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シネマ旅の途上にて

自主映画ウォッチャー、アWorkerのブログ。

帰郷の盆踊り

主水日記。


8/21(日)12時半~4時45分頃まで

       市川中央図書館内2F・グリーンスタジオ


第3回 <市川メディアパーク・インディーズ・ムービー・フェスティバル.2005>。通称<イム・イム・フェスタ>。

<イム・イム・メンバーズ>他のご存知?千葉県勢御当地組を中心に主催の市民映画祭。(当然に佐倉市の<電丼>関連組もメイン参加。)

司会、伊藤雅弘監督(刑事パロもの、他)&自主女優・浅葱まり(ガンアクション女刑事から「アニカラ戦隊」悪女役まで幅広く活躍中)コンビ。今回なぜかアロハ風&メイド姿で仰天、だんだん一部趣味的な傾向も見え始めてきた?ちょっとはらはら。でも愉快。

中盤、前回に続きカンフー・アクションの<ドラゴン・プロジェクト>チームも登場、「デスバトル」完成舞台挨拶&トークあり。出演者達の撮影時の都合によりそのままではラストがつながらなくなり、やむを得ず変更した、旨。当初はどんなラストの予定だったのだろう?
とりあえずはきちんと完成・披露出来た事は喜ぶべき事なり。

この上映会シリーズ、始まった頃はイベント自体の知名度・浸透度が低くて「どうなることやら?」と不安要素も多かったのだが。2回目以降はHP、場内案内ポスター、チラシ、関係各方面への呼びかけ等の地道な活動が功を奏して次第に客足も伸びてきた。
今回はすぐ近所での盆踊りのついでに浴衣で観て行く方々も。都心部イベント常連組も遠路はるばる数多く来場されていて嬉しい。推定前回並みの50人をおそらく超える入場者数と見られる。ようやく市民向け映画イベントとしては定着してきた模様で喜ばしい限りなり。

作品群に関しては、まあ例によって全般にゆったり目で水・ぬるま湯・お湯の全温度チアーな気分で(あ、前にも書いたかも・・・?の声)のんびり日帰り温泉紀行、といった感じなのだが、都内の<とんがった傾向>を求める上映会でもウケそうな作品もごく少数ながらあった。(ただしその該当作品「誘うっP-」を観る事は、あの市民向け上映会場内ではある種の気恥ずかしさをもともなうことになったのも、事実なのだが・・・。後述予定)

ここはそもそもの主旨が一般の方々に、手製でこれだけ映画作れますよ、商業映画とは一味違う自由な発想も出てるんですよ、面白い作品もいろいろとあるんですよ、編集も市内の人ならば開催会場にある映像文化センターで出来ますよ、といったお知らせ、おススメ(CMあり)、をする事なのだから。間口は絞らず広めのほうがいい。(後、作品順はできるだけお客さんが後味良く帰れるような並べ方が望ましい。欲を言えばきりがないのだが)
総じて一般の人達がふらっと入って観て行くのにはちょうどいい位のお湯加減、の構成ではないだろうか?そういう面ではまずまず理想的状況といえよう。一観客としても日曜の午後はくつろげるものが来ると気分的に良い。

この上映会を観て作品を<イム・イム>宛へ新作を持ち込んで来る人達も今後出てくればなおよろしい。主催者サイドの云うとおりちょっとした<市川のハリウッド>に発展してゆくかもしれない。そんな感触は少しずつだがほの見えて来た。
でもなお、一部のちょいとんがりな傾向には、はらはら・・・。勿論その方が面白いのは事実なのだけれども。今のところは<公・民>両サイドで方向性が一致している様子。
<公と民>の狭間で今後どういう作品選定・構成の舵取りがなされてゆくのか、注目しつつ次回を待ちたい。

(この話、もう少しだけ<成長>しますので。しばしの間お待ちを・・・。)



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  1. 2005/08/28(日) 12:01:51|
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浅瀬の天才児

主水日記。


8/13(土)19時 池ノ上シネマボカン

 <芸社inシネマボカンvol.13 伊勢田博覧会2>

・・・は、一言で云えば、伊勢田監督なる人物の、ある種の天才児のみに成せる<技>だらけ、であった。
<超上級者向け>の看板に偽りは無かった。
客席、関係者含め約30数名?集結す。

<芸社>関係者ならばいわずと知れた、<テレビA日>アニメ枠風?手作りアニメ「浅瀬でランデブー」「見つめてPhotミルキー」(何故かタイトルからPhotoのoが欠けている・・・)、凶悪学園人形アニメ「ハイスクールリーパー」等の作者である。
今回は字幕を芸社側で多めに付加しており、歌詞や台詞の不明瞭な部分はかなりわかりやすく、とっつきやすくなっていた。これならば合唱もしやすいだろう。
悪役カツアゲ集団をややどぎつく?退治するヒーロー「ハイスクールリーパー」の身もふたも無い歌詞・台詞には皆、笑った。(「xxxxに人権は無い!」や「哀しいよ・・・」でさえも劇中ではそうなってしまう。)

この辺の奇ッ怪・痛快作、芸社のシネマボカン・イベントで何度と無くシリーズ化した形で掛けられ、その度にウケまくってきた。いまや一部主題歌の合唱までが恒例化している。<もののたとえ方>がなんとも可笑しい。
今回はそれらの製作過程紹介をも含めての作品連続上映なのだった。

この意欲的監督、<地震・怪獣・ウルトラマン>ではないが、いかなる突発的状況をも有効かつ効率的に作品・撮影に利用する人物。
実写映画で人が集まらなければアニメ化にする、というのが現実的かつ前向きである。
名作(迷作?)アニメ「浅瀬でランデブー」も既に実写映画化に向け撮影中。ロケ風景VTRが披露された。(その配役がふさわしいかどうか?はともかく・・・。)

大体、客席の目前で手製アニメの劇中人物が振り返るシーンの<作成>作業をライブ式に行なえる、などと普通誰が予想できるだろうか。
四ッ割りで4種の向きに人物画を描いたセル画とポータブルなDV作業装置のなせる効率の良き<技>。なかなか良い工夫である。

