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シネマ旅の途上にて

自主映画ウォッチャー、アWorkerのブログ。

断食男の奮闘

主水日記。


真夏だ。暑い。
連日。延々。
所用にて表を出歩くにも気分がすぐれず、あたかもラクダのキャラバンのごとし。
戸外にては知的活動ほぼ不可能。
こんなときにDVDレコーダーが又壊れた。板が詰まって出せない。留守録が出来ない。
今やわが脳髄も蒸発寸前なり。
あまり頭を使わない種類のシネマで、気分をすっきりさせたいものなり。


最近観た中では(やや前に公開終了したものも含めるが)・・・

1・「いらっしゃいませ患者さま」
2・吉川晃司ライブDVD映像上映(ニッポン放送ファンタスティックシアター、7/14)
3・<セルフドキュメンタリーの逆襲>上映イベント(同会場、7/27のみ)
4・「リンダ リンダ リンダ」
5・「魁!!クロマティ高校」
6・「駄目ナリ!」シリーズ(7~12話)

などが、とりあえずは注目に値する上映・公開だろう。


1・「いらっしゃいませ患者さま」

・・・はテアトル池袋での平日公開終了寸前に間に合って、観れた。

同じ監督による「お墓がない!」「OL忠臣蔵」のゆるゆるな不発ぶりが嘘のように、「いらっしゃいませ患者さま」はいかにも松竹<ニュー大船調>寄り映画らしい、のどかな笑いがはじけまくっている。

故・前田陽一監督が会社の要請で撮りそうな?題材と展開だ。観客(中年男女が多い)の反応もかなり良い。
勿論医療関係者から見れば相当、むちゃくちゃでとんでもない<思いつき>だらけの<寓話>に違いないのだが。狙った笑いが概ね当たってるのは誰しもが認めるしかあるまい・・・。ちょっと複雑な気分。

期待した大友康平の風俗ショー演出家、入院中シーンでは案外おとなしく、ショーの司会シーンでははつらつとする。
渡辺篤郎の院長をサポートする原沙知絵のナースが目立っていい位置を占めている。さすらいドクター・松重豊の「日本酒かよ!」には大笑い。
藤岡弘の組長などもう、貫禄ものである。「ヤマトタケル」のクマソ役では身軽な分ボスとしての重みが・・・との不満があったが、今回はドンピシャ。
「釣りバカ日誌」で笑える人向きなり。


2・吉川晃司DVD新作PRイベント

・・・はなんと、「漂流街」「天国から来た男たち」で吉川晃司と組んだ三池祟史監督が担当のDVD映像。
「映画秘宝」関係者による解説&トーク付き。

よく見ると武道館のライブシーン上空にあるはずの無いUFOが飛行してたり、合成の雨降りがあったりとさりげなく凝っているのがちょっと面白い。1000円で十分、元は取れる。

しかしまあ「すかんぴんウォーク」以来ずっと、よくあれだけ素早く動ける男だ、吉川は。大したものなり。「戦国自衛隊」に出ても十分いけそう。(侍姿で足軽?やでかいカマキリやギャング団と戦ってるよ、過去映像で。)デビュー前に水球をやっていた賜物だろう。
ロール・プレイングみたいな「シャタラー」は実質<主役>じゃなかったし、セルジオ・レオーネ監督との食い合わせが悪かった。三船敏郎まで呼びながら・・・冴えが無かった。
それから十数年後、「漂流街」悪役で映画復帰、その<日活スター>的立ち姿のハマり具合を経て、「天国から来た男たち」の海外で騒動に巻き込まれるビジネスマン役でようやく、主役としてハードなアクション冒険劇の真髄を見せつける。

なぜ十数年間大きな映画出演が来なかったのか、実に不思議。あれだけ動けるのに勿体無い。これだけ立ち姿がキマッていて動ける人ならばもっと、アクション映画や時代劇方面で出してほしいものなり。映画デビューで売れた<最後のスター歌手>でもあるし。

なお、上映終了時の<ご予約ご連絡先>お知らせは、スクリーン上映では要らない気がする。ファンの女性客達が吹き出していた。でもこの人々は多分買うだろうな。DVD。
この席で、三池&吉川コンビのメッセージVTRも上映前に流された。また、三池監督が「ウルトラマン」(おそらくマックス)も撮影している旨のトーク内PRもあった。益々旺盛なり、三池!


