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シネマ旅の途上にて

自主映画ウォッチャー、アWorkerのブログ。

もしも映画に自らの分身を見たら

主水日記。


<New cinema dog>30周年記念制作作品、
吉本昌弘監督・「フロント☆ボード」。


今回は、先に脚本を、ひと通り読ませていただいた上で、
納得して、現場で<悪役>の一人を演じ、
その後、編集により、組み上がった映画を、
大写しのスクリーンで観る、という、
いつもとは違った形での、いわば工程順での、関わり方になった。

よって、脚本上で想定された、各シーンが、
どんな絵に、仕上がるのか?
というところに、まず、関心が行くのだった。
こういう観方をする機会は、
小生の場合、きわめて、珍しい事なのだ。

したがって、今回は異例ながら、
一出演者が、完成作品の全体を、観客とともに初体験する、
という視点から、語ることになる・・・。


いってみれば、
連続刑事&ヒーロードラマの、
第1話と、第2話までを、一気に、
という感じの、大胆な脚本・構成。
その構成を、たたき台にして、
映画は、制作されていった・・・。


さて、完成作品、
客席の反応は、どうだったのだろう・・・?

それはあくまでも、観客が、決めることではあるが。
その場で、一緒に、観た限りでは・・・

始まりのパートから、
相当、反応が良かった?模様の、
翠嬢や、周兵衛氏や、千葉氏や、
恥ずかしながら小生らの、登場シーン。

(いやあ~、ほっとしたね~、の声)

結構画面に合っていた、ナレーション。
一部字幕台詞の変更も、面白い。

で、いいところでだけ、さっ、と出てくる、
謎の人物?の、
予期した以上の、カッコよさ。

中盤以降は、
女性刑事達も、なかなかユーモラスだが、
エリート?男性刑事役の勢いに、ともかくも、引きずられる。
岩瀬氏の登場シーンが、
すごい反応だった、模様・・・なり。

とだけ、今は控えめに、申し上げておくことにしよう。


何しろ、観終わったばかりの、小生にしてからが、
この時点でまだ、興奮から覚めやらぬ、有り様だったのだ・・・。


やがて映画が終わり、場内に拍手。
その次は、映画公開時には恒例の、舞台挨拶。

これが何と、生まれて初めての経験で。
他の度胸ある(?)皆さんのやり方を見ながら、待っていたのだが。

自分の番になると、
もう、あがりまくっていて、しどろもどろ。
とにかく、限られた時間で精一杯、
思いのたけを、述べたのだった・・・。


「こんばんわ。いつもは、観客です・・・」
「この役やって、もし反応が悪かったら、
 ブログを一時、休載するつもりでした・・・」
「今日は出演者、明日は観客、アWorker.でした!」
等々、言ったのは覚えている。
もう、ひやひやものだった・・・。


なお、この場においては、引き続き、
監督の誕生祝&<New cinema dog>30周年祝のセレモニーも、
併せて執り行なわれ、
場内は和気あいあいとした、雰囲気に包まれていた。

後で皆に聞くと、「挨拶、大受けだったよ~!」だそうで、
ひとまず、ほっとして、かつ喜んでいるのだった。


その後、皆との打ち上げ会。
いやあ~、みんなで、ついに、やったな~!
という気分充満で、大いに盛り上がり、談笑す。
その夜の、ビールと鶏肉は、
実に、格別のうまさであった・・・!


やっぱり、出て、よかったな。
赤いベレー帽姿とともに、覚えておく事にしよう・・・と。



以上。



  1. 2010/12/15(水) 02:18:30|
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もしもど派手に目立ったら

主水日記。


12月12日・日曜。


年賀状の執筆、おおむね、順調なり。

午後、新宿経由で、西武鉄道へ 。


午後4時半、野方駅前。

本日は、ついに、とうとうやってきた、
できたてほやほや、「フロント☆ボード」の、御披露目上映会。
既にわくわく、どきどき、なり。

まず、駅前で監督と待ち合わせ、
近くのファミレスにでも入って、
皆で、進行等の相談を・・・
と、なるはずだったのだが。

ロケ参加チーム一同は、駅に笑顔で、次々と参集するも、
かんじんの監督が、来ていない。
これは、もしや・・・と案じていたら、K・M氏(仮称)より、
「まだ、3分の1位、編集しているらしい・・・」との一言。
5時まで待つべし、との連絡あり。
6時半の客入れタイムが、迫っていた。