又、監督は<七色の声>を使い分ける独特の妙技をも持ち合わせており、男女数名役を自ら声優として演じ分ける事が出来る。VTRでも観ているが誰にでも可能な技では、無い。

コスプレイヤーとしての目立ち方も筋金入りで、「ブルガー」他の変身ヒーロー作品扮装で才気を見せる。「ザ・コスプイヤー」では某所新人歓迎宴会にて自らラ0ダーV3、電人ザ0ーガー、宇宙海賊船(!)にまで扮して座を盛り上げ、デ0ルマンと握手もしている。金髪女性にも仮装、正にルパン3世張りに縦横無尽。
アニメの劇中にも時折、特撮ヒーローのネタをそれとなく(でもないか?)混ぜ込んでいる。

更に、もともとが<少女漫画誌によく投稿していた>、というだけあって凝り性で、発想のベースには漫画誌と往年の<テレビまんが>群がある。
月刊漫画の雑誌付録をイメージしたとおぼしき手製のメッセージ付きキャラクターグッズ?群までが用意されている。当然のごとくに抽選会が行なわれた。(ちょっと、人前では気恥ずかしくて出しにくい、ここにも明記はしにくい品物ばかりなのだが・・・。)

実に大したアイデアマンであり、自前の制作には手間暇を惜しまない。
協力するアシスタントは数名付くが、大半はほぼ監督一人で仕上げている、という。
誰かこの表現熱心な人物を一度、短い尺のバラエティ・コーナー的企画などで生かしてみては、どうか?結構TV向きの気がするのだが。


以上。









  1. 2005/08/24(水) 23:48:37|
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俳優達の参上

今朝の「マジレンジャー」、「盗まれた勇気」の回を観てびっくり。
ファーストシーンにジーコ内山氏とA氏(例の制作無期停止状態作品で主役の人)が出演している!
各人の大事なものを盗み取る怪人に道端で被害に遭う役。マジレッドが<勇気>の塊を奪われて一時弱気になるお話なんです。
で、夏物スーツ姿のA氏は持ち物を。
ジーコさんは・・・かつらを。
台詞は「ああ、髪の毛が!」
でも普段から綺麗なスキンヘッドの方なので。
かつらで出てきたのに驚きましたです。ハイ。

「仮面ライダー響鬼」は敵方<ワラシ>達の割にレトロ近代的な隠れ家が登場。いかにも怪しい。<鬼>側支部のパロっぽい対話も。戦力強化研究室があったり、<くぐつ>人形を動かしてたり、自分たちと同じ姿の傀儡(かいらい)がいたり、とまるで実相寺昭雄監督の映画。珍しく男女の声が逆では無い。するとこっちが本体か?

なお、ライダー放送時CM中で和製「スパイダーマン」シリーズ、12月中DVD発売に向け予約開始!の吉報。
<原作者も絶賛!>だそうで、ようやく晴れて公認みたいですよ。
続報待つ。
  1. 2005/08/21(日) 11:10:38|
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超鬼才の退場

なんてこった。
娯楽映画の鬼才、石井輝男監督が12日に亡くなりました。享年81歳。

新東宝・東映時代の多くの作品を大井町の名画座、大井武蔵野館の特集上映で観ていました。
一度でも特集を観れば独特のエロスとハッタリズムの虜(とりこ)になる。<大井といえば石井輝男>という位、結びついてます。
ゲストで来場されるとお客さんの入りが違う。閉館決定時も<最後のゲスト>に指名されるほどの人気でした。(たしか、レイトショーで「やさぐれ姐御伝 総括リンチ」上映の時でした。)

新東宝では秘密売春組織を扱ったアクション映画の<地帯(ライン>シリーズ。松竹でも「日本ゼロ地帯 夜を狙え」など撮っている。
東映で香港・マカオロケを含むギャング路線を連発。後の高倉健からは想像出来ないほど軽快な「花と嵐とギャング」、逆にうらぶれた空気に撮った「ならず者」。
沖縄でも撮られた「網走番外地」シリーズ(南国の対決!)、江戸川乱歩原作大集合の「恐怖奇形人間」、ナンセンスをも含んだエログロ時代劇「忘八武士道」に「徳川いれずみ師 責め地獄」、千葉真一のコミカルな「直撃!地獄拳」。
日活では梶芽衣子の姐御と子分達、背中の刺青が並ぶ「怪談昇り竜」・・・。

どれも勢いと刺激性に満ち満ちて面白く、忘れられない映画ばかりです。とても今この場で魅力を語り尽くせません。観てなかったら今頃、邦画ファンを続けていたかどうか。
「恐怖奇形人間」の大井上映時など、あまりの荒唐無稽ぶりに大笑いする人と「何で笑うんだ!気分を味わってるのに!」という人との間で休憩時間にマジで論争が起きるほどでした。

佐野史郎や岡田奈々がつげ義春漫画の世界を演じた「ゲンセンカン主人」、加勢大周(今どうしてるんだろう?)がギャング相手に暴れる「無頼平野」、某有名事件の経過をエロ入りでしっかりと非難した「地獄」、および遺作のDV作品「盲獣VS一寸法師」を新作公開で同時代に観られたのは幸せでした。「盲獣・・・」はできれば雰囲気が出るようにフィルムで撮ってほしかったんですが。
そういえばTVの「必殺仕事人」で伊吹吾郎の<おでん屋の腰骨折り>技を撮ったのも石井監督だったような。

10月29日より一週間、池袋の新文芸座で追悼特集が組まれるそうです。初期の新東宝映画は掛かるのでしょうか?
岡本喜八監督に続き、又も代えがたい才人を、日本映画界は失いました・・・。合掌。 [超鬼才の退場]の続きを読む
  1. 2005/08/16(火) 01:59:02|
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万国の博覧会

主水日記。


遠出も勢いつかずままならず、の真夏にあって、8/7(日)の<シネマ秘宝館27・万国博覧会>(夜の部参加)、および8/13日(土)のシネマボカン・イベント<伊勢田博覧会2>は、いずれも小生めにとっては正に一服の清涼剤、いや、大砂漠の旅路に湧き出たオアシスであった。
何よりも常連の関係者や観客が集まるのがほっとするし、観ていて実に楽しい。あれこれと多忙な人々があれだけ集合するのは、やはり両イベントにそれら相応の代えがたい、参加意欲をそそるに十分な魅力が備わっているからだろう。そして新たなる人々との出会いもある。
最早ヤミツキ、といっていい。


