に大分薄れた印象だが、そのぐにゃぐにゃは人物心理描写の中においてはいまだに、ちらっと顔をのぞかせている様にも伺えるのだった。忘れたころに又ぬっと、正面から躍り出てくるのかもしれないが・・・。
場内反応で一番笑いが多かった作品。まずまず成功。
Bプロ、以上。
Aプロは後刻(予定)。
休憩。
引き続き、Aプロ。
内田伸輝監督「温もり」(31分)
監督自身が別れた元恋人のアーチスト嬢に再会し、インタビューを兼ねて彼女の個展をキャメラに収めにかかる。
会場は新宿ゴールデン街の某バー内、らしい。
Tシャツを多数吊るしてショップならぬ屋内を飾り付けるのも彼女にとっては一つのポップアート、なのだろう。正直よくわからないのだが。後はどう観ようとお客さんの自由、ということだろう。
(そういう意味だったらば駄洒落みたいな冗談フレーズ・プリントだらけの某Tシャツ店も既にある種アートの発生、なのかも・・・?)
つきあっていた<あの頃>の事を回想して話し合ったり、「なぜ今頃撮ってるんだろ・・・」などと自問自答したり、「もうつきあうの無理かな?」などとモーションをかけてみたりする。
半ば男の未練をともなうセルフ・ドキュメンタリー。
監督自身の思い入れたっぷりに、主観を中心にしたキャメラ視点とナレーション。当然ながら接写、対象人物のアップが多い。
まあ、よくある定番パターンの撮り方だろう。
カメラを回している以上ああいう質問も、ある程度はあらかじめするつもりであったはずだろうし。全部かどうかはわからないが。
同じアート出身がきっかけで仲が始まって、結構長く続いて、でもお互いに自由時間の制約が出来てきて、ベクトルが別行動にシフトしていって・・・と、これもまた、よくある話。
案の定というか、アート嬢には既に新恋人がいて、男性サイドはそれを祝いながらもおそらくは複雑な心境・・・。
「兄弟みたいだね」という女性の言葉が時の経過を物語る。
この一言で、小生にはもう十分なり、大体わかった、という感じであった。温もり、いうよりはちょっと切ない。
内田監督の心理描写要素もまた、松田監督とはまた少し違った形でぐにゃぐにゃしているのかもしれない・・・。
その本質は次回作「かざあな」あたりでは、更に鮮明に示されるのだろうか。
飯野歩監督「キャッチボール」(20分)
ドラマも画面も一番シンプル、無駄なくすっきりしていて、かつ一番素直におもしろかった小品。
家具も何も無い広い部屋に赤いゴムボール一個、女が一人ゴロゴロ寝てボールを扱っている。戸口から男が湯の入ったカップそばを持って入ってくる。男にボールを投げて、半ば強引にキャッチボールを始めさせる彼女。
延々と続くキャッチボールの中、次第に女が引っ越す寸前で男が引き止めたがっている様子が見えてくる。やがて・・・。
男と女の心理的不安感、揺れ動きが弾むボールの移動にシンクロしてゆき、見えてくるドラマのすべてをキャッチボール自体に集約され、このきわめて小さな映画全体が心理的、かつ物理的運動性をはらむ。
ボールの運動それ自体が男性側、ヒロイン側双方の気持ちを暗示して垣間見させる。決意、未練、悩み、寂しさ、残る迷い・・・等。
(奥田徹の脚本による効果が大きい、と推測される。)
ヒロイン役・鈴木明日香嬢の微妙な表情変化とシーンの細かい編集、つなぎ方がその運動性にうまく寄与している。
たとえば石出裕輔監督の前作「ユウナのちいさなおべんとう」では、終盤のランニング・シーンと人物心理のベクトル、運動方向性がシンクロ(一致)するときにささやかな感銘がもたらされる。
一方この「キャッチボール」では、心理的不安を抱えた2人の表情変化とボールの往復運動とがシンクロになって一体化し、双方とも反復されるが故に観る側にとっての心の揺れと運動性とが同時に生じ、増幅されていく。
右へ左へ、外へ中へと揺れ動かされて、どうなるんだ、と眺めていたらば・・・
終盤の台詞にえっ!となる観客一同。で、さっと締める。お見事。
一本獲られた、という印象。