で、とりあえずは皆で、
ファミレスで軽く飲食しつつ、待っていた・・・。



今思えば、先月28日に、
まる半日参加した、あの撮影現場でも、
既にかなり押せ押せの、様子だったっけな・・・と。

あのときは、とある工場に案内されて、
皆と昼食を共にすることから、ロケが始まった。
既に出番を、撮り終わっていた人々も、
一部、様子を見に来ていた。

衣装合わせの段階で、その場にいた皆から、
「あ、似合う、似合う!」の連呼、
写メール撮影会になった。
その姿で、テンジョンが大分上がったまま、
いきなり、役に入っていった。

演出時の指示は、概ね、わかりやすかったので、
昼間の各シーン進行は、案外、早かった。
10回位、同じ階段を登って、
それらしい芝居を、いろいろと行ない、
いろんな角度から、撮っていた。

他の人たちのシーンも、ほぼ同様で、
小生も、出番以外の時間には、
舞台演劇さながらの、皆のド迫力演技シーンを、
目前で、何回も繰り返し、眺めていた記憶がある。
みんな、さすがに、よくやっているものだ・・・。

夕方、一部別撮り音声の、マイク録音も行なった。
ロケ地外部の車の音などが、入りやすい部分の音声を、別撮りしていた。
これがなかなかに、力が入る。
ナレーションの録音も、同様の機材で、行なっていた。

現場は夜に入ってからも、大変な熱気であった。
出演者たちのキャラ立ちと、持久力は、
実際、相当なものだった。
観客として映画を観ている時間とは、まったく違った雰囲気の、
濃密な時間の流れが、現場には、確かにあった・・・。

そうやって待つ内に、
肉体疲労等から、若干の仮眠を取った後、
当日の最後に回してあった、
トリック仕込みシーンの、撮影に呼ばれて、
予行で5回位、力演し、
本番は結果的に、2テイクした。

2回目のテイクで、キャメラを覗いていた人々から、拍手が起きていた。
あ、多分、このシーンは大丈夫だな、と直感した・・・。
少なくとも、今日撮っていた、各シーンに関しては、
かなり面白い映り方に、なっていそうだな・・・と。


と、そんな撮影現場の状況を、
あれこれと思い出しながら、待っていた。



やがて、午後5時頃に、
監督が、編集済みのソフトを持参して、
無事、到着。
まずは、ほっ、と胸をなでおろす、一同であった。

勿論こういうケースは、決して初めてではなく。
自主制作映画イベントの世界では、
しばしば、起きる事なのだ。

夜通し、今朝まで新作を編集していた、
なんていう例は、結構ある。
他の短篇が上映中に、自分の作品の時間直前まで、
会場内で、PC編集をしていた監督(別の人)を、見かけた事もある。

これらを称して、一部関係者には、
<チキンレース>と、呼ばれている・・・。

ともあれ、今回は間に合って、本当によかった。
そして今夜の、役者は揃った・・・。

さあ、前へ、進めだ!
食事がすんだら、皆と順次、
会場へ、行こう!


簡単な楽屋打ち合わせの後、
6時半より、客入れ開始。
予想通りというか、大半が、
各所の自主映画関係者と、その知人関連であった。

7時前までに、約40人が、着席。
その後も、だんだんに、入ってくる。

場内アナウンス・星野佳世女史。
この映画のナレーターも、担当している。

今回は出演者なので、衣装を着て、
いつもよりも前のほうに、着席す。
ロケの時とは、若干違うのだが、
この衣装姿が、
不思議と、ロビーで評判がいいのだ・・・。


7時過ぎより、出演者・岩瀬氏の司会で、上映イベント開始 。

まず、入場料から集まった100円玉、
7500円分(つまり、来場者75人分!)を賭けて、
盛り上げの、場内じゃんけん大会が、始まった。
ジャンケン・ガールは、出演女優・翠さん。

ここでは、激戦の末、
「勝ちに行きます!」宣言した、
当会場常連・<はなぴく>氏が、
見事、優勝。
(おめでとう~!の声)


そして、いよいよ、
DV映画「フロント☆ボード」の上映が、始まった・・・。


つづく。 [もしもど派手に目立ったら]の続きを読む
  1. 2010/12/14(火) 09:22:32|
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もしもその少女に聖なる秘密があったら

はぐれ仕事人・弐の、日記。


12月11日・土曜、午後3時前。

新宿・ロフトプラスワン。
諸事片付けて、やや遅れて入場。
1200円+飲食代。

イベントは・・・
<伊勢田大博覧会5>。


映像温泉芸社・常連メンバーズ、多数集合。

入りは前回の7割がけ位、
もう少し宣伝が必要かも、と。
もっとも、こんなにスペシャルで、愉快なこの会合、
実は他人には秘しておきたい、という矛盾した気持ちも、
ちょっとあるのだが・・・。
う~ん、どうしたもんだろうか?