まず、ごく簡単にご存知?<シネマ秘宝館>作品群よりコメントしてみよう。

8月7日。猛暑。
当日は夜の部に伺おう、と事前にPCにて情報チェックの後に出掛けた。
昼の部終了時間の少し前、18時頃に会場前到着。ちょうど昼間のお客さんたちが堪能して出てくるところだった。
芸社関連作品が納品遅れるかも、と一部HPに出ていたので気になっていたが、それは無かった様子だった。見事セーフ。
が、しかし・・・

「坂本さんの1本、間に合わなかったね・・・」
「夜の部やってる間にディスクに落とし直すって」などの声。
そ、それは一体・・・!?
どうやら例の、トリによく出るあの人の映像が、遅れてるらしい・・・。
果たして夜は間に合うのか?と気を揉みながら、入場す。
なぜか、上映開始直前まで<蛍000>なる男性ダンスグループのPV?が流れていた。何だか80年代後半風で懐かしい。

19時より開演。
例のごとく<愛・地球博>など時事ネタを織り込んで小気味よくユーモラスな館長&酒徳ごうわく副館長の司会・ゲストトーク進行。時折、ごうわく氏の唄が出た!これは新体験。
さて。
基本的に各作品に付き約1~2行程(予定)、で解説してみよう。


第一部 <短篇・中篇もの(に、万博ものがプラス)>

斉藤館長監督「こんなCMはやだ」・・・軽くやばい、自虐っぽい?ネタ。思わずプッ、となるも出演者はこれOKなのだろうか?とすぐ心配す。

haruru監督「テクテクマミー」・・・一家に一体、ママロボット契約、の未来世界の夢。定番・アルミホイル張りの未来住居。ハイテンポPV調。子役を前に赤いカツラのマミーロボがかわゆい。高岡晃太郎氏扮するパパ、珍しくノーマルに見えた。

谷川監督「爆発」(再見)・・・久しぶりに観た。太陽の塔がゴ0ラのごとく大暴れ、ミニチェア火薬ド派手、自衛隊員もコーフン、いかれてる。カタルシス満点。場内歓声上がる。観て以来<伊0映像>と聞くとまず、これが浮かぶ。いいのか?

万博Z(?)制作「モリゾー(仮)」・・・列車席にあのマスコットが。あれ?なぜか名古屋行きではなく東北方面行き列車で撮っている。割と地味な遊び、の印象。司会が言わなかったら気づかなかったかも?

ごうわく副館長監督「リアルニ0テンドー」・・・ポケットゲーム機の枠だけ作って、子どもとペットの犬でキャラゲームごっこ。逆転発想面白い。そりゃ、生のペットのほうが世話がなまなましくなる。唐突画面切りに効果あり、笑う。

ミナミユー「ヒャクレンジャー」(以前解説。再見)・・・場内大ウケ!やっぱ、卑怯だ。あれみんな一人で着替えて?短いながら手間ヒマかかってそう。

大木奈 翁監督「闘魂巫女こぶしちゃん」・・・いわゆるTVファンタジー風バトル・萌え(というか燃え)少女キャラ主役のアクション・アニメ。しっかりOP・主題歌付き。駆け登り落下し、上下方向の画面アクション、勢いのよさが強み。対戦相手が大工さんする鬼軍団。ちょっと愉快。しかしあれだけやってて無罪。災害基本法立法・適用はないんか?


第二部 <リッチマンムービーズ来襲!>
(そのエンタメ自主映画界<虎の穴>的存在自体が、やはり・・・鬼門だ!)

リッチマン丸山監督「魁!!ボグワーツ」(再見)・・・魔法ファンタジー「ハリー0ッター」が男気溢れる学ラン高校生ガチンコ格闘戦調に変身。(勿論マジレンジャー、ではない。)主役・ライバル・レフェリー先生他、張りがあってポーズもバッチリ。その分余計に台詞がキマりすぎで、場内硬派な爆笑の渦。紅一点・イトカズの格好良さは必見もの。外国人大師匠のたどたどしさ?もポイント大。レベル高い。

イトカズ監督「国民的美少女仮面ミラクルレイ」(R-2以来、再見)・・・かわゆくデートする主役、いざとなるとナイスに変身ヒロイン化。必殺足蹴り、ローヒール攻撃。これは効く。悪漢お気の毒様。あれ、仮面外して見せてる?知らぬは彼氏ばかりなり。こちらも反応良し。

かなちゃん監督「愛する毛(あなた)へ」(R-2以来、再見)・・・ベタな替え歌のおかしさに意外や、反応まばら。R-2では大ウケなのに。唄をとちった所で一番ウケてる・・・。シネ秘の年上猛者観客達は甘くはなかった?こうなりゃ前回2回戦と優勝作のアレとアレ、出したれ!

PM直角監督「植物人間 枝豆マン」(R-2以来、再見)・・・しかしなんてタイトルだ・・・。原付とマントがあればとりあえずはヒーローに。かなり凝った?画面編集処理と博士キャラ、唄と文字オチが結構ウケていた。


第三部 <大バカ作品大集合!>

濱田轟天監督「ビデオレター2」(再見)・・・最近すでに解説済み。前回アウトプッツ解説参照されたし。原典ではいいやつが変更されてる・・・容赦なき仏罰!がポイント。否応なしに又も笑う。当然場内バカウケ。

Z会(?)監修「万博の歩き方」・・・実は前回上映・愛知万博ロケ作品のメーキング映像。ハウツー観光風字幕とナレーションを入れて処理。当然、マ00ガーZが検問所でやりとりし入場、会場内を闊歩している。
一部の年配のお客さんにガ0ダムと間違われてる・・・!名古屋で制作だったらしいからなあ、あれ。でもネクサスの話題は無かった。(当たり前だ!の声)場内、皆で前回ルポを思い出しつつ、大いに笑う。
恒例の<予告編>によれば次回は、某ブラック?マーケットの模様をお送りする、予定です・・・?毎度ながらちと、はらはらさせられつつ楽しみなシリーズ企画。