ラストはその石出裕輔監督、「母への手紙」(34分)。
かなり普通に、丁寧に、淡々と、住宅街で交流する女系家族の一日を描くドラマ。
主人と死に別れて以来、家事と趣味にますます没頭している母。(声楽家の人が、いかにもいそうな感じの母親役をやわらかい雰囲気で演じる。)
長年同居生活してきた母親に彼氏との結婚意思を告白しようとする長女。
先に結婚し子供を持っている次女。
この女系ホームドラマ的状況設定ならば、その後語り手である長女が経験する心理的葛藤や通過儀礼はおおむね、察しがつく。
親族に女系家族がいる人ならば心情は大体理解できることだろう。親への告白というものは概して思い切りとタイミングが必要なひと仕事、なのだ。
(後から石出監督に聞くと、その辺は多くの見聞からよく把握していて、後は各自でおもんばかれば、位に話を組み立てている、という。)
画面は小奇麗だし、ドラマとしても程よく手堅くまとまっている。
正直、これが5本中で一番体感時間が長く感じた。
どちらかというとOL・主婦層向きで30分から1時間枠の地上波TVドラマで見せるべき内容なのと休日の昼下がりのごとく?ゆっくりゆるやかなテンポのせいだろう。意外性や驚き、運動性などに乏しいのだ。43分の「冬の幽霊」よりも長く感じる。
一般的ファミリー層のお客さん達が普通に感情移入するのには、一番入りやすい作品だとは思うのだが・・・。
でも、心温まるちょっといいお話なり。都心よりは市川イムイムや電丼佐倉等の上映会に適しているのではないだろうか。
Aプロ、以上。
- 2005/10/23(日) 11:36:18|
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主水日記。
10/16(日)
朝10時前、新宿ミラノ座前に着く。
10時10分より<新宿ファンタ・デジタルショートアワード600秒・驚き部門>入場。
席、4分の3位埋まる。去年より入りがいい。
いとうせいこう氏・塩田時敏氏、他の進行により、スムーズに進行す。
本年度のコンペ上映も4本。
松本邦雄監督「海とユニットバス」は最初、ただの「チュー!」好きな男女のノロケ告白タイム話、かと思ったら「なぜ死んだの?」の一言でヒロインの元彼氏は既に<足のある幽霊化>していたことが判明、でも一番地味な印象を拭えなかった。
台湾のリン・タイ・ジョウ監督「BARDO NO.1」は中世の中国大陸らしき村で人々が旱魃(かんばつ)に干上がり、飢えに苦しみ、腐った果物をほおばり、木の枝をかじり、子供の飼う犬を殺して食し、仲間の血さえすすり、物資を略奪しあい・・・と荒れ放題、ひたすらリアルに血生臭く殺伐とした光景の連続で、気分が滅入る。いたたまれなかった。ラストの降雨シーンで少し救われる。
新垣善広監督「ゆうれい」は沖縄地方らしき島国、沖合いで小船を漕ぐ2人の少年、「もし、漁をしていて靄(もや)のかかる海上に幽霊達の葬列を観たら・・・」という伝承の話をしていたら、そこへ・・・という怪談。題名と前半から内容が読めてしまうのは困りものだが、水中シーンはかなり・・・。力作。
ラスト、高野雄宇監督「マンイーター・イン・ザ・ウッズ」は幕末、人食い怪物?出没に難儀しつつも森の中へやって来た侍と若き鍛冶青年の物語。伝説の刀鍛冶たる老師に面会を求めるのだが・・・。
人を斬る者、人斬りの刃をこしらえる者、求道者ゆえの哀しみと決意のドラマが、胸を打つ。ちょっぴりシネマファンの批評好きの道に似てなくも無いかも、とふと想う我在り・・・。小生はこれが一番良かった。
場内アンケートに記入してボランティア係員に手渡す。
集計の間、招待作品の粟津順監督「惑星大怪獣ネガドン」上映。25分。
全編超密度のCG近未来アニメ。立体的でいかにも昭和の東宝特撮怪獣映画っぽいレトロなビル街や世界観、名優らしさを湛えた人間臭いキャラ達が映える。その辺に平田昭彦や大滝秀治がいるのでは、と錯覚しそうな世界。「宇宙戦争」さながらの怪獣、対するロボットの重量感。CGながら手作り感充満。