新作3本(アニメ2本と実写1本)&秘蔵映像、
ゲスト・竹熊健太郎氏によるトークあり。
例によって、上映作品のヒロイン(!)が登場、
おみやげ抽選会も、あり。

以下、作品解説。
(注:最初の一本「タートルローレライ」上映に遅れたので、
  そちらは物販で購入したDVDを、帰宅後に再度鑑賞した。)


「タートルローレライ」:アニメ

少女漫画TVアニメ風味、3話構成。

放送部とコーラス部の、部活動チームの活動で始まるのだが。
ぐるぐる廻って、歌いまくる、
女子高生同士の、華麗なる歌姫2人、
オン・ステージで歌合戦がメイン、と思いきや。

理科の先生や、弓弾くコンクール妨害者もからんで、
後半はとんでもなく、壮大なる?レジェンド展開に。
なんで、そうなるの~!?

あれよあれよで、ぎゃふんといわせ、唐突に終わらせる、
その力技には、もう、脱帽!


「聖ジェルノン・少林テイパー」:実写DV作品

神戸のとある大学構内で、
設定を変えながら、毎年制作されている、
特撮系ヒーロー・シリーズ、はや20周年。

男2人にヒロイン1人の、カンフー修業風行脚もの。
今回の敵は、人類を眠らせて世界征服する、邪眠党?とかで。
主人公が眠っている間に、身体からヒーローが分離して、
敵組織と戦う、という、「ザ・カゲスター」みたいな発想が、
ユーモラスで、楽しい。

伊勢田監督がいる限り、
この世に<聖ジェルノン>の終わりは、無い・・・!?  

 

「巫女(みこ)なで声」:アニメ

こちらも、TV方式・3話構成。

祖父の本家がお寺?なのに、
主人公少女は、なぜか、巫女。

彼女が惚れあった相手は、心やさしき、
愛の伝道師的な、吟遊詩人ギター・フォーク?歌手。
だが、彼が興行に協力している、大ヒット中のバンドは、
まるで正反対の、悪魔系デスメタル・ロックバンド・・・。

・・・と聞けば、
例のアノ漫画と映画化が、浮かぶだろうが。
その先が、まるで違っていて・・・!

強引なる展開に、
そっちかい!と、絶句。
茫然、爆笑、となる。
油断ならない。
また、見事にやられたな~。


上映終了後、約半数の人々と、某所カラオケへ移動。
伊勢田監督メインの、予約制・豪華ディナーショウ、開始。

某アニメ・ヒロインや、有名歌手(?!)も、
特別に来場、生ライブ敢行。

得意の途中転調技も、健在。
ムード歌謡の画面を見ながら、なぜ、
「マクロス」の歌が、可能なのか?
まるで違う、歌詞なのに・・・!

他の選曲も、
「仮面ライダーアマゾン」、「アイアンキング」、
「ファイヤーマン」、「ウルトラマンレオ」など、
70年代TVアニメ・特撮ファンの、ツボを押さえたものばかり。
「ゲッターロボ」合唱には、燃えたぜ!!
参加者の中にも、男女デュエットで盛り上がった!コンビが。

ほんと、3500円で、このムードとボリューム、
小生らには十二分に、贅沢な、ディナーショウだった・・・。

上映時間が早かったこともあり、
午後9時前頃には、全コース、終了。

・・・さて、明日の更なるミッションに備えて、
一度帰って、寝ておくとしよう・・・と。




12月12日・日曜分に、つづく。




  1. 2010/12/13(月) 20:02:50|
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もしも自動機械に中の人がいたら

政の、日記。


12月12日・日曜、午後2時過ぎ。
なかのZERO・小ホール。

自主映画上映会の、<なかのムービーラプソディー>も、第5回になった。
やや遅れて、入場。500円。


「タイムショック!関根先生」:高岡晃太郎監督(再見・シネマボカン以来?)