ここより以下の作品群、非常に公的解説が困難につき、片鱗のみを記す。(そういいながら又文面伸びるくせに!の声)


チーム・ザ・メンゴ制作「クイズバトラーQ」・・・以前観たかもしれない。TVクイズ番組のパロディ、というより激烈ブラックジョーク劇。あまりにもナンセンスな状況下に各人度を越して命がけ、形容不能な程にイカレてる。常人のなせる技ではない。場内かなり大ウケ。
面白いには面白いが出演キャラ達のコワさとどぎつさが・・・。その分ラストシーンが妙にさわやかだった。スタッフロールもありえない人名だらけでそれなりに笑える。


タクラビジョン<Vol.6+アルファ>・・・若干新ネタ追加。「赤たれ」「大きく00よ」「死にません!」「しお0ちゃん」「タ0ーサークル?」などが笑えた。で、次回特集上映は<完全予約制>の予告篇。<まつり>ですごい入りだった為。ここまで成長したんだなあ。感慨。


坂本頼光氏(弁士、兼映像監督)による<子供の為の作品>・・・どこがじゃ!と我々に突っ込ませるべく用意されていた、画面付きの人形劇。どうやら夜の部には映像が間に合った。
番組?タイトルが<まるめこもう>。要するに「まだ愛知万博に行ってない人が行きたくなくなるように説得して、まるめこもう」というばかばかしいお話をしつつ、劇中で氏得意の物真似レパートリー(渋い俳優・男女著名人等。特徴つかんでる)をバンバンやる、というもの。演じてる当人まで呆れて?ちょっと吹いてる。乗りすぎててもう爆笑、空腹絶倒。でもあれだけいろいろ聞かされたら結局行きたくなるんだよね。(助けて!)
演じ方を研究しつつ、意欲的に新ネタと客層をを開拓していってほしい。


シネマ秘宝館、以上。


次回、<伊勢田博覧会2>につづく。


  1. 2005/08/14(日) 02:12:16|
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過去形の襲来

主水日記。


開催1週間前頃までは「ちゃんと盛り上がるのか?」「いまさら博覧会の時代でも・・・?」などと危惧されていた<愛・地球博>だが。どうやら予想以上にかなり繁盛しているようだ。
金曜昼のNHKで生中継もやっている。黄色い遊園地風?衣装のコスモス・杉浦太陽クンがセミレギュラーでよく出ている。
4月以来たびたび、既に行ってきた知人達の話を聞いては、いいなー、ちょっと行きたいなー、とは思う。
(先日の<シネマ秘宝館>でも当然、それにまつわる話が目立った。後述予定)

しかし、今だに小生は・・・
見に行っていない。行けないのだ。日程的に。
ああ、名古屋方面の宿か夜行ハイウエイ・バスが空いていれば・・・!

あいにくと、今は帰省・夏休み旅行のラッシュ時期である。
(小生は実家も親族の墓地も近距離電車で行ける範囲なので、遠方への帰省は生活上必要が無い。)
新幹線はこの時期稼ぎ時で、割引券が無い。昼間の往復でも3万円はかかる。しかもスシ詰め状態。
安い東名高速ハイウエイ・バスは今、渋滞で昼間が5時間、夜間は7時間もかかるのだ。

これでは東京駅周辺で弁当でも食っていたほうが落ち着くし、安い。
休みは諸事を忘れ<休む>ためにある。
3日間の休暇は、遠出をあきらめ、ただ暑さを避けてくつろぐためのみに使った。
ちゃんとした旅はもうしばらく、先になりそうな按配なり。


封切り中の映画さえろくに観ていない。
今週はスピルバーグ監督版「宇宙戦争」一本、という有様である。

SF小説の古典中の古典(H・G・ウェルズ原作)だし、既にロンドン襲撃版のB級作品(あまりいいニュアンスではないのだが、他に呼びようが無い)もある。70年代後半頃までは子供でも少年誌のSF漫画等で、見るからに<軟体動物系>な侵略者集団のイメージは大体、知っていた。

中学時代の友人に、これはシャーロッキアン(シャーロック・ホームズが主役の冒険探偵小説シリーズの研究者達。スター・トレッキアンみたいな感じだろう)向けだ、という文庫本小説を薦められたことがある。
なんと、<宇宙人ロンドン襲来とホームズの活躍は年代的に同一時期だった>という史実(?)を元に、両者が日記式に同時進行する小説だった・・・。題名は忘れたが、今も売っているのだろうか?


で、今回版を観て気になったこと。

1・SF的発想とイメージは概ね従来のまま(マシンや触手なども・・・)で、舞台をボストン近郊にし、科学解説者を排し、「母をたずねて三千里」的設定を入れ、正確な情報の伝わらない一般市民の視点を入れた人心パニック映画にしたこと。

ハリウッドの稼ぎ頭たる<ファミリーピクチャー>狙いなのだろうか。それにしては、人心パニックの描写が結構えぐいし、トム・クルーズパパとティム・ロビンスのシーンが、レイティングぎりぎりのような・・・。

2・美人女優の代わりに、力演子役少女を出したこと。

これ、彼女のプロモーション作品といっていい。怖がり演技の始まるのが割と、早い。これは目立つ。
「ET」のドリュー・バルモアや「ホーム・アローン」のマコーリー・カルキンのその後を考えると、是非、<良いところ>だけを学んでいただきたい。
お父さん達は美女のほうが良かったかも?