これだけやっちまうと俳優も大規模セットももう要らないんじゃ?といろんな業界方面の人々が不安になる事請け合い。只、これは短篇だから<有効>なのだろう。(「ファイナル・ファンタジー」公開のときもそんな噂が立ったが、あれは長いし、ゲームキャラみたいに自由に動かせないんだよなあ・・・。)
11月5日より池袋にて公開予定、と監督挨拶にてPRあり。TV・映画特撮大好き人間は必見。損はしない。
その後、コンペ結果発表。
笑い部門グランプリが金子大志監督「解けない結び目」。(ピンク・自主映画双方で活躍の里見瑤子出演。予告だけ観た)
驚き部門グランプリは・・・「ゆうれい」に決定。
相当な力作なのでもしや<600秒>3日間の総合グランプリもか?とも思われたのだが・・・
総合グランプリは15日(土)の泣き部門グランプリ、井端義秀監督「夏と空と僕らの未来」(未見。全編が青春漫画誌をパラパラめくってるアニメ、だそうな)にあっさり、持っていかれたのだった。
ちょっと拍子抜け。(会場では予告篇しか観ていない作品。)
審査委員・いとう氏いわく「僅差だったが、タイトルからゆうれい、では驚きが少なかったので・・・」とのこと。やっぱりそれか・・・。
後、今年は去年のような女性の受賞候補者が見当たらなかったのが、なんとも寂しかった。来年は是非奮起してほしいものなり。
なお、脚本コンペ(ワード部門)では「イェイ!イェイ!」なる脚本が入賞した模様。どんな映画になる話なんだろう・・・?
16日・朝の部、以上。
- 2005/10/20(木) 00:01:39|
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主水日記続き。
10/9(日)、後半。
場内にぎにぎしく大盛況の<ガンコン10>授賞式終了後、ただちにロフトプラスワンからは目と鼻の先にある小さなお店、ネイキッドロフトへと移動。ミニスクリーンとカウンター、表にはビニールシートで仕切りの簡素な飲食店イベント会場。
こちらでは19時より歌手・O田H美&O林N彦監督ファン&可愛い子ちゃん女優御用、の自主映画団体<ときめきチーム>による2日またぎのミニトーク付き上映会の最中なり。
この日は後半部の<眼鏡っ娘まつり>。
主催者の繁田健治監督とイエロー・チアガール衣装姿の名助手・ひさこさんが、すみだリバーサイド会場時同様に例によってのほほん、のびのびと司会トーク。
過去の繁田監督作品群も一部、再映された。傾向一目瞭然。
会場は20代メガネっ娘?と自主イベント常連・関係者で既に超密度の満杯。あちこちで人にぶつかり「あっごめん!」状態に。場内滞在が非常に困難に。しばらくは息を潜めて潜伏する他は無かった。
(土曜の<トラック野郎まつり>では同会場内は文字通り中高年トラッカー・ファン層の歓声で充満していた、と後に伝え聞く。同じ主催者ですごいギャップだ・・・。)
スクリーンには、眼鏡の娘と紙袋を被った謎のエレファントマン?が女の子の部屋やシーソーで遊んでいる、きわめて平和でのどかな小品が映写されていた。直前まで観ていたガンコンのド派手なダイジェスト映像とはまるっきり、無縁な世界だ・・・。
やがて少し以前に池袋SCUM<シネマキャバレー>でも2話まで上映された劇団アナザーサイド制作、仮想連続変身ヒロインドラマ「鈴木マン」が4話まで連続上映。
主演眼鏡OL役・シネマキャバレー司会でおなじみの、トック嬢。
上司の全身体当たりなセクハラに悩まされながら、公園の一般市民のため、又はつきあっている恋人のために、いかにも怪しげかつ時代劇ががった台詞回しの「うひゃひゃ!」な悪行三昧の白タイツ怪人(村田青年!きれまくり演技が可笑しい)と戦う正義のOL戦士・鈴木マン。
<バリアー>演技のわざとくささ、男子・女子の差異ゆえ陥るピンチに強引変身!などが笑える。必見、爆裂必殺技。
当然に場内バカウケ。
一番笑っていたのは<シネマ秘宝館>の、あの御方だった・・・!