・・・は、異色のタイムスリップSFもの。
主役・池田鉄洋氏の、独断場。
繰り返しギャグに、否応なしで、
もう、ゲラゲラ。
主役兄弟コンビVSライバル不良男、
全篇、オーバーアクト。
完全形容不能?な弾けっぷりを、堪能できる。


「自転車とラジオ」:オー・ナサポン監督(初見)

・・・は、タイの田舎らしき、仏像の多い風景のもと、
深夜放送DJと、
それぞれの親と会話に悩む、リスナー男女の、
半ば親友めいた、心の交流を描いた、佳作。

雨のシ-ン、叙情的。
全篇が、タイの映画にも関わらず、
どこか昭和受験世代の、深夜放送リスナー連帯の香りがする、
素直に心温まる、ちょっといい話。
(インターネットが無いからな、昔は・・・の声)


「激闘口腔戦士ぺリオ」:KANZ監督(再見・シネマ秘宝館以来)

・・・は、ファンタジック・ヒーローアニメ式で、1分X全4話。
歯科医の専門分野を、細かく解説。
ちょっとわかりにくい言語もあるが、
ザ・マンザイ!と思えば、キャラ達のドタバタ、大いに笑える。


「あいかた ~素人芸人伝説~」:ミナミ・ユー監督(再見)

・・・やっぱり、観るもんじゃねえな、楽屋裏のケンカは・・・。
バラエティー字幕と、コントそのものの演じ方とで、
コメディーめいているから、あちこち笑えるけど、ね。

コンテストの裏話、リアルすぎだぜ。フッ。
監督自身が演じる、コンビの相方が、一番わやくちゃや・・・。
くれぐれも、観客の存在を、お忘れなく。


「切符師 ~SEPPUSHI~」:高島義明監督(初見)

毎日通る、私鉄の駅の、自動改札機。
もしもその中に、われわれの知らない、
誰かが、交代で入っていて、
手作業で切符をさばく仕事を、していたとしたら・・・?
彼の家族は、それを、知っている・・・。

という、不思議な設定のお話。

ちょっとありえない?寓話ながらも、
職人かたぎの意地と、IC自動化傾向との対峙、
派遣業的訓練所の同僚たち、
辞職・転職・転勤話、
故障時の対応、プロ・テクニック伝説、
家族たる妻子との対話、等々、
なかなか、ハートフルな社会人ドラマになっていて、いい。

もしかして、まだ、そこの改札内や、自販機の中にも、
一人、いるんじゃ?
などと一瞬、思ってしまいそうに、なるのだった。


例によって、近所で吞み会して、帰る。

さて、次の土日の、あのイベントに備えて、
平日も、年末の諸事をしっかりと、片付けてゆくとしよう・・・。


以上。
  1. 2010/12/07(火) 21:01:33|
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秋の空には凝り性女・・・

主水日記。



11月21日・日曜。
非番の日。


朝8時半過ぎより、出発。
京王線・聖蹟桜ヶ丘駅に着くなり、
向かいの建物内へ、ダッシュ。
8F・ヴィータホールへ、上がる。


10時半より、<TAMA NEW WAVE>開催。
計6本の、自主映画新作を、コンクール上映。
各回、上映前に、監督・出演者の舞台挨拶あり。

登録された審査員ではなくても、 場内ロビーでは、
ベスト男優賞・ベスト女優賞の投票が、可能。
用紙に記名されている、男女候補者より、
各2名を選出、丸印を付ける方式なり。


以下、6作品紹介。



「焦げ女、嗤う」:瀬川浩志監督

昨年の今泉監督「最低」、その続編?かと見まがう作品。
またも出ました、若き男と女の・・・
どうしようもないもんだ!すったもんだ!映画が。

前半が、あちらよりは大分明るくソフトな、コメディーの印象だが。
後半は、悪夢の偶然と、思いこみ人間達の爆走で、
もう、ギッタギタ。

浮気に、妹?の嘘に、
ストーキングに、写メールに、一服調達に・・・!
ああ、だめだろ~、それ言っちゃあかん!
それ送っちゃあかん!
ああ~、やってもうた~。やめときゃいいのに。
全篇、これの連続、団子状。
その都度、苦笑。

よくもまあ、こいつらは、そこまでやるわ。
あんな後で、よくまあ、仲直りができるもんだな・・・と。
ほんと、懲りないねえ。みんな。
あんたら、ええかげんに、しろばんば~!