3・なぜマシンが地下にあったのかが、よくわからないこと。

人間の肉体的進化を予測して準備し長年待っていた、とかを一言入れれば納得はいくのだが・・・。

4・劇中に日本の地名(や、そのほのめかし)が目立つこと。

日本はハリウッド映画の大いなるお得意様、だからだろうか。あるいはスピルバーグ監督の趣味傾向か。
そういえば、スタッフロールに某有名アニメ番組の名が・・・。どこにその権利を使ったのか?子供部屋の玩具かTVのシーンだろうか。

5・終わりがあっけないこと。

元々がそういう話なのだから、仕様が無い・・・。
あれは余韻のためのクールダウン、なのである。全体が括弧くくりになっているのもそのため。意外性には乏しいだろうが。


以上。




  1. 2005/08/12(金) 21:03:06|
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猛者達の饗宴

主水日記。


「駄目ナリ!」シリーズの話をまだ書いていなかった。

これは以前、下北沢トリウッドで連続ドラマ式に順次公開された「演じ屋」シリーズ(全9話)の俊英、野口照夫監督が制作の<主力会>(学生時代よりの演劇仲間主体、だそうです)よりの出演メンバーズとともに、よみうりテレビ(関西、日テレ系列局)深夜枠の連続ドラマに挑んだものである。脚本も野口監督が兼務。
(したがって本来はTVドラマなのだが、短篇映画館トリウッドで上映されたので、当欄にては劇場公開映画、としてひとまず分類しておく。)

夜間の売り上げが最低の、とあるコンビニチェーン店。
そこに夜な夜な集う店長、店員、お客、探偵、そしてふらっと現れる訪問者達の織り成す、ちょっといい話の数々。

とにかく出演メンバーがすごい。

「演じ屋」からシフトの元バリバリ不良男のコンビニ店長役・笠原紳司(「タイムレンジャー」のタイムファイヤー!)。
「演じ屋」では弟分役、今回は警官役からスタート、他人のプライバシーに口を突っ込みまくるお騒がせ男役・今井孝祐。(既にチームのまとめ役。<うっかり八兵衛>的役柄。時代劇に出してみたい)
破門された元やくざ青年役が「牡丹と薔薇」(!)の白川裕二郎。
すぐくよくよ悩む研修医出身の店員が「マックス」の人、青山草太。(漫画「テニスの王子様」のミュージカルもやっていたそうです)
ひょんな事からこの店に関わり人的交流が始まる女子高生がアイドル路線で売り出し中の杏さゆり。
重城一馬、足立広紀ら「演じ屋」チームもしっかり参加。(オカマバー兼務?の店員とやたら雑学知識に詳しい秀才店員がそうみたいで・・・。)
しかも。
毎回、翌朝の昼番メンバー、渡辺えり子&女性店員約1名が「ゆうべは一体、何があったんだろ?」といぶかるシーンからドラマが始まり、時刻が前夜に戻ってエピソードが語られる形式。
これで、毎回、何も起こらぬはずはないではないか。

店舗立て直し屋社員・津田寛治(ここにも登場!)の二面性ぶりもおもしろいが、アンガールズの金欠兄弟役とわがままボンボンに手を焼く青山店員の回(少しだけ見直したぜ、アンガールズ)、長谷川初範(「ウルトラマン80」主演)の心配性な父親役の回なども泣かせるいい話なり。店員達の似顔絵が出る回のオープニングには笑わされた。

終盤3回で、そこまでかすかにほのめかされて来た伏線をテコに一気に状況は急展開、「演じ屋」と双璧のとんでもないラストへと突入する・・・。
これが又、涙モノの引き締まり方なのだ。
ワル役もワルなりの人間不信をともなった存在感をきっちり示している。

店の外にいてぎくしゃくしている者の来訪に対しては「来る者は拒まず」、けれどもその一方で「外は厳しい。ここにいればとりあえず楽しい。けど、相変わらずずっと、何も変わらない・・・。」と十分に知ってもいる店長達のジレンマにほんのちょっとだけ、共感。
人生の交差点で出会い、それぞれの行く道に次第に気付いてゆく人々。
野口監督、こういう「探偵物語」風な人間くさい話がお好みと見える。やはり、男よのう。

これ、全話DVDセット出てます。
最終日に行ったら舞台挨拶で「トリウッドに置いてあったDVD買うために観た人達が銀行でお金をおろして、戻ってきた」という状況を聞き、仰天。
しかし、後半エピソード群を観ただけでも、確かにそれだけの価値はある面白さなのはよくわかる。ああ、前半も観たい。
最近ちょっと人生に迷ってる人も、是非観るべし!


以上。
  1. 2005/08/10(水) 17:41:07|
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隊員達の記録

閑話休題。
特捜調査員・ジェイ(仮名)の報告。


「ウルトラマンマックス」を放映開始以来、6回観た。

勿論「マジレンジャー」や「仮面ライダー響鬼」も続けて観ているのだが、このところ全米ゴルフや世界水泳中継などが入るため、飛び飛び週の放映になっている。ちょっとくやしい・・・。
「マジレンジャー」は6番目?と思われた白の魔女が前後編2回のみのゲスト出演で初期悪玉幹部1名とともに去り、魔法のランプに入った皮肉屋の猫キャラと「ベルサイユのばら」近衛兵風?イケ面魔法教師・マジシャインが相次いで参入。
おなじみの京都ロケでは異空間でマジピンクがお姫様姿でお城に捕まり、一同が「赤影」衣装で怪人面の忍者団とチャンバラ。とてもわかりやすかった。ピンク姫を縛っていた魔法妨害アイテムがデンデン太鼓なのに笑う。
マジシャイン、鉄道博物館のSLがかなりお好みの様子。空間移動も魔法列車に搭乗。するとあれは車掌さん衣装なのか。

「響鬼」は主役が太鼓修行で赤鬼にパワーアップ、夏に入りいよいよ怪談モード。
<姫>と<童子>の男女妖怪コンビ(毎回やられている)、ほっかむり稲作姿に明治文豪逢引き姿に、と最近目立って凝り始めている。この2人、注目。
戦闘後一時、ヒビキの声が電話越しにヘリウムガス・モードになっていた回があって笑った。
また茶髪のにやけた青年キャラが加わったが、新ライダーだろうか?