正直、3・4話は設定慣れした分ややパワーダウンしていたのだが。中途半端な打ち切り方に見えたのが惜しい。
Gプロジェクト制作「親指サイボーグ」も本当に親指からライトセーバーを出してたり、結構派手にミニチェア都市破壊シーンを撮っていたり、なかなかに凝っている。(呼ばれたのは顔に包帯したヒロインが眼鏡掛けてるから、らしい。)
今回自主上映作品の目玉は、何といっても繁田監督の最新作だろう。
(タイトルは「真夜中が待ち遠しくて」、でいいのかな?)
高校教師(繁田)が温泉宿にて卒業生同窓会。元教え子(ひさこさん)達3人に自室での奇妙な出来事を語り始める。
なんと、夜な夜な眼鏡を掛けた女の幽霊が出る、というのだ。しかも我が物顔でくつろぎまくっているという。最初は戸惑っていた先生だったが、馴染むにつれて心境に変化が・・・。
サービス?ショットや猫耳など、可愛く笑えるシーンが一杯。ずっと眼鏡掛けっぱなしなのが可笑しい。キュートな珍奇作ナリ。
後半は司会の2人による、<邦画におけるメガネっ娘の歴史>探訪講義。
古くは戦時下中の慰問喜劇映画「勝利の日まで」における高峰秀子の眼鏡メイド姿、戦後は初代・2代「青い山脈」ヒロインの眼鏡っ娘友人役(舘ひろし主演の三代目には出て無いらしい)、さらに下って昭和ガメラ・平成ゴジラ映画の眼鏡ヒロイン群、そして今では「いま、会いに行きます」の竹内裕子まで・・・と話題に事欠かない。
<ときめきチーム>監督の深いのか浅く広いのか、とにかくその豊かなる博識を楽しませてくれた一夜であった。
以上。
- 2005/10/19(水) 21:10:25|
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時折、時間が前後しますが・・・
主水日記。
10/9(日)
映画以外の諸用により前夜飲酒、体調戻すため昼間はぐっすり。
夕刻ようやく起き上がり、新宿ロフトプラスワンに向かう。
18時過ぎ、到着。
既に本年度<ガンコン10>(ガンアクション・ムービー・コンペティション、第10回)各賞ノミネート作品群の本編上映は終わり、表彰式に突入するところだった。
参考のために代表者(監督、他)およびタイトル、主な受賞のみを記す。
前田智弘・「fake」
高橋亨・「痛快エロ坊主」(インターナショナル版)
「焦燥の果てに」十一十三・「BAY CITY COP IN KOBE」(ガンコンバージョン)
弥勒(ミロク)浩二・「神戸遊戯2-THE KOBE GAME2-」
石井光司・「TOKYO LAST BATTLE」(ガンコン版)
辻村浩司・「PHANTOM PAIN」:(グランプリ受賞!)
笹井隆男・「6OWOMAN8MAN」
・・・などなど。正式各賞の他にも細かい賞があり、該当者達はビデオテープ等を受け取っていたのは昨年同様。(詳しくはガンコンHPをご覧戴くとして・・・。)
「重ね撮りでなく、新しいテープで作品を送って欲しいんです・・・」の審査員関係者発言に場内、爆笑の渦。製作団体の予算的苦労がしのばれる。
なお今年は採点が厳しく、編集賞が該当者なし!だった。
又、主演女優賞は去年も来場していた和田じゅん嬢が受賞した。
黒い衣装に男っぽい派手な乱射・アクションシーンが最もよく似合う女優だろう。(場内より結婚・現場引退を心配?する声も・・・。)
小生としては格別に喜ばしいのがいつもよりカジュアルな?「エロ坊主」松本航平氏、そして「60WOMAN(MAN」出演の上村愛香嬢、深紅のドレスが映える。ガンコン常連、渋い魅力のアクション俳優・酒井宏幸氏(功労賞も受賞)とともに3人で演技賞受賞、壇上にあがる。
で、お約束のモデルガン試射。やっぱりド派手・・・!!