ヒロインの一人が、京都弁。
早口でしゃべっても、どこかおっとり、ゆったりな感じが残るのが、いい。
ま、劇中では男に山へ置いてかれて、
山の幽霊(ゾンビ?)に、あわれに思われて、
「あんたらにいわれたくね~!」と怒ってる役どころ、なんだけどね。

でもあの幽霊たち、なんで後半、出てこないの?
ドラマが彼ら抜きで、展開できるようなっちゃったから・・・かな。
象徴的存在として今一度、出してほしかった。




「ノラ」:大庭功睦(おおにわ・のりちか)監督

染谷将大・主演。


山の県道、足を引きずって逃走中?の、
わけあり風、家出少年登場。
いきなり、軽トラックにぶつかり、気絶。

幸い、軽傷。
運転していた、元不良風?長髪アロハ叔父さんに助けられ、
ちょいと余計な口数の多い?後輩中年男の、食堂経由で、
叔父さんと、小学生位の娘の住む、マイホームへ。
夜も歩いて海辺へ行ける、静かな田舎町。

そこで泊まっている間、
庭にある小舟の修理を、手伝うことになるのだが・・・。
この少年、ある理由から、
大きめのナイフを、持っていた・・・。

詳しくは語らないが、多分若いころ、不良やってたんだろうなあ、
という感じの、長髪叔父さんが、
少年の秘めた、不幸への怒りに対し、
きちっと、言うべき事を言うシーンが、いい。

終始にこりともしない、連れ子少女が、
船出の前に一度だけ、楽しそうにしているシーンが、心にくい。
どんな名優も、泣く子と地頭には、勝てん・・・。

少年は終盤で、
恨み重なる人物(諏訪太朗)と、ついに対面するのだが、
このときの、迫真の言い合いで、出した結論が、
痛い、けど、潔い・・・。

男達、涙ものの青春映画。


駅名等は不明だが、明らかに、JR内房線沿線ロケ。
ちょっと親しみが、わいた。


なお、少年役の主演俳優、
場内投票により、ベスト男優賞を受賞。 



「人の善意を骨の髄まで吸い尽くす女」:加藤行宏監督

山田真歩・主演。

上映前トークによると、なぜか出演者全員、本名の役。

まあ、おっしゃる通り確かに、役名を覚えなくてすむのだろうが。
みんなこういう役回りで、実名役で出て、不満はないのだろうか?
と、いささか心配になってしまう、内容だった。
観ているこちらは、ゲラゲラ!の面白さ、なんだけれど、ね。


ようするに、初のネットドラマを監督する、
女優・山田真歩の行状が、
周囲の者たちにとって、いかに身勝手でひどい、気分が引くものなのかを、
事例を挙げまくって、片っ端からお見せしときやしょう、という、
すったもんだの、実録風?劇映画。

最初のほうこそ、撮影チームをめぐる、
のどかな?トラブルの数々により、
コメディ調の笑いが、どっと弾けるのだが。

段取りの悪さに、映画撮影への無知、
猛烈なるマイペース、
さらには、主人がいながら、
あまりにもだらしのない、男達への扱いぶりに、
周囲の者達は、次第に、付き合いきれなくなってくる。

とある人物がついに、ブチキレ、暴れるあたりは、
正直、ぞっとさせられる。
現場関係で、人間関係がこじれるシーンなど、
よく聞かれる話とはいえ、見るだに恐ろしい。

身近に、こんなにわがままで、
周囲の人々を散々振り回して、迷惑をかけるような人物がいたら、
そりゃ、誰だって呆れかえり、
次第に関わることを、いやがることだろう・・・。
願い下げだ。

主人公の旦那の、同居友人が、夢に出てくるシーンは、
笑うと同時に、こりゃあ悪夢だな、との感を強くした。
(ゲームやりすぎだな~、時々休めよ~!・・・の声)

終盤、主人公の生い立ちと、
撮影後の彼女の、行動展開が描かれるに至り、
ようやく、やれやれ、終わり良ければ、という気持ちにさせられる。
題材にされるほうは、たまったものではないだろうが・・・ね?


大変面白い、ブラック・コメディーである事を、十分に認めつつも、
これって、観ているうちが、花かも・・・との認識を、
より一層、強固に、意識させられたのも、事実だった。



「溺溺」:布施直輔監督


今村昌平路線、とでもいうべき、肉感的エロ入り悲喜劇 。

主役青年が、バイト学生時代、
教室で出会って、触れ合って、一緒に寝ちゃった、
もちゃっとした感じの、ゆっくりしゃべる、
やたらと陽気な、女子大生。
(しずちゃんみたいな、感じの娘だな・・・?の声)

実家の店直伝の、すっぽん鍋で、
怪我をしていた彼を元気付けた、結構いいやつ。
別口の恋人がありながら、彼はひそかに彼女と、つきあってしまう・・・。
(ま、またそれかよ~!の声)


時は流れ、
別な街の会社員として、恋人と結婚し、
営業バリバリのビジネスマンとなっていた、彼のもとに、
突然、あの頃のあの女性から、
すっぽんの贈り物が届き、
やがて、ひょんなところから、当人も現れる。

焦る青年に、彼女は、
「父親の眼鏡にかなった男性を、探しに来た」と告げる。

相変わらず陽気で、エロティックでもある、
彼女のフリーな言動に、はらはらさせられながらも、対応してゆく青年。
やがて、すべては丸く、収まったかに見えたのだが・・・。

まさか、贈り物のエキスで、
あんなことになろうとは、
誰が、想像できただろうか・・・?