「ジャスティライザー」は中断が少ないようだ。先々週頃に前シリーズ「グランセイザー」のセイザータウロン氏も格闘技道場主として久々に再登場、主役青年に武術指導していた。
「セイザーX」なるシリーズ映画版も準備中とかで、こちらは順調なようだ。


で・・・「マックス」なのだが。
早くもある経験法則に気付いた。
毎週、DASHチームレギュラーまたはゲストの誰かが、気絶・失神しているのである。

第1話で戦闘機が落ちて、ミズキ隊員が都合2回気絶。
(カイトもおそらくマックスとの合体時に・・・ただし確証なし)
第2話でエレキングを自室の水槽に飼っていた(!)OL風女性が気絶。
第3話でもミズキ隊員が墜落で気絶。
第4話でスラン星人UFOによる捕獲でカイト気絶。
UFOからの脱出、着地時にミズキ1回気絶。
星人に車両ごと捕まったときにカイトは気絶しているから、おそらく一緒に載っていたミズキも・・・。とするとプラス1回の可能性が高い。
第5話では浮遊する怪獣島にてトレジャーハンター風の2人組(古代学者とハンター)に不意打ちされてカイト気絶、ミズキも負傷。麻酔弾で撃たれたピグモンも気絶。
第6話では3大怪獣に苦戦するマックスが倒れ、カイトもしばらく気絶。(ピグモンとDASHチームのおかげで事件は解決したが、ハンターのみ行方不明に。)

計。ミズキ推定5回、カイト4回、ゲスト女性1回、ピグモン1回。
明らかに多い。ヒロインとヒーローの宿命?


かつてファンの間で<解散MAT、脱出TAC、全滅MAC>などと呼ばれたものだが。
失神DASH・・・と呼んでもいいのだろうか。
そういえば「緊急指令10-4-10-10(テン・フォー・テン・テン)」のある隊員(「帰ってきたウルトラマン」「キカイダーO1」に出演されていた方)も劇中でよく気絶する、といわれていた。詳細は数えていないので不明だが。

次回は一体誰が?放送を待とう。



追伸:
8/13放映の第7話、ゲストの宇宙工作員1名が殉職、目を閉じる。
しかし、これは厳密には<気絶>ではないので、連続記録はここで一度、途切れるのだった・・・。ミズキ隊員涙の力演。

8/20放映の第8話、虫型モンスター襲来。まるっきり「エイリアン」「プレデター」式描写。DASH基地内で体力を吸い取られて次々とダウンする隊員・職員・研究員。相当数気絶者がいる、と見た。あの状況で気力をふりしぼったDASH隊員達は根性がある。
後でウル・フェスにて退治射撃用シリンダーを確認したら名称が「XXXXコロリ」。殺虫剤そのままだった。



[隊員達の記録]の続きを読む
  1. 2005/08/08(月) 14:41:12|
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名悪役の逆襲

主水日記続き。
4&5を一挙に。


山下敦弘監督「リンダ リンダ リンダ」と山口雄大監督「魁!!クロマティ高校」は同じ高校生活?におけるお祭り騒ぎを題材とし、かつ笑いを生むシーンを随所に含む、という共通点をも持ちながら、そのドラマの顔つきも展開も描写もまるっきり正反対に出来ている。
この2本が渋谷の同じ映画館で昼間とレイトショーの組み合わせで公開されている状況は実になんとも、おもしろい。

客層の中心は昼間の「リンダ・・・」が出演しているアイドル女優達や劇中に挿入されるブルーハーツ楽曲のファンとおぼしき10代から30代までの男女、夜の「クロマティ」が原作ギャグ漫画のファン層たるゲラゲラ笑いに来ている20代男女がそれぞれ担っている。
いずれも観客が結構列を成しており、休日の午後としてはかなり入りが良い。
両方をはしごしている小生の様に物好きな人は一体、どのくらい居るのだろうか?


ここはあえて「魁!!クロマティ高校」からいこう。
云わずと知れた「手鼻三吉」や「地獄甲子園」「ババァゾーン(仮)」、「怪奇大家族」シリーズの山口監督である。おもしろくならないわけがない。

ご存知の方も多いと思われるが、題名使用権をめぐるトラブルが勃発し一時は劇場公開が危ぶまれていた。上田馬乃助乱入のごとし。
かつてコメディ・コンビ<とんねるず>のTVバラエティ番組で歌の宣伝を兼ねて<クロマティ侍>なる時代劇コントを自ら演じた人なのに何故・・・?といぶかったものだが。ここはどうやら元プロ野球侍の心意気を見せてくれたようだ。
ともあれ無事公開されて喜ばしい限りなり。
(まさかこれがプロレスラー・橋本真也氏の遺作になろうとは・・・!)

予感したとおり、原作エピソード集(コント集、といっていい)をベースにしたナンセンス剛速球の笑いがこれでもか!とばかりに連投される。そして場内でウケまくっている。

不良高校生の学園娯楽映画としてのキャラクター達のツボはしっかりと押さえられている。どう見ても出演者は皆、20代か30代だが。(予告編の段階ですでに、シネマ愚連隊が浮かんだ。)
生真面目だが努力の方向がどこかずれているライダー龍騎・須賀の新入生(詰襟服が妙に似合う)、コワモテだが案外小心者の金髪ボス番長、仮面潜入ニセ高校生(うっかり者で笑える)、ハッタリズムで墓穴を掘るガオレンジャーレッド・金子昇の転校生、ゴ00やロボットの高校生(HINOKIOかい!)、と力んでるのにどこか脱力系のへんてこりんなキャラ達が次々に現れ、騒動を巻き起こす。
<基準線>は山本浩司の茶髪同級生で、その為かいつもより演技を抑えている。

ホラー映画ネタ(く、くだらねー!)や空手映画のパロ・シーンを「キル・ビル」式に挿入しつつ、宇宙から来た<懐かしの悪役>コンビまでが絡み(よくぞ使用権利OKが出たものよ。声まで同じ)、後半はブレーキ無用のむちゃくちゃな状況に陥る。
まるで「Mr.BOO」シリーズや「みーんなやってるか!」を観るようだ。デタラメ、ばかばかしさゆえの活気がみなぎる。欲を言えばまとまり、収斂にやや欠けるのだが。これは笑わせた方の勝ち、である。