(くやしい、銃の種類が全然判らん!場内でこだわりを語り倒す押井守監督がちょこっとうらやましい。)
酒井氏と松本氏は安定ポーズでバババと射撃、上村嬢は「反動があった」旨。
そういえば松本氏は新版「戦国自衛隊」でエキストラであったなあ・・・!
そもそも素手の喧嘩中心である「痛快エロ坊主」が何故、ガンコンに?といぶかったが、よく考えたら劇中でバズーカ撃ってるから条件はクリアーだったのだ。いいコンペだなあ、ガンコン。
なお、グランプリ授賞式のときは副賞のモデルガン(ライフル?ソルジャー銃かな)のビニールを押井監督自ら壇上で開封、いとおしそうに眺めているので司会者から「あの・・・御自分が欲しいんじゃ?」の突っ込みに場内即時納得の爆笑。微笑ましき光景なり。
俺達にゃ、テロも戦争も要らないぜ。面白い映画と笑って死ねる?愉しき人生あればいい。頑張れ<ガンコン>!
後半へつづく。
- 2005/10/19(水) 20:01:53|
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やっと回線修復しました。本文再開です。
しかしまあ、2003年の芸社スレ時代初期からずっと、こればっかりだなあ・・・まったく!やれやれです。
(あ、そういえばその頃の過去スレもいつの間にか繋がりが切れてるけど、何があったんだろう?と・・・。)
気になりだしたらきりがないですね、もう。
さて。
ここは、仕事人達の隠れ家。
主水「このブログもやっとこさ、3ヶ月経ったな」
鉄「あれれ、意外に進まないもんだな。牛歩のごとく、だぜ」
勇次「でも時の流れは、どんどん早くなってる感じなんだけどな」
秀「八丁堀、ずっとあわただしかったみたいだからな。用事多くてさ」
竜「で、どうなんだ?最近観た上映イベントは」
主水「うーんと、な・・・順、記録読んでくれ」
順之助「ええと、ですね・・・
9月23日が中野ZERO視聴覚ホールのおなじみ<えーぞーふぁんたじあ>、24日が池袋SCUMで通称<ひきこもり>自主俳優の村田君出演作特集上映、26日が渋谷アップリンクXで林由美香さん追悼VTR上映会。
10月は5日が京橋のフィルムセンターで「勝利の日まで」「三十三間堂通し矢物語」の成瀬特集、9日が新宿ロフトプラスワンで<ガンコン10>表彰式の後で<ときめきチーム>主催の<めがねっ娘まつり>、10日がどんぱちプロ・小原総帥の<自主映画難民監督上映会>、13日夜と16日朝・夜が新宿ミラノ座の<東京国際ファンタスティック映画祭>に、あとその合間に京橋の映画美学校で<Born in the5>新作5本一斉御披露目会・・・ですね」
竜「な、なんだそりゃ。短期間に詰め過ぎじゃないのか?」
主水「他所の用事とか日時バッティングが多くてな。これでも泣く泣くかなり減らしてるんだ。ズラしてほしかったのがかなりあったんでな。少々へばってるよ」
壱「その間ずっと、ブログ本文が繋がらなくて、書けなかったんだな?」
政「フッ、とても一口にゃ全部語れねえよ、そりゃあ八丁堀でもな」
主水「まあ、なるべく初めて観た作品を中心に、ぼちぼちといきますよ」
主水「でも、一刻も早く書きたい分は一部だけ、脇のコメント欄使って外から書いちまったけどな。<えーぞーふぁんたじあ>の客の入り方の極端さとかさ・・・」
商売人のお加代「初めの初公開作組だけ観て帰ったお客さんが多かったんだよねえ。残って観てけば初めて観て面白いの、いっぱいあったのに!」
錠「そういうお前だって、途中の第二部は抜けてただろーが!」
お加代「だ、だってさ、殆どがもう前に何度か観た作品ばっかしだから・・・ねえ」
政「まあ、でも<ロフトプラスワン映像祭>とか、長時間のイベントは大抵そんな風だからな。みんな自分の目当ての監督・作品だけ観て帰ってく」