終盤、画面が急激にファンタジー・ワールド化、
海辺のシーン、あっけにとられて、ぽか~ん!な感じになった。
いったい、どうなっちゃってるんだ?の世界。
そここそが、最大の見どころ。
やられた~。

女優の豊かな存在感に、引っ張られた、その果てに来る、
フィルム映画ならではの、大いなる飛躍に、
乾杯!なり。
こういうの、結構好き、なり。



「輝け、背骨」:矢作康在(やさく・やすひさ)監督


津川苑葉、主演デビュー作。

地味に静かな行動をしていた、団地住まいの女子高生が、
葬式マニア、喪服フェチと化してゆく、
それこそ昼下がりの、団地のごとくにのんきな、ブラックコメディー。

とにかく、主役ヒロインの、魅力に尽きる。
洞口依子・三輪ひとみあたりを想起させる、表情の魅力。
教室の後ろで一人、想像にふけっていたり、
ごまかしのいいわけを言いながら、戸惑ったりしてる時など、面白い。

いつも何かに怯えている、人形マニアの長髪青年、
声をかけてきて「君、素質あるね」と評する、
香典泥棒みたいな事をのたまう、団地の中年住人など、
ドラマ上の立ち位置が、よくわからない?人々や、
故人の写真の前で悶える、未亡人らしき女性、
主人公の言動に呆れる、女性教師らも、登場するが。
全体としては、主役のユーモラスな魅力の、一人勝ち状態であった。


特別賞、受賞。
主演女優、場内投票により、
ベスト女優賞を、受賞。
文句なし。



「未来の記憶」:岸建太朗監督


上映前の、監督挨拶によれば、
日本人にとっての<自由>とは何か?という事を、
考えながら作った映画、との事。

その内容は・・・

フリースクールを、これから始めようと、
わけあり物件らしき、田舎の家屋を改装準備中の、若い男女ペア。
その2人の意識の中に、突如、
この家屋自体に残っている、過去ないしは近未来の、<記憶>らしきものが、
映像と音声の洪水と化して、どっと流入してくる・・・。

その記憶の中には、踏切事故で死んだらしい、
フリースクール常連の男子中学生と、その父親、
スクールの壮年女性教師らの、
哀しい事件の記憶が、混じっていた・・・。
という、奇妙なお話。

映画の後半部に充満している、このエピソードが、
あまりにも重く暗い、悲劇であるため、
観ながら気分が、どんよりしてしまう・・・。
  
走っている自動車の、運転席の風景から、
父親の嗚咽が聴こえるあたりは、
とても長く、感じられた。

別なコンクールで初上映したときに、監督は、
よくわからない、との声を、多く聞いたそうだが。
それは、まあ、わからぬでもない。

時系列があまりにも頻繁に、
現在=過去=未来と、前後する構成だからである。
観ているうちに、徐々に、慣れてはきたが。

とにかく、流れの速い、川の急流を、上り下りしているような印象。
朗読・ナレーション式の音声が、ふんだんに使用されている。
が、ふんだんに過ぎ、
登場人物達が、情動に流され過ぎている感も、ややあった。

大変ボリュームたっぷりな、力作であり、
そのエネルギッシュな、画面の流れは、素晴らしいのだが、
随所シーンで、ムラも多く、
もう少し、各シーンを短く、刈りそろえるべきではないのか?との印象も。
中盤以降、小生はやや、お腹いっぱい状態であった・・・。


その重量級の、ボリュームと勢いゆえだろうか、
堂々の、グランプリを受賞。


作品評・表彰式・記念写真撮影等の後、
打ち上げ会、3000円。

観客冥利に尽きる、賑やかなる、盛会。
終電連絡時間がある為、22時半、引き揚げ。

作品的にも収穫が多かったので、
きわめて陽気に、帰路につくのだった。




以上。
  1. 2010/11/22(月) 22:15:30|
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