で、結論・・・頭使って観なければ、結構笑える。
でも、カンヌ映画祭はこの映画についてゆけない。多分。



一方の「リンダ リンダ リンダ」には、そんな思いきったド派手な前のめりの活力などは画面自体からは殆ど見受けられない。

題材は地方の高校祭での4人組女子高生バンド演奏をめぐる、きわめてありがちなライブ直前のトラブル。
旧友との相克、欠員募集、部活、貸しスタジオでの練習、模擬売店の手伝い、祭のルポ撮影、夜中の校舎侵入、ほのかな恋愛にライブ遅刻騒動、と、青春シネマの題材としてはきわめてありふれている。女性バンド結成にしても今時そう珍しくはない。
学園祭期間とはいえ、校舎と周辺地域のみのきわめて<普通>の日常としての数日間が、きわめて地味な色彩(特に日陰の教室・備品置き場など)と長回しシーン群の印象とともに、比較的に静かに淡々と描写され続ける。いかにも「リアリズムの宿」の山下監督らしい画面。実際これは、ライブ当日の朝までで話が終わっていても決して不自然ではないような感じさえする、そんな描き方なのだ。相米慎二監督の映画みたいに。
さあ、感動してください、という風には全然、なっていない。

にもかかわらずこの映画、終始すこぶるわくわくさせる。観ていて実におもしろいのだ。
これは一体何故なんだろう?

理由の一つは勿論、ブルーハーツ楽曲の世代を超えた持ちのよさ、普遍性にあるだろう。リズムもテーマも十代にはわかりやすく、のりやすい。つなぎで出てくる歌やにわか演奏も結構良い感じ。

いま一つの理由も明白。
欠員のできたバンドの3人組(ナチュラルな演技にまずまず好感)に誘われて行きがかり上ボーカルになる韓国からの留学生役、ぺ・ドュナの目線や表情、仕草の豊かさ。
片言の言葉しか通じないハンデある役なのがかえって、身振り手振りをまじえた対話シーンではコミカルな演技を目立たせ、当人の存在をより際立たせる。男女の噂話に興味津々なシーンや恋文騒動など笑わせる。じつに楽しそうな対話だ。
しかもどんどん歌が上手くなってゆく。無人の出店前とステージで初めて長台詞になる辺りが静かなるハイライト。
つくづく「ほえる犬は噛まない」を観ておいてよかった、と臨機応変な演じっぷりに感心させられる。

そしてもう一つの理由とは・・・
今云った、相米慎二監督をも想起させうる、一見地味で長回しだらけな画面の並ぶ状況、それこそが正にこの映画をおもしろく見せている、ということ。結果的にこちらでは主人公達の動き、表情をじーっと見つめるしかなくなり、傍観しながらもじわじわと、彼女達との心理的シンクロ効果が増してゆく。
(年齢的に近いのは、あの男性顧問の先生なんだけどね・・・。彼もまた深くは立ち入れないので傍観・アドバイスするしかないのだ。)
一同が一列をなして夜中の道をそろそろと歩いてゆく長回しシーンだけで、なんとなく可笑しい感じがする。
ラストは「今までの自分らしくない終わり方だった」と監督は語っているそうだが、あれがなきゃ観客は消化不良になってしまう。やっぱりあれがいい、と断言する。
山下監督、ついに新たなる地平に達した。今後の動向により注目したい。


いずれか一方しか観て無い人、機会があればもう一方も是非。
観ておいて損はしないから。


6以降は次号予定。
以上。


付記:
渋谷の劇場ロビーに、2体の番長?が。
この2体の一方、同じ原作者のコミック「課長バカ一代」(笑えるよ)にも途中から出てます。ちょっとキャラ違うんだけどね。






  1. 2005/08/06(土) 17:26:49|
  2. 劇場用映画
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断食男の奮闘

主水日記。


真夏だ。暑い。
連日。延々。
所用にて表を出歩くにも気分がすぐれず、あたかもラクダのキャラバンのごとし。
戸外にては知的活動ほぼ不可能。
こんなときにDVDレコーダーが又壊れた。板が詰まって出せない。留守録が出来ない。
今やわが脳髄も蒸発寸前なり。
あまり頭を使わない種類のシネマで、気分をすっきりさせたいものなり。


最近観た中では(やや前に公開終了したものも含めるが)・・・

1・「いらっしゃいませ患者さま」
2・吉川晃司ライブDVD映像上映(ニッポン放送ファンタスティックシアター、7/14)
3・<セルフドキュメンタリーの逆襲>上映イベント(同会場、7/27のみ)
4・「リンダ リンダ リンダ」
5・「魁!!クロマティ高校」
6・「駄目ナリ!」シリーズ(7~12話)

などが、とりあえずは注目に値する上映・公開だろう。


1・「いらっしゃいませ患者さま」

・・・はテアトル池袋での平日公開終了寸前に間に合って、観れた。

同じ監督による「お墓がない!」「OL忠臣蔵」のゆるゆるな不発ぶりが嘘のように、「いらっしゃいませ患者さま」はいかにも松竹<ニュー大船調>寄り映画らしい、のどかな笑いがはじけまくっている。

故・前田陽一監督が会社の要請で撮りそうな?題材と展開だ。観客(中年男女が多い)の反応もかなり良い。
勿論医療関係者から見れば相当、むちゃくちゃでとんでもない<思いつき>だらけの<寓話>に違いないのだが。狙った笑いが概ね当たってるのは誰しもが認めるしかあるまい・・・。ちょっと複雑な気分。

期待した大友康平の風俗ショー演出家、入院中シーンでは案外おとなしく、ショーの司会シーンでははつらつとする。
渡辺篤郎の院長をサポートする原沙知絵のナースが目立っていい位置を占めている。さすらいドクター・松重豊の「日本酒かよ!」には大笑い。
藤岡弘の組長などもう、貫禄ものである。「ヤマトタケル」のクマソ役では身軽な分ボスとしての重みが・・・との不満があったが、今回はドンピシャ。
「釣りバカ日誌」で笑える人向きなり。