鉄「同じ会場で再映作品もいっぱいで、条件が近いはずの第2回<自主映画難民監督上映会>では終始、知人や初見客で40人以上の入りだったのにな。途中から入ったんだけど反応もすごくよかったし」
錠「あれは・・・イベント自体のタイトルがケッサクで、自主映画ネット界隈でも人目を引いてたからなあ。大分浸透してきてる」
秀「挑発的だよな、企画者の小原総帥本人が。自分でヒロシです、のパロライブまでテレながらやってたし」
政「最初から初めての人を呼び込むべく、入門篇的企画にしてマメに積極的対外PRし続けてきた手間隙掛けの賜物からなあ。作品選定の水準もかなり、高い。あの会なリの品質保証だよね」
お加代「以前から十数年ぶりの再映作品、とか面白い旧作の掘り起こしもやってるしね。<はばかりあん>や<コーちゃんが・・・>の線」
主水「今回は山本拓監督<全滅野球軍><バッタ>か。時間あればちゃんと観たかったなあ」
壱「ずっと予告編だけの例の新作、いつ観れるのかな・・・」
竜「それに、白川幸司監督の<マチコのかたち>もあったし。小原総帥、かなり気に入ってたよね」
お加代「本屋で客が読む本の中の世界になってて。変に凝ってるカラフルで毒々しさとゲイっぽさとヨーロピアン?な濃い感じのレストラン作った美術が既に独特。最初はちょっとヤな感じで始まったけどさ。あのエンドラみたいな自称魔女、焦ってる愛人娘の女心をよーく見抜いてる。ミュージカルまで出してて、観ててもう、ワクワク。舞台見てる様だった。結構シビアな展開なんだけど、最初ぱっとしなかった眼鏡の娘がだんだん、可愛く見えてくる。恐れ入ったよね」
主水「ラストのアレ、女の涙は・・・よくわかんないけど、ただの括弧くくりよりはずっと余韻残る締め、だよな」
壱「枯れない海のようだ、とか言うなよ!」(注1)
主水「伊刀嘉紘監督の<イマジナリーライン>も、久しぶりにちゃんと観れたな」
竜「舞台が21世紀へのカウントダウン年またぎ時期、だからもう5年前か。早いもんだね」
鉄「クリスマスのバーで裸のダンスショーが思いっきりで、すごいぜ・・・!」
政「そこばっかだな、お前」
主水「ダンサー女と男2人とその知人達が画面に映ってるんだけど、観ててだんだん何か対話に妙なズレが生じてて変だな、と。やがて男2人が実は女にだけ見えてる、とわかり、男女の三角な関係と二重構造の迷宮と化す。そのすれ違い、ずらし方こそが面白い」
政「後から掛かったあれの予告編は、本編観てからだと、ああそうか、とわかるんだよね。これも愉快な体験だった」
主水「この2本にTOYOKI監督のカンフーアクション&カースタント&火気満載活劇<ランディングゾーン>を加えた3本が、今回のハイライトだったな」
壱「記憶喪失のカンフー男が現金強奪犯の仲間にからまれる話、だっけな」
鉄「半端じゃねーよ、スタントが。力任せでむちゃくちゃ。怖い位だったぜ・・・大乱闘の連続」
政「足蹴りばっかし延々見せられると、痛いんだよね・・・」
お加代「女の子役がけなげで可愛いのが、救いだったねえ。父親探偵とワル警部役も渋い魅力あったし。いいキャストだよね」
秀「このカンフー映画は、どこを切っても金太郎で、予告編作りやすいよな。<マチコのかたち>や<イマジナリーライン>は途中シーンだけ抜き出して見せても何だかよく、わからねえ映画だろうな。初めて見る人には」
錠「だからこそ、逆におもしろいんだよ。本編が」
主水「さて、と。続きは又後日にして、同心らしく見廻りにでも行くとしますか・・・」
お加代「何の見廻り?」
主水「勿論・・・映画館のさ!」
(注1):「女は海」はTV時代劇「必殺仕事人V激闘篇」のテーマソング。
- 2005/10/19(水) 00:03:54|
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主水の仲間・鉄の報告。
いやはや、えれえもん観ちまった。
何かって?あれだよ。
「チームアメリカ*ワールドポリス」!