3・<セルフドキュメンタリーの逆襲>

・・・は4本の自主短篇上映とトーク。
ファンタスティックシアターにしては珍しく、8ミリ映写機が搬入されていた。

これは井口昇監督「わびしゃび」(1988年、36分)が8ミリ映画のため特別措置なり。

若き日の井口青年本人(貴重!)が出演。自室や屋外で延々、ひとりごと調でぶつぶつつぶやくように自らの想い、心情を語る。
前半は本人の姿出しもわずかなので観ていて何とももどかしく、ややしんどい。
やがて彼は高校部活祭の後輩女子に告白のため、キャメラを持ったまま路上を学校へと突進。ここからようやく画面に動きと前のめりの勢いが派生。こちらもはらはらさせられる。
当該女子との二度にわたる長いやりとり、演出指示の模様を「ちゃんと写っているのか?」と気にかけつつもそのまま撮影続行してゆく。頻繁に机をかきわけつつ黒板とキャメラの間を往復する井口青年自体が<前のめり>の塊、なのだった。
一途な突進は、若き日のみに可能な花火、なのだろうか?
そんな疑問を持つ人は園子温監督「夢の中へ」や松田彰監督「餓鬼の季節」などを併せて観ればいい。人によっては結構ずっと、そんな前のめりの塊であり続けているものなのだ・・・。


カンパニー松尾・バクシーシ山下監督<text:庵野秀明「エヴァンゲリオン」>(1998年、10分)はドキュメンタリーというよりは、民放TV的どっきりカメラの類に属する軽い笑いの短篇。

ご存知庵野監督をテレクラらしき部屋に連れて行って、電話応対の様子を撮って見よう、というだけのばかばかしいおふざけVTR。
部屋掃除や本の虫干し、アニメ製作・展開のシビアな話など、かなり生活者じみた<会話進行>に場内の皆、微苦笑させられる。
まあ面白いんだけどこういうの、生真面目なマスコミ批判者ほどアレルギー起こすんだろうなあ・・・と一抹の不安も。


松江哲明監督「カレーライスの女たち」(2003年、30分)は以前、どこか別所にて拝見している気がする。PFF関連だろうか。

監督の知人女性(ピンク女優、旧知の友人女性など)各人とカレーを材料調達、料理、試食、家に泊まって明け方残りを朝食で味わう、というルポもの。当時同居中?の女性にも同様のカレー料理を要望。
結果、明け方食べると一層おいしくなるらしい、と判明。
各人、部屋の様子とか選ぶカレーの種類で違いが出ていて、それなりに興味深い。
辛口カレー夕食のときは本当に辛そうだ。
しかしこれ、ほんとにこの場で公開上映しちゃっていいの・・・?雑誌に題名・監督名を乗せて公開してる、って事はいいんだろうけれど。(そうでなかったらここにも書いてはいないだろう。)


ラスト、堀内ヒロシ・田所永次監督「断食日記」(2005年、10分)はAVの男性AD氏が動機自体がよくわからない断食を12月、石垣島のキャンプ場で14日間やって(キリがいいらしい)、彼にカメラを持たせた監督がその記録を素材として編集した、というだけの断食ルポVTR。

このAD氏がもともと割合にやせていて、ダイエットが目的とはとても思えないのだ。何か気分をすっきりさせたい、らしいのだが。監督や本人すらどうもよくわかっていない?様子。
で、とにかく本人一人で島へ渡り、海岸のテントで沖縄のラジオ放送を聴きつつ断食キャンプを始めた。
冬なのでやや肌寒い(そりゃいくら亜熱帯でもなあ、の声)、便通がよくなった、近くの海岸で蛇味線してる、などの状況を撮影、メモ帳に見出しを書いては生態日記帳式に見せてゆくのだが。
途中季節はずれの台風が襲来、テントばたばた。
観たところではある意味普通のダイエットよりかなり、しんどい。よくまあ14日間ももったものだ。
ともあれ無事に戻ったことは喜ぶべきだろう。

上映後のトークでは本人は御親族から<旅費>として30万円ほど借りて出かけた、などと明かされていたが。いったいあの貧相な風景のみの画面と編集のどこに、そんな製作費がかかったのだろうか・・・?あまりにも贅沢すぎる断食なのだった。


1・2・3については以上。
4・5・6は後日。
[断食男の奮闘]の続きを読む
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  1. 2005/08/02(火) 00:15:47|
  2. インディーズムービー
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