2・吉川晃司DVD新作PRイベント

・・・はなんと、「漂流街」「天国から来た男たち」で吉川晃司と組んだ三池祟史監督が担当のDVD映像。
「映画秘宝」関係者による解説&トーク付き。

よく見ると武道館のライブシーン上空にあるはずの無いUFOが飛行してたり、合成の雨降りがあったりとさりげなく凝っているのがちょっと面白い。1000円で十分、元は取れる。

しかしまあ「すかんぴんウォーク」以来ずっと、よくあれだけ素早く動ける男だ、吉川は。大したものなり。「戦国自衛隊」に出ても十分いけそう。(侍姿で足軽?やでかいカマキリやギャング団と戦ってるよ、過去映像で。)デビュー前に水球をやっていた賜物だろう。
ロール・プレイングみたいな「シャタラー」は実質<主役>じゃなかったし、セルジオ・レオーネ監督との食い合わせが悪かった。三船敏郎まで呼びながら・・・冴えが無かった。
それから十数年後、「漂流街」悪役で映画復帰、その<日活スター>的立ち姿のハマり具合を経て、「天国から来た男たち」の海外で騒動に巻き込まれるビジネスマン役でようやく、主役としてハードなアクション冒険劇の真髄を見せつける。

なぜ十数年間大きな映画出演が来なかったのか、実に不思議。あれだけ動けるのに勿体無い。これだけ立ち姿がキマッていて動ける人ならばもっと、アクション映画や時代劇方面で出してほしいものなり。映画デビューで売れた<最後のスター歌手>でもあるし。

なお、上映終了時の<ご予約ご連絡先>お知らせは、スクリーン上映では要らない気がする。ファンの女性客達が吹き出していた。でもこの人々は多分買うだろうな。DVD。
この席で、三池&吉川コンビのメッセージVTRも上映前に流された。また、三池監督が「ウルトラマン」(おそらくマックス)も撮影している旨のトーク内PRもあった。益々旺盛なり、三池!


3・<セルフドキュメンタリーの逆襲>

・・・は4本の自主短篇上映とトーク。
ファンタスティックシアターにしては珍しく、8ミリ映写機が搬入されていた。

これは井口昇監督「わびしゃび」(1988年、36分)が8ミリ映画のため特別措置なり。

若き日の井口青年本人(貴重!)が出演。自室や屋外で延々、ひとりごと調でぶつぶつつぶやくように自らの想い、心情を語る。
前半は本人の姿出しもわずかなので観ていて何とももどかしく、ややしんどい。
やがて彼は高校部活祭の後輩女子に告白のため、キャメラを持ったまま路上を学校へと突進。ここからようやく画面に動きと前のめりの勢いが派生。こちらもはらはらさせられる。
当該女子との二度にわたる長いやりとり、演出指示の模様を「ちゃんと写っているのか?」と気にかけつつもそのまま撮影続行してゆく。頻繁に机をかきわけつつ黒板とキャメラの間を往復する井口青年自体が<前のめり>の塊、なのだった。
一途な突進は、若き日のみに可能な花火、なのだろうか?
そんな疑問を持つ人は園子温監督「夢の中へ」や松田彰監督「餓鬼の季節」などを併せて観ればいい。人によっては結構ずっと、そんな前のめりの塊であり続けているものなのだ・・・。


カンパニー松尾・バクシーシ山下監督<text:庵野秀明「エヴァンゲリオン」>(1998年、10分)はドキュメンタリーというよりは、民放TV的どっきりカメラの類に属する軽い笑いの短篇。

ご存知庵野監督をテレクラらしき部屋に連れて行って、電話応対の様子を撮って見よう、というだけのばかばかしいおふざけVTR。
部屋掃除や本の虫干し、アニメ製作・展開のシビアな話など、かなり生活者じみた<会話進行>に場内の皆、微苦笑させられる。
まあ面白いんだけどこういうの、生真面目なマスコミ批判者ほどアレルギー起こすんだろうなあ・・・と一抹の不安も。


松江哲明監督「カレーライスの女たち」(2003年、30分)は以前、どこか別所にて拝見している気がする。PFF関連だろうか。

監督の知人女性(ピンク女優、旧知の友人女性など)各人とカレーを材料調達、料理、試食、家に泊まって明け方残りを朝食で味わう、というルポもの。当時同居中?の女性にも同様のカレー料理を要望。
結果、明け方食べると一層おいしくなるらしい、と判明。
各人、部屋の様子とか選ぶカレーの種類で違いが出ていて、それなりに興味深い。
辛口カレー夕食のときは本当に辛そうだ。
しかしこれ、ほんとにこの場で公開上映しちゃっていいの・・・?雑誌に題名・監督名を乗せて公開してる、って事はいいんだろうけれど。(そうでなかったらここにも書いてはいないだろう。)


ラスト、堀内ヒロシ・田所永次監督「断食日記」(2005年、10分)はAVの男性AD氏が動機自体がよくわからない断食を12月、石垣島のキャンプ場で14日間やって(キリがいいらしい)、彼にカメラを持たせた監督がその記録を素材として編集した、というだけの断食ルポVTR。

このAD氏がもともと割合にやせていて、ダイエットが目的とはとても思えないのだ。何か気分をすっきりさせたい、らしいのだが。監督や本人すらどうもよくわかっていない?様子。
で、とにかく本人一人で島へ渡り、海岸のテントで沖縄のラジオ放送を聴きつつ断食キャンプを始めた。
冬なのでやや肌寒い(そりゃいくら亜熱帯でもなあ、の声)、便通がよくなった、近くの海岸で蛇味線してる、などの状況を撮影、メモ帳に見出しを書いては生態日記帳式に見せてゆくのだが。
途中季節はずれの台風が襲来、テントばたばた。
観たところではある意味普通のダイエットよりかなり、しんどい。よくまあ14日間ももったものだ。
ともあれ無事に戻ったことは喜ぶべきだろう。

上映後のトークでは本人は御親族から<旅費>として30万円ほど借りて出かけた、などと明かされていたが。いったいあの貧相な風景のみの画面と編集のどこに、そんな製作費がかかったのだろうか・・・?あまりにも贅沢すぎる断食なのだった。


1・2・3については以上。
4・5・6は後日。
[断食男の奮闘]の続きを読む
  1. 2005/08/02(火) 00:15:47|
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