パペット?マペット?いやマリオネットかな。
全編手間暇かかった人形劇。「サンダーバード」とかNHKの「三国志」みたいで結構おもしれえんだ。
でもさあ・・・
確かに笑えて面白いんだけどさ、かなりエグくてひでえんだよ、これ。
だ、だってよ・・・
有名な公共物や世界遺産、片っ端から誤爆でぶっこわしまくってるんだもん。いくらテロリスト退治ったってなあ・・・。モデルにされた地区の住民が怒らないか?よく出来てるミニチェアだから余計に勿体無いぜ。
ジェットやヘリコのまっかっかな星条旗模様といい、隠れて見てるべきスパイ活動シーンでもみんな立ち位置が真ん中だったり、何てまあ、目立ちたがりで派手好きな連中なんだ。一瞬「ウルトラマンタロウ」のZATのメカに見えたよ。
おまけに自分達で口喧嘩しながら標的撃ってたり、味方と気づかずに攻撃してたり。基地のメインコンピュータはとんでもないデータ間違えしてるし、チームワーク・システムは初めっからガッタガタ。司令官は忠誠の証しにフェ0要求してるし。えぐい人間不信、トラブルだらけ。
敵も味方も皆で<ファ00ユー>ややゲイ差別ネタ連発したり、もう下品極まりない。言葉がぐちゃぐちゃなスラングばっかりできたならしいんだよ。英会話教室だったら禁句もの。
人形同士なのにすごく人間くさい告白やベッドシーンは、ばかばかしくて笑えるよ。ゴリラの話とかも。
でも泥酔ゲロゲロシーンは長くてしつこい。悪趣味すぎるよ、あれ。実際。胸がムカムカしたぜ。
更に呆然とさせられたのが某悪役と全米俳優協会?ネタ。
ゲスト人形みーんな、ハリウッドやTVでおなじみ有名人様方のそっくりさんだらけ。セレブ女優もいる。かつゲイ差別ネタも混入。
(映画の冒頭で「実在の人物・団体とは一切・・・」だって?観てる奴は誰一人それ信じてねーぞ。)
しかも平和的活動宣言、って言いながら暴力行使、武器も使いまくり。ティ0・ロビ0ス乱射で撃ちまくり。アレ0ク・ボー0ドウ0ン悪役扱い。そいでもってワルに利用されて次々と血まみれでぶっ飛ぶ。もうむちゃくちゃ。
挿入歌では「XXXXは演技学校必要だ」とか、出来の悪い大スター出演映画もしっかりこきおろしてる。
当然抗議来るよ、こりゃ。スター俳優・女優のファンはカンカンだろうな。
マ0ド・デ0モンが一番馬鹿に見えて笑えたぜ。台詞が終始一種類だけのせいでさ。
まあそういうのを全部まとめて、典型的ハリウッド・アクション映画の筋立てに無理矢理乗っけてて。ラスベガスのショーみたいな唄とステージも入れてて。ご丁寧に<モンタージュ>部分の解説まで入れている。全編がスター・システム映画のパロなんだ。
要するにお客をゲラゲラ笑わせて金取れりゃそれでOK、ってとこなんだろうな。これの作り手にそれ以上の思想は「何もない!」んじゃないの。
製作者達も大胆というか、馬鹿というか。まったく、大した度胸だよ。
ボブ・ホープ&ピング・クロズビーの<珍道中>映画みたいな洋画パロディ入りのコメディをもっとどぎつく、グロくした感じだな。(そういや、あれも同じパラマウント映画だったよな・・・?意識してるのか?)
それと「俳優は一度ハマッたらやめられない」てのは、よーく出てたよな。しかし、いくらなんでも、あんな下品な内容の演説シーンで世界のお偉いさん達が<感動>するとは思えないんだけどな・・・!
それもまた、ハリウッド映画のお約束、ってか?やれやれ。
てなわけで。
噂どおりのあの<ひどさ>を確認できたから、とりあえずは気分がすっきりしたよ。
じゃ、またな!
- 2005/10/07(金) 00:39:39|
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公用・私用および日時バッティングで時間が空かず、9月・10月中につきましては約3箇所の映画イベント予約を断念致しました。
あと一日、せめて半日、スケジュールが空いていれば・・・というのが実に多いんです。泣きたい・・・。
(泣くなよ、おめーよ、の声)
さて、小生の中には2種類の<アメリカ>が同居しております。
片や、なにかというと国際政治と戦争と核とテロがらみで、ミリタリーでウエスタンで、人種別階層化とUFO伝説?とスパイ合戦で「ランボー」「プラトーン」「GIジェーン」「フルメタル・ジャケット」で「ワグ・ザ・ドッグ/ウワサの真相」な<アメリカ>。
(おそらく「スモール・ソルジャーズ」や「チームアメリカ」もそれらの延長上に・・・?)
と同時に・・・
子供時代にTVの再放送で浴びるほど観れた、「奥様は魔女」や「ルーシー・ショー」、グラハム・カーの「世界の料理ショー」、「セサミストリート」などが描く、家庭的でロマンスだらけでユーモラスでいたずらっ子が一杯でコメディアン大好き!な明朗なるイメージの<アメリカ>。
こういうのをシンクロでずっと観ながら、日本人の小生はすくすくと?育ってきたのでした。
観る前は「また、流行りのリメイクかよ・・・」とあまり期待していなかったハリウッド映画版「奥様は魔女」ですが、TVシリーズのパロディとして大変よく出来ておりました。
やるじゃん、ノーラン・エフロン監督。
男女間の感覚的差異を二軍落ちしかけたスターと新人女優の差異、魔女と人間の差異、と3重奏構造化し、旧作のファンをもニヤリとさせるシーンをまぶしつつまったく新しい映画に仕上げててお見事!でございます。
(「ユー・ガット・メール」では本屋業界の悲哀が、観ててちょっとつらかったんだけど。)
主演映画が大コケしてTVコメディ・ドラマで再起を図る、自己中心的でわがままで大オーバー演技のダーリン役俳優、ウィル・フェレルがTVコメディアン風演技で全開。いかにもハリウッドにいそうなキャラです。周囲はみんなでああやってご機嫌とってるのね・・・。人のフリ見て我がフリ直せってか。
シャーリー・マクレーンのエンドラ役女優は元祖エンドラ(ダーリンが何に化けさせられるか、毎回コワい!)より優しく見え、婿殿いびりの凄みには欠けるが「この人ももしや?」と思わせる<業界魔女>風リリーフ役に徹して軽妙。マイケル・ケインの魔法使いパパはロマンスグレーな?プレイボーイぶりを発揮しまくり。なんとも微笑ましい光景。
でも全体的には当然に、二コール・キッドマンのコメディエンヌぶりをたっぷりと楽しむための映画でした。
自立願望、他人に<必要>とされる嬉しさ、スターの身勝手さに対するささやかな復讐、恋のときめき・・・もう素晴らしい全力ハッスル演技です。サマンサを継承したイザベル、になりきってます。
おのおの方、これは観とかないと損ですよ。
(劇場で見逃した方はDVD化を待ちながら、旧作TV版ビデオ・DVD第1巻を観て予習してみましょう。オマージュ・パロが2倍楽しめますよ)
やっぱり、こういう能天気な<アメリカ>がいいです。小生は。
では又。
[魔女の継承式]の続きを読む
- 2005/10/02(日) 10:23:12|
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